当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載9
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載9
経腸栄養(PEGやNGから投与する栄養)/PEG増設時のパス
☆経腸栄養(PEGやNGから投与する栄養)
・基本
CZ-hi(300ml/300kcal/水240ml) 1日3本
白湯50-50-50ml
塩1-1-1g
cf)簡便に以下の①か②で様子見てもよい(PEG/レビン)。
①メイバランス1.5(200ml/300kcal/水150ml)+白湯200ml 1日3回(療養病院での注入は白湯は1回150mlでもよいし、心不全ある場合は1回の白湯を50-100mlほど、ただし水分が少ないと便秘になることあり注意)
②ハイネゼリーアクア(250g/200kcal/水200ml)4P(1P-2P-1P/2P-2P)
・ラコール(200ml/200kcal/水170ml) 1日1本-2本-1本
白湯200-50-200ml 塩1-1-1g・MA-R2.0(200ml/400kcal/水140ml) 1日2本
白湯200-400-200ml
塩2-2-2g・PGソフト(200g/300kcal/水130ml) 1日3本
白湯(とろみ)200-200-200ml
cf)PGソフトは胃管からの投与は粘度が高く難しい。
・ハイネゼリーアクア(250g/200kcal/水200ml) 1日6本(白湯なし)
・アクトエールアクア(400g/300kcal/水328ml)1日3本もしくは300-300-400kcal(白湯なし)
注)逆流が多い場合。ハイネゼリーアクアよりアクトエールアクアの方がさらに粘度が高い。どうしても逆流する場合は腸瘻という方法もある。
・GFO CZ-hiまでは始められない時、とりあえず腸管を動かす目的
GFO100mlを1日3回
毎食、白湯50mlを流す
・状態悪いとき
CZ-hi 朝1本
白湯200ml1日3回
・腎不全時はCZ-hiの代わりにリーナレン
・肝不全はCZ-hiの代わりにアミノレバン
・片麻痺でも嚥下はOKである。無理そうならNGを留置しながらペースト食(パターンを嚥下食Cにして、主食と副食をペーストにする)などを食べてもらい、嚥下できそうならNGを抜去する。
・メイバランス1日3本追加
食思不振あるとき
・PEGやNG希望しない高齢者の場合、食事困難時はエンジョイゼリー2~3個+バランスゼリー1個を1日3回でも良い。
cf)胃瘻時の嘔吐、下痢、便秘について
・嘔吐や下痢は時間をかけて投与したり、ガスモチン5㎎1日3回、ランソプラゾール15㎎1日1回併用する。
・便秘時はマグミット2T/2x-6T/3x、センノシド1-2T就寝前、ナウゼリン10mg1.5T/3x、ガスモチン5mg3T/3x(もしくはモサプリド3包分3)などを追加する。(デフォルトで処方し下痢気味にコントロールするのがよい)
cf)必要エネルギーと水分量
・必要エネルギー量:Harris-Benedictの公式
女性の基礎代謝量:665+9.6×体重kg+1.7×身長cm-7.0×年齢
男性の基礎代謝量:66+13.7×体重kg+5.0×身長cm-6.8×年齢
必要エネルギー:基礎代謝量×活動係数
活動係数:
寝たきり(自己体動なし):1.0-1.1 寝たきり(自己体動あり):1.1-1.2 ベッド外活動(車椅子):1.2-1.3 ベッド外活動(歩行):1.3-1.4 積極的なリハビリ:1.5以上
・必要水分量:①30ml×現体重、1ml×エネルギー投与量、1500ml×体表面積
注)PEG造設時のパス
・造設当日はアタラックスP25mg1A+硫酸アトロピン0.5Aを筋注。
・造設当日から翌日までセファメジン2gを1日2回。
・造設当日から3日後までアドナ50mg1A/日を持続投与。
・造設3日後から白湯100ml3回、造設4日後からハイネゼリーアクア1Pから開始。1日に1Pずつ増やす。
・造設6日後まで瘻孔周囲を消毒、7日後に抜糸。
cf)PEG周囲の発赤はアズノール軟膏
cf)・エンシュアリキッドは缶なので重たいが、薬剤として処方できる。1ml=1kcal。ただし、セレンなど微量元素が不足する。水を入れたい場合はエンシュアリキッドH(1ml=1.5kcal)がある。
・ラコールは紙なので重たくない。味が和風。薬局で売られている。
・エレンタールは脂肪酸を含んでいない。IBDなど炎症性腸疾患に使う。低残渣、易吸収。
注意)
・注入開始し、発熱、嘔吐、下痢あれば回数を増やして、1回の注入量を減らす、頭位を上げる等。
・リフィーディング症候群に注意する。P↓、Mg↓で低PはRBC中の2,3-DPGでHbがO2を離れにくくするので、SatがよくてもO2利用ができないことがあり、MIを起こすことあり。通常は10kcal/kgくらいから開始する。ビタミンB1欠乏もあるので注意する。
・基本
CZ-hi(300ml/300kcal/水240ml) 1日3本
白湯50-50-50ml
塩1-1-1g
cf)簡便に以下の①か②で様子見てもよい(PEG/レビン)。
①メイバランス1.5(200ml/300kcal/水150ml)+白湯200ml 1日3回(療養病院での注入は白湯は1回150mlでもよいし、心不全ある場合は1回の白湯を50-100mlほど、ただし水分が少ないと便秘になることあり注意)
②ハイネゼリーアクア(250g/200kcal/水200ml)4P(1P-2P-1P/2P-2P)
・ラコール(200ml/200kcal/水170ml) 1日1本-2本-1本
白湯200-50-200ml 塩1-1-1g・MA-R2.0(200ml/400kcal/水140ml) 1日2本
白湯200-400-200ml
塩2-2-2g・PGソフト(200g/300kcal/水130ml) 1日3本
白湯(とろみ)200-200-200ml
cf)PGソフトは胃管からの投与は粘度が高く難しい。
・ハイネゼリーアクア(250g/200kcal/水200ml) 1日6本(白湯なし)
・アクトエールアクア(400g/300kcal/水328ml)1日3本もしくは300-300-400kcal(白湯なし)
注)逆流が多い場合。ハイネゼリーアクアよりアクトエールアクアの方がさらに粘度が高い。どうしても逆流する場合は腸瘻という方法もある。
・GFO CZ-hiまでは始められない時、とりあえず腸管を動かす目的
GFO100mlを1日3回
毎食、白湯50mlを流す
・状態悪いとき
CZ-hi 朝1本
白湯200ml1日3回
・腎不全時はCZ-hiの代わりにリーナレン
・肝不全はCZ-hiの代わりにアミノレバン
・片麻痺でも嚥下はOKである。無理そうならNGを留置しながらペースト食(パターンを嚥下食Cにして、主食と副食をペーストにする)などを食べてもらい、嚥下できそうならNGを抜去する。
・メイバランス1日3本追加
食思不振あるとき
・PEGやNG希望しない高齢者の場合、食事困難時はエンジョイゼリー2~3個+バランスゼリー1個を1日3回でも良い。
cf)胃瘻時の嘔吐、下痢、便秘について
・嘔吐や下痢は時間をかけて投与したり、ガスモチン5㎎1日3回、ランソプラゾール15㎎1日1回併用する。
・便秘時はマグミット2T/2x-6T/3x、センノシド1-2T就寝前、ナウゼリン10mg1.5T/3x、ガスモチン5mg3T/3x(もしくはモサプリド3包分3)などを追加する。(デフォルトで処方し下痢気味にコントロールするのがよい)
cf)必要エネルギーと水分量
・必要エネルギー量:Harris-Benedictの公式
女性の基礎代謝量:665+9.6×体重kg+1.7×身長cm-7.0×年齢
男性の基礎代謝量:66+13.7×体重kg+5.0×身長cm-6.8×年齢
必要エネルギー:基礎代謝量×活動係数
活動係数:
寝たきり(自己体動なし):1.0-1.1 寝たきり(自己体動あり):1.1-1.2 ベッド外活動(車椅子):1.2-1.3 ベッド外活動(歩行):1.3-1.4 積極的なリハビリ:1.5以上
・必要水分量:①30ml×現体重、1ml×エネルギー投与量、1500ml×体表面積
注)PEG造設時のパス
・造設当日はアタラックスP25mg1A+硫酸アトロピン0.5Aを筋注。
・造設当日から翌日までセファメジン2gを1日2回。
・造設当日から3日後までアドナ50mg1A/日を持続投与。
・造設3日後から白湯100ml3回、造設4日後からハイネゼリーアクア1Pから開始。1日に1Pずつ増やす。
・造設6日後まで瘻孔周囲を消毒、7日後に抜糸。
cf)PEG周囲の発赤はアズノール軟膏
cf)・エンシュアリキッドは缶なので重たいが、薬剤として処方できる。1ml=1kcal。ただし、セレンなど微量元素が不足する。水を入れたい場合はエンシュアリキッドH(1ml=1.5kcal)がある。
・ラコールは紙なので重たくない。味が和風。薬局で売られている。
・エレンタールは脂肪酸を含んでいない。IBDなど炎症性腸疾患に使う。低残渣、易吸収。
注意)
・注入開始し、発熱、嘔吐、下痢あれば回数を増やして、1回の注入量を減らす、頭位を上げる等。
・リフィーディング症候群に注意する。P↓、Mg↓で低PはRBC中の2,3-DPGでHbがO2を離れにくくするので、SatがよくてもO2利用ができないことがあり、MIを起こすことあり。通常は10kcal/kgくらいから開始する。ビタミンB1欠乏もあるので注意する。
ピロリ除菌療法
☆ピロリ除菌療法
・ランサップ800 1シート(1週間分) 朝夕2回
タケプロン1錠、アモリン3錠、クラリス2錠が1回分で2回分が1シートに入っている。
半分量の400でも除菌率は変わらないが、喫煙者や大柄男性では800にする。
・タケキャブ20mg2T/2x クラリス200mg4T/2x サワシリンカプセル6C/2x エンテロンR散2g/2x 朝夕2回 1週間
・ガスター 40mg 1錠 就寝前 56日分
ランサップで1週間除菌後に2ヶ月ガスターに切り替えた後、外来にてUBT呼気試験を行う。
胃潰瘍瘢痕などがないときは省略可能。
注)
・通常はすぐに除菌療法を開始する。
・胃潰瘍後は1ヶ月間、PPIを投与後に除菌を開始する。
・PPI服用あるときはガスターに2週間切り替えてからランサップを開始する。
・PPI、ランサップに下痢の副作用があることを説明すること(タケプロンは下痢の副作用あり)。
☆2次除菌
・ランピオンパック(タケプロン30mg2T/2x、アモリンカプセル250mg6T/2x、フラジール250mg2T/2x)7日間
・タケキャブ20mg2T/2x、サワシリンカプセル250mg6C/2x、フラジール250mg2T/2x 7日間
注)ペニシリンアレルギー時:
クラビット500mg1T/1x、タケプロン30mg2T/2x、フラジール250mg2T/2x
cf)腎機能障害あるときはクラリス200㎎/1xに減量する。サワシリン、タケキャブは同容量でよい。
☆除菌療法が保険対象になる場合
・内視鏡にて慢性胃炎と診断
・内視鏡もしくは胃透視にて胃、十二指腸潰瘍と診断
・早期胃癌内視鏡治療後
・胃MALTリンパ腫
・特発性血小板減少症
注)
・内視鏡治療は過去6か月以内が望ましい。
・内視鏡検査は他施設でもいいが、レセプトに日付と所見の記載が必要。
☆H.ピロリ検査(内視鏡を用いない場合)
・抗体測定(抗体価が3以上10未満は陰性高値で、UBTや便中抗原を検査し陽性であれば現感染)
・尿素呼気試験(UBT)(PPIを2週間中止する必要がある)
・便中ヘリコバクターピロリ抗体測定(PPIを2週間中止する必要がある)
☆除菌後効果判定
・UBTや便中抗原は除菌後3か月後に行う。
・PPIを投与している場合は中止してから2週間後に行う。
・抗体で判定する場合は除菌6か月後に測定し抗体価が前値より50%以上低下していれば除菌成功とする。
・UBTは食後4時間以上あけて行う。喫煙後30分以上あけて行う。
・ランサップ800 1シート(1週間分) 朝夕2回
タケプロン1錠、アモリン3錠、クラリス2錠が1回分で2回分が1シートに入っている。
半分量の400でも除菌率は変わらないが、喫煙者や大柄男性では800にする。
・タケキャブ20mg2T/2x クラリス200mg4T/2x サワシリンカプセル6C/2x エンテロンR散2g/2x 朝夕2回 1週間
・ガスター 40mg 1錠 就寝前 56日分
ランサップで1週間除菌後に2ヶ月ガスターに切り替えた後、外来にてUBT呼気試験を行う。
胃潰瘍瘢痕などがないときは省略可能。
注)
・通常はすぐに除菌療法を開始する。
・胃潰瘍後は1ヶ月間、PPIを投与後に除菌を開始する。
・PPI服用あるときはガスターに2週間切り替えてからランサップを開始する。
・PPI、ランサップに下痢の副作用があることを説明すること(タケプロンは下痢の副作用あり)。
☆2次除菌
・ランピオンパック(タケプロン30mg2T/2x、アモリンカプセル250mg6T/2x、フラジール250mg2T/2x)7日間
・タケキャブ20mg2T/2x、サワシリンカプセル250mg6C/2x、フラジール250mg2T/2x 7日間
注)ペニシリンアレルギー時:
クラビット500mg1T/1x、タケプロン30mg2T/2x、フラジール250mg2T/2x
cf)腎機能障害あるときはクラリス200㎎/1xに減量する。サワシリン、タケキャブは同容量でよい。
☆除菌療法が保険対象になる場合
・内視鏡にて慢性胃炎と診断
・内視鏡もしくは胃透視にて胃、十二指腸潰瘍と診断
・早期胃癌内視鏡治療後
・胃MALTリンパ腫
・特発性血小板減少症
注)
・内視鏡治療は過去6か月以内が望ましい。
・内視鏡検査は他施設でもいいが、レセプトに日付と所見の記載が必要。
☆H.ピロリ検査(内視鏡を用いない場合)
・抗体測定(抗体価が3以上10未満は陰性高値で、UBTや便中抗原を検査し陽性であれば現感染)
・尿素呼気試験(UBT)(PPIを2週間中止する必要がある)
・便中ヘリコバクターピロリ抗体測定(PPIを2週間中止する必要がある)
☆除菌後効果判定
・UBTや便中抗原は除菌後3か月後に行う。
・PPIを投与している場合は中止してから2週間後に行う。
・抗体で判定する場合は除菌6か月後に測定し抗体価が前値より50%以上低下していれば除菌成功とする。
・UBTは食後4時間以上あけて行う。喫煙後30分以上あけて行う。
軟膏
☆軟膏
・かゆみ:オイラックスクリームをまず使ってみる。他にヒルドイドローション、ヒルドイドクリーム、レスタミンクリーム。
cf)オイラックスクリームが効かない時はヒスタブロック(セレスタミン)1回1-2錠を1日1-4回投与する(1錠にPSL2.5mgが含まれることに注意、長期使用ならH2ブロッカーを併用する)。
cf)ヒルドイドの一般名はヘパリン類似物質
・かゆみ:オイラックスクリームをまず使ってみる。他にヒルドイドローション、ヒルドイドクリーム、レスタミンクリーム。
cf)オイラックスクリームが効かない時はヒスタブロック(セレスタミン)1回1-2錠を1日1-4回投与する(1錠にPSL2.5mgが含まれることに注意、長期使用ならH2ブロッカーを併用する)。
cf)ヒルドイドの一般名はヘパリン類似物質
・下痢やPEGのかぶれ:アズノール軟膏
・真菌様のかぶれ:ビスコポールやラミシールクリーム
・蜂窩織炎:アクリノール液
・乳がん自壊部の軟膏はロゼックスゲル0.75%などを使うとよい。ない場合はメトロニダゾール250mg4錠+プロピレングリコール3ml+親水クリーム ニッコー96gを混ぜたものを1日数回塗布する。
・療養病院での皮膚軟膏は次の順に1-2週間ずつ様子みていく。オイラックス→ビスコポール→デルモゾールG。小水疱あればビダラビン軟膏。全身性の時はデルモゾールG30g+ワセリン30gを混ぜて塗布する。2週間して改善あればデルモゾールを漸減していく(例:デルモゾールG20g+ワセリン40g)。
・真菌様のかぶれ:ビスコポールやラミシールクリーム
・蜂窩織炎:アクリノール液
・乳がん自壊部の軟膏はロゼックスゲル0.75%などを使うとよい。ない場合はメトロニダゾール250mg4錠+プロピレングリコール3ml+親水クリーム ニッコー96gを混ぜたものを1日数回塗布する。
・療養病院での皮膚軟膏は次の順に1-2週間ずつ様子みていく。オイラックス→ビスコポール→デルモゾールG。小水疱あればビダラビン軟膏。全身性の時はデルモゾールG30g+ワセリン30gを混ぜて塗布する。2週間して改善あればデルモゾールを漸減していく(例:デルモゾールG20g+ワセリン40g)。
低蛋白血症、腹水(肝硬変、がん末期)
☆低蛋白血症、腹水(肝硬変、がん末期)
・献血アルブミン25%12.5g50ml 1瓶
1日1回投与 3日間。1ヶ月に6回まで投与可。
cf)癌緩和ケア中ならコストの面でCARTという方法もある。 腹水もある場合はラシックス20㎎1Aを混注する。
・ソルダクトン100㎎1A+生食20ml 静注(ソルダクトンは生食以外は全て白濁するので、側管から投与せずにフラッシュで投与する)
cf)水分制限を行う(食事水分1000ml、飲水制限800ml)。
cf)肝硬変で肝性脳症や消化管出血があり食事取れないときはアミノレバン200-400ml/日+フィジオ35 500mlで1日最大1000mlほどにしておく。経口摂取できるならリーバクト3包分3を使う。
・エレンタール40gを300mlに溶かして朝夕2回 吸収不良があるとき
・献血アルブミン25%12.5g50ml 1瓶
1日1回投与 3日間。1ヶ月に6回まで投与可。
cf)癌緩和ケア中ならコストの面でCARTという方法もある。 腹水もある場合はラシックス20㎎1Aを混注する。
・ソルダクトン100㎎1A+生食20ml 静注(ソルダクトンは生食以外は全て白濁するので、側管から投与せずにフラッシュで投与する)
cf)水分制限を行う(食事水分1000ml、飲水制限800ml)。
cf)肝硬変で肝性脳症や消化管出血があり食事取れないときはアミノレバン200-400ml/日+フィジオ35 500mlで1日最大1000mlほどにしておく。経口摂取できるならリーバクト3包分3を使う。
・エレンタール40gを300mlに溶かして朝夕2回 吸収不良があるとき
ERCP時のパス
☆ERCP時のパス
・ミダゾラム(ドルミカム)10mg/2ml 1A ペチジン(オピスタン)35mg/1ml 1A+生食100ml点滴
ブスコパン20mg/1ml 1A注)上記をERCP前に処方しておく
・フサン10mg
生食100ml 15分かけて1日2回(ERCP前日から開始)
注)フサンは溶解用の蒸留水20mlを入力すること。
・痛みなく、採血データがERCP前より増悪なければERCP翌日昼から流動食開始
cf)ERBDだけならワーファリン中止しなくてもよい。
cf)ワーファリン内服中でERCP予定だが、不穏ありヘパリン持続静注できないときは、プレタールを投与し、2日前に中止する。
cf)ERCP時の点滴オーダー
当日:
ペチジン35mg1Aiv、ミダゾラム10mg+生食100mg、フサン10mg+生食100ml1日2回、マキシピーム1g+生食100ml1日2回、ラクテック500ml、ソリタT3500ml1日2回
翌日:
フサン10mg+生食100ml1日2回、マキシピーム1g+生食100ml1日2回、ラクテック500ml、ソリタT3500ml1日2回
・ミダゾラム(ドルミカム)10mg/2ml 1A ペチジン(オピスタン)35mg/1ml 1A+生食100ml点滴
ブスコパン20mg/1ml 1A注)上記をERCP前に処方しておく
・フサン10mg
生食100ml 15分かけて1日2回(ERCP前日から開始)
注)フサンは溶解用の蒸留水20mlを入力すること。
・痛みなく、採血データがERCP前より増悪なければERCP翌日昼から流動食開始
cf)ERBDだけならワーファリン中止しなくてもよい。
cf)ワーファリン内服中でERCP予定だが、不穏ありヘパリン持続静注できないときは、プレタールを投与し、2日前に中止する。
cf)ERCP時の点滴オーダー
当日:
ペチジン35mg1Aiv、ミダゾラム10mg+生食100mg、フサン10mg+生食100ml1日2回、マキシピーム1g+生食100ml1日2回、ラクテック500ml、ソリタT3500ml1日2回
翌日:
フサン10mg+生食100ml1日2回、マキシピーム1g+生食100ml1日2回、ラクテック500ml、ソリタT3500ml1日2回
造影剤
☆造影剤
・ガストログラフィン 経口/注腸用76%100ml 経口は10-30ml原液/注腸は3-4倍で希釈
CFで大腸癌見つかった時に注腸で使用
・ウログラフィン 60%20ml 生食で2倍希釈
ERCP、PTCD、関節造影、膿瘍のドレーン造影時に使用
・オムニパーク
造影CTで使用
・イソビスト
脊髄造影で使用
・ガストログラフィン 経口/注腸用76%100ml 経口は10-30ml原液/注腸は3-4倍で希釈
CFで大腸癌見つかった時に注腸で使用
・ウログラフィン 60%20ml 生食で2倍希釈
ERCP、PTCD、関節造影、膿瘍のドレーン造影時に使用
・オムニパーク
造影CTで使用
・イソビスト
脊髄造影で使用
服用時間の略語
☆服用時間の略語
N:毎食後
M:朝食後
T:昼食後
A:夕食後
VdS:眠前
VdE:食前
N:毎食後
M:朝食後
T:昼食後
A:夕食後
VdS:眠前
VdE:食前
逆流性食道炎
☆逆流性食道炎
・タケキャブ(ボノプラザン)20㎎1日1回 朝食直前 4週間投与
改善あれば維持療法としてタケキャブ10mgに減量する
不十分であれば難治性GERDとしてさらに20mgのまま4週間投与できる
維持療法から再燃した場合は20mgに増量し4週間投与する
cf)・GradeA/Bは2週間、C/Dは4週間投与で粘膜損傷が改善する。
・高ガストリン血症により胃カルチノイドの危険性も否定できないため、4週間投与の後はパリエット10㎎に変更し維持療法としても可。
・痛いときに服用(on demand)は症状改善も粘膜損傷改善のはつながらない。
(追加分)
・ガスモチン5㎎ 3錠分3 毎食前
・アルロイドG内服液(5%) 1回20-60ml 1日3-4回 毎食間および就寝前
・ガスターD20㎎ 1錠分1 夕食後
・生活指導(頭位挙上、左側臥位、就寝3時間前の食事禁止)
cf)・再発因子:食道裂肛ヘルニア、GradeC/D、ピロリ菌陰性、萎縮性胃炎なし、非喫煙者、女性、身長150㎝以下
・GERDのうち60%はNERD(粘膜損傷なし)、20%はびらん性食道炎、10%はバレット食道。治療抵抗性になるのはNERD>>バレット食道>びらん性食道炎。GradeDはいきなり発症する。NERDからGradeDに増悪するのは5%程度。
cf)PPIの用量
①逆食(初期/8週)、②逆食(維持)、③NERD、④消化性潰瘍(胃8週/十二指腸6週)、⑤アスピリン/NSAIDs併用時、⑥除菌
・ネキシウム(エゾメプラゾール):①20mg②10mg③10mg④20mg⑤20mg⑥20mg×2・オメプラール(オメプラゾール):①20mg②10mg③10mg④20mg⑤非適応⑥20mg×2・タケプロン(ランソプラゾール):①30mg②15mg③15mg④30mg⑤15mg⑥30mg×2・パリエット(ラベプラゾール) :①20mg②10mg③10mg④20mg⑤非適応⑥10mg×2
・タケキャブ(ボノプラザン)20㎎1日1回 朝食直前 4週間投与
改善あれば維持療法としてタケキャブ10mgに減量する
不十分であれば難治性GERDとしてさらに20mgのまま4週間投与できる
維持療法から再燃した場合は20mgに増量し4週間投与する
cf)・GradeA/Bは2週間、C/Dは4週間投与で粘膜損傷が改善する。
・高ガストリン血症により胃カルチノイドの危険性も否定できないため、4週間投与の後はパリエット10㎎に変更し維持療法としても可。
・痛いときに服用(on demand)は症状改善も粘膜損傷改善のはつながらない。
(追加分)
・ガスモチン5㎎ 3錠分3 毎食前
・アルロイドG内服液(5%) 1回20-60ml 1日3-4回 毎食間および就寝前
・ガスターD20㎎ 1錠分1 夕食後
・生活指導(頭位挙上、左側臥位、就寝3時間前の食事禁止)
cf)・再発因子:食道裂肛ヘルニア、GradeC/D、ピロリ菌陰性、萎縮性胃炎なし、非喫煙者、女性、身長150㎝以下
・GERDのうち60%はNERD(粘膜損傷なし)、20%はびらん性食道炎、10%はバレット食道。治療抵抗性になるのはNERD>>バレット食道>びらん性食道炎。GradeDはいきなり発症する。NERDからGradeDに増悪するのは5%程度。
cf)PPIの用量
①逆食(初期/8週)、②逆食(維持)、③NERD、④消化性潰瘍(胃8週/十二指腸6週)、⑤アスピリン/NSAIDs併用時、⑥除菌
・ネキシウム(エゾメプラゾール):①20mg②10mg③10mg④20mg⑤20mg⑥20mg×2・オメプラール(オメプラゾール):①20mg②10mg③10mg④20mg⑤非適応⑥20mg×2・タケプロン(ランソプラゾール):①30mg②15mg③15mg④30mg⑤15mg⑥30mg×2・パリエット(ラベプラゾール) :①20mg②10mg③10mg④20mg⑤非適応⑥10mg×2
よく使われる漢方
☆よく使われる漢方
・便通異常、腹部膨満感:100大建中湯(だいけんちゅうとう)
・下痢型の過敏性腸症候群、口内炎:14半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
・全身倦怠感:41補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
・鼻炎、鼻水:10小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
・空咳:29麦門冬湯(ばくもんどうとう)
・不安障害、不眠症:12紫胡加竜骨牝蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
・認知症に伴う周辺症状:54抑肝散(よくかんさん)
・便通異常、腹部膨満感:100大建中湯(だいけんちゅうとう)
・下痢型の過敏性腸症候群、口内炎:14半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
・全身倦怠感:41補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
・鼻炎、鼻水:10小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
・空咳:29麦門冬湯(ばくもんどうとう)
・不安障害、不眠症:12紫胡加竜骨牝蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
・認知症に伴う周辺症状:54抑肝散(よくかんさん)
シップ
☆シップ
・MS温シップ、MS冷シップ:サリチル酸メチル/カンフル/メントール/ハッカ油/抗ヒスタミン剤含む、1日1-2回
・セルタッチパップ、フェルナビオンパップ:フェルビナク、1日数回
・アドフィードパップ:フルルビプロフェン、1日2回
・モーラスパップ、ケトプロフェンパップ:ケトプロフェン、1日2回
・MS温シップ、MS冷シップ:サリチル酸メチル/カンフル/メントール/ハッカ油/抗ヒスタミン剤含む、1日1-2回
・セルタッチパップ、フェルナビオンパップ:フェルビナク、1日数回
・アドフィードパップ:フルルビプロフェン、1日2回
・モーラスパップ、ケトプロフェンパップ:ケトプロフェン、1日2回
認知症
☆認知症
・アリセプト3mg1錠分1→2週間後に5mg1錠分1→4週間後に10mg1 錠分1 アルツハイマー型(AD)、レビー小体型(DLB)に適応。消化器症状(嘔吐、下痢など)、徐脈、易興奮性や不穏などあり
・イクセロンパッチ/リバスタッチパッチ1日1回4.5mgから開始し、4週間毎に4.5mgずつ増量し18mgが維持量
アルツハイマー型のみ。レビー小体型には保険適応ないが効果あり。消化器症状は他のChEIより少ない。
cf)ADもDLBともにアリセプトかイクセロン/リバスタッチ。
cf)リバスタッチは剥がれたら新しいものを貼って構わない。血中濃度が一定になるようになっているので。
・メマリー1日1回5mgから開始し1週間毎に5mgずつ増量し20mgが維持量
記憶定着、不機嫌や攻撃性はメマンチン就寝前。アルツハイマー型のみに保険適応あり。前頭側頭葉変性症(FTLD)はChEIで悪化するので注意。通常、ChEIと併用して使う。
・抑肝散7.5mg分3毎食前
レビー小体型で攻撃性あるとき。6週間で効果なければ中止。
・グラマリール75mg~150mg分3、25㎎1日1回から開始
レビー小体型や脳梗塞後で攻撃性あるとき。
・セロクエル25mg0.5-1錠就寝前
レビー小体型で攻撃性あるとき。効果ない時は1錠1日2回、就寝前と昼食前に増量する。DMでは禁忌。
・リスパダール内用液(1mg/mL)就寝前~1包1日2回、就寝前と昼食前
レビー小体型で攻撃性あるとき。
cf)認知症が高齢者の食思不振の原因になっていることあり。
・プラビックス75mg1錠分1 脳血管性認知症の時。
<認知症治療薬について>
①アルツハイマー型認知症(AD)・ドネペジル(アリセプト):ChEI、軽度~高度、錠剤/OD錠/細粒/ゼリー
・リバスタチン(リバスタッチ):ChEI、軽度~中等度、パッチ
・ガランタミン(レミニール):ChEI、軽度~中等度、錠剤/OD錠/液剤、DLBにも有効だが保険適応はなし。
・メマンチン(メマリー):NMDA受容体拮抗薬、中等度~高度、錠剤、他のChEIと併用して使う
cf)ChEIは下痢、嘔吐などの消化器症状や易興奮性/不穏、徐脈の副作用あり。リバスタチンは消化器症状が少ないので他薬剤で副作用出たときに使用してみる。3剤とも効果は差なし。副作用見ながら、2週間ごとに緩徐に増量し、副作用の出ない範囲で維持量とする(必ず増量しないといけないとは限らない)。特に興奮や不穏は認知症の進行なのか、ChEIの副作用なのかわかりにくいことがある。メマンチンは鎮静効果が強く出て眩暈、傾眠、食思不振が出ることあり。
cf)ADAS-cog(エーダスコグ)の70点満点のうち3-4点の改善効果、ADLでは年間2か月分の信仰予防効果あり。ただし効果には個人差がある。
cf)アルツハイマー型は記銘力障害が中心、物取られ妄想、意欲低下、徘徊、嫉妬妄想、head turning sign。診断は髄液中のβアミロイドやタウ蛋白の増加、βアミロイドPETなど。
②レビー小体型認知症(DLB)・ドネペジル(アリセプト):幻視が消失するなど効果は出やすい、ChEIの中で保険適応はこれのみ。
・クエチアピン(セロクエル):幻視が強い時などは25~75mgを就寝前に内服する。DMでは禁忌。
・L-dopa パーキンソンニズムが強い時
cf)幻視、初期からのパーキンソンニズム、REM睡眠行動異常(悪夢や睡眠中に叩く等)、自律神経障害(頑固な便秘や起立性低血圧)など。MIBGシンチにて診断する。
③脳血管性認知症
・生活習慣病の改善、抗血小板薬、抗凝固薬など
cf)脳梗塞をきっかけに認知症が進むが、因果関係がはっきりしないこともある。
cf)MRIや脳血流SPECTにて診断する
④前頭側頭葉変性症(FTLD)・対処療法が中心で、非定型精神病薬を使うこともある
cf)緩徐進行する失語タイプ、行動異常を伴うタイプ(going my way、脱抑制)がある。物忘れは目立たない。
⑤軽度認知機能障害(MCI)
・ChEIによる進行予防効果は認められない。デメリットの方が大きい。
cf)認知症を疑うepisode:用事を忘れる、同じものを何個も買う、会話が同じ内容、残薬があるのに服用していると取り繕う、衣服の着脱に時間がかかる等。
注意)認知症診断の前に甲状腺機能、低血糖、低Na、高Ca、B1,B12,葉酸欠乏、頭部CTにて正常圧水頭症(歩行障害、尿失禁などを伴う)、慢性硬膜下血腫を除外する。
cf)アルツハイマー型認知症では嚥下機能と病状の進行が一致しているが、脳血管性認知症やレビー小体型認知症では全身状態が悪化する前に、嚥下機能が低下する場合もある(元気そうに見えているのに誤嚥性肺炎ばかり起こす)。
・アリセプト3mg1錠分1→2週間後に5mg1錠分1→4週間後に10mg1 錠分1 アルツハイマー型(AD)、レビー小体型(DLB)に適応。消化器症状(嘔吐、下痢など)、徐脈、易興奮性や不穏などあり
・イクセロンパッチ/リバスタッチパッチ1日1回4.5mgから開始し、4週間毎に4.5mgずつ増量し18mgが維持量
アルツハイマー型のみ。レビー小体型には保険適応ないが効果あり。消化器症状は他のChEIより少ない。
cf)ADもDLBともにアリセプトかイクセロン/リバスタッチ。
cf)リバスタッチは剥がれたら新しいものを貼って構わない。血中濃度が一定になるようになっているので。
・メマリー1日1回5mgから開始し1週間毎に5mgずつ増量し20mgが維持量
記憶定着、不機嫌や攻撃性はメマンチン就寝前。アルツハイマー型のみに保険適応あり。前頭側頭葉変性症(FTLD)はChEIで悪化するので注意。通常、ChEIと併用して使う。
・抑肝散7.5mg分3毎食前
レビー小体型で攻撃性あるとき。6週間で効果なければ中止。
・グラマリール75mg~150mg分3、25㎎1日1回から開始
レビー小体型や脳梗塞後で攻撃性あるとき。
・セロクエル25mg0.5-1錠就寝前
レビー小体型で攻撃性あるとき。効果ない時は1錠1日2回、就寝前と昼食前に増量する。DMでは禁忌。
・リスパダール内用液(1mg/mL)就寝前~1包1日2回、就寝前と昼食前
レビー小体型で攻撃性あるとき。
cf)認知症が高齢者の食思不振の原因になっていることあり。
・プラビックス75mg1錠分1 脳血管性認知症の時。
<認知症治療薬について>
①アルツハイマー型認知症(AD)・ドネペジル(アリセプト):ChEI、軽度~高度、錠剤/OD錠/細粒/ゼリー
・リバスタチン(リバスタッチ):ChEI、軽度~中等度、パッチ
・ガランタミン(レミニール):ChEI、軽度~中等度、錠剤/OD錠/液剤、DLBにも有効だが保険適応はなし。
・メマンチン(メマリー):NMDA受容体拮抗薬、中等度~高度、錠剤、他のChEIと併用して使う
cf)ChEIは下痢、嘔吐などの消化器症状や易興奮性/不穏、徐脈の副作用あり。リバスタチンは消化器症状が少ないので他薬剤で副作用出たときに使用してみる。3剤とも効果は差なし。副作用見ながら、2週間ごとに緩徐に増量し、副作用の出ない範囲で維持量とする(必ず増量しないといけないとは限らない)。特に興奮や不穏は認知症の進行なのか、ChEIの副作用なのかわかりにくいことがある。メマンチンは鎮静効果が強く出て眩暈、傾眠、食思不振が出ることあり。
cf)ADAS-cog(エーダスコグ)の70点満点のうち3-4点の改善効果、ADLでは年間2か月分の信仰予防効果あり。ただし効果には個人差がある。
cf)アルツハイマー型は記銘力障害が中心、物取られ妄想、意欲低下、徘徊、嫉妬妄想、head turning sign。診断は髄液中のβアミロイドやタウ蛋白の増加、βアミロイドPETなど。
②レビー小体型認知症(DLB)・ドネペジル(アリセプト):幻視が消失するなど効果は出やすい、ChEIの中で保険適応はこれのみ。
・クエチアピン(セロクエル):幻視が強い時などは25~75mgを就寝前に内服する。DMでは禁忌。
・L-dopa パーキンソンニズムが強い時
cf)幻視、初期からのパーキンソンニズム、REM睡眠行動異常(悪夢や睡眠中に叩く等)、自律神経障害(頑固な便秘や起立性低血圧)など。MIBGシンチにて診断する。
③脳血管性認知症
・生活習慣病の改善、抗血小板薬、抗凝固薬など
cf)脳梗塞をきっかけに認知症が進むが、因果関係がはっきりしないこともある。
cf)MRIや脳血流SPECTにて診断する
④前頭側頭葉変性症(FTLD)・対処療法が中心で、非定型精神病薬を使うこともある
cf)緩徐進行する失語タイプ、行動異常を伴うタイプ(going my way、脱抑制)がある。物忘れは目立たない。
⑤軽度認知機能障害(MCI)
・ChEIによる進行予防効果は認められない。デメリットの方が大きい。
cf)認知症を疑うepisode:用事を忘れる、同じものを何個も買う、会話が同じ内容、残薬があるのに服用していると取り繕う、衣服の着脱に時間がかかる等。
注意)認知症診断の前に甲状腺機能、低血糖、低Na、高Ca、B1,B12,葉酸欠乏、頭部CTにて正常圧水頭症(歩行障害、尿失禁などを伴う)、慢性硬膜下血腫を除外する。
cf)アルツハイマー型認知症では嚥下機能と病状の進行が一致しているが、脳血管性認知症やレビー小体型認知症では全身状態が悪化する前に、嚥下機能が低下する場合もある(元気そうに見えているのに誤嚥性肺炎ばかり起こす)。
鼻出血/血尿/喀血
☆鼻出血/血尿/喀血
ターミナル、認知症などで積極的治療が難しい場合は、アドナ30㎎3T/3x,トランサミン250mg6C/3xにて経過みていく方法もある。
・トランサミンは心血管リスクある場合は使わない。チチナ100mg+生食100mlを1日1回投与する。アドナ30mg3錠分3でもよい。
・内服例はアドナ30mg2錠分2+トラネキサム250mg2錠分2+グラケー2C分2・内服できないときは、チチナ50mg+トランサミン250mg+生食100mlを1日2回投与。
cf)療養病院での血尿
・まずは出血性膀胱炎を疑う⇒抗生剤
(寝たきりの患者で尿路感染を起こすと血尿をきたすことがある。ひどいときは膀胱カテーテルを留置して洗浄するとよい。抗生剤も考慮。)
・バルーンの自己抜去による損傷⇒バルーン再留置+ミトンなど拘束
・寝たきり男性患者の血尿は尿管結石のことがある(後日、バルーン内に結石を認めることがある)⇒疼痛管理
・膀胱癌や腎癌を疑って細胞診をしてもよいが適応はないと思われる
ターミナル、認知症などで積極的治療が難しい場合は、アドナ30㎎3T/3x,トランサミン250mg6C/3xにて経過みていく方法もある。
・トランサミンは心血管リスクある場合は使わない。チチナ100mg+生食100mlを1日1回投与する。アドナ30mg3錠分3でもよい。
・内服例はアドナ30mg2錠分2+トラネキサム250mg2錠分2+グラケー2C分2・内服できないときは、チチナ50mg+トランサミン250mg+生食100mlを1日2回投与。
cf)療養病院での血尿
・まずは出血性膀胱炎を疑う⇒抗生剤
(寝たきりの患者で尿路感染を起こすと血尿をきたすことがある。ひどいときは膀胱カテーテルを留置して洗浄するとよい。抗生剤も考慮。)
・バルーンの自己抜去による損傷⇒バルーン再留置+ミトンなど拘束
・寝たきり男性患者の血尿は尿管結石のことがある(後日、バルーン内に結石を認めることがある)⇒疼痛管理
・膀胱癌や腎癌を疑って細胞診をしてもよいが適応はないと思われる
夜間頻尿
☆夜間頻尿(高齢女性)
抗コリン薬:
異常な膀胱収縮の抑制。ただし、尿閉になることがある。1st choiceはβ3作働薬。
副作用:口腔乾燥や便秘、尿閉、中枢神経症状、心拍数増加など
禁忌:尿閉、緑内障、腸閉塞、重症筋無力症、重篤な心疾患、肝障害
・ベシケア 1日1回5mg、10mgまで増量可能(Cr30以下では2.5mgから開始し5mgまで)
緩徐な作用で心拍数増加などのM2作用が少ない。M3受容体選択性の拮抗薬。
cf)M1:中枢、胃、食道、M2:膀胱、心臓、M3:膀胱、大腸、唾液腺
・ウリトス 1回0.1mg1日2回 朝夕食後 1回0.2mg1日2回まで増量可能
特にM2作用が少ないため循環器リスクあるときに使う。M1,M3拮抗作用で、膀胱選択性が高い。
・バップフォー 1日1回20mg食後服用、1回20mg1日2回まで増量可能
抗コリン作用とCa拮抗作用。神経因性膀胱に有効。
・ネオキシテープ73.5mg 1日1回1枚を下腹部、腰部に貼付
経口投与できないとき。
膀胱浸潤による過活動性膀胱にはネオキシテープ3.5mg1日1枚、大腿か下腹部に貼付する。
β3作働薬:
・ベタニス 1日1回50mg
OABの1st choice。膀胱の蓄尿機能を高め、過活動性を改善。心拍数増加やQT変化も稀にあるため、心血管疾患ある場合は事前に心電図を。βblocker使用時は注意。
子宮や前立腺の萎縮がくるため50歳以上で投与する。生殖可能な年齢への投与は避ける。
cf)過活動性膀胱(OAB)について
・OABの定義:1日8回以上排尿かつ尿意切迫が週1回以上(OABSS:スクリーニングテスト)
尿意切迫の例:冷たい水に触れるとトイレまで我慢できない、トイレ前にもれる、旅行前にトイレを我慢etc。
・処方前に残尿量をエコーで確認(排尿後の残尿100ml以上なら専門医へ)
・男性のOABはBPHに合併したものがほとんどなのでまずは泌尿器科へ。α1blockerでBPHを改善させればOABも改善する。
・高齢女性の尿失禁には過活動性膀胱(重症例が切迫性尿失禁)、腹圧性尿失禁がある。
・生活指導は肥満をなくす、喫煙をやめる、過度の飲水やカフェインやアルコール、炭酸をやめる、便秘を避ける、足を組む等を1か月してみて効果ないときは薬物療法。
・骨盤底筋訓練(PFMT)は肛門、尿道、膣まわりの訓練の筋を5-10秒閉めたり緩めたりを20-30回繰り返したあと、0.5-1秒閉めたり緩めたりを20-30回繰り返す運動を1セットとして1日3セットを行う。
・過活動性膀胱は無症候性も含む脳梗塞、パーキンソン病、頚椎症、骨盤内手術による神経因性膀胱や子宮脱による下部尿路閉塞、骨盤底の脆弱性が原因。症状は1日8回以上の夜間頻尿や切迫性尿失禁。
・過活動性膀胱には抗コリン薬6剤とβ3作動薬1剤が有効。
・腹圧性尿失禁は骨盤底筋の緊張低下により咳、くしゃみ、歩行、重いものを持つなどで尿失禁。β2作動薬のスピロペントは横紋筋の遅筋の収縮力を低下させ、速筋の収縮力を高める。子宮脱は膣口から出てくるようなら産婦人科や泌尿器科受診を。
抗コリン薬:
異常な膀胱収縮の抑制。ただし、尿閉になることがある。1st choiceはβ3作働薬。
副作用:口腔乾燥や便秘、尿閉、中枢神経症状、心拍数増加など
禁忌:尿閉、緑内障、腸閉塞、重症筋無力症、重篤な心疾患、肝障害
・ベシケア 1日1回5mg、10mgまで増量可能(Cr30以下では2.5mgから開始し5mgまで)
緩徐な作用で心拍数増加などのM2作用が少ない。M3受容体選択性の拮抗薬。
cf)M1:中枢、胃、食道、M2:膀胱、心臓、M3:膀胱、大腸、唾液腺
・ウリトス 1回0.1mg1日2回 朝夕食後 1回0.2mg1日2回まで増量可能
特にM2作用が少ないため循環器リスクあるときに使う。M1,M3拮抗作用で、膀胱選択性が高い。
・バップフォー 1日1回20mg食後服用、1回20mg1日2回まで増量可能
抗コリン作用とCa拮抗作用。神経因性膀胱に有効。
・ネオキシテープ73.5mg 1日1回1枚を下腹部、腰部に貼付
経口投与できないとき。
膀胱浸潤による過活動性膀胱にはネオキシテープ3.5mg1日1枚、大腿か下腹部に貼付する。
β3作働薬:
・ベタニス 1日1回50mg
OABの1st choice。膀胱の蓄尿機能を高め、過活動性を改善。心拍数増加やQT変化も稀にあるため、心血管疾患ある場合は事前に心電図を。βblocker使用時は注意。
子宮や前立腺の萎縮がくるため50歳以上で投与する。生殖可能な年齢への投与は避ける。
cf)過活動性膀胱(OAB)について
・OABの定義:1日8回以上排尿かつ尿意切迫が週1回以上(OABSS:スクリーニングテスト)
尿意切迫の例:冷たい水に触れるとトイレまで我慢できない、トイレ前にもれる、旅行前にトイレを我慢etc。
・処方前に残尿量をエコーで確認(排尿後の残尿100ml以上なら専門医へ)
・男性のOABはBPHに合併したものがほとんどなのでまずは泌尿器科へ。α1blockerでBPHを改善させればOABも改善する。
・高齢女性の尿失禁には過活動性膀胱(重症例が切迫性尿失禁)、腹圧性尿失禁がある。
・生活指導は肥満をなくす、喫煙をやめる、過度の飲水やカフェインやアルコール、炭酸をやめる、便秘を避ける、足を組む等を1か月してみて効果ないときは薬物療法。
・骨盤底筋訓練(PFMT)は肛門、尿道、膣まわりの訓練の筋を5-10秒閉めたり緩めたりを20-30回繰り返したあと、0.5-1秒閉めたり緩めたりを20-30回繰り返す運動を1セットとして1日3セットを行う。
・過活動性膀胱は無症候性も含む脳梗塞、パーキンソン病、頚椎症、骨盤内手術による神経因性膀胱や子宮脱による下部尿路閉塞、骨盤底の脆弱性が原因。症状は1日8回以上の夜間頻尿や切迫性尿失禁。
・過活動性膀胱には抗コリン薬6剤とβ3作動薬1剤が有効。
・腹圧性尿失禁は骨盤底筋の緊張低下により咳、くしゃみ、歩行、重いものを持つなどで尿失禁。β2作動薬のスピロペントは横紋筋の遅筋の収縮力を低下させ、速筋の収縮力を高める。子宮脱は膣口から出てくるようなら産婦人科や泌尿器科受診を。
ESD時のパス
☆ESD時のパス
・当日
オピスタン1A、ドルミカム10mg+生食100ml、ブスコパン1A、グルカゴン
ラクテック500ml1本
チチナ(アドナ)100mg0.5%20ml 1A(1日25mg-100mg)
・当日
オピスタン1A、ドルミカム10mg+生食100ml、ブスコパン1A、グルカゴン
ラクテック500ml1本
チチナ(アドナ)100mg0.5%20ml 1A(1日25mg-100mg)
を混注
・翌日(POD1)
絶飲食
ラクテック500ml1本、ソリタT3500ml2本
うち2本に
チチナ(アドナ)100mg0.5%20ml 1A(1日25mg-100mg)リカバリン(トランサミン)250mg10%10ml 1A(1日250mg-500mg)を混注
オメプラール20mg1瓶+生食20mlで1日2回ショット
注)ショットで投与するときはルートフラッシュ用の生食シリンジ20mlも入力すること。
・POD2易消化流動、アルサルミン1-1.2g1日3回/ムコスタ100mg3錠分3/パリエット20mg分1を開始
・POD3易消化3分粥
・POD4易消化5分粥
・POD5易消化7分粥
・POD6易消化全粥
・POD7
GF再検し退院
注)ESD前に胸部単純CT、腹部造影CTし転移ないか確認を。
絶飲食
ラクテック500ml1本、ソリタT3500ml2本
うち2本に
チチナ(アドナ)100mg0.5%20ml 1A(1日25mg-100mg)リカバリン(トランサミン)250mg10%10ml 1A(1日250mg-500mg)を混注
オメプラール20mg1瓶+生食20mlで1日2回ショット
注)ショットで投与するときはルートフラッシュ用の生食シリンジ20mlも入力すること。
・POD2易消化流動、アルサルミン1-1.2g1日3回/ムコスタ100mg3錠分3/パリエット20mg分1を開始
・POD3易消化3分粥
・POD4易消化5分粥
・POD5易消化7分粥
・POD6易消化全粥
・POD7
GF再検し退院
注)ESD前に胸部単純CT、腹部造影CTし転移ないか確認を。
ステロイドミニ"ミニ"パルス
<ステロイドミニ"ミニ"パルス>
①ソルメルコート/ソルメドロール(メチルプレドニゾロン)250mg+生食100ml 1日1回(125mgを1日2回でも可能) 2時間かけて 3日間
②プレドニン40mg+生食100ml 1日1回 1週間
③プレドニン30mg1日1回内服 1週間
症状みて漸減していく
注)
B型肝炎、結核の感染はチェックする。
抗血小板薬、抗潰瘍薬、場合により抗結核薬を加える。
抗血小板薬:ジビリダモール(ベルサンチン)150~300mg/日+アスピリン81mg(小児バファリンR1錠)など
適応)
・薬剤性肝障害(胆汁うっ滞性)、間質性肺炎増悪、急性糸球体腎炎を疑う時
・薬剤性肝障害診断のためには、以下を検査する。腹部CT、MRCP、HCV抗体、HCV-RNA、HBs抗原/抗体(HBs抗原+ならHBV感染あり)、IgM-HAV(カキのシーズン2~5月)、e抗原/抗体、HBV-DNA、IgM-EBV-VCA、CMV-IgM、抗核抗体、抗平滑筋抗体、抗ミトコンドリア抗体、IgG/IgM/IgE/IgA・薬剤性肝障害の場合はウルソ6錠分3、強力ネオミノファーゲンC40ml静注 1日1回が無効な場合にミニパルスを検討する。
・急性糸球体腎炎は尿潜血、尿蛋白が持続的に続き、顆粒円柱も認め、その後腎機能が低下してくる。診断のためには本来腎生検だが、生検できない場合はIgG/IgM/IgE/IgA、ASO、抗核抗体、p-ANCA/c-ANCA、C3/C4/CH50、レニン/アルドステロン、カテコラミン3分画(30分安静臥床後そのまま採血を)。尿路感染は必ず除外する。
cf)一般的なgenomic actionではデカドロン:リンデロン:メドロール:プレドニンは5:5:1:0.8だがnon-genomic actoionは1.2:0.2:1:0.4。パルス療法を行うという前提では、力価はソルメドロール125mgがプレドニン500mgに相当する。
☆CMV、結核、カリニ肺炎(PCP)、HBV再燃に注意する。疑う時はCMV-Ag/CMV-IgM/CMV-IgG/CMV-C7HR、3連痰/結核PCR/QFT、βDグルカン/LDHを精査する。下血あればCMV腸炎も忘れずに。
☆プレドニン換算20mgを4週以上継続するときは血糖測定、パリエット10mg1錠朝食後、ボナロン/フォサマック35mg1錠起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン/ファンギゾンシロップ含嗽液(480ml)1本1回20mLでうがい後に服用1日3回、バクタ/ダイフェン(S400mgT80mg)1錠(月水金内服)、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HRを2週間毎に測定する。
①ソルメルコート/ソルメドロール(メチルプレドニゾロン)250mg+生食100ml 1日1回(125mgを1日2回でも可能) 2時間かけて 3日間
②プレドニン40mg+生食100ml 1日1回 1週間
③プレドニン30mg1日1回内服 1週間
症状みて漸減していく
注)
B型肝炎、結核の感染はチェックする。
抗血小板薬、抗潰瘍薬、場合により抗結核薬を加える。
抗血小板薬:ジビリダモール(ベルサンチン)150~300mg/日+アスピリン81mg(小児バファリンR1錠)など
適応)
・薬剤性肝障害(胆汁うっ滞性)、間質性肺炎増悪、急性糸球体腎炎を疑う時
・薬剤性肝障害診断のためには、以下を検査する。腹部CT、MRCP、HCV抗体、HCV-RNA、HBs抗原/抗体(HBs抗原+ならHBV感染あり)、IgM-HAV(カキのシーズン2~5月)、e抗原/抗体、HBV-DNA、IgM-EBV-VCA、CMV-IgM、抗核抗体、抗平滑筋抗体、抗ミトコンドリア抗体、IgG/IgM/IgE/IgA・薬剤性肝障害の場合はウルソ6錠分3、強力ネオミノファーゲンC40ml静注 1日1回が無効な場合にミニパルスを検討する。
・急性糸球体腎炎は尿潜血、尿蛋白が持続的に続き、顆粒円柱も認め、その後腎機能が低下してくる。診断のためには本来腎生検だが、生検できない場合はIgG/IgM/IgE/IgA、ASO、抗核抗体、p-ANCA/c-ANCA、C3/C4/CH50、レニン/アルドステロン、カテコラミン3分画(30分安静臥床後そのまま採血を)。尿路感染は必ず除外する。
cf)一般的なgenomic actionではデカドロン:リンデロン:メドロール:プレドニンは5:5:1:0.8だがnon-genomic actoionは1.2:0.2:1:0.4。パルス療法を行うという前提では、力価はソルメドロール125mgがプレドニン500mgに相当する。
☆CMV、結核、カリニ肺炎(PCP)、HBV再燃に注意する。疑う時はCMV-Ag/CMV-IgM/CMV-IgG/CMV-C7HR、3連痰/結核PCR/QFT、βDグルカン/LDHを精査する。下血あればCMV腸炎も忘れずに。
☆プレドニン換算20mgを4週以上継続するときは血糖測定、パリエット10mg1錠朝食後、ボナロン/フォサマック35mg1錠起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン/ファンギゾンシロップ含嗽液(480ml)1本1回20mLでうがい後に服用1日3回、バクタ/ダイフェン(S400mgT80mg)1錠(月水金内服)、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HRを2週間毎に測定する。
療養病院での抗生剤の使い方
☆療養病院での抗生剤の使い方
・療養病院での抗生剤は
①ミノマイシン(MINO)は100mg1日1回
②メロペン(MEPM)は0.5g1日1回
③バンコマイシン(VCM)は0.5g1日1回(60分)
cf)バンコマイシンは1g/hrで投与すればred neck syndromeは起こらない。
④セフメタゾール(CMZ)は1g1日2回→明らかなUTIの時のみ、耐性菌ありで肺炎には無効
⑤スルペラゾン(SBT/CPZ、後発:セフロニック)は1g1日2回
⑥ユナシン(SBT/ABPC、後発:スルバシリン)は1.5g1日2回
・喀痰培養でMRSAが陽性になった例でMRSAが肺炎に関与していた例は10%くらいらしい。
・CDIに対しフラジール無効例が2%ありバンコマイシン内服が有効、逆にバンコマイシン無効例も2%ありフラジールが有効。点滴のバンコマイシンを内服してもよい。
・尿中レジオネラ抗原陽性ならレジオネラ感染症と考えてミノマイシン投与してみる(レジオネラの培養は難しい)。
・βラクタム無効な肺炎ではクラビット内服しながらミノマイシンでもよい。
・アミノ配糖体系抗菌薬使用時の血中濃度モニタリングは投与直前と投与開始1時間後。バンコマイシンの血中濃度採血指示は投与直前(トラフ値)。ただし、VCM0.5g1日2回程度など4gまでは血中濃度測定する必要なし。腎機能で容量調節は必要ある。腎障害や聴障害は高容量で長期間投与しないとおきない。
・短期間で繰り返す肺炎、尿路感染はそれぞれ膿瘍を疑うこと。膿瘍あれば4-6週間の抗生剤投与が必要。
cf)ロセフィンで偽胆石
・ロセフィンは腎と肝から半分ずつ排泄され、胆嚢内でCaと結合し、偽胆石を作ることがある。∴Caを含む製剤と混合は配合変化起こす。
・ロセフィンで加療中に1週間ぐらいでできることがある。ロセフィン加療中に右季肋部痛あれば偽胆石を疑うこと(小児で10.1-46.5%、成人で21.4-25%)。
・特に腎機能低下例で要注意。
・ロセフィン投与を中止すると自然消失することが多い。
・胆石の原因になるため療養病院ではロセフィンを採用していないこともある。
cf)筋注できる抗生剤
・ルートも取れず、胃瘻や胃管もなく、皮下注している患者に抗生剤を投与する時は筋注できる薬剤を使ってもよい。
・チエナム0.5gは0.5%キシロカイン2mlに溶かして筋注する。
・セフメタゾン、セファメジン、セフォタックス、パンスポリン、ビクシリン、ピペラシリン、ペントシリン、アザクタムなども筋注可能。
cf)抗生剤のスペクトラムまとめ(一般名,商品名)ペニシリン系:
PCG(ペニシリンG,ペニシリンG):GPC(Strep)
ABPC(アンピシリン,ビクシリン):GPC(Ent,Strep),GNR(E)
PIPC(ピペラシリン,ペントシリン):GPC(Ent,Strep),GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo,Acineto)
ABPC/SBT(アンピシリン/スルバクタム,ユナシン):GPC(Ent,Strep),GNR(E,K,P,Acineto),嫌気
PIPC/TAZ(ピペラシリン/タゾバクタム,ゾシン):GPC(Ent,Strep),GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo,Acineto),嫌気
セフェム系:
CEZ(セファゾリン,セファメジン):GPC(Strep,MSSA),GNR(E)
CTM(セフォチアム,パンスポリン):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P)
CMZ(セフメタゾール,セフメタゾール):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P),嫌気
CTRX(セフトリアキソン,ロセフィン):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P,S,C,Etb)
CAZ(セフタジジム,モダシン):GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo)
CFPM(セフェピム,マキシピーム):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo)カルバペネム系:
MEPM(メロペネム,メロペン):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo,Acineto),嫌気
注)
GPC(Enterococcus,Streptococcus pneumoniae)
GNR(E.coli,Klebsiella,Proteus,Serratia,Citrobacter,Entrobacter,Pseudomonus aeruginosa,Acinetobacter baumannii)注)MEPMの1st choiceは重症院内感染症、起炎菌がESBLやAmpC、壊死性筋膜炎の初期治療。療養病院では使わないのが原則。
参考)各種抗生剤のスペクトラム
・療養病院での抗生剤は
①ミノマイシン(MINO)は100mg1日1回
②メロペン(MEPM)は0.5g1日1回
③バンコマイシン(VCM)は0.5g1日1回(60分)
cf)バンコマイシンは1g/hrで投与すればred neck syndromeは起こらない。
④セフメタゾール(CMZ)は1g1日2回→明らかなUTIの時のみ、耐性菌ありで肺炎には無効
⑤スルペラゾン(SBT/CPZ、後発:セフロニック)は1g1日2回
⑥ユナシン(SBT/ABPC、後発:スルバシリン)は1.5g1日2回
・喀痰培養でMRSAが陽性になった例でMRSAが肺炎に関与していた例は10%くらいらしい。
・CDIに対しフラジール無効例が2%ありバンコマイシン内服が有効、逆にバンコマイシン無効例も2%ありフラジールが有効。点滴のバンコマイシンを内服してもよい。
・尿中レジオネラ抗原陽性ならレジオネラ感染症と考えてミノマイシン投与してみる(レジオネラの培養は難しい)。
・βラクタム無効な肺炎ではクラビット内服しながらミノマイシンでもよい。
・アミノ配糖体系抗菌薬使用時の血中濃度モニタリングは投与直前と投与開始1時間後。バンコマイシンの血中濃度採血指示は投与直前(トラフ値)。ただし、VCM0.5g1日2回程度など4gまでは血中濃度測定する必要なし。腎機能で容量調節は必要ある。腎障害や聴障害は高容量で長期間投与しないとおきない。
・短期間で繰り返す肺炎、尿路感染はそれぞれ膿瘍を疑うこと。膿瘍あれば4-6週間の抗生剤投与が必要。
cf)ロセフィンで偽胆石
・ロセフィンは腎と肝から半分ずつ排泄され、胆嚢内でCaと結合し、偽胆石を作ることがある。∴Caを含む製剤と混合は配合変化起こす。
・ロセフィンで加療中に1週間ぐらいでできることがある。ロセフィン加療中に右季肋部痛あれば偽胆石を疑うこと(小児で10.1-46.5%、成人で21.4-25%)。
・特に腎機能低下例で要注意。
・ロセフィン投与を中止すると自然消失することが多い。
・胆石の原因になるため療養病院ではロセフィンを採用していないこともある。
cf)筋注できる抗生剤
・ルートも取れず、胃瘻や胃管もなく、皮下注している患者に抗生剤を投与する時は筋注できる薬剤を使ってもよい。
・チエナム0.5gは0.5%キシロカイン2mlに溶かして筋注する。
・セフメタゾン、セファメジン、セフォタックス、パンスポリン、ビクシリン、ピペラシリン、ペントシリン、アザクタムなども筋注可能。
cf)抗生剤のスペクトラムまとめ(一般名,商品名)ペニシリン系:
PCG(ペニシリンG,ペニシリンG):GPC(Strep)
ABPC(アンピシリン,ビクシリン):GPC(Ent,Strep),GNR(E)
PIPC(ピペラシリン,ペントシリン):GPC(Ent,Strep),GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo,Acineto)
ABPC/SBT(アンピシリン/スルバクタム,ユナシン):GPC(Ent,Strep),GNR(E,K,P,Acineto),嫌気
PIPC/TAZ(ピペラシリン/タゾバクタム,ゾシン):GPC(Ent,Strep),GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo,Acineto),嫌気
セフェム系:
CEZ(セファゾリン,セファメジン):GPC(Strep,MSSA),GNR(E)
CTM(セフォチアム,パンスポリン):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P)
CMZ(セフメタゾール,セフメタゾール):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P),嫌気
CTRX(セフトリアキソン,ロセフィン):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P,S,C,Etb)
CAZ(セフタジジム,モダシン):GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo)
CFPM(セフェピム,マキシピーム):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo)カルバペネム系:
MEPM(メロペネム,メロペン):GPC(Strep,MSSA),GNR(E,K,P,S,C,Etb,Pseudo,Acineto),嫌気
注)
GPC(Enterococcus,Streptococcus pneumoniae)
GNR(E.coli,Klebsiella,Proteus,Serratia,Citrobacter,Entrobacter,Pseudomonus aeruginosa,Acinetobacter baumannii)注)MEPMの1st choiceは重症院内感染症、起炎菌がESBLやAmpC、壊死性筋膜炎の初期治療。療養病院では使わないのが原則。
参考)各種抗生剤のスペクトラム
<各種文書の書き方 目次>
主治医意見書の書き方(要介護5)
☆主治医意見書の書き方(要介護5)
注意)主治医意見書のための問診票があるのでそれを利用するとよい
1(1)診断名
・多発性脳梗塞
・くも膜下出血
・高血圧性脳症
・くも膜下出血後遺症
cf)発症年月日が不明な場合は「不詳」と記載しておく。
1(4)障害の直接の原因になっている傷病の経過及び投薬内容を含む治療内容
・麻痺、筋力低下、自発性低下著しく、ほぼ全介助の状態が続いている。
・リハビリ実施するも全身の拘縮が強く、首の運動のみ自発がある。
・経鼻胃管による栄養摂取をしている。
・気道感染が時々見られる。
・意思の疎通は困難である。
・日常生活の動作〜起き上がり、立ち上がり、移動、食事摂取、排泄、清潔、更衣、内服などに全介助を要している。
・指示の内容、記憶、理解もできない。
・経口摂取困難となり胃瘻造設されている。
・現在は左肩麻痺で右側も自発運動はほとんどなく、時折開眼する、右手をわずかに動かす程度。
・意識状態は終日閉眼入眠傾向で、声かけにも反応乏しく、意思の疎通困難。
・頻回に訪室し状態観察、介護を要している。
・四肢筋力低下、握力低下、拘縮も増強している。
・時々発熱もあり、徐々に衰弱進行、急変も考えられる。
・誤嚥性肺炎を繰り返したため、以後経鼻胃管栄養となっている。たびたび経口への切り替えが行われたが、拒食強く中止。
4(1)現在、発生の可能性が高い病態とその対処方針(対処方針は特に書かなくても良い)
・尿失禁→おむつ
4(3)介護サービスにおける医学的観点からの留意事項
・血圧→あり:降圧薬の服用を確認する。
・嚥下→あり:むせるため時間がかかる/経鼻胃管栄養/嚥下困難
・摂食→あり:誤嚥性肺炎に注意/流動食/胃瘻より注入
・移動→あり:車椅子/移動時介助必要
5その他特記すべき事項
・車椅子使用。
・仮性球麻痺でむせるため食事に時間がかかる。
・随意運動は右上肢のみ可能であるが介護者の妻が居宅での生活を強く望んでいる。
・在宅介護を継続するための訪問、入所を組み合わせたサービス、機能維持のためのリハビリが必要。
・衣服の着替えなど看護を受けやすくするために関節の拘縮を和らげるリハビリが必要である。
・意思、感情の表現伝達を進めるために発語の訓練リハビリを受けている。
・高齢でもあり全身の筋力低下、意欲健忘、認知機能の低下とともに常時意思の疎通に欠け、現在日常生活動作全て全介助を要している。
・両手爪白癬あり軟膏塗布。手にタオルを握らせ乾燥を促している。
・麻痺、筋力低下のため自力運動がないため、定期的に体位変換を要する。
・タッピング、皮膚の清潔保持を要する。
・強度の認知症と失語症のため意思疎通不可能。時に自己主張、要望を訴えるが理解困難。
・右半身麻痺、関節拘縮のため自力体動不可能で、移動は3〜4人の介護者が必要。
・介護者に対する暴力行為、机上の物を投げるなどの行為あり。
・尿便意なくおむつ使用。時に弄便あり。
cf)日常生活自立度
☆障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)
・生活自立(ランクJ)
何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する。
1.交通機関等を利用して外出する
2.隣近所へなら外出する
・準寝たきり(ランクA)
屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない。
1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
・寝たきり(ランクB)
屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ。
1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
2.介助により車いすに移乗する
・寝たきり(ランクC)
1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する。
1.自力で寝返りをうつ
2.自力では寝返りもうてない
※全く障害等を有しない者については、自立に○をつけること。
※判定に当たっては、補装具や自助具等の器具を使用した状態であっても差し支えない。
☆認知症高齢者の日常生活自立度
・Ⅰ
何らかの認知症を有するが、日常生活は 家庭内及び社会的にほぼ自立している。
・Ⅱ
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。
・Ⅱa
家庭外で上記Ⅱの状態がみられる。
例)たびたび道に迷うとか、買物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ等
・Ⅱb
家庭内でも上記Ⅱの状態が見られる。
例)服薬管理ができない、電話の応対や訪問者との対応など一人で留守番ができない等
・Ⅲ
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする。
・Ⅲa
日中を中心として上記Ⅲの状態が見られ る。
例)着替え、食事、排便、排尿が上手にできない、時間がかかる。やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等
・Ⅲb
夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる。
・Ⅳ
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。
・M
著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。
例)せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態等
※全く認知症を有しない者については、自立に○印をつけること。
注意)主治医意見書のための問診票があるのでそれを利用するとよい
1(1)診断名
・多発性脳梗塞
・くも膜下出血
・高血圧性脳症
・くも膜下出血後遺症
cf)発症年月日が不明な場合は「不詳」と記載しておく。
1(4)障害の直接の原因になっている傷病の経過及び投薬内容を含む治療内容
・麻痺、筋力低下、自発性低下著しく、ほぼ全介助の状態が続いている。
・リハビリ実施するも全身の拘縮が強く、首の運動のみ自発がある。
・経鼻胃管による栄養摂取をしている。
・気道感染が時々見られる。
・意思の疎通は困難である。
・日常生活の動作〜起き上がり、立ち上がり、移動、食事摂取、排泄、清潔、更衣、内服などに全介助を要している。
・指示の内容、記憶、理解もできない。
・経口摂取困難となり胃瘻造設されている。
・現在は左肩麻痺で右側も自発運動はほとんどなく、時折開眼する、右手をわずかに動かす程度。
・意識状態は終日閉眼入眠傾向で、声かけにも反応乏しく、意思の疎通困難。
・頻回に訪室し状態観察、介護を要している。
・四肢筋力低下、握力低下、拘縮も増強している。
・時々発熱もあり、徐々に衰弱進行、急変も考えられる。
・誤嚥性肺炎を繰り返したため、以後経鼻胃管栄養となっている。たびたび経口への切り替えが行われたが、拒食強く中止。
4(1)現在、発生の可能性が高い病態とその対処方針(対処方針は特に書かなくても良い)
・尿失禁→おむつ
4(3)介護サービスにおける医学的観点からの留意事項
・血圧→あり:降圧薬の服用を確認する。
・嚥下→あり:むせるため時間がかかる/経鼻胃管栄養/嚥下困難
・摂食→あり:誤嚥性肺炎に注意/流動食/胃瘻より注入
・移動→あり:車椅子/移動時介助必要
5その他特記すべき事項
・車椅子使用。
・仮性球麻痺でむせるため食事に時間がかかる。
・随意運動は右上肢のみ可能であるが介護者の妻が居宅での生活を強く望んでいる。
・在宅介護を継続するための訪問、入所を組み合わせたサービス、機能維持のためのリハビリが必要。
・衣服の着替えなど看護を受けやすくするために関節の拘縮を和らげるリハビリが必要である。
・意思、感情の表現伝達を進めるために発語の訓練リハビリを受けている。
・高齢でもあり全身の筋力低下、意欲健忘、認知機能の低下とともに常時意思の疎通に欠け、現在日常生活動作全て全介助を要している。
・両手爪白癬あり軟膏塗布。手にタオルを握らせ乾燥を促している。
・麻痺、筋力低下のため自力運動がないため、定期的に体位変換を要する。
・タッピング、皮膚の清潔保持を要する。
・強度の認知症と失語症のため意思疎通不可能。時に自己主張、要望を訴えるが理解困難。
・右半身麻痺、関節拘縮のため自力体動不可能で、移動は3〜4人の介護者が必要。
・介護者に対する暴力行為、机上の物を投げるなどの行為あり。
・尿便意なくおむつ使用。時に弄便あり。
cf)日常生活自立度
☆障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)
・生活自立(ランクJ)
何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する。
1.交通機関等を利用して外出する
2.隣近所へなら外出する
・準寝たきり(ランクA)
屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない。
1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
・寝たきり(ランクB)
屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ。
1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
2.介助により車いすに移乗する
・寝たきり(ランクC)
1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する。
1.自力で寝返りをうつ
2.自力では寝返りもうてない
※全く障害等を有しない者については、自立に○をつけること。
※判定に当たっては、補装具や自助具等の器具を使用した状態であっても差し支えない。
☆認知症高齢者の日常生活自立度
・Ⅰ
何らかの認知症を有するが、日常生活は 家庭内及び社会的にほぼ自立している。
・Ⅱ
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。
・Ⅱa
家庭外で上記Ⅱの状態がみられる。
例)たびたび道に迷うとか、買物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ等
・Ⅱb
家庭内でも上記Ⅱの状態が見られる。
例)服薬管理ができない、電話の応対や訪問者との対応など一人で留守番ができない等
・Ⅲ
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする。
・Ⅲa
日中を中心として上記Ⅲの状態が見られ る。
例)着替え、食事、排便、排尿が上手にできない、時間がかかる。やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等
・Ⅲb
夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる。
・Ⅳ
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。
・M
著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。
例)せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態等
※全く認知症を有しない者については、自立に○印をつけること。
被覆費受給申請書
☆被服費(紙おむつ)受給申請書
・生活保護法で紙おむつの費用の扶助を申請できる。
・使用見込み期間は6か月(半年毎の申請)。
・必要とする理由は「脳梗塞後のため寝たきり状態で自己にて排尿排便コントロールができない状態にある」など。
・生活保護法で紙おむつの費用の扶助を申請できる。
・使用見込み期間は6か月(半年毎の申請)。
・必要とする理由は「脳梗塞後のため寝たきり状態で自己にて排尿排便コントロールができない状態にある」など。
医療要否意見書
☆医療要否意見書について
・傷病名または部位:脂質異常症など、発症日は初診日から。
・今後の診療見込み:定期通院、内服加療を要する。
・見込み期間:入院外、6か月(外来の時)
・入院外医療を①要する
・就労可否:中労働(立ち仕事)等。前回内容や現状を参考にする。(記載なしでも可)
・傷病名または部位:脂質異常症など、発症日は初診日から。
・今後の診療見込み:定期通院、内服加療を要する。
・見込み期間:入院外、6か月(外来の時)
・入院外医療を①要する
・就労可否:中労働(立ち仕事)等。前回内容や現状を参考にする。(記載なしでも可)
療養病院での書類の書き方1例
☆療養病院での書類の書き方1例
注意)後見人用の診断書で、鑑定依頼は基本拒否する。理由はCT検査など必要な検査ができないからetcでよい。
・年金、生命保険など診断書の経過:
平成〇年〇月〇日、家で倒れているところを家族により発見され、○○病院に救急搬送された。○○の診断にて、開頭血種除去術が行われた。後遺症として意識障害、片麻痺、嚥下障害を認め、気管切開も施行された。現在は寝たきりで、日常生活動作には全介助を要している。経口摂取は困難なため、胃瘻造設となっているほか、頻回の吸痰、気管切開の管理、合併する肺炎、糖尿病の加療を行っている。今後も入院加療は必要である。
・治療内容:
胃瘻栄養の継続し、関節拘縮予防、褥瘡予防のためのリハビリテーション、肺炎予防のための頻回の吸痰と気管切開管理を行っている。
・切断または離断、変形、麻痺:
痙直性、脳性、感覚鈍麻、運動麻痺
・手足の可動他動域:
手指、足趾とも可動性なし(拘縮)
・その他の精神、身体障害の状態:
寝たきりで意思疎通できず、発語も不可。四肢拘縮が著明で栄養は経管食に頼っている。病状は入院以後固定化している。高血圧、糖尿病は経鼻胃管からの投薬で安定している。
・回復の見込み:
病状は固定しており、回復の可能性は見いだせない。
・現症時の日常生活活動動作及び労働能力:
全介助、労働能力なし
・予後:
極めて不良
cf)・障害基礎年金診断書の診療回数は月平均30回
・治療内容は拘縮、褥瘡予防の為のリハビリテーション、肺炎予防の為の適宜吸痰を行っている。
・傷病発生日時は不明な時は「不詳」とする。
・初診日時は入院日時で良い。
・主治医意見書の入院期間は6か月と記載する。
注意)後見人用の診断書で、鑑定依頼は基本拒否する。理由はCT検査など必要な検査ができないからetcでよい。
・年金、生命保険など診断書の経過:
平成〇年〇月〇日、家で倒れているところを家族により発見され、○○病院に救急搬送された。○○の診断にて、開頭血種除去術が行われた。後遺症として意識障害、片麻痺、嚥下障害を認め、気管切開も施行された。現在は寝たきりで、日常生活動作には全介助を要している。経口摂取は困難なため、胃瘻造設となっているほか、頻回の吸痰、気管切開の管理、合併する肺炎、糖尿病の加療を行っている。今後も入院加療は必要である。
・治療内容:
胃瘻栄養の継続し、関節拘縮予防、褥瘡予防のためのリハビリテーション、肺炎予防のための頻回の吸痰と気管切開管理を行っている。
・切断または離断、変形、麻痺:
痙直性、脳性、感覚鈍麻、運動麻痺
・手足の可動他動域:
手指、足趾とも可動性なし(拘縮)
・その他の精神、身体障害の状態:
寝たきりで意思疎通できず、発語も不可。四肢拘縮が著明で栄養は経管食に頼っている。病状は入院以後固定化している。高血圧、糖尿病は経鼻胃管からの投薬で安定している。
・回復の見込み:
病状は固定しており、回復の可能性は見いだせない。
・現症時の日常生活活動動作及び労働能力:
全介助、労働能力なし
・予後:
極めて不良
cf)・障害基礎年金診断書の診療回数は月平均30回
・治療内容は拘縮、褥瘡予防の為のリハビリテーション、肺炎予防の為の適宜吸痰を行っている。
・傷病発生日時は不明な時は「不詳」とする。
・初診日時は入院日時で良い。
・主治医意見書の入院期間は6か月と記載する。
入院計画診療書の書き方(療養病院・急性期病院)
<入院計画診療書の書き方(療養病院)>
診断名:肺炎後の廃用症候群、脳梗塞後遺症、脳卒中後遺症など
症状:意識障害、嚥下障害、四肢麻痺
ADL:ベット上臥床、車椅子移乗可
治療計画:検査、バイタルサインの観察に基づく全身管理、リハビリテーション
リハ計画:拘縮や褥瘡の予防及び離床を目標に関節可動域訓練、移乗動作訓練を行います
栄養計画:特別な栄養管理の必要性(有)
感染、皮膚潰瘍の対策:肺炎、尿路感染の早期発見と治療をします。保清、保湿を行い褥瘡の予防します。
看護計画:安全、安楽に療養生活が送れるよう援助します
<入院計画診療書の書き方(急性期病院)>
診断名:肺炎、総胆管結石など
症状:発熱、酸素化不良、腹痛
治療計画:抗生剤、点滴、内視鏡的治療
検査:適宜、採血、レントゲン、CTなど
入院期間:1週間程度(経過により変更あります)
診断名:肺炎後の廃用症候群、脳梗塞後遺症、脳卒中後遺症など
症状:意識障害、嚥下障害、四肢麻痺
ADL:ベット上臥床、車椅子移乗可
治療計画:検査、バイタルサインの観察に基づく全身管理、リハビリテーション
リハ計画:拘縮や褥瘡の予防及び離床を目標に関節可動域訓練、移乗動作訓練を行います
栄養計画:特別な栄養管理の必要性(有)
感染、皮膚潰瘍の対策:肺炎、尿路感染の早期発見と治療をします。保清、保湿を行い褥瘡の予防します。
看護計画:安全、安楽に療養生活が送れるよう援助します
<入院計画診療書の書き方(急性期病院)>
診断名:肺炎、総胆管結石など
症状:発熱、酸素化不良、腹痛
治療計画:抗生剤、点滴、内視鏡的治療
検査:適宜、採血、レントゲン、CTなど
入院期間:1週間程度(経過により変更あります)
入院時指示
-----入院時-----<入院時指示>
・診断:例)誤嚥性肺炎など
・入院目的:加療
・食事:絶食(飲水は少量可/食事3割以下なら10%EL3号1本、3-6割なら2本負荷)・内服:検薬後、一旦中止
・酸素:SpO2 90%未満で酸素開始、最大8-10L、93-97%(COPDでは89-91%)となるように酸素増減、適宜offも可(もしくは、「90%以下なら1Lずつup、98%以上なら1Lずつdown」など)、人工呼吸器管理など
・活動/ADL:制限/ベッド上安静/自由。例)血小板2万以下はベッド上安静、痙攣発作既往あり転倒要注意なためベッド上安静など。
・バイタル:2検(ICU時はICUroutine)、療養病棟では血圧は2-3日に1回、体温、脈拍、SpO2は毎日、体重測定は4週に1回など
・尿量測定:不要/24時間ごと(ICU時は4検)・血糖測定:不要/院内統一スケール
・NG補正(イレウスの時):不要/排液N/S全量補正q12h・点滴:持続/ロック可
<コール条件>
・体温:>38.5(℃)
・血圧:<90、>180(mmHg)
・心拍:<50、>120(回/分)
・SpO2:<93(%)(COPDでは89%)
・尿量・<600ml/day or100ml/4hr<異常時指示>
・疼痛:カロナール坐薬、ボルタレン坐薬25mg(体格により50mg)、ソセゴン 1A iv(Dr.call必要)・吐気:プリンペラン 1A iv
・不穏:アタラックスP 1A iv、セレネース1A筋注(高齢者は0.5A)、セレネース 1A + N/S100ml div・発熱(38.5℃以上):メチロン1A筋注、ボルタレン坐薬25mg(体格により50mg)、血培2セット採取、採血採尿
・胸痛:心電図、胸写
・便秘 ラキソベロン15滴内服、GE浣腸60ml
(その他の条件付き指示はDr.call必要)
---------------------------------------------------------------<異常時指示>(①が優先度高い)
発熱時(38.5℃以上):
①カロナール200mg2Tもしくはカロナール座薬
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg(腎障害あるときはしない)
④メチロン250mg/1mL 1A筋注
疼痛時:
①カロナール200mg2Tもしくはカロナール座薬
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg (腎障害あるときはしない)
④ペンタジン15mg 1A筋注
不眠時:
①ベルソムラ15㎎(長期間BZP内服時は持参のBZPを1週間ごとに0.5~0.25Tずつ漸減しながら併用)
(以下はせん妄時は中止)
②マイスリー10mg 0.5T
③②無効時はさらに0.5T追加
④レンドルミン0.25mg1T嘔気時:
①アタラックスP1A静注
②プリンペラン1A筋注(もしくはプリンペラン1A+生食20ml静注もしくはメイン点注)
③ノバミン1A筋注
④ナウゼリン坐薬1個
不穏時:
①テトラミド1T(レスリン、デジレル、リフレックス、レメロン)内服
②リスパダール1包内服(1日3回まで、1時間あけて)
③セレネース1A筋注
④セレネース1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ
⑤セレネース1A+ロヒプノール1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ(BZPを半年以上服用し、休薬による反跳性不眠を疑うとき)
⑥家族Call便秘時:
①摘便
②レシカルボン坐薬
③GE浣腸60ml
④プルゼニド2T血圧200mmHg以上:
①アダラート5mg 1C内服
②フランドルテープ40㎎1日1枚(内服できないとき)
---------------------------------------------------------------
<異常時指示>(改訂版)
・発熱時
38℃以上
①アルピニー坐薬1個
②3点クーリング
③セフメタゾール1g+生食100ml 1日2回 4日間(チエナム筋注用0.5g1日2回)
・血圧上昇時
①アムロジピンOD(2.5)1C
②二カルピン1A+生食100ml 4ml/hrで開始、30分後に
BP120以下なら-2ml/hr
BP180以上なら+2ml/hr・不穏時
①リスペリドン0.5ml屯用
②アタP1A筋注(経口不能の時)
・不眠時
①ゾピクール(7.5)1T屯用
②アタP1A筋注(経口不能の時)
・便秘時
便秘2日
①ピコスルファート1ml
②テレミンソフト1個(経口不能時)
便秘3日
グ浣60cc・食事量
前日の昼から朝にかけて食事量が半分以下ならソルデム3A500ml点滴(もしくは皮下注)
・診断:例)誤嚥性肺炎など
・入院目的:加療
・食事:絶食(飲水は少量可/食事3割以下なら10%EL3号1本、3-6割なら2本負荷)・内服:検薬後、一旦中止
・酸素:SpO2 90%未満で酸素開始、最大8-10L、93-97%(COPDでは89-91%)となるように酸素増減、適宜offも可(もしくは、「90%以下なら1Lずつup、98%以上なら1Lずつdown」など)、人工呼吸器管理など
・活動/ADL:制限/ベッド上安静/自由。例)血小板2万以下はベッド上安静、痙攣発作既往あり転倒要注意なためベッド上安静など。
・バイタル:2検(ICU時はICUroutine)、療養病棟では血圧は2-3日に1回、体温、脈拍、SpO2は毎日、体重測定は4週に1回など
・尿量測定:不要/24時間ごと(ICU時は4検)・血糖測定:不要/院内統一スケール
・NG補正(イレウスの時):不要/排液N/S全量補正q12h・点滴:持続/ロック可
<コール条件>
・体温:>38.5(℃)
・血圧:<90、>180(mmHg)
・心拍:<50、>120(回/分)
・SpO2:<93(%)(COPDでは89%)
・尿量・<600ml/day or100ml/4hr<異常時指示>
・疼痛:カロナール坐薬、ボルタレン坐薬25mg(体格により50mg)、ソセゴン 1A iv(Dr.call必要)・吐気:プリンペラン 1A iv
・不穏:アタラックスP 1A iv、セレネース1A筋注(高齢者は0.5A)、セレネース 1A + N/S100ml div・発熱(38.5℃以上):メチロン1A筋注、ボルタレン坐薬25mg(体格により50mg)、血培2セット採取、採血採尿
・胸痛:心電図、胸写
・便秘 ラキソベロン15滴内服、GE浣腸60ml
(その他の条件付き指示はDr.call必要)
---------------------------------------------------------------<異常時指示>(①が優先度高い)
発熱時(38.5℃以上):
①カロナール200mg2Tもしくはカロナール座薬
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg(腎障害あるときはしない)
④メチロン250mg/1mL 1A筋注
疼痛時:
①カロナール200mg2Tもしくはカロナール座薬
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg (腎障害あるときはしない)
④ペンタジン15mg 1A筋注
不眠時:
①ベルソムラ15㎎(長期間BZP内服時は持参のBZPを1週間ごとに0.5~0.25Tずつ漸減しながら併用)
(以下はせん妄時は中止)
②マイスリー10mg 0.5T
③②無効時はさらに0.5T追加
④レンドルミン0.25mg1T嘔気時:
①アタラックスP1A静注
②プリンペラン1A筋注(もしくはプリンペラン1A+生食20ml静注もしくはメイン点注)
③ノバミン1A筋注
④ナウゼリン坐薬1個
不穏時:
①テトラミド1T(レスリン、デジレル、リフレックス、レメロン)内服
②リスパダール1包内服(1日3回まで、1時間あけて)
③セレネース1A筋注
④セレネース1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ
⑤セレネース1A+ロヒプノール1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ(BZPを半年以上服用し、休薬による反跳性不眠を疑うとき)
⑥家族Call便秘時:
①摘便
②レシカルボン坐薬
③GE浣腸60ml
④プルゼニド2T血圧200mmHg以上:
①アダラート5mg 1C内服
②フランドルテープ40㎎1日1枚(内服できないとき)
---------------------------------------------------------------
<異常時指示>(改訂版)
・発熱時
38℃以上
①アルピニー坐薬1個
②3点クーリング
③セフメタゾール1g+生食100ml 1日2回 4日間(チエナム筋注用0.5g1日2回)
・血圧上昇時
①アムロジピンOD(2.5)1C
②二カルピン1A+生食100ml 4ml/hrで開始、30分後に
BP120以下なら-2ml/hr
BP180以上なら+2ml/hr・不穏時
①リスペリドン0.5ml屯用
②アタP1A筋注(経口不能の時)
・不眠時
①ゾピクール(7.5)1T屯用
②アタP1A筋注(経口不能の時)
・便秘時
便秘2日
①ピコスルファート1ml
②テレミンソフト1個(経口不能時)
便秘3日
グ浣60cc・食事量
前日の昼から朝にかけて食事量が半分以下ならソルデム3A500ml点滴(もしくは皮下注)
診断書
-----診断書-----診断名:
上の者、平成 年 月 日、上記診断で初診。来院日から約 日間の加療を要する。経過
によってはこの限りではない。以下余白。
cf)診断書の治療期間
・軽微な捻挫、打撲:3日~2週
・捻挫、打撲、軽微な骨折:3週~4週
・脱臼、骨折、軽微な脊損:1ヶ月~2ヶ月
・重症多発外傷、脊損:3ヶ月以上
(注意)・警察用の診断書は「頭、首、右腕も胸も腰もお尻も足も打った」は、「全身打撲」の一
言でOK。
・治療期間15日未満は違反点数3点、15日以上は免停(15日毎に30日間)
・受診日より以前に発症していたとしても、受診日以降の診断書しか書かないこと。
上の者、平成 年 月 日、上記診断で初診。来院日から約 日間の加療を要する。経過
によってはこの限りではない。以下余白。
cf)診断書の治療期間
・軽微な捻挫、打撲:3日~2週
・捻挫、打撲、軽微な骨折:3週~4週
・脱臼、骨折、軽微な脊損:1ヶ月~2ヶ月
・重症多発外傷、脊損:3ヶ月以上
(注意)・警察用の診断書は「頭、首、右腕も胸も腰もお尻も足も打った」は、「全身打撲」の一
言でOK。
・治療期間15日未満は違反点数3点、15日以上は免停(15日毎に30日間)
・受診日より以前に発症していたとしても、受診日以降の診断書しか書かないこと。
情報診療提供書の返信
-----情報診療提供書の返信----- 平素よりいつもお世話になり有難うございます。本日来院されました○○様ですが、当
院で入院の上、精査加療を行います。落ち着きましたら、貴院を再紹介させていただきま
す。御紹介ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。
科 ○山○男 拝
院で入院の上、精査加療を行います。落ち着きましたら、貴院を再紹介させていただきま
す。御紹介ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。
科 ○山○男 拝
情報診療提供書
-----情報診療提供書-----御担当医先生御待史
平素より大変お世話になっております。上記患者様ですが、平成年月日、のため当院に救急搬送時間外外来受診されました。にて を認め、 と診断致しました。当院での対応は難しく、ご家族のご希望もあり、お忙しい中申し訳ございませんが、 様の御高診御検討宜しくお願い致します。
平素より大変お世話になっております。上記患者様ですが、平成年月日、のため当院に救急搬送時間外外来受診されました。にて を認め、 と診断致しました。当院での対応は難しく、ご家族のご希望もあり、お忙しい中申し訳ございませんが、 様の御高診御検討宜しくお願い致します。
cf)転送先探し
・医事課任せにせず、自分で相手先の医師に話をすること。
・一生懸命報告し、協力を仰ぐ姿勢が大切。万が一、断られてもきちんとお礼を言うこと。
・転送先が見つからず、急変した場合断った先の責任ではなく、転送先を見つけられなかった自分の責任であることを肝に銘じること。
コンサルト
-----コンサルト-----
○○科(御担当医or○○)先生 御机下
#1
#2
いつも大変お世話になっております。御紹介いたします患者様は上記#2にて入院加療中
の方です。ここ数日、#1を認め、 により と愚考致します。お忙しいとは存じま
すが、一度貴科的御高診、御指導宜しくお願い致します。
科 ○山○男 拝 院内PHS番号
○○科(御担当医or○○)先生 御机下
#1
#2
いつも大変お世話になっております。御紹介いたします患者様は上記#2にて入院加療中
の方です。ここ数日、#1を認め、 により と愚考致します。お忙しいとは存じま
すが、一度貴科的御高診、御指導宜しくお願い致します。
科 ○山○男 拝 院内PHS番号
コンサルト返信
カルテ(神経所見)
-----カルテ(神経所見)-----
cranial nerve:
pupil /,round/isocolic
light reflex +/+,prompt
EOM full/smooth
nystagmus -/-
diplopia -/-
conjugate deviation -
ⅤⅦⅧⅨⅩⅩⅠⅩⅡ normal
motor (upper&lower limb) normal
sensory(touch) (upper&lower limb) normal
diadochokinesis -/-
FNF test -/-
Heel-thin test -/-
trunk ataxia -
DTR biceps +/+,triceps +/+,patella +/+
Jackson - ,Spurling +/+,Laseague +/+
cranial nerve:
pupil /,round/isocolic
light reflex +/+,prompt
EOM full/smooth
nystagmus -/-
diplopia -/-
conjugate deviation -
ⅤⅦⅧⅨⅩⅩⅠⅩⅡ normal
motor (upper&lower limb) normal
sensory(touch) (upper&lower limb) normal
diadochokinesis -/-
FNF test -/-
Heel-thin test -/-
trunk ataxia -
DTR biceps +/+,triceps +/+,patella +/+
Jackson - ,Spurling +/+,Laseague +/+
カルテ(通常身体所見/退院サマリー)
-----カルテ(通常身体所見/退院サマリー)-----
Pt) y.o. F/M ID:
DOA)2013//
ENT)2013//
Diag.)###
CC)
PI)
PH)
HTN,DM,HL,HU,BA,BPH,PID,CVD,CAD,PAD
Meds)
SH)
ADL/KP
smoke/EtOH/allergy
PE)
gen:NAD/exhausted due to pain
cons:JCS0,E4V5M6
v/s:BP/,HR reg/irreg,BT,Sat(RA/FiO2 )%,RR
HEENT:conj NA/NI,neck supple,JVD,neck LAN palp,PERL(3/3),EOMI
throat erythematous,swollen tonsils,white exudate
chest:lung no crackle,no wheeze
heart s1s2 reg. mabd:
ope scar,soft,flat,NBS,no
tds,rebound,defence,tapping,heeldrop,Murphy,McBurney
ext:no C/C/E,Homans,Lawenberg,dorsalis pedis a.
nerve:upper/lower/facial motor intact
Exam)
EKG:
CXR:
L/D:
CT:
ProblemList)
#1.
#2.
#3.
#4.
#5.
Assessment/Plan)
#1.
#2.
#3.
#4.
#5.入院後経過)
転帰)
退院時処方)
考察)
Pt) y.o. F/M ID:
DOA)2013//
ENT)2013//
Diag.)###
CC)
PI)
PH)
HTN,DM,HL,HU,BA,BPH,PID,CVD,CAD,PAD
Meds)
SH)
ADL/KP
smoke/EtOH/allergy
PE)
gen:NAD/exhausted due to pain
cons:JCS0,E4V5M6
v/s:BP/,HR reg/irreg,BT,Sat(RA/FiO2 )%,RR
HEENT:conj NA/NI,neck supple,JVD,neck LAN palp,PERL(3/3),EOMI
throat erythematous,swollen tonsils,white exudate
chest:lung no crackle,no wheeze
heart s1s2 reg. mabd:
ope scar,soft,flat,NBS,no
tds,rebound,defence,tapping,heeldrop,Murphy,McBurney
ext:no C/C/E,Homans,Lawenberg,dorsalis pedis a.
nerve:upper/lower/facial motor intact
Exam)
EKG:
CXR:
L/D:
CT:
ProblemList)
#1.
#2.
#3.
#4.
#5.
Assessment/Plan)
#1.
#2.
#3.
#4.
#5.入院後経過)
転帰)
退院時処方)
考察)
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載8
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載8
脳梗塞
☆脳梗塞
・バイアスピリン100mg 1錠
プラビックス75mg 1錠
ランソプラゾール15mg(タケプロン)1錠
分1朝食後
ラクナ梗塞、アテローム血栓性の時。入院翌日から。出血性胃潰瘍の既往あるときはプラビックス75㎎分1とプレタール50㎎2回にする。プレタールは1番出血リスク少ないが頻脈や頭痛の副作用あり。心疾患ある場合は慎重投与。急性期1か月以降は1剤に変更。
・プラザキサ110mg 2C ランソプラゾール15mg(タケプロン)1錠
分1朝食後
心原性の時。入院翌日から。NG留置の時は細粒にすると効果上下するのでワーファリンにすること。
・アクチバシン600万/10ml単位 4瓶
脳梗塞発症4.5時間以内の全ての病型の脳梗塞に。4mlをフラッシュし、残り36mlを1時間かけて投与(体重60㎏の場合)。
・エダラボン点滴用バッグ30mg 1バッグ
30分かけて。CKD1-3までなら1日2回投与。eGFR50以下であれば慎重投与、30以下では禁忌(脳梗塞範囲小さい時はリスク侵さない)。
全ての病型の脳梗塞に。
・グリセレブ点滴静注200ml 90分かけて。腎不全や高齢者では1回のみ。
全ての病型の脳梗塞に。脳浮腫が起きる大きさの時。梗塞範囲が広く、midline shiftある場合。
・オザグレルNa40mg(オザマリン)2瓶
ソルデム3A 200ml 60分かけて1日2回
ラクナ梗塞の時の時の抗血小板療法。7日間投与。発症3,4日以内の時。
・ノバスタンHI注10mg/2ml 1A ソルデム3A 200ml 60分かけて1日2回
アテローム血栓性の時。アテローム血栓は抗凝固と抗血小板の両方を行う。7日間投与。発症48hr以内の時。
・ヘパリンNa(1000単位/ml) 10ml 生食50ml 2ml/hr 心原性の時。10000単位を24時間で。同時にワーファリンを開始(肺塞栓に準じる)。
・フェノバール100mg/1ml 0.25A1日1回筋注
痙攣予防
cf)心原性脳梗塞を疑うとき
・突然発症、重篤、広範囲な脳梗塞、皮質を含む脳梗塞
cf)発症時間の推定
・DWIでhigh、FLAIRでhighなしなら発症3hr以内(FLAIRでhighになるのは6hr以降)
・CTで脳梗塞がはっきりわかるのは8hr以降。∴脳梗塞の症状がありCTですでにLDAがある場合は別の部位に脳梗塞を起こしている可能性がある!CTのLDAにすぐに飛びつかないこと!
・バイアスピリン100mg 1錠
プラビックス75mg 1錠
ランソプラゾール15mg(タケプロン)1錠
分1朝食後
ラクナ梗塞、アテローム血栓性の時。入院翌日から。出血性胃潰瘍の既往あるときはプラビックス75㎎分1とプレタール50㎎2回にする。プレタールは1番出血リスク少ないが頻脈や頭痛の副作用あり。心疾患ある場合は慎重投与。急性期1か月以降は1剤に変更。
・プラザキサ110mg 2C ランソプラゾール15mg(タケプロン)1錠
分1朝食後
心原性の時。入院翌日から。NG留置の時は細粒にすると効果上下するのでワーファリンにすること。
・アクチバシン600万/10ml単位 4瓶
脳梗塞発症4.5時間以内の全ての病型の脳梗塞に。4mlをフラッシュし、残り36mlを1時間かけて投与(体重60㎏の場合)。
・エダラボン点滴用バッグ30mg 1バッグ
30分かけて。CKD1-3までなら1日2回投与。eGFR50以下であれば慎重投与、30以下では禁忌(脳梗塞範囲小さい時はリスク侵さない)。
全ての病型の脳梗塞に。
・グリセレブ点滴静注200ml 90分かけて。腎不全や高齢者では1回のみ。
全ての病型の脳梗塞に。脳浮腫が起きる大きさの時。梗塞範囲が広く、midline shiftある場合。
・オザグレルNa40mg(オザマリン)2瓶
ソルデム3A 200ml 60分かけて1日2回
ラクナ梗塞の時の時の抗血小板療法。7日間投与。発症3,4日以内の時。
・ノバスタンHI注10mg/2ml 1A ソルデム3A 200ml 60分かけて1日2回
アテローム血栓性の時。アテローム血栓は抗凝固と抗血小板の両方を行う。7日間投与。発症48hr以内の時。
・ヘパリンNa(1000単位/ml) 10ml 生食50ml 2ml/hr 心原性の時。10000単位を24時間で。同時にワーファリンを開始(肺塞栓に準じる)。
・フェノバール100mg/1ml 0.25A1日1回筋注
痙攣予防
cf)心原性脳梗塞を疑うとき
・突然発症、重篤、広範囲な脳梗塞、皮質を含む脳梗塞
cf)発症時間の推定
・DWIでhigh、FLAIRでhighなしなら発症3hr以内(FLAIRでhighになるのは6hr以降)
・CTで脳梗塞がはっきりわかるのは8hr以降。∴脳梗塞の症状がありCTですでにLDAがある場合は別の部位に脳梗塞を起こしている可能性がある!CTのLDAにすぐに飛びつかないこと!
ASO
☆ASO・ヘパリンNa(1000単位/ml)
15ml 生食100ml 1瓶
5ml/hr・ヘパリンNa(1000単位/ml) 5ml 5000単位ショット後、上記を持続静注
・セファメジンα点滴用キット2g CEZ 1組
30分かけて
・アルプロスタンジル10μg2ml(プリンク/リプル/パルクス)1A 生食100ml 30分かけて1日1回
cf)・ASOがPADの大部分を占める。
・末梢動脈閉塞疾患では抗血小板剤が使われるが、急性閉塞や血栓塞栓では抗凝固療法や血栓溶解療法も行う。
・Fontaine分類
I度:症状なし→食事運動療法、ABI0.9以下ではアスピリンもしくはクロピドグレル
II度:間欠性跛行→フットケア、監視下運動療法(跛行が起こるのに十分な強度で30~60分歩いて安静にする、週3回、3ヶ月実施)、薬物で跛行改善が証明されたのはシロスタゾール(プレタール1日100mg1日2錠)のみ。副作用で内服困難な場合はサルポグレラート(アンプラーグ1日300mg分3)やドルナー1日120μg分3 III度:安静時痛/IV度:壊疽、虚血性潰瘍→血管内治療や外科的バイパス術が基本。非適応時はプロスタグランジン製剤(プリンク/リプル/パルクス)を使う。術後は人工血管ならアスピリンとクロピドグレル(プラビックス1日1回75mg)併用、静脈グラフトならワーファリン、DESではアスピリンとプラビックスを2ヶ月投与後にアスピリン単剤に変更する。
cf)動脈硬化の検査項目
・頸動脈US:IMT(頸動脈内膜中膜複合体肥厚度)が1mmを超えていたら肥厚ありと判断する。Hard,mixed,softは見た感じで判断する。PI値(Lt.ICA)が1.2を超えると頭蓋内血管狭窄の可能性があると考える。
・ABI:上腕と足首の血圧から算出。1.30以上:下肢動脈高度石灰化、1.00-1.29:正常、0.91-0.99:境界域、0.41-0.90:軽度から中等度、0.40以下:重度。
・TBI:足趾・上腕血圧比。足趾血管は石灰化を免れることが多く、TBIでは石灰化の進行している患者でも閉塞病変の存在を評価することが可能。
・CAVI:動脈の硬さの指標。血圧の影響を受けにくい。9.0以上:動脈硬化の疑い、8.0-9.0:境界域、8.0以下:正常範囲。
5ml/hr・ヘパリンNa(1000単位/ml) 5ml 5000単位ショット後、上記を持続静注
・セファメジンα点滴用キット2g CEZ 1組
30分かけて
・アルプロスタンジル10μg2ml(プリンク/リプル/パルクス)1A 生食100ml 30分かけて1日1回
cf)・ASOがPADの大部分を占める。
・末梢動脈閉塞疾患では抗血小板剤が使われるが、急性閉塞や血栓塞栓では抗凝固療法や血栓溶解療法も行う。
・Fontaine分類
I度:症状なし→食事運動療法、ABI0.9以下ではアスピリンもしくはクロピドグレル
II度:間欠性跛行→フットケア、監視下運動療法(跛行が起こるのに十分な強度で30~60分歩いて安静にする、週3回、3ヶ月実施)、薬物で跛行改善が証明されたのはシロスタゾール(プレタール1日100mg1日2錠)のみ。副作用で内服困難な場合はサルポグレラート(アンプラーグ1日300mg分3)やドルナー1日120μg分3 III度:安静時痛/IV度:壊疽、虚血性潰瘍→血管内治療や外科的バイパス術が基本。非適応時はプロスタグランジン製剤(プリンク/リプル/パルクス)を使う。術後は人工血管ならアスピリンとクロピドグレル(プラビックス1日1回75mg)併用、静脈グラフトならワーファリン、DESではアスピリンとプラビックスを2ヶ月投与後にアスピリン単剤に変更する。
cf)動脈硬化の検査項目
・頸動脈US:IMT(頸動脈内膜中膜複合体肥厚度)が1mmを超えていたら肥厚ありと判断する。Hard,mixed,softは見た感じで判断する。PI値(Lt.ICA)が1.2を超えると頭蓋内血管狭窄の可能性があると考える。
・ABI:上腕と足首の血圧から算出。1.30以上:下肢動脈高度石灰化、1.00-1.29:正常、0.91-0.99:境界域、0.41-0.90:軽度から中等度、0.40以下:重度。
・TBI:足趾・上腕血圧比。足趾血管は石灰化を免れることが多く、TBIでは石灰化の進行している患者でも閉塞病変の存在を評価することが可能。
・CAVI:動脈の硬さの指標。血圧の影響を受けにくい。9.0以上:動脈硬化の疑い、8.0-9.0:境界域、8.0以下:正常範囲。
高血糖
☆高血糖(DKA=高血糖+アシデミア)
・ノボリンR皮下注
350以上なら10単位
300以上なら8単位
250以上なら6単位
200以上なら4単位
cf)DKAの場合
・ノボリンR 100単位
生食100ml 5ml/hr 上記フラッシュし、5ml/hr(体重50㎏の場合)で開始。血糖値200以下になった場合は中止し、スライディングスケールに変更。
・生食500ml 30分かけて、以降は120ml/hr・メイロン静注8.4% 250ml ソフトバッグ
pH7.1切るときに使用。BEの10倍量を急速静注。
・ノボリンR皮下注
350以上なら10単位
300以上なら8単位
250以上なら6単位
200以上なら4単位
cf)DKAの場合
・ノボリンR 100単位
生食100ml 5ml/hr 上記フラッシュし、5ml/hr(体重50㎏の場合)で開始。血糖値200以下になった場合は中止し、スライディングスケールに変更。
・生食500ml 30分かけて、以降は120ml/hr・メイロン静注8.4% 250ml ソフトバッグ
pH7.1切るときに使用。BEの10倍量を急速静注。
低血糖
☆低血糖
・ブドウ糖50%20ml 2A ショット
15分後再検し100mg/dl超えるまで繰り返す。
cf)低血糖の症状:
BS70:空腹感、生あくび、悪心
BS50:無気力、倦怠感
BS40:発汗、冷汗、動機、ふるえ、顔面蒼白、紅潮
BS30:意識障害、異常行動
BS10-20:痙攣、昏睡
→悪夢や起床時の頭痛や寝汗は睡眠中の低血糖かも。
cf)低血糖時の指示:
・BS70以下、経口摂取可能ならブドウ糖10g内服し30分後再検。
・BS70以下、意識障害ある場合や経口摂取不可なら50%ブドウ糖40ml静注射or10%ブドウ糖500mlを100ml/hrで点滴。
・胃管が入ってるなら、ブドウ糖10gと白湯20mlか、50%ツッカー20ml注入
・ブドウ糖50%20ml 2A ショット
15分後再検し100mg/dl超えるまで繰り返す。
cf)低血糖の症状:
BS70:空腹感、生あくび、悪心
BS50:無気力、倦怠感
BS40:発汗、冷汗、動機、ふるえ、顔面蒼白、紅潮
BS30:意識障害、異常行動
BS10-20:痙攣、昏睡
→悪夢や起床時の頭痛や寝汗は睡眠中の低血糖かも。
cf)低血糖時の指示:
・BS70以下、経口摂取可能ならブドウ糖10g内服し30分後再検。
・BS70以下、意識障害ある場合や経口摂取不可なら50%ブドウ糖40ml静注射or10%ブドウ糖500mlを100ml/hrで点滴。
・胃管が入ってるなら、ブドウ糖10gと白湯20mlか、50%ツッカー20ml注入
低K血症
☆低K血症
脱力の原因になっていることあり!!
・スローケー600㎎(K8.0mEq)3錠分3
cf)6錠分3でないと効果ない時が多い。
・グルコンサンK細粒1g(K4.0mEq)6包分3 スローケーが嚥下できない時。
・ソルデム3A 500ml アスパラK10mEq17.12%10ml 2A 60ml/hr
cf)低K血症の鑑別
腎外性低K血症:尿中K<20mEq/L,TTKG<2,FEK<10-20 →下痢、嘔吐、消化液吸引、腸瘻
腎性低K血症:尿中K>20mEq/L,TTKG>4,FEK>10-20 →代謝性アシドーシスあるなら近位/遠位尿細管アシドーシス、高血圧あるならアルドステロン症や腎動脈狭窄、ACTH上昇あるならCushing(下垂体かLK)、血圧が正常~低いなら利尿薬、Batter/Gittelman/Liddle症候群、先天性副腎過形成
(FEK:尿中K排泄分画=尿K(mEq/L)/血清K(mEq/L)÷尿Cr(mg/dl)/血清Cr(mg/dl))
脱力の原因になっていることあり!!
・スローケー600㎎(K8.0mEq)3錠分3
cf)6錠分3でないと効果ない時が多い。
・グルコンサンK細粒1g(K4.0mEq)6包分3 スローケーが嚥下できない時。
・ソルデム3A 500ml アスパラK10mEq17.12%10ml 2A 60ml/hr
cf)低K血症の鑑別
腎外性低K血症:尿中K<20mEq/L,TTKG<2,FEK<10-20 →下痢、嘔吐、消化液吸引、腸瘻
腎性低K血症:尿中K>20mEq/L,TTKG>4,FEK>10-20 →代謝性アシドーシスあるなら近位/遠位尿細管アシドーシス、高血圧あるならアルドステロン症や腎動脈狭窄、ACTH上昇あるならCushing(下垂体かLK)、血圧が正常~低いなら利尿薬、Batter/Gittelman/Liddle症候群、先天性副腎過形成
(FEK:尿中K排泄分画=尿K(mEq/L)/血清K(mEq/L)÷尿Cr(mg/dl)/血清Cr(mg/dl))
高K血症
☆高K血症
・ケイキサレート散分包3包
必要に応じて4-6時間毎
・ラシックス20㎎ 1Aショット
・カルチコール8.5%5ml 2A 生食50ml 30分かけて
・メイロン8.4%20ml 2Aショット
Na負荷に注意。効果1-2hr持続。
・ブドウ糖50%20ml 2A ノボリンR(ヒューマリンR) 5単位
1分かけてを2回(30分程でKを1mEq/L下げて効果5hr持続)
・10%ブドウ糖500ml ノボリンR(ヒューマリンR) 10単位
30分で投与
(投与開始から投与終了後2時間まで1時間おきに血糖測定を行うこと)
・カルチコール8.5%5ml 1A 3分かけて(2回まで、効果1hr持続)
・ケイキサレート散分包3包
必要に応じて4-6時間毎
・ラシックス20㎎ 1Aショット
・カルチコール8.5%5ml 2A 生食50ml 30分かけて
・メイロン8.4%20ml 2Aショット
Na負荷に注意。効果1-2hr持続。
・ブドウ糖50%20ml 2A ノボリンR(ヒューマリンR) 5単位
1分かけてを2回(30分程でKを1mEq/L下げて効果5hr持続)
・10%ブドウ糖500ml ノボリンR(ヒューマリンR) 10単位
30分で投与
(投与開始から投与終了後2時間まで1時間おきに血糖測定を行うこと)
・カルチコール8.5%5ml 1A 3分かけて(2回まで、効果1hr持続)
低Na血症
☆低Na血症
・生食500ml 10%食塩注20ml 6A 20ml/hrで側管から投与
cf)メインにNaCL1~2Aを混注したり、生食500mlを1日2回で改善する場合が多い。1日の補正は10mEq/L以下にする(0.5mEq/hr)。
☆低Na血症の鑑別
鑑別に必要な検査:血漿浸透圧、尿浸透圧、尿中Na、尿中Cr、ACTH、コルチゾール、BNP、ADH、TSH、FT4、レニン、アルドステロン
・定義はNa135mEq/L未満
・鑑別の流れ:血漿浸透圧を測定し、275mOsm/L以上であれば高血糖、高脂血症、高蛋白血症(MM)によるものを考え、275mOsm/L以下なら次に尿浸透圧を測定する。尿浸透圧が100mOsm/kg以下なら水中毒。100mOsm/kg以上で皮膚や 腋窩の乾燥、UA上昇、Ht上昇、BUN上昇あれば低栄養によるものか、腎排泄や下痢などを考える。尿中Naが20mEq/L以上なら腎排泄が原因。 275mOsm/L以下で乾燥所見がなければADHを測定し、測定できた時点でSIADH。そうでなければ心不全、腎不全、肝不全のどれか。多くは心不全。∴低Na血症で塩を追加投与しなければならない場面は少ない。水制限や利尿剤を使うほうが多い。
・①高張性:極端な高血糖、マンニトールなどの浸透圧物質によるもの
②等張性(偽性):高脂血症、高蛋白血症などによる測定上の問題
③低張性:血漿浸透圧<275mOsm/L・血漿浸透圧<275mOsm/Lであれば、尿浸透圧を測定し水中毒を除外。
尿浸透圧<100mOsm/kgであれば水中毒。治療は水分制限。
・尿浸透圧>100mOsm/kgであれば、細胞外液量を評価する。
・浮腫や胸水、腹水、尿酸値低下、BUN低下、Ht低下あれば細胞外液量増加があり、心不全、腎不全、肝硬変を考える。心不全があっても消化管出血や低栄養による異化亢進があった場合はBUNは上昇する。BUNだけで判断しないこと。治療は利尿剤。
・ADHを測定する。低Na血症があればADHは測定感度以下になるはず。測定できた時点でSIADH。治療は水分制限(1000ml/日以下)。改善ない場合は内分泌内科に相談を。
・SIADHの原因:
①中枢神経系疾患:髄膜炎、外傷、くも膜下出血、脳腫瘍、Guillain-Barre症候群、脳炎
②肺疾患:肺炎、肺癌(ADH異所性産生腫瘍を除く)、肺結核、肺アスペルギルス症、肺腫瘍、気管支喘息、陽圧呼吸
③ADH 異所性産生腫瘍:肺小細胞癌、膵癌
④薬剤:ビンクリスチン、クロフィブレート、アミトリプチン、イミプラミン
・腋窩や舌の乾燥、ツルゴール低下があり細胞外液量が減少している場合は、①腎臓からのNa喪失、②腎臓以外からのNa喪失、③Na摂取不足。①は利尿薬、塩類喪失性腎症、低アルドステロン症、②は嘔吐、下痢、熱傷。尿中Na濃度>20mEq/Lの場合は腎性のNa喪失。③心不全で塩分制限しすぎの場合や低栄養によることが多い。治療の基本は生食500mlを1日1-2本投与したり、塩3g/3xでゆっくり改善するはず。改善ない場合は少しずつNaCL投与量を増やす。それでも改善ない場合は心不全のことが多い。
cf)SIADHの診断基準:
Ⅰ.主症状
1.特異的ではないが、倦怠感、食欲低下、意識障害などの低ナトリウム血症症状がある。
2.脱水の所見を認めない。
Ⅱ.検査所見
1.低ナトリウム血症:血清ナトリウム濃度は135mEq/L を下回る。
2.血漿バゾプレシン値:血清ナトリウムが135mEq/L 未満で、血漿バゾプレシン値が測定感度以上である。
3.低浸透圧血症:血漿浸透圧は270mOsm/kg を下回る。
4.高張尿:尿浸透圧は300mOsm/kg を上回る。
5.ナトリウム利尿の持続:尿中ナトリウム濃度は20mEq/L 以上である。
6.腎機能正常:血清クレアチニンは1.2mg/dl 以下である。
7.副腎皮質機能正常:血清コルチゾールは6μg/dl 以上である。
Ⅲ.参考所見
1.原疾患(表1)の診断が確定していることが診断上の参考となる。
2.血漿レニン活性は5ng/ml/h以下であることが多い。
3.血清尿酸値は5mg/dl 以下であることが多い。
4.水分摂取を制限すると脱水が進行することなく低ナトリウム血症が改善する。
5.尿中アクアポリン-2 排泄は300fmol/mg クレアチニン以上であることが多い(基準値100~200fmol/mg クレアチニン)。
[診断基準]確実例Ⅱで1~7 の所見があり、かつ脱水の所見を認めないもの。
[鑑別診断]低ナトリウム血症をきたす次のものを除外する。
1.細胞外液量の過剰な低ナトリウム血症:心不全、肝硬変の腹水貯留時、ネフローゼ症候群
2.ナトリウム漏出が著明な低ナトリウム血症:腎性ナトリウム喪失、下痢、嘔吐
・生食500ml 10%食塩注20ml 6A 20ml/hrで側管から投与
cf)メインにNaCL1~2Aを混注したり、生食500mlを1日2回で改善する場合が多い。1日の補正は10mEq/L以下にする(0.5mEq/hr)。
☆低Na血症の鑑別
鑑別に必要な検査:血漿浸透圧、尿浸透圧、尿中Na、尿中Cr、ACTH、コルチゾール、BNP、ADH、TSH、FT4、レニン、アルドステロン
・定義はNa135mEq/L未満
・鑑別の流れ:血漿浸透圧を測定し、275mOsm/L以上であれば高血糖、高脂血症、高蛋白血症(MM)によるものを考え、275mOsm/L以下なら次に尿浸透圧を測定する。尿浸透圧が100mOsm/kg以下なら水中毒。100mOsm/kg以上で皮膚や 腋窩の乾燥、UA上昇、Ht上昇、BUN上昇あれば低栄養によるものか、腎排泄や下痢などを考える。尿中Naが20mEq/L以上なら腎排泄が原因。 275mOsm/L以下で乾燥所見がなければADHを測定し、測定できた時点でSIADH。そうでなければ心不全、腎不全、肝不全のどれか。多くは心不全。∴低Na血症で塩を追加投与しなければならない場面は少ない。水制限や利尿剤を使うほうが多い。
・①高張性:極端な高血糖、マンニトールなどの浸透圧物質によるもの
②等張性(偽性):高脂血症、高蛋白血症などによる測定上の問題
③低張性:血漿浸透圧<275mOsm/L・血漿浸透圧<275mOsm/Lであれば、尿浸透圧を測定し水中毒を除外。
尿浸透圧<100mOsm/kgであれば水中毒。治療は水分制限。
・尿浸透圧>100mOsm/kgであれば、細胞外液量を評価する。
・浮腫や胸水、腹水、尿酸値低下、BUN低下、Ht低下あれば細胞外液量増加があり、心不全、腎不全、肝硬変を考える。心不全があっても消化管出血や低栄養による異化亢進があった場合はBUNは上昇する。BUNだけで判断しないこと。治療は利尿剤。
・ADHを測定する。低Na血症があればADHは測定感度以下になるはず。測定できた時点でSIADH。治療は水分制限(1000ml/日以下)。改善ない場合は内分泌内科に相談を。
・SIADHの原因:
①中枢神経系疾患:髄膜炎、外傷、くも膜下出血、脳腫瘍、Guillain-Barre症候群、脳炎
②肺疾患:肺炎、肺癌(ADH異所性産生腫瘍を除く)、肺結核、肺アスペルギルス症、肺腫瘍、気管支喘息、陽圧呼吸
③ADH 異所性産生腫瘍:肺小細胞癌、膵癌
④薬剤:ビンクリスチン、クロフィブレート、アミトリプチン、イミプラミン
・腋窩や舌の乾燥、ツルゴール低下があり細胞外液量が減少している場合は、①腎臓からのNa喪失、②腎臓以外からのNa喪失、③Na摂取不足。①は利尿薬、塩類喪失性腎症、低アルドステロン症、②は嘔吐、下痢、熱傷。尿中Na濃度>20mEq/Lの場合は腎性のNa喪失。③心不全で塩分制限しすぎの場合や低栄養によることが多い。治療の基本は生食500mlを1日1-2本投与したり、塩3g/3xでゆっくり改善するはず。改善ない場合は少しずつNaCL投与量を増やす。それでも改善ない場合は心不全のことが多い。
cf)SIADHの診断基準:
Ⅰ.主症状
1.特異的ではないが、倦怠感、食欲低下、意識障害などの低ナトリウム血症症状がある。
2.脱水の所見を認めない。
Ⅱ.検査所見
1.低ナトリウム血症:血清ナトリウム濃度は135mEq/L を下回る。
2.血漿バゾプレシン値:血清ナトリウムが135mEq/L 未満で、血漿バゾプレシン値が測定感度以上である。
3.低浸透圧血症:血漿浸透圧は270mOsm/kg を下回る。
4.高張尿:尿浸透圧は300mOsm/kg を上回る。
5.ナトリウム利尿の持続:尿中ナトリウム濃度は20mEq/L 以上である。
6.腎機能正常:血清クレアチニンは1.2mg/dl 以下である。
7.副腎皮質機能正常:血清コルチゾールは6μg/dl 以上である。
Ⅲ.参考所見
1.原疾患(表1)の診断が確定していることが診断上の参考となる。
2.血漿レニン活性は5ng/ml/h以下であることが多い。
3.血清尿酸値は5mg/dl 以下であることが多い。
4.水分摂取を制限すると脱水が進行することなく低ナトリウム血症が改善する。
5.尿中アクアポリン-2 排泄は300fmol/mg クレアチニン以上であることが多い(基準値100~200fmol/mg クレアチニン)。
[診断基準]確実例Ⅱで1~7 の所見があり、かつ脱水の所見を認めないもの。
[鑑別診断]低ナトリウム血症をきたす次のものを除外する。
1.細胞外液量の過剰な低ナトリウム血症:心不全、肝硬変の腹水貯留時、ネフローゼ症候群
2.ナトリウム漏出が著明な低ナトリウム血症:腎性ナトリウム喪失、下痢、嘔吐
呼吸困難(心不全)
☆呼吸困難(心不全)
・ラシックス20mg2A・ラシックス20㎎25A 1ml/hrから開始。
尿量10ml/2hr以下で0.5mlずつ増量。Max5ml/hrまで。
・ミオコール5mg10ml(ミリスロール)5A 2ml/hrから開始
最初2mlフラッシュ
血圧が140mmHg以上あるとき
・ミルリノン10mg/10ml(ミルリーラ)3A→DOBでも可
1ml/hr EF40%切るとき。効果発現まで30分かかる。
・ニコランジル12mg(シグマート)2瓶
生食50ml 2ml/hr 血圧140mmHg以下の時。冠血流増加作用。
・ニコランジル12㎎(シグマート)5V 生食20ml 3A 2.5ml/hr-10ml/hr 血圧が低くてミオコールが使えないとき。
・アルブミナー5%250ml 40ml/hr 低Albによる血管内脱水時。
・生食500ml IVCの縦径もしくは横径が10㎜切るとき。EFの保たれた拡張障害(HFpEF)では血管内脱水に注意
cf)心不全治療の基本は原因治療(心筋梗塞、弁膜症、不整脈)だが、療養病院では対処療法のみのことが多い(ジゴシン0.25mg1A+ラシックス20mg1A+生食100mlを30分で点滴など)。
・ラシックス20mg2A・ラシックス20㎎25A 1ml/hrから開始。
尿量10ml/2hr以下で0.5mlずつ増量。Max5ml/hrまで。
・ミオコール5mg10ml(ミリスロール)5A 2ml/hrから開始
最初2mlフラッシュ
血圧が140mmHg以上あるとき
・ミルリノン10mg/10ml(ミルリーラ)3A→DOBでも可
1ml/hr EF40%切るとき。効果発現まで30分かかる。
・ニコランジル12mg(シグマート)2瓶
生食50ml 2ml/hr 血圧140mmHg以下の時。冠血流増加作用。
・ニコランジル12㎎(シグマート)5V 生食20ml 3A 2.5ml/hr-10ml/hr 血圧が低くてミオコールが使えないとき。
・アルブミナー5%250ml 40ml/hr 低Albによる血管内脱水時。
・生食500ml IVCの縦径もしくは横径が10㎜切るとき。EFの保たれた拡張障害(HFpEF)では血管内脱水に注意
cf)心不全治療の基本は原因治療(心筋梗塞、弁膜症、不整脈)だが、療養病院では対処療法のみのことが多い(ジゴシン0.25mg1A+ラシックス20mg1A+生食100mlを30分で点滴など)。
呼吸困難(喘息/COPD)
☆呼吸困難(喘息/COPD)
注意)喘息やCOPDで吸入できない場合
・抗ロイコトリエン薬、テオフィリン200mg、β刺激薬(貼付薬)などを使ってもよい。テオフィリンは1日200mg1錠を就寝前でよい。
cf)COPDに対する低用量テオフィリン
・COPDに対するテオフィリンは吸入できないような高齢者には使ってみてもよいかもしれない。
・高齢者は血中濃度が上昇しやすく嘔気、嘔吐の副作用が出やすい。
・1日200-400mgの低用量にして血中濃度を8-12mg/Lに保つようにする。
・テオフィリンは通常容量でも低用量でもCOPDの急性増悪を予防できず、死亡リスクを上昇させる(Arch Bronconeumol 2016;52:233-238)。
(喘息)
・フルタイド100ディスカス60ブリスター 1個(ICS:吸入ステロイド)
1日2回 1回1吸入 30回分
cf)カンジダ予防のためにICS吸入時はうがいをすること。
・メプチン10μgエアー100吸入5ml 1キット
発作時 30回分
(COPD)
・シムビコート(LABA/ICS:吸入β2刺激薬/ステロイド)
1日2回 1回1吸入(最高は1回4吸入、1日2回)
・スピリーバ(LAMA:抗コリン薬)
1日1回 1回1吸入(スピリーバとシムビコートを併用する)
cf)前立腺肥大、緑内障には禁忌
(喘息/COPD)
・キプレス10㎎ 1錠
1日1回 寝る前
眠気を起こすので就寝前に服用を
・ムコソルバン15㎎3錠
1日3回 毎食後
・ソルメルコート125㎎(プリドール) 1瓶
生食100ml 30分かけて
アスピリン喘息ではソルメルコートなどのコハク酸エステル型ステロイドは喘息を誘発するためリン酸エステル型ステロイドであるリンデロンやデカドロン4-8mgに変更する。
注意)ステロイド投与前にアスピリンに対するアレルギーやアスピリン喘息がないか聞くこと。アスピリン喘息あればソルコーテフやソルメドロール、サクシゾンは投与禁忌。
・超音波ネブライザー
ベネトリン吸入液0.5% 0.5ml ビソルボン吸入液0.2% 2ml(刺激が大きい場合はムコフィリン吸入薬20% 2ml/包 2包)
生食5ml1-2A(刺激が強い場合は蒸留水にする)
別の処方例)
メプチン0.01%0.3ml ビソルボン0.2%0.5ml 生食1ml 1日3回
注意)喘息やCOPDで吸入できない場合
・抗ロイコトリエン薬、テオフィリン200mg、β刺激薬(貼付薬)などを使ってもよい。テオフィリンは1日200mg1錠を就寝前でよい。
cf)COPDに対する低用量テオフィリン
・COPDに対するテオフィリンは吸入できないような高齢者には使ってみてもよいかもしれない。
・高齢者は血中濃度が上昇しやすく嘔気、嘔吐の副作用が出やすい。
・1日200-400mgの低用量にして血中濃度を8-12mg/Lに保つようにする。
・テオフィリンは通常容量でも低用量でもCOPDの急性増悪を予防できず、死亡リスクを上昇させる(Arch Bronconeumol 2016;52:233-238)。
(喘息)
・フルタイド100ディスカス60ブリスター 1個(ICS:吸入ステロイド)
1日2回 1回1吸入 30回分
cf)カンジダ予防のためにICS吸入時はうがいをすること。
・メプチン10μgエアー100吸入5ml 1キット
発作時 30回分
(COPD)
・シムビコート(LABA/ICS:吸入β2刺激薬/ステロイド)
1日2回 1回1吸入(最高は1回4吸入、1日2回)
・スピリーバ(LAMA:抗コリン薬)
1日1回 1回1吸入(スピリーバとシムビコートを併用する)
cf)前立腺肥大、緑内障には禁忌
(喘息/COPD)
・キプレス10㎎ 1錠
1日1回 寝る前
眠気を起こすので就寝前に服用を
・ムコソルバン15㎎3錠
1日3回 毎食後
・ソルメルコート125㎎(プリドール) 1瓶
生食100ml 30分かけて
アスピリン喘息ではソルメルコートなどのコハク酸エステル型ステロイドは喘息を誘発するためリン酸エステル型ステロイドであるリンデロンやデカドロン4-8mgに変更する。
注意)ステロイド投与前にアスピリンに対するアレルギーやアスピリン喘息がないか聞くこと。アスピリン喘息あればソルコーテフやソルメドロール、サクシゾンは投与禁忌。
・超音波ネブライザー
ベネトリン吸入液0.5% 0.5ml ビソルボン吸入液0.2% 2ml(刺激が大きい場合はムコフィリン吸入薬20% 2ml/包 2包)
生食5ml1-2A(刺激が強い場合は蒸留水にする)
別の処方例)
メプチン0.01%0.3ml ビソルボン0.2%0.5ml 生食1ml 1日3回
呼吸困難(肺塞栓)
☆呼吸困難(肺塞栓)
・ワーファリン5㎎ 1錠分1朝食後
・ヘパリンナトリウム(1000単位/ml) 5mlショット
・ヘパリンナトリウム(1000単位/ml) 15ml 生食100ml 5ml/hr 5000単位ショット後、持続注開始してください
・クリアクター静注用40万国際単位 3瓶
生食20ml
・ワーファリン5㎎ 1錠分1朝食後
・ヘパリンナトリウム(1000単位/ml) 5mlショット
・ヘパリンナトリウム(1000単位/ml) 15ml 生食100ml 5ml/hr 5000単位ショット後、持続注開始してください
・クリアクター静注用40万国際単位 3瓶
生食20ml
髄膜炎
☆髄膜炎
・オルガドロン3.8㎎1ml 2A 生食50ml 30分かけて
1日4回
・ビクシリン2g(ABPC) 1瓶
生食50ml 30分かけて
1日6回
・セフィローム1g(CTRX,ロセフィン) 2瓶
生食50ml 30分かけて
1日2回
Caで沈着するのでラクテックの側管からの投与は不可。
・バンコマイシン0.5g(VCM) 1瓶
生食50ml 60分かけて(急速静注するとred neck syndrome)
1日4回
投与3日目の投与直前(トラフ値)と投与後2hr後(ピーク値)を測定し、トラフ値が10-15μg/ml、ピーク値が25-40μg/mlにする。トラフ値の測定のみでも可。
・アシクロビル250㎎(ゾビラックス)2A 生食50ml 30分かけて
1日3回
CTRXは腸球菌/嫌気性菌/緑膿菌には無効、カルバペネムは腸球菌には無効、NQは嫌気性菌には無効(どれも広域だが万能ではない)。
cf)一般検査、グラム染色、Gaffky、培養、細胞診はどんな時でもすること。
cf)2014年のガイドラインではメロペン2gを1日3回、改善見られないときはバンコマイシンやリネザリドを追加する。チエナムには細菌性髄膜炎の保険適応がない。
cf)MEPM使用時はバルプロ酸は禁忌。
cf)MEPMで蕁麻疹出るときはABPC+CTRX+VCMに変更。
・オルガドロン3.8㎎1ml 2A 生食50ml 30分かけて
1日4回
・ビクシリン2g(ABPC) 1瓶
生食50ml 30分かけて
1日6回
・セフィローム1g(CTRX,ロセフィン) 2瓶
生食50ml 30分かけて
1日2回
Caで沈着するのでラクテックの側管からの投与は不可。
・バンコマイシン0.5g(VCM) 1瓶
生食50ml 60分かけて(急速静注するとred neck syndrome)
1日4回
投与3日目の投与直前(トラフ値)と投与後2hr後(ピーク値)を測定し、トラフ値が10-15μg/ml、ピーク値が25-40μg/mlにする。トラフ値の測定のみでも可。
・アシクロビル250㎎(ゾビラックス)2A 生食50ml 30分かけて
1日3回
CTRXは腸球菌/嫌気性菌/緑膿菌には無効、カルバペネムは腸球菌には無効、NQは嫌気性菌には無効(どれも広域だが万能ではない)。
cf)一般検査、グラム染色、Gaffky、培養、細胞診はどんな時でもすること。
cf)2014年のガイドラインではメロペン2gを1日3回、改善見られないときはバンコマイシンやリネザリドを追加する。チエナムには細菌性髄膜炎の保険適応がない。
cf)MEPM使用時はバルプロ酸は禁忌。
cf)MEPMで蕁麻疹出るときはABPC+CTRX+VCMに変更。
ドライアイ
☆ドライアイ
・ヒアレイン点眼0.1%5ml 1本
1回1滴、1日5-6回。片眼では1本で20日分。
cf)点眼薬は1日4回両眼で10回分(1滴=0.05mL)
cf)脳梗塞後で閉眼しない場合
・ヒアレイン点眼、サンコバ点眼、タリビット眼軟膏、ワセリン、生食ガーゼなどを使う。
・ヒアレイン点眼0.1%5ml 1本
1回1滴、1日5-6回。片眼では1本で20日分。
cf)点眼薬は1日4回両眼で10回分(1滴=0.05mL)
cf)脳梗塞後で閉眼しない場合
・ヒアレイン点眼、サンコバ点眼、タリビット眼軟膏、ワセリン、生食ガーゼなどを使う。
結膜炎
☆結膜炎
・クラビット点眼0.5%5ml 1本
1回1滴、1日3回。片眼だと1本で30日分。
cf)点眼薬は1日4回両眼で10回分(1滴=0.05mL)・目尻(内眼角、外眼角)の炎症にはオフロキサシン眼軟膏が有効。
注)眼脂にいつまでもクラビット点眼はだめ。ブロナックやニフランなどNSAID点眼や、ソフトサンティアは?
・クラビット点眼0.5%5ml 1本
1回1滴、1日3回。片眼だと1本で30日分。
cf)点眼薬は1日4回両眼で10回分(1滴=0.05mL)・目尻(内眼角、外眼角)の炎症にはオフロキサシン眼軟膏が有効。
注)眼脂にいつまでもクラビット点眼はだめ。ブロナックやニフランなどNSAID点眼や、ソフトサンティアは?
創傷/褥瘡
☆創傷
・ワセリン 100g・レスタミンコーワクリーム20g1回分
かゆい時
・ゲンタシン軟膏0.1%10g 1本
☆褥瘡
・病変が平坦で滲出液が多い時:ハイドロサイト、アクアセルAgフォーム(ポリウレタンフォーム)
・病変が凹凸で滲出液が多い時:アクアセル(ハイドロファイバー)
・病変が平坦で滲出液少ない時:デュオアクティブ、テガダーム(ハイドロコロイド)
・止血効果必要な時:カルトスタット(アルギン酸)
・感染を伴う時:イソジンシュガーパスタ、ソフラチュール、外科consultの上debridment注意)
・TPN中の褥瘡ならメドレニック1Aのメイン内混注や、イントラリポス週1-2回投与を併用すると良い(フラッシュ用生食20mlを同時にオーダーする)。
・注入中の褥瘡ならメイプロテイン1Pを1日1回追加するとよい。
・ワセリン 100g・レスタミンコーワクリーム20g1回分
かゆい時
・ゲンタシン軟膏0.1%10g 1本
☆褥瘡
・病変が平坦で滲出液が多い時:ハイドロサイト、アクアセルAgフォーム(ポリウレタンフォーム)
・病変が凹凸で滲出液が多い時:アクアセル(ハイドロファイバー)
・病変が平坦で滲出液少ない時:デュオアクティブ、テガダーム(ハイドロコロイド)
・止血効果必要な時:カルトスタット(アルギン酸)
・感染を伴う時:イソジンシュガーパスタ、ソフラチュール、外科consultの上debridment注意)
・TPN中の褥瘡ならメドレニック1Aのメイン内混注や、イントラリポス週1-2回投与を併用すると良い(フラッシュ用生食20mlを同時にオーダーする)。
・注入中の褥瘡ならメイプロテイン1Pを1日1回追加するとよい。
熱傷
打撲
PPN/TPN(IVH)
☆PPN・10%EL3号 500ml(もしくはフィジオ35 500ml)
ビタメジン1A(もしくはリメファー3B1A、シーパラ1A)
通常2セット
・ビーフリード 500ml・イントラリポス20%100ml(イントラリピッド)1袋
側管から4時間かけて(フラッシュ用生食20mlを同時にオーダーすること。
cf)療養病院でのTPNに併用するイントラリポスは週1-2回程度にする。
・フラッシュ用生食20mlを同時にオーダーすること。 ☆TPN(IVH)注意)療養病院での点滴は男性1000ml、女性850-1000mlでよい。(少なくともIVHになれば1000mlでよいし、点滴量が多いと痰も増えるし肺炎のriskも上がる。当然心不全も起こしやすくなる)。
注意)フルカリックやエルネオパにはビタミンは入っているが微量元素(メドレニック1A)はないため、褥瘡強いときはメドレニックなければ追加しておく。
・エルネオパ1号1000-1500ml 開始後3日間はBS1-3検、1週間後に肝機能チェック
→エルネオパ2号1000-1500ml例)①アミノトリハ1号(→2号)゚850ml(ビタジェクト1A)+ソルデム3A200ml、②フルカリック1号1000ml(メドレニック1A)
cf)IVH後に肝機能異常をきたした場合
・アミノ酸負荷によるものが多い (BUN↑)
・以下のように変更していき、肝機能をフォローしていく
①フィジオ35 500ml(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
②フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日3回(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
③ビーフリード500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日2回を3-5日間
④ビーフリード500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日2回、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回を3-5日間
⑤エルネオパ1号1000ml、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回を3-5日間
⑥エルネオパ1号1500mlを3-5日間
⑦エルネオパ2号1500mlに変更
注意)
リフィーディング症候群に注意する。P↓、Mg↓で低PはRBC中の2,3-DPGでHbがO2を離れにくくするので、SatがよくてもO2利用ができないことがあり、MIを起こすことあり。通常は10kcal/kgくらいから開始する。ビタミンB1欠乏もあるので注意する。
ビタメジン1A(もしくはリメファー3B1A、シーパラ1A)
通常2セット
・ビーフリード 500ml・イントラリポス20%100ml(イントラリピッド)1袋
側管から4時間かけて(フラッシュ用生食20mlを同時にオーダーすること。
cf)療養病院でのTPNに併用するイントラリポスは週1-2回程度にする。
・フラッシュ用生食20mlを同時にオーダーすること。 ☆TPN(IVH)注意)療養病院での点滴は男性1000ml、女性850-1000mlでよい。(少なくともIVHになれば1000mlでよいし、点滴量が多いと痰も増えるし肺炎のriskも上がる。当然心不全も起こしやすくなる)。
注意)フルカリックやエルネオパにはビタミンは入っているが微量元素(メドレニック1A)はないため、褥瘡強いときはメドレニックなければ追加しておく。
・エルネオパ1号1000-1500ml 開始後3日間はBS1-3検、1週間後に肝機能チェック
→エルネオパ2号1000-1500ml例)①アミノトリハ1号(→2号)゚850ml(ビタジェクト1A)+ソルデム3A200ml、②フルカリック1号1000ml(メドレニック1A)
cf)IVH後に肝機能異常をきたした場合
・アミノ酸負荷によるものが多い (BUN↑)
・以下のように変更していき、肝機能をフォローしていく
①フィジオ35 500ml(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
②フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日3回(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
③ビーフリード500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日2回を3-5日間
④ビーフリード500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日2回、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回を3-5日間
⑤エルネオパ1号1000ml、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回を3-5日間
⑥エルネオパ1号1500mlを3-5日間
⑦エルネオパ2号1500mlに変更
注意)
リフィーディング症候群に注意する。P↓、Mg↓で低PはRBC中の2,3-DPGでHbがO2を離れにくくするので、SatがよくてもO2利用ができないことがあり、MIを起こすことあり。通常は10kcal/kgくらいから開始する。ビタミンB1欠乏もあるので注意する。
PPN/TPN(腎不全)
☆PPN(腎不全)
・ソルデム1 500ml ブドウ糖50%20ml 2A アリナミン10㎎ 2A(もしくはビタメジン1Aやリメファー3B1A)
・10%ブドウ糖 500ml・イントラリポス20%100ml(イントラリピッド)1袋
側管から4時間かけて
注)1日700ml程度にしておく。
・キドミン200ml+ビタメジン1瓶、ソリタT1 500ml
☆KフリーのTPN・ハイカリックRF 500ml・キドミン 200ml(腎不全用アミノ酸製剤)
・オーツカMV注 1A(ビタミン製剤)
・エレメンミック注 2ml/A 1A(Zn,Mg,Cu,Fe,P:微量元素)
・ブドウ糖50% 20ml 2A注)TPN開始2時間後、翌日から1週間は朝に血糖測定を
cf)TPNは食事と併用では保険が通らない(易消化5分までなら通る)!エレメンミックは食事していると通らない。
・ソルデム1 500ml ブドウ糖50%20ml 2A アリナミン10㎎ 2A(もしくはビタメジン1Aやリメファー3B1A)
・10%ブドウ糖 500ml・イントラリポス20%100ml(イントラリピッド)1袋
側管から4時間かけて
注)1日700ml程度にしておく。
・キドミン200ml+ビタメジン1瓶、ソリタT1 500ml
☆KフリーのTPN・ハイカリックRF 500ml・キドミン 200ml(腎不全用アミノ酸製剤)
・オーツカMV注 1A(ビタミン製剤)
・エレメンミック注 2ml/A 1A(Zn,Mg,Cu,Fe,P:微量元素)
・ブドウ糖50% 20ml 2A注)TPN開始2時間後、翌日から1週間は朝に血糖測定を
cf)TPNは食事と併用では保険が通らない(易消化5分までなら通る)!エレメンミックは食事していると通らない。
PPN(肝不全)
☆PPN(肝不全)
・アミノレバン 500ml ビタメジン 1瓶
アスコルビン酸 1A チオスペン400㎎ 1瓶
グルタチオン200㎎ 1瓶
アデラビン1ml 1A ネオファーゲン20ml 1A アデホスコーワ20㎎ 1A ラシックス20㎎ 2A・献血アルブミン25%12.5g50ml 1瓶
1ヶ月に6回まで投与可
低蛋白血症あるとき
注)BUNが保たれているか、脳症の程度、凝固系、胆嚢浮腫で経過見る。アミノレバン以外のアミノ酸は使わないこと。エルネオパは×。補液はブドウ糖ベースで行う。アミノレバンはブドウ糖併用しないと代謝性アシドーシス起こすことがある。
・アミノレバン 500ml ビタメジン 1瓶
アスコルビン酸 1A チオスペン400㎎ 1瓶
グルタチオン200㎎ 1瓶
アデラビン1ml 1A ネオファーゲン20ml 1A アデホスコーワ20㎎ 1A ラシックス20㎎ 2A・献血アルブミン25%12.5g50ml 1瓶
1ヶ月に6回まで投与可
低蛋白血症あるとき
注)BUNが保たれているか、脳症の程度、凝固系、胆嚢浮腫で経過見る。アミノレバン以外のアミノ酸は使わないこと。エルネオパは×。補液はブドウ糖ベースで行う。アミノレバンはブドウ糖併用しないと代謝性アシドーシス起こすことがある。
強化インスリン療法(スケールも含む)
☆強化インスリン療法
・マイクロファインプラス 4本
血糖測定電極(スマートブルー) 4枚
メディセーフ針F用 4本
1日4回毎食前と就寝前 14日分
・プレシジョンエクシード(血糖測定器) 1台
メディセーフ穿刺具 1本
・ランタス注ソロスター 300単位 1本
1日1回寝る前 75日分
就寝前○単位皮下注してください。
・ノボラピッド注フレックスペン1本
1日3回毎食前30分
毎食30分前に○単位皮下注して下さい。
(インスリン総投与単位数は体重kg×0.4、4等分し毎食前30分の速効型と就寝前の持続型)
・ナノパスニードル14本/袋
ペンニードル32Gテーパー7本/袋
ペンニードル30G7本/袋
1日2回2週間分なら7本入り4袋(予備も考えて8袋)
注)食思不振時のインスリン投与
・ランタスは絶対に打つこと。怖いならいつもの半分量にしても良い。
・超速効、速効型は食事が半分以上食べれたら全量打つ(超速攻型を食直後打ちに変更する)。
・3割なら半分量、全く食べれないなら3割量を打つ。
・できるだけ早く受診する。
注)インスリンスライディングスケール
朝、昼、夕食前にBS測定
・ヒューマリンRまたはノボリンR皮下注
(ヒューマリンR4単位の略語はHuR4E(uの上に..をつける) )
350以上なら10単位
300以上なら8単位
250以上なら6単位
200以上なら4単位
血糖をもっと厳格にコントロールしたい時は、ランタス追加し、
350以上なら14単位
300以上なら12単位
250以上なら10単位
200以上なら8単位
150以上なら6単位
くらいまであげても良い。
cf)インスリンスライディングスケールを順次上げていく方法:
A→B→Cの順に上げていく
A B C
100-149:0-0-2
150-199:0-2-4
200-249:2-4-6
250-299:4-6-8
300-349:6-8-10
350-399:8-10-10
400- :10-10-10(Dr.Call)
注)
血糖降下剤を内服中で絶食になった場合はスケール対応よりも点滴中にインスリンを入れて持続投与し、血糖値4検を行う。
・ブドウ糖5%500ml+ヒューマリンR2-3単位
・KN3号液500ml+ヒューマリンR2-3単位
・TPNにヒューマリンRを混注するときは24時間投与とすること。ブドウ糖(g)の10-7分1の単位数のインスリンを混注しておく。(点滴にインスリンを混注するときは24時間持続点滴が基本)
・エルネオパ1号1500ml:ブドウ糖180g→6単位~18単位まで
エルネオパ2号1500ml:ブドウ糖250g→8単位~25単位まで
注)
ミリオペンが固いという人はフレックスタッチやペンフィルのような柔らかいものに変更する。
注)入院中のインスリンコントロールの注意点
・具体的に何時に低血糖になったのかを聞くこと。
・間食、リハビリ、病院食のカロリーについて把握する。
・朝食後の低血糖なら朝食前の速効型/超速効型を減らす。
・朝食前の低血糖なら夕食前の速効型を減らすべきで、朝食前の速効型/超速効型はそのままでよいはず(少し減らしてもよいが・・・)
・夕食前の低血糖なら昼食前の速効型/超速効型を減らす。
・Diabetic neuropathyある場合は腸管蠕動低下で消化吸収が遅くなり、血糖値ピークが遅れることがある→ノボラピッドを食後打ちに変更。
・蜂窩織炎や術後創部感染などで食事開始後に血糖コントロールが不良な場合はTPNにして絶食、インスリン持続投与を考慮する。
・早朝の低血糖なら就寝前のランタスを減らすか、ランタスを朝食前または夕食前にしてみると夜中早朝の低血糖が予防できる。
cf)インスリン製剤の半減期
・超速効型(ヒューマログ/ノボラピッド):発現15分、ピーク1時間、持続4時間→食直前/直後
・速効型(ヒューマリンR/ノボリンR):発現30分、ピーク2時間、持続8時間→食前30分
・持効型(ランタス):発現1時間、ピークなし、持続24時間→食事時間に無関係
cf)急にコントロールが悪くなった場合
・皮下脂肪のないところに注射していないか。
・きちんと決められた分量を注射できているか。網膜症や白内障、緑内障が進んで単位数が見えていないのではないか。
・皮下注射の針のサイズはこれまでどおりか。
・インスリンの種類はあっているか。
注意)療養病院でのインスリン指示
・IVHメイン点滴内にヒューマリンRなどを入れるのが普通だが、療養病院ではできるだけグラルギンやランタスの1日1回皮下注でコントロールするようにする(入浴などの時間に合わせて点滴を早く落としてしまうことがあるためと単位ミスを防ぐため)。当初はスケール対応もシンプルで緩やかなものにする。
・療養病院でのスケール対応
BS60未満:50%ブドウ糖2AivかPEGやEDの場合は注入
201-300:ヒューマリンR4単位皮下注
301-400:6単位皮下注
401-500:8単位皮下注
501‐10単位皮下注
・マイクロファインプラス 4本
血糖測定電極(スマートブルー) 4枚
メディセーフ針F用 4本
1日4回毎食前と就寝前 14日分
・プレシジョンエクシード(血糖測定器) 1台
メディセーフ穿刺具 1本
・ランタス注ソロスター 300単位 1本
1日1回寝る前 75日分
就寝前○単位皮下注してください。
・ノボラピッド注フレックスペン1本
1日3回毎食前30分
毎食30分前に○単位皮下注して下さい。
(インスリン総投与単位数は体重kg×0.4、4等分し毎食前30分の速効型と就寝前の持続型)
・ナノパスニードル14本/袋
ペンニードル32Gテーパー7本/袋
ペンニードル30G7本/袋
1日2回2週間分なら7本入り4袋(予備も考えて8袋)
注)食思不振時のインスリン投与
・ランタスは絶対に打つこと。怖いならいつもの半分量にしても良い。
・超速効、速効型は食事が半分以上食べれたら全量打つ(超速攻型を食直後打ちに変更する)。
・3割なら半分量、全く食べれないなら3割量を打つ。
・できるだけ早く受診する。
注)インスリンスライディングスケール
朝、昼、夕食前にBS測定
・ヒューマリンRまたはノボリンR皮下注
(ヒューマリンR4単位の略語はHuR4E(uの上に..をつける) )
350以上なら10単位
300以上なら8単位
250以上なら6単位
200以上なら4単位
血糖をもっと厳格にコントロールしたい時は、ランタス追加し、
350以上なら14単位
300以上なら12単位
250以上なら10単位
200以上なら8単位
150以上なら6単位
くらいまであげても良い。
cf)インスリンスライディングスケールを順次上げていく方法:
A→B→Cの順に上げていく
A B C
100-149:0-0-2
150-199:0-2-4
200-249:2-4-6
250-299:4-6-8
300-349:6-8-10
350-399:8-10-10
400- :10-10-10(Dr.Call)
注)
血糖降下剤を内服中で絶食になった場合はスケール対応よりも点滴中にインスリンを入れて持続投与し、血糖値4検を行う。
・ブドウ糖5%500ml+ヒューマリンR2-3単位
・KN3号液500ml+ヒューマリンR2-3単位
・TPNにヒューマリンRを混注するときは24時間投与とすること。ブドウ糖(g)の10-7分1の単位数のインスリンを混注しておく。(点滴にインスリンを混注するときは24時間持続点滴が基本)
・エルネオパ1号1500ml:ブドウ糖180g→6単位~18単位まで
エルネオパ2号1500ml:ブドウ糖250g→8単位~25単位まで
注)
ミリオペンが固いという人はフレックスタッチやペンフィルのような柔らかいものに変更する。
注)入院中のインスリンコントロールの注意点
・具体的に何時に低血糖になったのかを聞くこと。
・間食、リハビリ、病院食のカロリーについて把握する。
・朝食後の低血糖なら朝食前の速効型/超速効型を減らす。
・朝食前の低血糖なら夕食前の速効型を減らすべきで、朝食前の速効型/超速効型はそのままでよいはず(少し減らしてもよいが・・・)
・夕食前の低血糖なら昼食前の速効型/超速効型を減らす。
・Diabetic neuropathyある場合は腸管蠕動低下で消化吸収が遅くなり、血糖値ピークが遅れることがある→ノボラピッドを食後打ちに変更。
・蜂窩織炎や術後創部感染などで食事開始後に血糖コントロールが不良な場合はTPNにして絶食、インスリン持続投与を考慮する。
・早朝の低血糖なら就寝前のランタスを減らすか、ランタスを朝食前または夕食前にしてみると夜中早朝の低血糖が予防できる。
cf)インスリン製剤の半減期
・超速効型(ヒューマログ/ノボラピッド):発現15分、ピーク1時間、持続4時間→食直前/直後
・速効型(ヒューマリンR/ノボリンR):発現30分、ピーク2時間、持続8時間→食前30分
・持効型(ランタス):発現1時間、ピークなし、持続24時間→食事時間に無関係
cf)急にコントロールが悪くなった場合
・皮下脂肪のないところに注射していないか。
・きちんと決められた分量を注射できているか。網膜症や白内障、緑内障が進んで単位数が見えていないのではないか。
・皮下注射の針のサイズはこれまでどおりか。
・インスリンの種類はあっているか。
注意)療養病院でのインスリン指示
・IVHメイン点滴内にヒューマリンRなどを入れるのが普通だが、療養病院ではできるだけグラルギンやランタスの1日1回皮下注でコントロールするようにする(入浴などの時間に合わせて点滴を早く落としてしまうことがあるためと単位ミスを防ぐため)。当初はスケール対応もシンプルで緩やかなものにする。
・療養病院でのスケール対応
BS60未満:50%ブドウ糖2AivかPEGやEDの場合は注入
201-300:ヒューマリンR4単位皮下注
301-400:6単位皮下注
401-500:8単位皮下注
501‐10単位皮下注
経口血糖降下薬
☆経口血糖降下薬
cf)経口血糖降下薬でもコントロール不良な場合は専門医紹介するが、以前にインスリン使用していた場合はランタスを眠前に4単位から開始してもよい(眠前の血糖測定は必須。)
<基本>
・やせ型(インスリン分泌不全):
①エクア1回50mg1日2回
②無効ならアマリール1回0.5mg1日1回を追加
・肥満型(インスリン分泌正常):
①ネシーナ1日1回25mg ②無効ならアクトス15mg~30mg3錠分1朝食後またはメトグルコ250mg(メルビン)3錠分3毎食後を追加
・標準体型:
①ジャヌビア1日1回50mg(最大100mg)
②無効ならセイブル50mg3錠分3~75mg3錠分3毎食直前を追加
・腎機能障害あるとき:
トラゼンタ5mg1錠分1<処方例>
・エクア50mg1T/1x-2T/2x、メトホルミン250mg2T/2x-6T/3x、オイグルコン2.5mg0.5T/1x-3T/3x、ジャディアンス10mg/1x-25mg/1x<経口血糖降下薬>
・ファスティック90mg3錠分3毎食直前
ナテグリニド。フェニルアラニン誘導体。血糖非依存性速効型インスリン分泌促進。食後高血糖の時。
・セイブル50mg3錠分3~75mg3錠分3毎食直前
αグルコシダーゼ阻害薬。小腸での2糖類分解酵素阻害薬。糖吸収を抑制。
cf)αGIは腸内ガス増えて腹部膨満になることあり。低血糖時にブドウ糖を経口摂取しても血統改善が難しいときあり。
・アクトス15mg~30mg3錠分1朝食後
チアゾリジン系。PPARγ転写因子を活性化させ幼若脂肪細胞を増加、アディポネクチンを分泌、GLUT4をupregulateさせる。副作用は肥満、心不全(∵腎でのNa再吸収促進)、浮腫、膀胱癌、骨粗鬆症。アクトス使用中のBNP測定にはコメントが必要(例:アクトス投与中で心不全の有無を判定するため)。
cf)アクトスと膀胱癌について
・アクトスを約3100人に1年間投与すると膀胱癌が1人発生する。
・膀胱癌の患者の約10%がアクトスを内服していた。
・アクトス内服中の膀胱癌患者5人のうち3人は内服と無関係。
・下肢浮腫リスクは公表は4%だが、実際は40%。
・DMに合併するNASHに有効なDM薬はアクトスのみ。
参考論文)
Tuccori M, et al. BMJ. 2016;352:i1541.
Korhonen P, et al. BMJ. 2016;354:i3903.
Levin D, et al. Diabetologia. 2015;58:493-504.
Lewis JD, et al. JAMA. 2015;314:265-277. ・メトグルコ250mg(メルビン)3錠分3毎食後
ビグアナイト系。腎不全時には注意。副作用は乳酸アシドーシス。1回500mgまで増量可能。
注)造影CT時は2日前~2日後まで休薬(緊急時は造影後2日間の休薬のみでも可)
cf)メトグルコの特徴:
・バイオアベイラビリティは50%→下痢、悪心(用量依存性、耐性あり)∴腸管での糖吸収抑制
・小腸上皮のASBT(apical sodium dependent bile acid transporter)を阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制→胆汁酸は下部消化管のL細胞の受容体に結合しGLP-1の分泌を増加∴メトホルミンはDPP-4阻害薬と相性が良い
・ジャヌビア/グラクティブ50mg~100mg1錠分1朝食後
高血糖時にのみ作用するインスリン分泌促進物質であるインクレチン(GLP-1)を分解するDPP4を阻害する。他の経口血糖降下薬が無効な場合。
cf)DPP4I効果低いなら少量SU剤アマリール0.25-0.5mg/グリミクロン20-40mgを追加。
注)肝硬変にエクアは禁忌で少量SU剤かαGI、グリニドを使うがインスリン強化療法が無難。
・トラゼンタ5mg1錠分1
cf)同じDPP4阻害薬でもトラゼンタは肝腎機能低下あっても用量調節の必要ないため、第1選択で使える(eGFR<60であればトラゼンタに変更か薬剤変更せずに減量を)。
注)インスリン分泌能を調べてから使う。
・血糖降下薬の効果が乏しく、空腹時CPR0.5ng/ml以下ならインスリン導入を。
・インスリン導入はCPI(CPRindex)=CPR(ng/ml)/FBS(mg/dl)×100で0.8未満もしくはCPR0.6未満、ΔCPRが0.9ng/ml以下。
・メキシチール100mg3錠分3糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善。第I群の抗不整脈薬でもあるので重篤な心不全やペースメーカー未使用のII~III度のAVブロックには禁忌。
cf)糖代謝関連の検査項目
・ΔCPR=グルカゴン1㎎静注5分後の血中Cペプチド濃度-早朝空腹時の血中Cペプチド濃度
・1,5-AG:食後過血糖を評価。数日間の尿糖の指標。14以上:正常、10-13.9:優良、6-9.9:良好、2-5.9:不良、1.9以下:極めて不良。
・DU-CPR:1日畜尿中に排泄されたCペプチドを計測。正常人におけるインスリン基礎分泌の指標。70-100が基準。
・HOMA-IR:インスリン抵抗性の指標。血糖値140mg/dl以上では参考値。1.6未満が正常で、2.0以上で抵抗ありとする。インスリンを使用している患者では計算しても意味がないので算出しない。HOMA-IR=FBS×IRI/405・HOMA-β:インスリン分泌能の指標。血糖値130mg/dl以上では参考値。40を切っていたらインスリン分泌能は低下していると判断する。インスリンを使用している患者では計算しても意味がないので算出しない。HOMA-β=(IRI×360)/(FBS-63)・CPRIndex(CPI)=空腹時CPR÷空腹時血糖×100。グルカゴン負荷試験・検査前のデータを使用する。1.2以上は内服薬による治療が可能。0.8以下はインスリン治療が必要。インスリンを使用している患者では計算しても意味がないので算出しない。
・空腹時CPR:基礎インスリン分泌の指標。2-2.5が基準。1を切ればインスリン治療がベター。0.5を切るとインスリン依存状態。
・空腹時IRI:基礎インスリン分泌の指標。5を超えていればまずまず。10を超えるとインスリン抵抗性を疑う。検査手法によりヒトインスリンとインスリンアナログを区別して測るものと区別して測るものがある。
・中年以降でGAD抗体陽性でCPR低下あればSPIDDMか。
cf)入院もインスリンもできない時は、グリメピリド0.5~1.0/日かグリクラシド20-40mg/日、週1回のGLP1作働薬のビデュリオン、トルリシティ。
cf)スターシスとグラクティブの併用コメント:HbA1cが○○%とコントロールが不良であり、食後血糖も高いため低血糖の危険性は少ないと判断し投与しました。
cf)DPP4阻害薬別の併用可能な薬剤
・エクア:SU,TZD,BG,αGI,グリニド,インスリン
・ジャヌビア、グラクティブ:SU,TZD,BG,αGI,インスリン
・ネシーナ、スイニー:SU,TZD,BG,αGI,・トラゼンタ:なし
・テネリア:SU,TZD
cf)65歳以上のHbA1c目標値:
合併症予防のためには7.0未満が目標であるが、以下の条件なら目標値を上げても低血糖のrisk-benefitの観点から許容される。
・カテゴリーI(認知機能正常かつADL自立)
薬剤(*)使用なし→ 7.0%未満
薬剤使用あり:
65歳以上75歳未満→ 7.5%未満(下限6.5%)
75歳以上→ 8.0%未満(下限7.0%)
・カテゴリーII(軽度認知障害~軽度認知症または手段的ADL低下、基本的ADL自立)
薬剤使用なし→ 7.0%未満
薬剤使用あり→ 8.0%未満(下限7.0%)
・カテゴリーIII(中等度以上の認知症または基本的ADL低下または多くの併存疾患や機能障害)
薬剤使用なし→ 8.0%未満
薬剤使用あり→ 8.5%未満(下限7.5%)
(*)重症低血糖が危惧される薬剤(例:インスリン、SU薬、グリニド薬など)
∴要するに、インスリン、SU薬、グリニド薬を追加処方した時点で目標HbA1cが0.5%緩くなるということ!!
cf)神経障害:
・自律神経:CVR-R(安静時)が2.0%を切っていたら(+)と記載。
・末梢神経障害:①問診にて自覚症状がある(両側性でしびれ、疼痛、異常感覚のうち2つ以上認める)、②両側アキレス腱反射の低下あるいは消失(膝立位で判定)、③両側内顆振動覚の低下(10秒以下)のうち2つ以上満たせば(+)と記載する。
cf)経口血糖降下薬でもコントロール不良な場合は専門医紹介するが、以前にインスリン使用していた場合はランタスを眠前に4単位から開始してもよい(眠前の血糖測定は必須。)
<基本>
・やせ型(インスリン分泌不全):
①エクア1回50mg1日2回
②無効ならアマリール1回0.5mg1日1回を追加
・肥満型(インスリン分泌正常):
①ネシーナ1日1回25mg ②無効ならアクトス15mg~30mg3錠分1朝食後またはメトグルコ250mg(メルビン)3錠分3毎食後を追加
・標準体型:
①ジャヌビア1日1回50mg(最大100mg)
②無効ならセイブル50mg3錠分3~75mg3錠分3毎食直前を追加
・腎機能障害あるとき:
トラゼンタ5mg1錠分1<処方例>
・エクア50mg1T/1x-2T/2x、メトホルミン250mg2T/2x-6T/3x、オイグルコン2.5mg0.5T/1x-3T/3x、ジャディアンス10mg/1x-25mg/1x<経口血糖降下薬>
・ファスティック90mg3錠分3毎食直前
ナテグリニド。フェニルアラニン誘導体。血糖非依存性速効型インスリン分泌促進。食後高血糖の時。
・セイブル50mg3錠分3~75mg3錠分3毎食直前
αグルコシダーゼ阻害薬。小腸での2糖類分解酵素阻害薬。糖吸収を抑制。
cf)αGIは腸内ガス増えて腹部膨満になることあり。低血糖時にブドウ糖を経口摂取しても血統改善が難しいときあり。
・アクトス15mg~30mg3錠分1朝食後
チアゾリジン系。PPARγ転写因子を活性化させ幼若脂肪細胞を増加、アディポネクチンを分泌、GLUT4をupregulateさせる。副作用は肥満、心不全(∵腎でのNa再吸収促進)、浮腫、膀胱癌、骨粗鬆症。アクトス使用中のBNP測定にはコメントが必要(例:アクトス投与中で心不全の有無を判定するため)。
cf)アクトスと膀胱癌について
・アクトスを約3100人に1年間投与すると膀胱癌が1人発生する。
・膀胱癌の患者の約10%がアクトスを内服していた。
・アクトス内服中の膀胱癌患者5人のうち3人は内服と無関係。
・下肢浮腫リスクは公表は4%だが、実際は40%。
・DMに合併するNASHに有効なDM薬はアクトスのみ。
参考論文)
Tuccori M, et al. BMJ. 2016;352:i1541.
Korhonen P, et al. BMJ. 2016;354:i3903.
Levin D, et al. Diabetologia. 2015;58:493-504.
Lewis JD, et al. JAMA. 2015;314:265-277. ・メトグルコ250mg(メルビン)3錠分3毎食後
ビグアナイト系。腎不全時には注意。副作用は乳酸アシドーシス。1回500mgまで増量可能。
注)造影CT時は2日前~2日後まで休薬(緊急時は造影後2日間の休薬のみでも可)
cf)メトグルコの特徴:
・バイオアベイラビリティは50%→下痢、悪心(用量依存性、耐性あり)∴腸管での糖吸収抑制
・小腸上皮のASBT(apical sodium dependent bile acid transporter)を阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制→胆汁酸は下部消化管のL細胞の受容体に結合しGLP-1の分泌を増加∴メトホルミンはDPP-4阻害薬と相性が良い
・ジャヌビア/グラクティブ50mg~100mg1錠分1朝食後
高血糖時にのみ作用するインスリン分泌促進物質であるインクレチン(GLP-1)を分解するDPP4を阻害する。他の経口血糖降下薬が無効な場合。
cf)DPP4I効果低いなら少量SU剤アマリール0.25-0.5mg/グリミクロン20-40mgを追加。
注)肝硬変にエクアは禁忌で少量SU剤かαGI、グリニドを使うがインスリン強化療法が無難。
・トラゼンタ5mg1錠分1
cf)同じDPP4阻害薬でもトラゼンタは肝腎機能低下あっても用量調節の必要ないため、第1選択で使える(eGFR<60であればトラゼンタに変更か薬剤変更せずに減量を)。
注)インスリン分泌能を調べてから使う。
・血糖降下薬の効果が乏しく、空腹時CPR0.5ng/ml以下ならインスリン導入を。
・インスリン導入はCPI(CPRindex)=CPR(ng/ml)/FBS(mg/dl)×100で0.8未満もしくはCPR0.6未満、ΔCPRが0.9ng/ml以下。
・メキシチール100mg3錠分3糖尿病性神経障害に伴う自覚症状(自発痛、しびれ感)の改善。第I群の抗不整脈薬でもあるので重篤な心不全やペースメーカー未使用のII~III度のAVブロックには禁忌。
cf)糖代謝関連の検査項目
・ΔCPR=グルカゴン1㎎静注5分後の血中Cペプチド濃度-早朝空腹時の血中Cペプチド濃度
・1,5-AG:食後過血糖を評価。数日間の尿糖の指標。14以上:正常、10-13.9:優良、6-9.9:良好、2-5.9:不良、1.9以下:極めて不良。
・DU-CPR:1日畜尿中に排泄されたCペプチドを計測。正常人におけるインスリン基礎分泌の指標。70-100が基準。
・HOMA-IR:インスリン抵抗性の指標。血糖値140mg/dl以上では参考値。1.6未満が正常で、2.0以上で抵抗ありとする。インスリンを使用している患者では計算しても意味がないので算出しない。HOMA-IR=FBS×IRI/405・HOMA-β:インスリン分泌能の指標。血糖値130mg/dl以上では参考値。40を切っていたらインスリン分泌能は低下していると判断する。インスリンを使用している患者では計算しても意味がないので算出しない。HOMA-β=(IRI×360)/(FBS-63)・CPRIndex(CPI)=空腹時CPR÷空腹時血糖×100。グルカゴン負荷試験・検査前のデータを使用する。1.2以上は内服薬による治療が可能。0.8以下はインスリン治療が必要。インスリンを使用している患者では計算しても意味がないので算出しない。
・空腹時CPR:基礎インスリン分泌の指標。2-2.5が基準。1を切ればインスリン治療がベター。0.5を切るとインスリン依存状態。
・空腹時IRI:基礎インスリン分泌の指標。5を超えていればまずまず。10を超えるとインスリン抵抗性を疑う。検査手法によりヒトインスリンとインスリンアナログを区別して測るものと区別して測るものがある。
・中年以降でGAD抗体陽性でCPR低下あればSPIDDMか。
cf)入院もインスリンもできない時は、グリメピリド0.5~1.0/日かグリクラシド20-40mg/日、週1回のGLP1作働薬のビデュリオン、トルリシティ。
cf)スターシスとグラクティブの併用コメント:HbA1cが○○%とコントロールが不良であり、食後血糖も高いため低血糖の危険性は少ないと判断し投与しました。
cf)DPP4阻害薬別の併用可能な薬剤
・エクア:SU,TZD,BG,αGI,グリニド,インスリン
・ジャヌビア、グラクティブ:SU,TZD,BG,αGI,インスリン
・ネシーナ、スイニー:SU,TZD,BG,αGI,・トラゼンタ:なし
・テネリア:SU,TZD
cf)65歳以上のHbA1c目標値:
合併症予防のためには7.0未満が目標であるが、以下の条件なら目標値を上げても低血糖のrisk-benefitの観点から許容される。
・カテゴリーI(認知機能正常かつADL自立)
薬剤(*)使用なし→ 7.0%未満
薬剤使用あり:
65歳以上75歳未満→ 7.5%未満(下限6.5%)
75歳以上→ 8.0%未満(下限7.0%)
・カテゴリーII(軽度認知障害~軽度認知症または手段的ADL低下、基本的ADL自立)
薬剤使用なし→ 7.0%未満
薬剤使用あり→ 8.0%未満(下限7.0%)
・カテゴリーIII(中等度以上の認知症または基本的ADL低下または多くの併存疾患や機能障害)
薬剤使用なし→ 8.0%未満
薬剤使用あり→ 8.5%未満(下限7.5%)
(*)重症低血糖が危惧される薬剤(例:インスリン、SU薬、グリニド薬など)
∴要するに、インスリン、SU薬、グリニド薬を追加処方した時点で目標HbA1cが0.5%緩くなるということ!!
cf)神経障害:
・自律神経:CVR-R(安静時)が2.0%を切っていたら(+)と記載。
・末梢神経障害:①問診にて自覚症状がある(両側性でしびれ、疼痛、異常感覚のうち2つ以上認める)、②両側アキレス腱反射の低下あるいは消失(膝立位で判定)、③両側内顆振動覚の低下(10秒以下)のうち2つ以上満たせば(+)と記載する。
高脂血症
☆高脂血症
・クレストール2.5㎎1錠朝食後
高LDL血症の時。HDL↑/TG↓効果もあり。作用時間が長いので隔日~週1回でも効果あり。
スタチンの中でも筋副作用が少ない(肝機能とCPKは必ずf/uする)。
4週以降でも効果不十分なら1日1回10mgまで増量可能。
cf)新規処方した場合は2週間後に採血フォローし問題なければ1か月ごとの採血フォロー。問題なければ3か月毎のフォローとする。
・メバロチン10mg1錠朝食後(最大10mg2錠分1まで増量可能)
水溶性で横紋筋融解が少ないとされるスタチン製剤。
・エパデール1回600mg1日3回毎食後
高TG血症の時(TG>500mg/dl)。エイコサペンタエン酸(EPA)。
注意)ロトリガは食直後に内服するのが望ましい
cf)ロトリガとエパデールの違い
・ロトリガ(ω-3脂肪酸)とエパデール(イコサペント酸)はともにTGを下げる不飽和脂肪酸
・ロトリガはEPA930mg+DHA750mg(1日量2g中)
・エパデールはEPA1800mg(1日量1.8g中)
・ロトリガは通常1日1回の服用で、エパデールは1日2-3回服用(ロトリガの方が手間が少ない)
・ロトリガ、エパデールは食直後(食事が終わってから10分以内)に服用しなければほとんど吸収されない
・ロトリガ、エパデールとも出血傾向の副作用があり、抗凝固薬、抗血小板薬との併用は注意する
→ロトリガは1日4g、エパデール1日2.7gが上限量
・ペリシット250㎎3錠分3毎食後
高TG血症の時(TG>500mg/dl)。ニコチン酸系。
cf)クラリスとリポバスは併用禁忌!
CYP3A4阻害の強さ:クラリスロマイシン、エリスロマイシン>>ロキシスロマイシン、アジスロマイシン
代謝でのCYP3A4関与の強さ:シンバスタチン>>アトルバスタチン>その他のスタチン製剤
→クラリスロマイン、エリスロマイシンとシンバスタチンを併用しないようにすること。
cf)・LDLの目標値:
血管リスク:0なら160以下、1-2なら140以下、3以上なら120以下、ACS既往ありなら100以下
血管リスク:①男45歳、女55歳以上、②HT、③DM、④喫煙、⑤心血管家族歴、⑥HDL<40参考)ACSの既往ある脂質異常の治療目標はLDL100未満、DM+(非心原性脳梗塞or末梢動脈疾患orCKDorメタボor喫煙)なら70未満と改訂された。
・高LDL血症では、甲状腺機能低下、Cushing、ネフローゼ、CRF、肝硬変、ピルを除外する。
・高TG血症では、飲酒、サイアザイド、β遮断薬、エストロゲン、テストステロン、ステロイド、シクロスポリン、バルプロ酸、CRF、ネフローゼ、甲状腺機能低下、HIVを除外する。
・腹8分目、3食規則正しく、間食をやめる、運動
・コレステロールを多く含むもの:卵、うに、いくら、たらこ、マヨネーズ、鶏レバー、うなぎ、ヨーグルト、バター、生クリーム(現状の半分程度にしてみるよう指導)
・コレステロールを下げるもの:青魚(サンマ、イワシ、サバ)、オリーブオイル
cf)脂質代謝の検査項目
・LDL/ApoB:LDL-Cの平均サイズ。通常1.40以上、1.17を切ると小型化で動脈硬化惹起性で、1.1以下は極めて不良。
・ApoE/ApoC3::0.7以上だとIII型高脂血症の可能性がある。
・LPL:リポタンパクリパーゼ。LPL>40が目安。内臓脂肪肥満や高血糖下では低値となる。
・ApoB:男性73-109、女性66-101が基準値。90未満が望ましい。
・ApoB/ApoA1:カットオフ値はないが、0.4-0.7だと質としては良好と考えられる。低い方がよい。
・LDL/HDL:質に着目した指標。DM患者では2.0以下、冠動脈疾患を有する患者は1.5以下は目標。
・non-HDL=T-ChoL-HDLにて算出。算出値がLDL+30が目安。それを超えると質の悪化(IDLやVLDLの増加)を疑う。スタチンやフィブラートの開始を積極的に考える必要がある。T-ChoL=LDL+HDL+TG/5で、TG/5がVLDL-ChoLに相当する。
cf)動脈硬化の検査項目
・頸動脈US:IMT(頸動脈内膜中膜複合体肥厚度)が1mmを超えていたら肥厚ありと判断する。Hard,mixed,softは見た感じで判断する。PI値(Lt.ICA)が1.2を超えると頭蓋内血管狭窄の可能性があると考える。
・ABI:上腕と足首の血圧から算出。1.30以上:下肢動脈高度石灰化、1.00-1.29:正常、0.91-0.99:境界域、0.41-0.90:軽度から中等度、0.40以下:重度。
・TBI:足趾・上腕血圧比。足趾血管は石灰化を免れることが多く、TBIでは石灰化の進行している患者でも閉塞病変の存在を評価することが可能。
・CAVI:動脈の硬さの指標。血圧の影響を受けにくい。9.0以上:動脈硬化の疑い、8.0-9.0:境界域、8.0以下:正常範囲。
cf)クレストールで筋肉痛が生じた場合
・自己中断した場合は、筋肉痛やCK上昇、尿潜血ないなら再開し1週間後再診でもよい場合が多い。
・高LDLがあるならメバロチン、リピトール、リバロなど他のスタチンに変更。メバロチンは水溶性で横紋筋融解が一番生じにくい。
・それでも筋肉痛が出る場合はゼチーアに変更(ただし横紋筋融解の副作用記載あり)。
・エパデールやユベラなども考慮。
・コレバインは吸収されないはずなのに、横紋筋融解の記載あり。
・典型的な横紋筋融解症:全身倦怠を主訴として来院、数万のCPK、高いミオグロビン(血中、尿中)、茶褐色の乏尿などを生じる。スタチン中止、ステロイド、点滴、利尿剤で改善するが腎障害が残ることあり。
・スタチンには抗酸化作用、抗炎症作用、抗血小板作用がありACSの発症抑制効果がある。心血管イベントを3割減らす(逆にスタチン以外には抑制効果なし)。
・CK上昇なしに四肢の筋痛、違和感、倦怠感を訴えることがある。内服中止で消失し、チャレンジテストで再現性があり。この副作用があるとまず継続できないほどの嫌な症状。一方、CK上昇が300−400程度なら無症状で、上昇傾向がなければ投与を続けてもよい。
・家族性高コレステロール血症なら筋肉痛を生じても融解症まで至らなければ継続の意味ありか。
・Circulation. 2005;111:The Safety of Rosuvastatin as Used in Common Clinical Practice.A Postmarketing Analysis.によると横紋筋融解とその結果生じる蛋白尿、腎不全等の各種腎障害の発生はクレストールが圧倒的に多く、シンバスタチンの2倍以上、プラバスタチン/アトルバスタチンの6-8倍以上の発生頻度。
cf)スタチンは耐糖能に影響を与える。
・1か月ほどでHbA1cが1%近く上がった例もある。
・耐糖能に影響を及ぼしにくいのは低強度スタチン(プラバスタチン,シンバスタチン)
・高強度スタチンでも耐糖能に影響を及ぼしにくいのはピタバスタチン
・耐糖能に影響しやすい高強度スタチン(ロスバスタチン,アトルバスタチン)を用いる場合は糖尿病治療調整も必要となりうる。
cf)スタチンパラドックス
スタチンには水溶性と脂溶性のがあり、ロスバスタチンやアトルバスタチンは脂溶性。脂溶性スタチンは肝細胞以外の細胞に取り込まれ、血管壁の平滑筋細胞でPCSK9産生が増加し、泡沫化したマクロファージからのABCA1経路を介した脂質の引抜きを抑制し、血清LDL-Cは70mg/dk未満でも、冠動脈プラークは進展するという「スタチンパラドックス」を起こす(O.Bayturan et al. J Am Coll Cardiol. 55:2736–2742, 2010)
・クレストール2.5㎎1錠朝食後
高LDL血症の時。HDL↑/TG↓効果もあり。作用時間が長いので隔日~週1回でも効果あり。
スタチンの中でも筋副作用が少ない(肝機能とCPKは必ずf/uする)。
4週以降でも効果不十分なら1日1回10mgまで増量可能。
cf)新規処方した場合は2週間後に採血フォローし問題なければ1か月ごとの採血フォロー。問題なければ3か月毎のフォローとする。
・メバロチン10mg1錠朝食後(最大10mg2錠分1まで増量可能)
水溶性で横紋筋融解が少ないとされるスタチン製剤。
・エパデール1回600mg1日3回毎食後
高TG血症の時(TG>500mg/dl)。エイコサペンタエン酸(EPA)。
注意)ロトリガは食直後に内服するのが望ましい
cf)ロトリガとエパデールの違い
・ロトリガ(ω-3脂肪酸)とエパデール(イコサペント酸)はともにTGを下げる不飽和脂肪酸
・ロトリガはEPA930mg+DHA750mg(1日量2g中)
・エパデールはEPA1800mg(1日量1.8g中)
・ロトリガは通常1日1回の服用で、エパデールは1日2-3回服用(ロトリガの方が手間が少ない)
・ロトリガ、エパデールは食直後(食事が終わってから10分以内)に服用しなければほとんど吸収されない
・ロトリガ、エパデールとも出血傾向の副作用があり、抗凝固薬、抗血小板薬との併用は注意する
→ロトリガは1日4g、エパデール1日2.7gが上限量
・ペリシット250㎎3錠分3毎食後
高TG血症の時(TG>500mg/dl)。ニコチン酸系。
cf)クラリスとリポバスは併用禁忌!
CYP3A4阻害の強さ:クラリスロマイシン、エリスロマイシン>>ロキシスロマイシン、アジスロマイシン
代謝でのCYP3A4関与の強さ:シンバスタチン>>アトルバスタチン>その他のスタチン製剤
→クラリスロマイン、エリスロマイシンとシンバスタチンを併用しないようにすること。
cf)・LDLの目標値:
血管リスク:0なら160以下、1-2なら140以下、3以上なら120以下、ACS既往ありなら100以下
血管リスク:①男45歳、女55歳以上、②HT、③DM、④喫煙、⑤心血管家族歴、⑥HDL<40参考)ACSの既往ある脂質異常の治療目標はLDL100未満、DM+(非心原性脳梗塞or末梢動脈疾患orCKDorメタボor喫煙)なら70未満と改訂された。
・高LDL血症では、甲状腺機能低下、Cushing、ネフローゼ、CRF、肝硬変、ピルを除外する。
・高TG血症では、飲酒、サイアザイド、β遮断薬、エストロゲン、テストステロン、ステロイド、シクロスポリン、バルプロ酸、CRF、ネフローゼ、甲状腺機能低下、HIVを除外する。
・腹8分目、3食規則正しく、間食をやめる、運動
・コレステロールを多く含むもの:卵、うに、いくら、たらこ、マヨネーズ、鶏レバー、うなぎ、ヨーグルト、バター、生クリーム(現状の半分程度にしてみるよう指導)
・コレステロールを下げるもの:青魚(サンマ、イワシ、サバ)、オリーブオイル
cf)脂質代謝の検査項目
・LDL/ApoB:LDL-Cの平均サイズ。通常1.40以上、1.17を切ると小型化で動脈硬化惹起性で、1.1以下は極めて不良。
・ApoE/ApoC3::0.7以上だとIII型高脂血症の可能性がある。
・LPL:リポタンパクリパーゼ。LPL>40が目安。内臓脂肪肥満や高血糖下では低値となる。
・ApoB:男性73-109、女性66-101が基準値。90未満が望ましい。
・ApoB/ApoA1:カットオフ値はないが、0.4-0.7だと質としては良好と考えられる。低い方がよい。
・LDL/HDL:質に着目した指標。DM患者では2.0以下、冠動脈疾患を有する患者は1.5以下は目標。
・non-HDL=T-ChoL-HDLにて算出。算出値がLDL+30が目安。それを超えると質の悪化(IDLやVLDLの増加)を疑う。スタチンやフィブラートの開始を積極的に考える必要がある。T-ChoL=LDL+HDL+TG/5で、TG/5がVLDL-ChoLに相当する。
cf)動脈硬化の検査項目
・頸動脈US:IMT(頸動脈内膜中膜複合体肥厚度)が1mmを超えていたら肥厚ありと判断する。Hard,mixed,softは見た感じで判断する。PI値(Lt.ICA)が1.2を超えると頭蓋内血管狭窄の可能性があると考える。
・ABI:上腕と足首の血圧から算出。1.30以上:下肢動脈高度石灰化、1.00-1.29:正常、0.91-0.99:境界域、0.41-0.90:軽度から中等度、0.40以下:重度。
・TBI:足趾・上腕血圧比。足趾血管は石灰化を免れることが多く、TBIでは石灰化の進行している患者でも閉塞病変の存在を評価することが可能。
・CAVI:動脈の硬さの指標。血圧の影響を受けにくい。9.0以上:動脈硬化の疑い、8.0-9.0:境界域、8.0以下:正常範囲。
cf)クレストールで筋肉痛が生じた場合
・自己中断した場合は、筋肉痛やCK上昇、尿潜血ないなら再開し1週間後再診でもよい場合が多い。
・高LDLがあるならメバロチン、リピトール、リバロなど他のスタチンに変更。メバロチンは水溶性で横紋筋融解が一番生じにくい。
・それでも筋肉痛が出る場合はゼチーアに変更(ただし横紋筋融解の副作用記載あり)。
・エパデールやユベラなども考慮。
・コレバインは吸収されないはずなのに、横紋筋融解の記載あり。
・典型的な横紋筋融解症:全身倦怠を主訴として来院、数万のCPK、高いミオグロビン(血中、尿中)、茶褐色の乏尿などを生じる。スタチン中止、ステロイド、点滴、利尿剤で改善するが腎障害が残ることあり。
・スタチンには抗酸化作用、抗炎症作用、抗血小板作用がありACSの発症抑制効果がある。心血管イベントを3割減らす(逆にスタチン以外には抑制効果なし)。
・CK上昇なしに四肢の筋痛、違和感、倦怠感を訴えることがある。内服中止で消失し、チャレンジテストで再現性があり。この副作用があるとまず継続できないほどの嫌な症状。一方、CK上昇が300−400程度なら無症状で、上昇傾向がなければ投与を続けてもよい。
・家族性高コレステロール血症なら筋肉痛を生じても融解症まで至らなければ継続の意味ありか。
・Circulation. 2005;111:The Safety of Rosuvastatin as Used in Common Clinical Practice.A Postmarketing Analysis.によると横紋筋融解とその結果生じる蛋白尿、腎不全等の各種腎障害の発生はクレストールが圧倒的に多く、シンバスタチンの2倍以上、プラバスタチン/アトルバスタチンの6-8倍以上の発生頻度。
cf)スタチンは耐糖能に影響を与える。
・1か月ほどでHbA1cが1%近く上がった例もある。
・耐糖能に影響を及ぼしにくいのは低強度スタチン(プラバスタチン,シンバスタチン)
・高強度スタチンでも耐糖能に影響を及ぼしにくいのはピタバスタチン
・耐糖能に影響しやすい高強度スタチン(ロスバスタチン,アトルバスタチン)を用いる場合は糖尿病治療調整も必要となりうる。
cf)スタチンパラドックス
スタチンには水溶性と脂溶性のがあり、ロスバスタチンやアトルバスタチンは脂溶性。脂溶性スタチンは肝細胞以外の細胞に取り込まれ、血管壁の平滑筋細胞でPCSK9産生が増加し、泡沫化したマクロファージからのABCA1経路を介した脂質の引抜きを抑制し、血清LDL-Cは70mg/dk未満でも、冠動脈プラークは進展するという「スタチンパラドックス」を起こす(O.Bayturan et al. J Am Coll Cardiol. 55:2736–2742, 2010)
高尿酸血症
☆高尿酸血症
<非発作時>
・アロチーム(ザイロリック)100㎎2錠分2~3錠分3毎食後
尿酸産生抑制。腎不全時には禁忌。腎機能低下時にはフェブリクにする。
肝機能障害と発疹に注意。
・フェブリク10mg分1~60mg分1 腎機能低下時にも使える。発疹に注意。
<発作時>
・ロキソニン60mg3錠分3 発作が完全に治まるまでしっかり使うこと。1週間分処方する。
<発作予感時/発作予防>
・コルヒチン0.5mg1錠分1
cf)・尿酸7mg/dl以上で痛風発作の既往ありか、メタボ/HT/HL/CKD合併時には治療開始する。
・レバー、ホルモン、砂肝、エビ、カツオ、菓子パン、ビール、紹興酒、ジュースの過剰摂取、カロリー過多は避ける。
cf)高尿酸血症の治療開始基準(最新)
・血清尿酸値が8.0mg/dL以上で合併症がある
・合併症はないが血清尿酸値が9.0mg/dL以上
・合併症はないが腎障害があり血清尿酸値が8.0mg/dL以上(腎機能低下を抑制する目的、フェブリクを用いる)
<非発作時>
・アロチーム(ザイロリック)100㎎2錠分2~3錠分3毎食後
尿酸産生抑制。腎不全時には禁忌。腎機能低下時にはフェブリクにする。
肝機能障害と発疹に注意。
・フェブリク10mg分1~60mg分1 腎機能低下時にも使える。発疹に注意。
<発作時>
・ロキソニン60mg3錠分3 発作が完全に治まるまでしっかり使うこと。1週間分処方する。
<発作予感時/発作予防>
・コルヒチン0.5mg1錠分1
cf)・尿酸7mg/dl以上で痛風発作の既往ありか、メタボ/HT/HL/CKD合併時には治療開始する。
・レバー、ホルモン、砂肝、エビ、カツオ、菓子パン、ビール、紹興酒、ジュースの過剰摂取、カロリー過多は避ける。
cf)高尿酸血症の治療開始基準(最新)
・血清尿酸値が8.0mg/dL以上で合併症がある
・合併症はないが血清尿酸値が9.0mg/dL以上
・合併症はないが腎障害があり血清尿酸値が8.0mg/dL以上(腎機能低下を抑制する目的、フェブリクを用いる)
慢性心不全経口薬
☆慢性心不全経口薬
・アーチスト2.5mg1錠朝分1(1.25㎎2錠分2)
βブロッカー。NYHAⅡ度以上。肺うっ血あれば増悪するので禁忌。血管内脱水あるときは心拍出量低下するので控える。軽度PQ延長や脚ブロックでは許容。血圧低下著しいときはメインテートに変更。喘息時は控える。予後改善効果が証明されたのは、DCMやOMIによるCHFにメインテート、アーチストを使う場合。アーチストはα作用もあり、血圧を下げるが、メインテート、テノーミンはα作用がない。交感神経遮断による不整脈防止、心房細動ではレート減弱効果、レニン分泌抑制により生命予後改善。
cf)心不全あるときにアーチスト1.25mgやメインテート0.625mgから開始するが、血圧が下がるのはアーチスト10mgやメインテート2.5mgから。
・レニベース5mg1錠朝分1 ARBに心臓保護作用ないが、ACEIにはある。しかし降圧作用は弱い。コバシルはある程度下げる。心不全に対して臓器保護目的で使う。空咳が高率に出てくる(誤嚥予防には良いかもしれない)
・ラシックス20mg1錠
アルダクトンA25mg1錠朝分1 ラシックスによる低K、アルドステロン増加による心筋リモデリング抑制効果を期待してアルダクトンを併用。腎臓を干からびさせるので、常用はよくない。
・ディオバン80mg1錠朝分1 高血圧ある時。ARB。肝代謝。BNP見ながら160mgまで増量可能。Cr2台までで使用可。
・アムロジン5mg1錠朝分1 ジヒドロピリジン系CAB。慢性心不全の予後改善効果はないが、上記で降圧不十分なときには併用する。特に脳卒中の家族歴既往歴ある時。
・バイアスピリン100mg1錠朝分1 プラビックス75㎎1錠朝分1 ランソプラゾール15㎎(タケプロン)1錠朝分1 不可逆的cox1/2阻害薬。脳梗塞、心筋梗塞の既往がある時。手術1週間前よりプラビックス、バイアスピリン中止、と同時にアンプラーグ3T、プレタール50 3Tを分3でを開始。アンプラーグ手術の前日から中止、プレタール手術の3日前から中止。プレタール(シロスタゾール)は無顆粒球症、肝障害、ITP多い。
cf)PCI後はベアメタルステントなら1ヶ月、薬剤溶出性ステントDESなら1年はクロピドグレル(プラビックス)とバイアスピリン併用する(DAPT)・プラバスタチン5㎎(プラバチン)2錠分1夕食後
クレストール2.5mg1錠分1夕食後
高LDL血症の時。
・ペリシッド250㎎3錠分3毎食後
高TGある時(あまり使わない)
・アロチーム100㎎(ザイロリック)1錠分1夕食後
高尿酸血症ある時。腎障害あるときはフェブリクにする。
・ワーファリン1㎎2錠分1夕食後
心房細動ある時
cf)非弁膜症性AfでCHAD2スコア2点以上ならNOACかワーファリン、CHAD2スコア1点ならプラザキサ、エリキュースを投与。MS、人工弁、DCMのあるAfではワーファリンのみ適応。心原性脳梗塞慢性期も同様。
・アイトロール20㎎ 2錠分2朝夕食後
もしくはバソレーターテープ1枚
労作性狭心症の既往ある時。
・バイミカード5㎎2錠分1夕食後
冠攣縮性狭心症の既往ある時。
・アーチスト2.5mg1錠朝分1(1.25㎎2錠分2)
βブロッカー。NYHAⅡ度以上。肺うっ血あれば増悪するので禁忌。血管内脱水あるときは心拍出量低下するので控える。軽度PQ延長や脚ブロックでは許容。血圧低下著しいときはメインテートに変更。喘息時は控える。予後改善効果が証明されたのは、DCMやOMIによるCHFにメインテート、アーチストを使う場合。アーチストはα作用もあり、血圧を下げるが、メインテート、テノーミンはα作用がない。交感神経遮断による不整脈防止、心房細動ではレート減弱効果、レニン分泌抑制により生命予後改善。
cf)心不全あるときにアーチスト1.25mgやメインテート0.625mgから開始するが、血圧が下がるのはアーチスト10mgやメインテート2.5mgから。
・レニベース5mg1錠朝分1 ARBに心臓保護作用ないが、ACEIにはある。しかし降圧作用は弱い。コバシルはある程度下げる。心不全に対して臓器保護目的で使う。空咳が高率に出てくる(誤嚥予防には良いかもしれない)
・ラシックス20mg1錠
アルダクトンA25mg1錠朝分1 ラシックスによる低K、アルドステロン増加による心筋リモデリング抑制効果を期待してアルダクトンを併用。腎臓を干からびさせるので、常用はよくない。
・ディオバン80mg1錠朝分1 高血圧ある時。ARB。肝代謝。BNP見ながら160mgまで増量可能。Cr2台までで使用可。
・アムロジン5mg1錠朝分1 ジヒドロピリジン系CAB。慢性心不全の予後改善効果はないが、上記で降圧不十分なときには併用する。特に脳卒中の家族歴既往歴ある時。
・バイアスピリン100mg1錠朝分1 プラビックス75㎎1錠朝分1 ランソプラゾール15㎎(タケプロン)1錠朝分1 不可逆的cox1/2阻害薬。脳梗塞、心筋梗塞の既往がある時。手術1週間前よりプラビックス、バイアスピリン中止、と同時にアンプラーグ3T、プレタール50 3Tを分3でを開始。アンプラーグ手術の前日から中止、プレタール手術の3日前から中止。プレタール(シロスタゾール)は無顆粒球症、肝障害、ITP多い。
cf)PCI後はベアメタルステントなら1ヶ月、薬剤溶出性ステントDESなら1年はクロピドグレル(プラビックス)とバイアスピリン併用する(DAPT)・プラバスタチン5㎎(プラバチン)2錠分1夕食後
クレストール2.5mg1錠分1夕食後
高LDL血症の時。
・ペリシッド250㎎3錠分3毎食後
高TGある時(あまり使わない)
・アロチーム100㎎(ザイロリック)1錠分1夕食後
高尿酸血症ある時。腎障害あるときはフェブリクにする。
・ワーファリン1㎎2錠分1夕食後
心房細動ある時
cf)非弁膜症性AfでCHAD2スコア2点以上ならNOACかワーファリン、CHAD2スコア1点ならプラザキサ、エリキュースを投与。MS、人工弁、DCMのあるAfではワーファリンのみ適応。心原性脳梗塞慢性期も同様。
・アイトロール20㎎ 2錠分2朝夕食後
もしくはバソレーターテープ1枚
労作性狭心症の既往ある時。
・バイミカード5㎎2錠分1夕食後
冠攣縮性狭心症の既往ある時。
慢性心房細動
☆慢性心房細動
・メインテート2.5㎎ 1錠分1朝食後
βブロッカー。レートコントロールの第1選択。不十分なら5㎎まで増量。
・セロケン20㎎(ロプレソール) 2錠分1朝食後
βブロッカー。レートコントロールの第1選択。不十分なら80㎎まで増量。
・ワソラン40㎎3錠分3毎食後
CCB系。レートコントロールの第2選択。
・セロケン20㎎(ロプレソール)2錠分1朝食後
ハーフジゴキシン0.1252錠分1朝食後
βブロッカーで効果不十分な時。
・プラザキサカプセル75㎎ 4C分2朝夕食後
抗凝固薬(NOAC)。GFR50以下、70歳以上、消化管出血既往、アミオダロン/ベラパミルの服用中は110㎎1日2回にする。GFR30切る時、イトラコナゾール内服中は禁忌(∵AUCが2倍以上)。リファンピシン、カルバマゼピン併用では作用低下あり。イダルシズマブという中和薬あり。
cf)腎障害、70歳以上、作用増強薬(抗凝固薬、アスピリンなどの抗血小板薬、NSAIDs、ベラパミル投与)、消化管出血の既往ある場合は、貧血の進行、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、血便がないかをチェックしていく。
・ワーファリン1㎎3錠分1朝食後
1mgから開始し、0.25mgずつ調整する。PT-INRを1.6-2.6にする。納豆/青汁/クロレラは食べない。ワーファリン単剤の方がアスピリン併用より出血リスクが低く、脳梗塞予防効果は同じ(アスピリン併用はしないこと)。禁忌は最近の脳出血、消化管出血、重症肝障害。
cf)ワーファリンの0.125mgは0.5mg錠を4分の1にする。1mg錠を8分の1にはできない!(ハーフジゴキシンも同様の考え方)
cf)PTINRが延長しすぎている場合(10以上)はケイツー10mgを生食100mlに溶いて15分で投与(1日2回まで、遮光で投与)。効果発現は1時間ほど。意識が悪い場合や頭痛訴える場合は頭部CTを。絶対安静が必要。
・ワーファリン過剰投与の場合:
PTINR3以上なら減量
PTINR5以上なら中止しINR正常化してから再開
PTINR9以上なら中止しビタミンK1(ケイツー)5-10mgを経口投与しINR正常化してから再開
PTINR9以上で出血リスクまたは出血ありならビタミンK1(ケイツー)10mgを緩徐に静注
<NOAC(Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants)>
・非弁膜症性Afの脳梗塞予防、DVT/PEの治療/発症予防に使う。
・予防効果はワーファリンと同等で、出血リスクはワーファリンより低い。
・血中濃度が安定しており定期的なモニタリングが不要。
・非弁膜症性AfでCHAD2スコア2点以上ならNOACかワーファリン、CHAD2スコア1点ならダビガトラン(プラザキサ)、アピキサバン(エリキュース)を投与。MS、人工弁、DCMのあるAfではワーファリンのみ適応。心原性脳梗塞慢性期も同様。
・どれも半減期は10hr程度なので1日2回投与が基本。
・NOACの作用増強薬:CYP3A4関連ではアゾール系、クラリスロマイシン、P糖蛋白関連ではイトラコナゾール、ケトコナゾール、クラリスロマイシン(他にもあるので必ず確認すること!!)
・NOACの作用減弱薬:CYP3A4関連ではフェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、P糖蛋白関連ではリファンピシン、カルバマゼピン(他にもあるので必ず確認すること!!)
①プラザキサ(ダビガトラン)150mg1日2回(CCr30未満、イトラコナゾール(P糖蛋白阻害薬)併用は禁忌)。腎代謝。
減量条件:CCr30-50、70才以上、消化管出血既往のうち1つ以上あれば110mg1日2回
トロンビン時間(TT)延長、APTT延長あれば治療域、TT延長でもAPTT正常なら低濃度
②イグザレルト(リバーロキサン)15mg1日1回(CCr15未満は使用経験なく、イトコナゾール/ボリコナゾール/ケトコナゾール経口投与併用は禁忌)。肝代謝。
減量条件:CCr15-50なら10mg1日1回
PT延長するが治療域とは限らない
③エリキュース(アピキサバン)5mg1日2回(CCr15未満は使用経験なく禁忌)。肝代謝。DVT治療/予防は10㎎1日2回7日間の後、5㎎1日2回投与する。DVTに関してはCCr30未満では使用経験なく禁忌。
減量条件:80才以上、体重60kg以下、Cr1.5mg/dl以上のうち2つ以上あれば2.5mg1日2回
④リクシアナ(エドキサバン)30mg1日1回(CCr15未満は禁忌)。腎、肝代謝。
減量条件:CCr15-50、P糖蛋白阻害薬併用、体重60kg以下のうち1つ以上あれば15mg1日1回
cf)患者の臨床像に応じたNOACの薬剤選択
①高齢者→併存疾患、75歳以上で頭蓋外出血の少ない薬剤→エリキュース、リクシアナ
②腎機能低下例→中等度~重度の腎機能低下例で出血合併症の少ない薬剤→エリキュース
③消化管出血の既往例→消化管出血のリスクを増大させない薬剤→エリキュース、プラザキサ110㎎
④出血リスクが高い(HAS-BLED3点以上)→頭蓋外出血が少ない薬剤→エリキュース、プラザキサ110㎎、リクシアナ
⑤VKAで良好に管理されているのにもかかわらず脳卒中の再発を繰り返す→虚血性、出血性脳卒中の両方にベネフィットが示されている薬剤→プラザキサ150㎎
⑥服薬回数が少ない薬剤を好む患者→1日1回投与製剤を選択→リクシアナ、イグザレルト
⑦VKAによる良好な管理が難しいと考えられる患者(SAMeTT2R2スコア2点以上)→いずれのNOACも選択可能(患者特性を考慮)
⇒まずはエリキュース(アピキサバン)を使っておけばよい。
・メインテート2.5㎎ 1錠分1朝食後
βブロッカー。レートコントロールの第1選択。不十分なら5㎎まで増量。
・セロケン20㎎(ロプレソール) 2錠分1朝食後
βブロッカー。レートコントロールの第1選択。不十分なら80㎎まで増量。
・ワソラン40㎎3錠分3毎食後
CCB系。レートコントロールの第2選択。
・セロケン20㎎(ロプレソール)2錠分1朝食後
ハーフジゴキシン0.1252錠分1朝食後
βブロッカーで効果不十分な時。
・プラザキサカプセル75㎎ 4C分2朝夕食後
抗凝固薬(NOAC)。GFR50以下、70歳以上、消化管出血既往、アミオダロン/ベラパミルの服用中は110㎎1日2回にする。GFR30切る時、イトラコナゾール内服中は禁忌(∵AUCが2倍以上)。リファンピシン、カルバマゼピン併用では作用低下あり。イダルシズマブという中和薬あり。
cf)腎障害、70歳以上、作用増強薬(抗凝固薬、アスピリンなどの抗血小板薬、NSAIDs、ベラパミル投与)、消化管出血の既往ある場合は、貧血の進行、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、血便がないかをチェックしていく。
・ワーファリン1㎎3錠分1朝食後
1mgから開始し、0.25mgずつ調整する。PT-INRを1.6-2.6にする。納豆/青汁/クロレラは食べない。ワーファリン単剤の方がアスピリン併用より出血リスクが低く、脳梗塞予防効果は同じ(アスピリン併用はしないこと)。禁忌は最近の脳出血、消化管出血、重症肝障害。
cf)ワーファリンの0.125mgは0.5mg錠を4分の1にする。1mg錠を8分の1にはできない!(ハーフジゴキシンも同様の考え方)
cf)PTINRが延長しすぎている場合(10以上)はケイツー10mgを生食100mlに溶いて15分で投与(1日2回まで、遮光で投与)。効果発現は1時間ほど。意識が悪い場合や頭痛訴える場合は頭部CTを。絶対安静が必要。
・ワーファリン過剰投与の場合:
PTINR3以上なら減量
PTINR5以上なら中止しINR正常化してから再開
PTINR9以上なら中止しビタミンK1(ケイツー)5-10mgを経口投与しINR正常化してから再開
PTINR9以上で出血リスクまたは出血ありならビタミンK1(ケイツー)10mgを緩徐に静注
<NOAC(Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants)>
・非弁膜症性Afの脳梗塞予防、DVT/PEの治療/発症予防に使う。
・予防効果はワーファリンと同等で、出血リスクはワーファリンより低い。
・血中濃度が安定しており定期的なモニタリングが不要。
・非弁膜症性AfでCHAD2スコア2点以上ならNOACかワーファリン、CHAD2スコア1点ならダビガトラン(プラザキサ)、アピキサバン(エリキュース)を投与。MS、人工弁、DCMのあるAfではワーファリンのみ適応。心原性脳梗塞慢性期も同様。
・どれも半減期は10hr程度なので1日2回投与が基本。
・NOACの作用増強薬:CYP3A4関連ではアゾール系、クラリスロマイシン、P糖蛋白関連ではイトラコナゾール、ケトコナゾール、クラリスロマイシン(他にもあるので必ず確認すること!!)
・NOACの作用減弱薬:CYP3A4関連ではフェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、P糖蛋白関連ではリファンピシン、カルバマゼピン(他にもあるので必ず確認すること!!)
①プラザキサ(ダビガトラン)150mg1日2回(CCr30未満、イトラコナゾール(P糖蛋白阻害薬)併用は禁忌)。腎代謝。
減量条件:CCr30-50、70才以上、消化管出血既往のうち1つ以上あれば110mg1日2回
トロンビン時間(TT)延長、APTT延長あれば治療域、TT延長でもAPTT正常なら低濃度
②イグザレルト(リバーロキサン)15mg1日1回(CCr15未満は使用経験なく、イトコナゾール/ボリコナゾール/ケトコナゾール経口投与併用は禁忌)。肝代謝。
減量条件:CCr15-50なら10mg1日1回
PT延長するが治療域とは限らない
③エリキュース(アピキサバン)5mg1日2回(CCr15未満は使用経験なく禁忌)。肝代謝。DVT治療/予防は10㎎1日2回7日間の後、5㎎1日2回投与する。DVTに関してはCCr30未満では使用経験なく禁忌。
減量条件:80才以上、体重60kg以下、Cr1.5mg/dl以上のうち2つ以上あれば2.5mg1日2回
④リクシアナ(エドキサバン)30mg1日1回(CCr15未満は禁忌)。腎、肝代謝。
減量条件:CCr15-50、P糖蛋白阻害薬併用、体重60kg以下のうち1つ以上あれば15mg1日1回
cf)患者の臨床像に応じたNOACの薬剤選択
①高齢者→併存疾患、75歳以上で頭蓋外出血の少ない薬剤→エリキュース、リクシアナ
②腎機能低下例→中等度~重度の腎機能低下例で出血合併症の少ない薬剤→エリキュース
③消化管出血の既往例→消化管出血のリスクを増大させない薬剤→エリキュース、プラザキサ110㎎
④出血リスクが高い(HAS-BLED3点以上)→頭蓋外出血が少ない薬剤→エリキュース、プラザキサ110㎎、リクシアナ
⑤VKAで良好に管理されているのにもかかわらず脳卒中の再発を繰り返す→虚血性、出血性脳卒中の両方にベネフィットが示されている薬剤→プラザキサ150㎎
⑥服薬回数が少ない薬剤を好む患者→1日1回投与製剤を選択→リクシアナ、イグザレルト
⑦VKAによる良好な管理が難しいと考えられる患者(SAMeTT2R2スコア2点以上)→いずれのNOACも選択可能(患者特性を考慮)
⇒まずはエリキュース(アピキサバン)を使っておけばよい。
大腸検査前
☆大腸検査前
・検査当日の朝食は中止(前日21時以降は絶食)
・センナル(センノシド/プルゼニド)12㎎2錠就寝前(前日前)
・マグコロール100g1800mlまたはニフレック2000ml(当日朝、検査3時間前)
(マグコロールは腎障害時には禁忌)
→どうしても飲めないときは最低1Lは飲む、排便ないときは浣腸する等して確認すること。
cf)腸閉塞が疑われる場合は、500mlを最初にゆっくりと飲んでもらい1時間ほど経過観察し、排便ないなら中止。
・ガスコンドロップ5-10ml(気泡を抑える)
cf)高齢者など大量に飲めない場合はGFにて投与する方法もある。
cf)ブラウン変法
①前日の午後8-9時にマグコロールP50gを200mlの水に溶かして服用、就寝前にプルゼニド2-3T
②起床時に新レシカルボン座薬、200ml以上の水を飲水
注意)検査当日の内服について
・降圧薬、循環器作動薬、抗痙攣薬などは継続する。
・絶食にするので経口の糖尿病薬は中止にする(インスリンの場合はランタスのみとする)。
・検査当日の朝食は中止(前日21時以降は絶食)
・センナル(センノシド/プルゼニド)12㎎2錠就寝前(前日前)
・マグコロール100g1800mlまたはニフレック2000ml(当日朝、検査3時間前)
(マグコロールは腎障害時には禁忌)
→どうしても飲めないときは最低1Lは飲む、排便ないときは浣腸する等して確認すること。
cf)腸閉塞が疑われる場合は、500mlを最初にゆっくりと飲んでもらい1時間ほど経過観察し、排便ないなら中止。
・ガスコンドロップ5-10ml(気泡を抑える)
cf)高齢者など大量に飲めない場合はGFにて投与する方法もある。
cf)ブラウン変法
①前日の午後8-9時にマグコロールP50gを200mlの水に溶かして服用、就寝前にプルゼニド2-3T
②起床時に新レシカルボン座薬、200ml以上の水を飲水
注意)検査当日の内服について
・降圧薬、循環器作動薬、抗痙攣薬などは継続する。
・絶食にするので経口の糖尿病薬は中止にする(インスリンの場合はランタスのみとする)。
骨粗鬆症
☆骨粗鬆症
①ビスホスホネート製剤(骨吸収抑制、生命予後改善あり1st choice)
・ダイドロネル 1日1回200mg食間を2週間、10-12週間休薬を1クールとする
・フォサマック(ボナロン) 1日1回5mgまたは1週1回35mgを起床時に水180mlとともに内服
・アクトネル(ベネット) 1日1回2.5mgまたは1週1回17.5mgを起床時に水180mlとともに内服
・ボノテオ(リカルボン) 1日1回1mgまたは4週に1回50mgを起床時に水180mlとともに内服
・ホンヒバ 1ヶ月1回1mg静注
注意)
・椎体A、フォサマックとアクトネルは大腿A(他はC)
・フォサマックとアクトネルはステロイド性骨粗鬆症にも使う
・フォサマックはゼリー剤や注射剤もあり
・Ccrが30以下では禁忌
副作用)
・吸収不良:水道水で内服する(ミネラルウォーター、お茶、ジュース、コーヒー、牛乳は×、内服後30分は食事×)
・食道狭窄:内服後30分は座位を、入院中は中止する方がよい
・顎骨壊死:口の痛み、下唇のしびれ、口の白または灰色のできもの、顎の腫れ、歯が自然に抜けた、抜歯後の痛みがひかない等あれば中止する。服用開始前に歯科治療が必要な歯がないか確認すること。抜歯時は3ヶ月の休薬を(抜歯後は2-3週間置いて開始)。
・長期投与にて大腿骨転子下や骨幹部の骨折あり。3年以上の投与で骨粗鬆症リスク再評価を。
②SERM(椎体A/大腿C、骨吸収抑制、骨にはエストロゲン作用、子宮や乳腺ではエストロゲン拮抗)
・エビスタ 1日1回60mg注意)骨作用の他、心血管イベント抑制、T-choL↓、LDL↓効果あり(ただし、TG↑、ホットフラッシュ、こむら返り、海外ではDVTの副作用あり、乳がんと子宮内膜癌は“増加させない”)。血栓傾向あるのでステロイド使用中は禁忌。
・ビビアント 1日1回20mg(エビスタより強力)
③抗RANKL抗体(椎体A/大腿A、破骨細胞の分化誘導に必要なRANKLを阻害、骨吸収抑制)
・プラリア 6ヶ月に1回60mg皮下注
注意)
・低Ca起こすので血清Caが高くない限りはビタミンDを補充しながら使う。特に腎機能低下ある時は注意。
・顎骨壊死や骨髄炎の副作用もあり。
④ビタミンD製剤(骨折予防だけでなく骨格筋力upで転倒予防効果あり、椎体はA/C、大腿はC)
・アルファロール(ワンアルファ)1日1回0.5-1.0μg内服
・ロカルトロール 1回0.25μg1日2回
・エディロール 1日1回0.75μg、症状により1日1回0.5μgに減量。より強力。
注意)
・血清25(OH)Dが20μg/ml未満で欠乏だが7割が欠乏している。ただし25(OH)Dの測定は保険適応外。
・フォサマック(ボナロン)との併用で重度骨粗鬆症にも効果あり。
・副作用は高Ca血症、高Ca尿症。血清Caが11以上ならいったん休薬しCa値が正常化してからエディロール0.5μg/日から開始し0.75以上に増量しないと骨折予防効果なし。尿中Ca(mg/dl)/尿中Cr(mg/dl)が0.3を超えると尿路結石のリスクあり。飲水指示を。
⑤PTH注射製剤(唯一の骨形成促進剤、他の骨粗鬆症治療薬無効例や高齢者の多発骨折例に適応、1ヶ月に5万円かかる)
・フォルテオ 連日1回20μg皮下注、最大24ヶ月まで
・テリボン 週1回56.5μg皮下注、最大18ヶ月まで
禁忌)Paget、原因不明の高ALP、骨端線が閉じていない若年者、骨への放射線照射、高Ca血症、骨腫瘍(原発、転移)
骨粗鬆症について)
・薬剤選択
椎体骨折がない、比較的若い人にはSERM椎体骨折があるひとにはビスホスホネート
多発骨折があり痛みが強い人にはPTH注射製剤
大腿骨近位端骨折ならビスホスホネートか抗RANKL抗体
・生活指導
食事はバランスよく十分な食事量を。その上でCaやビタミンDやビタミンK。
ながら体操(椅子に浅く腰掛けて、背筋を伸ばしたまま前後に前屈後屈)を1セット5から6回を1日3セット。ウォーキングも大切。
しかし、骨量維持効果であって増量効果はなし。
・骨粗鬆症の治療開始基準
大腿骨近位端骨折または椎体骨折がある場合
その他の脆弱骨折がありYAM80%未満の場合
骨折がなくてもYAM70%以下またはTスコア-2.5以下の場合
骨折がなくYAM70%以上80%未満で、FRAXリスク15%以上(日本酒2合以上、喫煙)または大腿骨近位端骨折の家族歴がある場合
・ステロイド性骨粗鬆症の治療開始基準
経口ステロイドを3ヶ月以上使う予定でリスク3点以上ならフォサマック、アクトネルから開始。使えない場合はテリパラチオ、ボンヒバ、ビタミンDを使う。
cf)ステロイド性骨粗鬆症のリスク
既往骨折:なし0点、あり7点
年齢:50才未満0点、65才未満2点、65才以上4点
PSL換算(mg/日):5未満0点、7.5未満1点、7.5以上4点
%YAM:80以上0点、70以上80未満2点、70未満4点
cf)長期間ビスホスホネート治療中の閉経後女性への対応のためのアルゴリズム
5年以上の経口薬、3年以上の静注薬のビスホスホネート治療した閉経後女性
→治療開始前または治療中に大腿骨近位部骨折、椎体または他の複数の骨粗鬆性骨折が生じているか
①生じているならビスホスホネート継続か他の骨折予防治療に変更する
②生じていないなら、T-scoreが-2.5以下または大腿骨近位部骨折リスクが高いならビスホスホネートを10年まで継続するか、他の骨折予防治療に変更
③骨折もなく、T-scoreは-2.5以上または大腿骨近位部骨折リスクが低いなら休薬を検討し、2-3年ごとに再度評価する
①ビスホスホネート製剤(骨吸収抑制、生命予後改善あり1st choice)
・ダイドロネル 1日1回200mg食間を2週間、10-12週間休薬を1クールとする
・フォサマック(ボナロン) 1日1回5mgまたは1週1回35mgを起床時に水180mlとともに内服
・アクトネル(ベネット) 1日1回2.5mgまたは1週1回17.5mgを起床時に水180mlとともに内服
・ボノテオ(リカルボン) 1日1回1mgまたは4週に1回50mgを起床時に水180mlとともに内服
・ホンヒバ 1ヶ月1回1mg静注
注意)
・椎体A、フォサマックとアクトネルは大腿A(他はC)
・フォサマックとアクトネルはステロイド性骨粗鬆症にも使う
・フォサマックはゼリー剤や注射剤もあり
・Ccrが30以下では禁忌
副作用)
・吸収不良:水道水で内服する(ミネラルウォーター、お茶、ジュース、コーヒー、牛乳は×、内服後30分は食事×)
・食道狭窄:内服後30分は座位を、入院中は中止する方がよい
・顎骨壊死:口の痛み、下唇のしびれ、口の白または灰色のできもの、顎の腫れ、歯が自然に抜けた、抜歯後の痛みがひかない等あれば中止する。服用開始前に歯科治療が必要な歯がないか確認すること。抜歯時は3ヶ月の休薬を(抜歯後は2-3週間置いて開始)。
・長期投与にて大腿骨転子下や骨幹部の骨折あり。3年以上の投与で骨粗鬆症リスク再評価を。
②SERM(椎体A/大腿C、骨吸収抑制、骨にはエストロゲン作用、子宮や乳腺ではエストロゲン拮抗)
・エビスタ 1日1回60mg注意)骨作用の他、心血管イベント抑制、T-choL↓、LDL↓効果あり(ただし、TG↑、ホットフラッシュ、こむら返り、海外ではDVTの副作用あり、乳がんと子宮内膜癌は“増加させない”)。血栓傾向あるのでステロイド使用中は禁忌。
・ビビアント 1日1回20mg(エビスタより強力)
③抗RANKL抗体(椎体A/大腿A、破骨細胞の分化誘導に必要なRANKLを阻害、骨吸収抑制)
・プラリア 6ヶ月に1回60mg皮下注
注意)
・低Ca起こすので血清Caが高くない限りはビタミンDを補充しながら使う。特に腎機能低下ある時は注意。
・顎骨壊死や骨髄炎の副作用もあり。
④ビタミンD製剤(骨折予防だけでなく骨格筋力upで転倒予防効果あり、椎体はA/C、大腿はC)
・アルファロール(ワンアルファ)1日1回0.5-1.0μg内服
・ロカルトロール 1回0.25μg1日2回
・エディロール 1日1回0.75μg、症状により1日1回0.5μgに減量。より強力。
注意)
・血清25(OH)Dが20μg/ml未満で欠乏だが7割が欠乏している。ただし25(OH)Dの測定は保険適応外。
・フォサマック(ボナロン)との併用で重度骨粗鬆症にも効果あり。
・副作用は高Ca血症、高Ca尿症。血清Caが11以上ならいったん休薬しCa値が正常化してからエディロール0.5μg/日から開始し0.75以上に増量しないと骨折予防効果なし。尿中Ca(mg/dl)/尿中Cr(mg/dl)が0.3を超えると尿路結石のリスクあり。飲水指示を。
⑤PTH注射製剤(唯一の骨形成促進剤、他の骨粗鬆症治療薬無効例や高齢者の多発骨折例に適応、1ヶ月に5万円かかる)
・フォルテオ 連日1回20μg皮下注、最大24ヶ月まで
・テリボン 週1回56.5μg皮下注、最大18ヶ月まで
禁忌)Paget、原因不明の高ALP、骨端線が閉じていない若年者、骨への放射線照射、高Ca血症、骨腫瘍(原発、転移)
骨粗鬆症について)
・薬剤選択
椎体骨折がない、比較的若い人にはSERM椎体骨折があるひとにはビスホスホネート
多発骨折があり痛みが強い人にはPTH注射製剤
大腿骨近位端骨折ならビスホスホネートか抗RANKL抗体
・生活指導
食事はバランスよく十分な食事量を。その上でCaやビタミンDやビタミンK。
ながら体操(椅子に浅く腰掛けて、背筋を伸ばしたまま前後に前屈後屈)を1セット5から6回を1日3セット。ウォーキングも大切。
しかし、骨量維持効果であって増量効果はなし。
・骨粗鬆症の治療開始基準
大腿骨近位端骨折または椎体骨折がある場合
その他の脆弱骨折がありYAM80%未満の場合
骨折がなくてもYAM70%以下またはTスコア-2.5以下の場合
骨折がなくYAM70%以上80%未満で、FRAXリスク15%以上(日本酒2合以上、喫煙)または大腿骨近位端骨折の家族歴がある場合
・ステロイド性骨粗鬆症の治療開始基準
経口ステロイドを3ヶ月以上使う予定でリスク3点以上ならフォサマック、アクトネルから開始。使えない場合はテリパラチオ、ボンヒバ、ビタミンDを使う。
cf)ステロイド性骨粗鬆症のリスク
既往骨折:なし0点、あり7点
年齢:50才未満0点、65才未満2点、65才以上4点
PSL換算(mg/日):5未満0点、7.5未満1点、7.5以上4点
%YAM:80以上0点、70以上80未満2点、70未満4点
cf)長期間ビスホスホネート治療中の閉経後女性への対応のためのアルゴリズム
5年以上の経口薬、3年以上の静注薬のビスホスホネート治療した閉経後女性
→治療開始前または治療中に大腿骨近位部骨折、椎体または他の複数の骨粗鬆性骨折が生じているか
①生じているならビスホスホネート継続か他の骨折予防治療に変更する
②生じていないなら、T-scoreが-2.5以下または大腿骨近位部骨折リスクが高いならビスホスホネートを10年まで継続するか、他の骨折予防治療に変更
③骨折もなく、T-scoreは-2.5以上または大腿骨近位部骨折リスクが低いなら休薬を検討し、2-3年ごとに再度評価する
花粉症
☆花粉症
注意)抗ヒスタミン剤のクラリチン、ジルテック、ザイザルは痙攣やてんかんの既往には使わない。
・アレグラ1回60mg1日2回
・ザイザル錠5mg 1日1回就寝前 28日分
・ザジテン点眼薬0.05%(5ml/日)3瓶 1日4回 1-2滴(2瓶で28日分)
・アラミスト点鼻薬27.5μg56噴霧用 1日1回(1瓶で28日分)
→効果ない場合はセレスタミン1錠3日分など
cf)抗ヒスタミン剤での運転の可否
運転注意の記載なし:アレグラ、クラリチン
運転時には注意の記載あり:アレジオン、エバステル、タリオン
運転はしないよう注意することの記載あり:その他
cf)眠気が出るとき
・ディレグラ(フェキソフェナジン+(興奮作用のある)プソイドエフェドリン)を使う。
・それでも眠いようなら抗ヒスタミン薬内服をあきらめて、ステロイド点鼻とか漢方薬(小青竜湯、越婢加朮湯など)を使用する。小青竜湯に含まれる麻黄(エフェドリン含有なのでディレグラとの併用は要注意)で眠気が減る(小青竜湯は眠気がなく、即効性でもある)。
注意)抗ヒスタミン剤のクラリチン、ジルテック、ザイザルは痙攣やてんかんの既往には使わない。
・アレグラ1回60mg1日2回
・ザイザル錠5mg 1日1回就寝前 28日分
・ザジテン点眼薬0.05%(5ml/日)3瓶 1日4回 1-2滴(2瓶で28日分)
・アラミスト点鼻薬27.5μg56噴霧用 1日1回(1瓶で28日分)
→効果ない場合はセレスタミン1錠3日分など
cf)抗ヒスタミン剤での運転の可否
運転注意の記載なし:アレグラ、クラリチン
運転時には注意の記載あり:アレジオン、エバステル、タリオン
運転はしないよう注意することの記載あり:その他
cf)眠気が出るとき
・ディレグラ(フェキソフェナジン+(興奮作用のある)プソイドエフェドリン)を使う。
・それでも眠いようなら抗ヒスタミン薬内服をあきらめて、ステロイド点鼻とか漢方薬(小青竜湯、越婢加朮湯など)を使用する。小青竜湯に含まれる麻黄(エフェドリン含有なのでディレグラとの併用は要注意)で眠気が減る(小青竜湯は眠気がなく、即効性でもある)。
DKA
☆糖尿病性ケトアシドーシス
・デキスター、血ガスを2時間毎に測定。
・ノボリンR 100単位
生食100ml 5ml/hr(0.1単位/kg/hr)
上記フラッシュし、5ml/hr(体重50㎏の場合)で開始。血糖値300以下になった場合は0.05単位/kg/hr(2.5ml/hr)にし3号液に変更。2時間毎に血糖測定し、下がるようなら50%ブドウ糖20mlを点滴内に混注する。
・生食500ml 30分-1時間かけて、以降は200ml/hr。血糖値が300以下になったら3号液に変更。
・メイロン静注8.4% 250ml ソフトバッグ
pH7.1切るときに使用。BEの10倍量を急速静注。
・デキスター、血ガスを2時間毎に測定。
・ノボリンR 100単位
生食100ml 5ml/hr(0.1単位/kg/hr)
上記フラッシュし、5ml/hr(体重50㎏の場合)で開始。血糖値300以下になった場合は0.05単位/kg/hr(2.5ml/hr)にし3号液に変更。2時間毎に血糖測定し、下がるようなら50%ブドウ糖20mlを点滴内に混注する。
・生食500ml 30分-1時間かけて、以降は200ml/hr。血糖値が300以下になったら3号液に変更。
・メイロン静注8.4% 250ml ソフトバッグ
pH7.1切るときに使用。BEの10倍量を急速静注。
緩和ケア
☆緩和ケア
内服可能な時:
・カロナール300mg4T/4x、疼痛時ロキソニン60mg1T頓服から開始する。
・オキシコンチン錠(オキシコドン)5mg 2錠分2・オキノーム散(オキシコドン)2.5mg/0.5g/包 1包 疼痛時(1時間以上あけて繰り返し使用可)
cf)・3日間経過みて効果ないときは定期を50%増量し、1日量の6分の1をレスキュー量にする。
・オキシコンチンは分割できないので3錠の場合は朝2錠、夕1錠にする。
・麻薬処方時は運転は禁止(許可すると事故時に責任を問われるので許可は絶対にしない)。
・ノバミン錠(プロクロルペラジン)5mg 3錠分3 嘔気強くて内服できない時:
・プリンペラン2~4A(1A 10mg/2ml) 持続皮下/静注、または1A静注/筋注×3回/日、食直前
・ノバミン1~3A(1A 5mg/1ml)/日 持続静注
・ノバミン5mg筋注1日3回まで
cf)・ オピオイドによる嘔気は3割に出現し1,2週間で改善する。
・嘔気時はオピオイド変更の検討、高Ca血症、AXRでイレウス、頭部CTで脳転移チェック。
・酸化マグネシウム0.5g3包分3 cf)便秘は耐性ができないので常に服用しておく。
内服困難な時:
①アンペック坐薬(モルヒネ)
・アンペック坐薬10mg 2錠分2→フェントステープに変更も可。
・アンペック坐薬10mg 1錠 疼痛時 3時間あけて呼吸状態見ながら
→イーフェンバッカルに変更も可。
②モルヒネ
・モルヒネ塩酸塩10mg/1ml 5A 生食45ml 1ml/hr(24mg/日)
・疼痛時は1時間分を早送りし、呼吸数10回以上なら30分あけて再投与。
・点滴ルートが取れないときは、持続皮下注でも可。
cf)実際の力価より低めで始めたほうがよい。フェントステープから変更する場合は翌朝から開始した方がよい。
例)フェントステープ6mgをモルヒネ60mg/日に変更する場合
フェントステープ6mgの力価はモルヒネ静注60mgだが、フェントステープの血中濃度は12-18hrほど残存するため、フェントステープを剥がして12時間後に力価の1/4-1/3のモルヒネ量(15-20mg)で開始する。
もしくは、
①フェントステープ6mgを3mgに変更
②6hr後にモルヒネ15mg/日で開始
③さらに12hr後にモルヒネ30mg/日にアップ
④フェントステープをなくして6hr後にモルヒネ45mg/日にアップ
⑤さらに12hr後にモルヒネ60mg/日にアップ
オピオイドの切り替え方法について:
・モルヒネ経口からパッチは:貼ったときに1回併用(1日2~3回製剤)
・オピオイド注射からパッチは:パッチ貼付後の12時間後にOFF、または6時間後に半量、12時間後にOFF
・オピオイド注射からモルヒネ経口は:モルヒネ経口服用1時間後にOFF
・パッチからオピオイド注射は:パッチ剥離後6時間後に半量で開始し12時間後に全量。ただし、痛みが強い場にはパッチ剥離時に半量で開始し6時間後に全量にする
cf)必要モルヒネ量の推定
疼痛時にモルヒネ10mg+生食100mlを点滴開始し、痛みが取れるまでの投与量と再度疼痛を訴える時間を測定する。50ml点滴し疼痛がなくなり、4hrで再度疼痛を訴えた場合は、5mgで4hrコントロールできるため、1日の必要量は30mgとなる。
不穏時/せん妄:
・リスパダール内服液(リスパダール)1ml/1包 睡眠前に1時間あけて3回まで投与。
・ドルミカム10mg/2ml+生食100mlを4ml/hr(2セットを8ml/hr)で落ち着くまで投与。
cf)・不穏、せん妄の原因として、オピオイドの増量、抗不安薬、感染、脱水、高Ca血症の影響などをチェック。
呼吸困難時:
・オプソ(モルヒネ内服液)5mg 0.5~1包内服
・モルヒネ塩酸塩2mg/2ml皮下注
cf)気道狭窄、SVC症候群、胸水、心不全、貧血ないかチェックする。外気の入れ替え、うちわ、匂いのきつい食べ物を避けるetc。
気持ちのつらさ:
・ソラナックス(アルプラゾラム/抗不安薬)0.4mg2錠分2~3錠分3 ソラナックスを1週間投与しても無効な時:
・レクサプロ(エスタシロプラム/SSRI)10mg1錠分1夕食後 嘔気の副作用あり
・サインバルタ(デュロキセチン/SNRI)20mg1錠分1朝食後、2錠まで増量可能
SSRI/SNRI使用も無効な時は精神科コンサルト
・リフレックス15mg就寝前 1週間以上あけて15mgずつより45mgまで増量可能
NaSSA。胃腸症状、性機能障害が少ない。眠気やめまいに注意。
cf)リフレックスは副作用も少なく、マイルドな効果なので、内科入院中のうつ状態に使いやすい。
cf)「1日中気持ちが落ち込む」「今まで好きだったことが楽しめなくなった」どれかが当てはまるなら治療開始。
骨転移の疼痛:
・ゾメタ(ゾレドロン酸)4mg/5ml+生食100ml点滴を4週間毎
cf)・整形外科、放射線科コンサルト。コルセットの着用など。
・麻薬にロキソニン60mg3T/3x追加も可能。
・大腿部痛は大腿骨転移か、腰椎転移の神経根症状か、DVTか。
注)
・オピオイドとNSAIDsの併用は当然可能。
・オピオイドとソセゴン(ペンタゾシン)の併用はオピオイド効果減弱のためしない。
・疼痛が強い場合はWHO除痛ラダー第3段階の薬剤から開始してもよい。
・モルヒネは腎障害時には減量する(代謝産物のM-6-Gに薬理活性があるため)。
・フェントステープを使う前にアンペック坐薬10mgを使うこと。いきなりフェントステープを使うと保険が通らない。
・フェントステープやデュアロテップパッチは剃毛してから使用してはならない!血中濃度が急上昇する。
・フェントステープの上限はなし。
・フェントステープの増量は2日あけて行う。1mg→2mg→4mg→6mg→8mg。
・フェントステープ1mg,2mg,4mg,6mg,8mgに対して、レスキューとしてアンペック坐薬5mg,5mg,10mg,20mg,20mg/回を使う(もしくはイーフェンバッカルでも良い)。
・力価:
経口モルヒネ 60mg/日
=モルヒネ坐薬 40mg/日
=オキシコンチン 40mg/日
=フェントステープ 2mg/日
=デュロテップパッチ 4.2mg/日
=レペタン坐薬 1.2mg/日
=モルヒネ静注 30mg/日
=フェンタニル静注 0.6mg/日
・力価(順天堂大学 ペインクリニック講座 井関雅子先生):
経口モルヒネ(mg/day) <29 30-89 90-149 150-209 モルヒネ座薬(mg/day) <10 20-40 50-70 80-100 モルヒネ注射(mg/day) <9 10-29 30-49 50-69 オキシコドン経口(mg/day) <19 20-59 60-99 100-139 フェントステープ 1mg 2mg 4mg 6mg・イーフェンバッカルはレスキューのみに使用。
注)腎機能障害時の容量調節
・モルヒネ:GFR>50:75-100%,GFR10-50:25-50%,GFR<10:使用しない(腎機能低下ではM6G,M3Gが増加する、禁忌ではない)
・オキシコドン:GFR>50:100%,GFR10-50:50%,GFR<10:25-50%(腎機能低下時は半減期が延長し過鎮静)
・フェンタニル:GFR>50:100%,GFR10-50:75-100%,GFR<10:50%(呼吸抑制による死亡例も多いため慎重に投与)
・メサドン:GFR>50:100%,GFR10-50:100%,GFR<10:50-75%(腎機能の影響を受けにくいが呼吸抑制やQT延長での死亡例あり)
・トラマドール:GFR>50:100%,GFR10-50:50%,GFR<10:使用しない(ノルエピネフリン再取り込み阻害作用で腎血流低下あり)
・タペンタドール:GFR>50:100%,GFR10-50:75-100%,GFR<10:50-100%(腎機能の影響を受けないが新薬でありデータ不足)
cf)透析時:GFR<10mL/分を参考に投与量を決める
・モルヒネ:使用を推奨しない。
・オキシコドン:投与量を調節して使用。血液透析中、一過性に血中濃度が低下、疼痛出現あり。血液透析前に少量のオキシコドンを追加する。
・フェンタニル:投与量を調節して使用。血液透析では血中濃度は低下しない。透析膜の種類により低下する場合がある。
・メサドン:投与量を調節して使用。血液透析では血中濃度は低下しない。透析膜の種類により低下する場合がある。
・タペンタドール:投与量を調節して使用。血液透析で一過性に血中濃度が低下する。
・トラマドール:使用を推奨しない。血液透析で一過性に血中濃度が低下する。活性代謝物のO-デスメチルトラマドールの血液透析時の薬物動態は不明なため血液透析時の投与は避けた方が望ましい。
・コデイン:使用を推奨しない。
注)化学療法時の食事
・生もの、生野菜、マヨネーズ(自分で開封したものは可)、はちみつ、カスタードクリーム、ホイップクリーム、明太子
・免疫抑制剤の薬効に影響するもの:グレープフルーツ、スウィーティー、文旦、ざぼん、八朔、バンペイユ、ルイボスティー、セイヨウオトギリソウ(=セント・ジョーンズ・ワート)ハーブの一種etc。
cf)・好中球減少:発熱性好中球減少症(FN)が1コース目にあった場合は2コース目からG-CSFを使う。無熱性好中球減少症はリスク高い時のみ使う。投与後2~3日で減少することが多い(もしくはいつピークかを調べる)。好中球数が1000以下でノイトロジン2μg/kg皮下注。目標は好中球数2000以上。
・嘔気、嘔吐:シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバシン、イリノテカンなど嘔気、嘔吐にはプリンペラン無効ならアプレピタント80mgを2〜3日投与、無効ならデキサメタゾン8mgを2〜3日投与する。
・皮膚障害:フッ化ピリミジン系やキナーゼ阻害薬は手足の異常感覚や紅斑、水疱、潰瘍を生じやすく、抗EGRF抗体薬は顔面、体幹にざ瘡を生じるので尿素含んだウレパールやヒルドイド、ビタミンA,E含んだユベラで予防し、生じた場合はmediamクラスのロコイド(顔面はmediamから始める)、strongのリンデロンV、very strongのアンテベートを使う。感染ありそうならアクチアム軟膏やダラシン軟膏、ミノマイシン内服を併用する。
・間質性肺炎:咳、空咳、息苦しさ、熱があれば考えてKL-6を測定する。自然軽快することが多い。ゲフィニチブ、エルロチニブ、エベロリムスなど分子標的薬で多い。
・末梢神経障害:手足の痛みや筋力低下、起立性低血圧など末梢神経障害はタキサン系、ビンカアルカロイド、シスプラチン、ボルテゾミブで起きやすい。疼痛にはデュロキセチン、オキシコドン、ロキソニン、異常感覚は靴下手袋、マッサージ、ストレッチが有効。ケモしてない時の手足の痛みはPMRかもしれない。
・HBV再活性化:ステロイド含むケモ中にはB型肝炎の再活性化に注意する。s抗原陽性ならケモが始まる前から核酸アナログを開始する。s抗原が陰性でもs抗体またはc抗体が陽性ならHBVDNAを測定し、2.1log copies/ml以上なら核酸アナログ開始、2.1以下なら1〜3ヶ月毎に測定する。
・脊髄圧迫:頚部痛や背部痛、腰痛あれば骨転移による脊髄圧迫を疑い、全脊椎MRIを。デキサメタゾン10mg投与後、4mgを1日4回からから開始し、1日1回に漸減していく。対麻痺や不全麻痺ある場合はデキサメタゾン96mg/日を3日ごとに半減していく。
・SVC症候群:顔面浮腫や両上肢浮腫、嚥下困難あればSVC症候群を疑い、胸部レントゲンや造影CTやMRIをする。
・腫瘍崩壊症候群:ケモ開始後に倦怠感、嘔吐、痙攣、不整脈をきたし、尿酸8mg/dl以上、K6mEq/L以上、リン6.5mg/dl以上、Ca7mg/dl以上(もしくは基礎値から25%以上の上昇)のうち2項目以上満たせば疑い、2-3L/m2/日の生食輸液とアロプリノール200-300mg分3を投与する。
・高Ca血症:食欲不振、便秘、嘔吐、多飲多尿、筋力低下、意識障害あれば高Ca血症疑い、12mg/dl超えてれば200-300ml/hrで生食輸液し、ビスホスホネートを開始する。
内服可能な時:
・カロナール300mg4T/4x、疼痛時ロキソニン60mg1T頓服から開始する。
・オキシコンチン錠(オキシコドン)5mg 2錠分2・オキノーム散(オキシコドン)2.5mg/0.5g/包 1包 疼痛時(1時間以上あけて繰り返し使用可)
cf)・3日間経過みて効果ないときは定期を50%増量し、1日量の6分の1をレスキュー量にする。
・オキシコンチンは分割できないので3錠の場合は朝2錠、夕1錠にする。
・麻薬処方時は運転は禁止(許可すると事故時に責任を問われるので許可は絶対にしない)。
・ノバミン錠(プロクロルペラジン)5mg 3錠分3 嘔気強くて内服できない時:
・プリンペラン2~4A(1A 10mg/2ml) 持続皮下/静注、または1A静注/筋注×3回/日、食直前
・ノバミン1~3A(1A 5mg/1ml)/日 持続静注
・ノバミン5mg筋注1日3回まで
cf)・ オピオイドによる嘔気は3割に出現し1,2週間で改善する。
・嘔気時はオピオイド変更の検討、高Ca血症、AXRでイレウス、頭部CTで脳転移チェック。
・酸化マグネシウム0.5g3包分3 cf)便秘は耐性ができないので常に服用しておく。
内服困難な時:
①アンペック坐薬(モルヒネ)
・アンペック坐薬10mg 2錠分2→フェントステープに変更も可。
・アンペック坐薬10mg 1錠 疼痛時 3時間あけて呼吸状態見ながら
→イーフェンバッカルに変更も可。
②モルヒネ
・モルヒネ塩酸塩10mg/1ml 5A 生食45ml 1ml/hr(24mg/日)
・疼痛時は1時間分を早送りし、呼吸数10回以上なら30分あけて再投与。
・点滴ルートが取れないときは、持続皮下注でも可。
cf)実際の力価より低めで始めたほうがよい。フェントステープから変更する場合は翌朝から開始した方がよい。
例)フェントステープ6mgをモルヒネ60mg/日に変更する場合
フェントステープ6mgの力価はモルヒネ静注60mgだが、フェントステープの血中濃度は12-18hrほど残存するため、フェントステープを剥がして12時間後に力価の1/4-1/3のモルヒネ量(15-20mg)で開始する。
もしくは、
①フェントステープ6mgを3mgに変更
②6hr後にモルヒネ15mg/日で開始
③さらに12hr後にモルヒネ30mg/日にアップ
④フェントステープをなくして6hr後にモルヒネ45mg/日にアップ
⑤さらに12hr後にモルヒネ60mg/日にアップ
オピオイドの切り替え方法について:
・モルヒネ経口からパッチは:貼ったときに1回併用(1日2~3回製剤)
・オピオイド注射からパッチは:パッチ貼付後の12時間後にOFF、または6時間後に半量、12時間後にOFF
・オピオイド注射からモルヒネ経口は:モルヒネ経口服用1時間後にOFF
・パッチからオピオイド注射は:パッチ剥離後6時間後に半量で開始し12時間後に全量。ただし、痛みが強い場にはパッチ剥離時に半量で開始し6時間後に全量にする
cf)必要モルヒネ量の推定
疼痛時にモルヒネ10mg+生食100mlを点滴開始し、痛みが取れるまでの投与量と再度疼痛を訴える時間を測定する。50ml点滴し疼痛がなくなり、4hrで再度疼痛を訴えた場合は、5mgで4hrコントロールできるため、1日の必要量は30mgとなる。
不穏時/せん妄:
・リスパダール内服液(リスパダール)1ml/1包 睡眠前に1時間あけて3回まで投与。
・ドルミカム10mg/2ml+生食100mlを4ml/hr(2セットを8ml/hr)で落ち着くまで投与。
cf)・不穏、せん妄の原因として、オピオイドの増量、抗不安薬、感染、脱水、高Ca血症の影響などをチェック。
呼吸困難時:
・オプソ(モルヒネ内服液)5mg 0.5~1包内服
・モルヒネ塩酸塩2mg/2ml皮下注
cf)気道狭窄、SVC症候群、胸水、心不全、貧血ないかチェックする。外気の入れ替え、うちわ、匂いのきつい食べ物を避けるetc。
気持ちのつらさ:
・ソラナックス(アルプラゾラム/抗不安薬)0.4mg2錠分2~3錠分3 ソラナックスを1週間投与しても無効な時:
・レクサプロ(エスタシロプラム/SSRI)10mg1錠分1夕食後 嘔気の副作用あり
・サインバルタ(デュロキセチン/SNRI)20mg1錠分1朝食後、2錠まで増量可能
SSRI/SNRI使用も無効な時は精神科コンサルト
・リフレックス15mg就寝前 1週間以上あけて15mgずつより45mgまで増量可能
NaSSA。胃腸症状、性機能障害が少ない。眠気やめまいに注意。
cf)リフレックスは副作用も少なく、マイルドな効果なので、内科入院中のうつ状態に使いやすい。
cf)「1日中気持ちが落ち込む」「今まで好きだったことが楽しめなくなった」どれかが当てはまるなら治療開始。
骨転移の疼痛:
・ゾメタ(ゾレドロン酸)4mg/5ml+生食100ml点滴を4週間毎
cf)・整形外科、放射線科コンサルト。コルセットの着用など。
・麻薬にロキソニン60mg3T/3x追加も可能。
・大腿部痛は大腿骨転移か、腰椎転移の神経根症状か、DVTか。
注)
・オピオイドとNSAIDsの併用は当然可能。
・オピオイドとソセゴン(ペンタゾシン)の併用はオピオイド効果減弱のためしない。
・疼痛が強い場合はWHO除痛ラダー第3段階の薬剤から開始してもよい。
・モルヒネは腎障害時には減量する(代謝産物のM-6-Gに薬理活性があるため)。
・フェントステープを使う前にアンペック坐薬10mgを使うこと。いきなりフェントステープを使うと保険が通らない。
・フェントステープやデュアロテップパッチは剃毛してから使用してはならない!血中濃度が急上昇する。
・フェントステープの上限はなし。
・フェントステープの増量は2日あけて行う。1mg→2mg→4mg→6mg→8mg。
・フェントステープ1mg,2mg,4mg,6mg,8mgに対して、レスキューとしてアンペック坐薬5mg,5mg,10mg,20mg,20mg/回を使う(もしくはイーフェンバッカルでも良い)。
・力価:
経口モルヒネ 60mg/日
=モルヒネ坐薬 40mg/日
=オキシコンチン 40mg/日
=フェントステープ 2mg/日
=デュロテップパッチ 4.2mg/日
=レペタン坐薬 1.2mg/日
=モルヒネ静注 30mg/日
=フェンタニル静注 0.6mg/日
・力価(順天堂大学 ペインクリニック講座 井関雅子先生):
経口モルヒネ(mg/day) <29 30-89 90-149 150-209 モルヒネ座薬(mg/day) <10 20-40 50-70 80-100 モルヒネ注射(mg/day) <9 10-29 30-49 50-69 オキシコドン経口(mg/day) <19 20-59 60-99 100-139 フェントステープ 1mg 2mg 4mg 6mg・イーフェンバッカルはレスキューのみに使用。
注)腎機能障害時の容量調節
・モルヒネ:GFR>50:75-100%,GFR10-50:25-50%,GFR<10:使用しない(腎機能低下ではM6G,M3Gが増加する、禁忌ではない)
・オキシコドン:GFR>50:100%,GFR10-50:50%,GFR<10:25-50%(腎機能低下時は半減期が延長し過鎮静)
・フェンタニル:GFR>50:100%,GFR10-50:75-100%,GFR<10:50%(呼吸抑制による死亡例も多いため慎重に投与)
・メサドン:GFR>50:100%,GFR10-50:100%,GFR<10:50-75%(腎機能の影響を受けにくいが呼吸抑制やQT延長での死亡例あり)
・トラマドール:GFR>50:100%,GFR10-50:50%,GFR<10:使用しない(ノルエピネフリン再取り込み阻害作用で腎血流低下あり)
・タペンタドール:GFR>50:100%,GFR10-50:75-100%,GFR<10:50-100%(腎機能の影響を受けないが新薬でありデータ不足)
cf)透析時:GFR<10mL/分を参考に投与量を決める
・モルヒネ:使用を推奨しない。
・オキシコドン:投与量を調節して使用。血液透析中、一過性に血中濃度が低下、疼痛出現あり。血液透析前に少量のオキシコドンを追加する。
・フェンタニル:投与量を調節して使用。血液透析では血中濃度は低下しない。透析膜の種類により低下する場合がある。
・メサドン:投与量を調節して使用。血液透析では血中濃度は低下しない。透析膜の種類により低下する場合がある。
・タペンタドール:投与量を調節して使用。血液透析で一過性に血中濃度が低下する。
・トラマドール:使用を推奨しない。血液透析で一過性に血中濃度が低下する。活性代謝物のO-デスメチルトラマドールの血液透析時の薬物動態は不明なため血液透析時の投与は避けた方が望ましい。
・コデイン:使用を推奨しない。
注)化学療法時の食事
・生もの、生野菜、マヨネーズ(自分で開封したものは可)、はちみつ、カスタードクリーム、ホイップクリーム、明太子
・免疫抑制剤の薬効に影響するもの:グレープフルーツ、スウィーティー、文旦、ざぼん、八朔、バンペイユ、ルイボスティー、セイヨウオトギリソウ(=セント・ジョーンズ・ワート)ハーブの一種etc。
cf)・好中球減少:発熱性好中球減少症(FN)が1コース目にあった場合は2コース目からG-CSFを使う。無熱性好中球減少症はリスク高い時のみ使う。投与後2~3日で減少することが多い(もしくはいつピークかを調べる)。好中球数が1000以下でノイトロジン2μg/kg皮下注。目標は好中球数2000以上。
・嘔気、嘔吐:シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバシン、イリノテカンなど嘔気、嘔吐にはプリンペラン無効ならアプレピタント80mgを2〜3日投与、無効ならデキサメタゾン8mgを2〜3日投与する。
・皮膚障害:フッ化ピリミジン系やキナーゼ阻害薬は手足の異常感覚や紅斑、水疱、潰瘍を生じやすく、抗EGRF抗体薬は顔面、体幹にざ瘡を生じるので尿素含んだウレパールやヒルドイド、ビタミンA,E含んだユベラで予防し、生じた場合はmediamクラスのロコイド(顔面はmediamから始める)、strongのリンデロンV、very strongのアンテベートを使う。感染ありそうならアクチアム軟膏やダラシン軟膏、ミノマイシン内服を併用する。
・間質性肺炎:咳、空咳、息苦しさ、熱があれば考えてKL-6を測定する。自然軽快することが多い。ゲフィニチブ、エルロチニブ、エベロリムスなど分子標的薬で多い。
・末梢神経障害:手足の痛みや筋力低下、起立性低血圧など末梢神経障害はタキサン系、ビンカアルカロイド、シスプラチン、ボルテゾミブで起きやすい。疼痛にはデュロキセチン、オキシコドン、ロキソニン、異常感覚は靴下手袋、マッサージ、ストレッチが有効。ケモしてない時の手足の痛みはPMRかもしれない。
・HBV再活性化:ステロイド含むケモ中にはB型肝炎の再活性化に注意する。s抗原陽性ならケモが始まる前から核酸アナログを開始する。s抗原が陰性でもs抗体またはc抗体が陽性ならHBVDNAを測定し、2.1log copies/ml以上なら核酸アナログ開始、2.1以下なら1〜3ヶ月毎に測定する。
・脊髄圧迫:頚部痛や背部痛、腰痛あれば骨転移による脊髄圧迫を疑い、全脊椎MRIを。デキサメタゾン10mg投与後、4mgを1日4回からから開始し、1日1回に漸減していく。対麻痺や不全麻痺ある場合はデキサメタゾン96mg/日を3日ごとに半減していく。
・SVC症候群:顔面浮腫や両上肢浮腫、嚥下困難あればSVC症候群を疑い、胸部レントゲンや造影CTやMRIをする。
・腫瘍崩壊症候群:ケモ開始後に倦怠感、嘔吐、痙攣、不整脈をきたし、尿酸8mg/dl以上、K6mEq/L以上、リン6.5mg/dl以上、Ca7mg/dl以上(もしくは基礎値から25%以上の上昇)のうち2項目以上満たせば疑い、2-3L/m2/日の生食輸液とアロプリノール200-300mg分3を投与する。
・高Ca血症:食欲不振、便秘、嘔吐、多飲多尿、筋力低下、意識障害あれば高Ca血症疑い、12mg/dl超えてれば200-300ml/hrで生食輸液し、ビスホスホネートを開始する。
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載7
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載7
耳痛/頬痛
咽頭痛/感冒(かぜ)/咳/痰
☆咽頭痛/感冒(かぜ)/咳/痰
・小児や若年者で感冒様症状や胃腸炎症状で独歩来院する心筋炎がある。見逃すと劇症化し突然死することがある(劇症型心筋炎)。
・収縮期血圧低下、心電図変化、CPK上昇、AG増大のアシドーシスを認める。
・劇症型心筋炎の15%程度は悪心を、5-6%は下痢を伴うことがある。
<抗生剤>
・ジスロマック250mg2錠分1朝食後 3日分
・クラリスロマイシン200mg 2錠分2朝夕食後 7日分
注)マイコプラズマと百日咳の可能性がある場合はあらかじめ処方しておく(クラミジアの場合は7-14日間投与)
<感冒薬>
細菌性かウィルス性か判別つかないときは抗生剤を1~2日分くらい出した方がいいかもしれない(風邪症状や下痢の時)。
注意)感冒薬を処方する時は緑内障や前立腺肥大がないか確認すること!
注意)風邪症状で受診したリウマチ患者でMTXや生物製剤を投与中なら、結核を見逃さないこと。血痰が出てれば咳のし過ぎと思い込まず、PCR検査すること。特にニューキノロンは効果があるように見えるので注意。
cf)緑内障に抗ヒスタミン剤投与は可能
・緑内障に抗ヒスタミン剤投与は可能。
・本邦の緑内障症例のほとんどは開放隅角型で問題にならない。
・閉塞隅角型で抗ヒスタミン製剤で瞳孔ブロックが生じるのはもともと隅角癒着が進行してきている症例。ほとんどの場合はレーザー虹彩切開術等を受けているはずで、眼科を定期受診している時点でまずは問題にならない。
・実際には、眼科受診歴のない場合や前立腺肥大症の方が慎重になる必要がある。
・セラピナ顆粒1g 3包分3 5日まで
・PL顆粒1g 3包分3 5日まで(緑内障には禁忌)
cf)PL顆粒で眠気が出る場合は感冒に若年なら葛根湯1日7.5g分2~3もしくは1日18錠分2~3を食前食間、高齢なら桂枝湯(けいしとう)1日7.5g分2~3を食前食間、香蘇散(こうそさん)を1日6g分2~3(細粒)もしくあは1日7.5g(顆粒)分2~3を食前食間。
・ピーエイ配合錠6錠分3~8錠分4を5日分(顆粒が飲みにくいとき)<咳嗽による咽頭痛や血痰>
・リカバリン250mg(トランサミン)3C分3
cf)トランサミンは腫れや痛みの原因になるキニンをキニノーゲンから産生するのを促進するプラスミンを抑制する。
<咳止め>
・フスコデ1日9錠分3(もしくは咳嗽時に2錠頓服)
cf)ジヒドロコデインリン酸3mg、dl-メチルエフェドリン7mg、クロルフェニラミン1.5mg∴喘息、緑内障、前立腺肥大には禁忌
(カフコデNにはさらにアセトアミノフェン、ブロモワレリル尿素、ジプロフィリンも含まれる)
cf)コデイン1回20mg、1日3回が強力だが、喘息には禁忌
・ニチコデ散1g3包分3(フスコデの後発品)
・濃厚ブチロコデイン配合シロップ6ml キョウニン水3ml 単シロップ4ml 精製水17ml 1日30ml分3・メジコン15mg3錠分3~8錠分4(後発品はシーサール)
・アストミン10~20mgを1日3回
・アスベリン20㎎3錠分3~40㎎3錠分3(去痰効果もあり)
・トクレススパンスール30㎎3錠分3(抗コリン作用あり)(緑内障には禁忌)
・ホクナリンテープ2mg1日1枚 夕方または就寝前
<咽頭痛>
・アクロマイシントローチ15mg1錠
・ネオヨジンガーグル50ml<鼻水>
・アルデシンAQネーザル(アルデシン点鼻切り替え)1瓶1日4回20回分
・アラミスト点鼻27.5μg56回噴霧用5mg1瓶 1日1回
・フルナーゼ点鼻50μg28回噴霧用2.4㎎1瓶 1日2回
<咳喘息>
・セレベントロタディスク/ディスカス(50μg)1回1吸入 1日2回朝、就寝前(β2刺激薬:診断的治療にて1~2週間使用)
・フルタイドディスカス(200μg)1回1吸入 1日2回朝夕(ICS:吸入ステロイド、診断後に継続治療)
cf)2-4週間は継続すること!基本は継続投与が基本だが、中止して経過見てもよい。
・ホクナリンテープ2mg1日1枚 夕方または就寝前
・シングレア10mg1錠1日1回
cf)百日咳、マイコプラズマ、クラミジア肺炎をチェックする。
・百日咳PT-IgGを急性期と回復期(2-3週後)に測定(ぺア血清)し、①10EU/ml未満が10EU/ml以上に陽転化or②2倍以上の上昇or③100EU/ml以上であれば診断できる。
・マイコプラズマ抗原(咽頭拭い液)でチェックする。抗体であればPA法で①320倍以上or②ペア血清で4倍以上の上昇があれば診断できる。
・C.pneumoniaeは血清IgG/IgA(ELISA法)で2+/2+,1+/2+,2+/1+,-/2+,2+/-(どちらかが2+以上であれば現感染を疑う、2+:index3.00以上、1+:index1.10-2.99)
<痰>
・ムコダイン500㎎3錠分3・ムコソルバン15㎎3錠分3
cf)ムコダインはシアル酸やフコースを分解し痰の粘度を下げる。ムコソルバンはサーファクタントの分泌を促進し気道を痰が通過しやすくする。
cf)にんにく注射(保険適応なし!自費で!)
・ソリタT3 200ml・アリナミンF50注20mlやアリナミン10mg/2mlなど
・サブビタン1A(ビタミンB,C)
・強力ネオミノファーゲンC5ml
cf)妊娠中の喘息(無難に咳嗽時メジコン1-2T屯用でも良いが・・・)
・妊娠中の喘息のコントロールにはパルミコート200-400μg/day。
注)パルミコートはフルタイドの1/2の力価。
cf)参考論文
・The risk of teratogenic effects of inhaled medications (ICS, SABA and
LABA) is small. (Ned Tijdschr Geneeskd. 2018;162)・Normal pregnancy outcomes in a population-based study including 2,968
pregnant women exposed to budesonide.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12704351
cf)アレルギー性咳嗽や感染後咳嗽の処方について
・ステロイド吸入ならフルタイド200μ 4BL/日 2週間(咳が止まっても2週間は続けること)
・欧米のフルチカゾンの慢性咳嗽に対する有効性の研究は1000μ/日
・400μ/日では失敗することが多い。800μ/日でも副作用が出ることはない。
・吸入ステロイドを使うなら抗アレルギー薬は不必要。
・中枢性鎮咳薬は対処療法。メジコンは2錠/回、コデインは20mg/回の1日3回でないと効果なし。
・コデインやメジコンは空腹時内服、コデインは便秘の副作用あり。
・コデインやメジコンの効果は2-3時間程度
cf)感染後咳嗽
・マイコプラズマは当初から激しい咳と発熱が特徴。2週間以内に外来受診するはず。
・大人の百日咳は咳に特徴なし。外来受診時は痙咳期で抗菌薬は無効。
・マイコプラズマ、クラミジア、百日咳も否定できない場合はレスピラトリーキノロン(トスフロキサシン、ガレノキサシン)を3-5日間(長くても1週間)
cf)長引く咳について
・定義:3週間以上なら遷延性、8週間以上なら慢性
・原因:気管支喘息、アレルギー性咳嗽(咳喘息、アトピー咳嗽)、感染後咳嗽、慢性下気道感染症>気管支結核、肺癌
・必要な検査:病歴聴取、聴診、胸部x線、CT、スパイロメトリー
・病歴聴取:痰の起こる時間帯、痰の有無、痰の色
・アレルギー性咳嗽(咳喘息、アトピー咳嗽):痰が無色か白色ならアレルギー性、アレルギー歴がなくてもアレルギー性は否定できない。冷気曝露、会話、電話、就寝により誘発されるならアレルギー性、咳喘息は比較的末梢、アトピー咳嗽は中枢気道
・咳喘息は喘息になることがある
・咳喘息は気管支拡張薬に反応し、アトピー咳嗽は反応しない(実際にはどちらにも反応しないことが半数を占める)が、どちらもステロイド吸入薬で対処できる(corticosteroid responsive cough)
デキストロメトルファン(メジコン)、コデインなどの中枢性鎮咳薬は短時間しか効果がない→ステロイド吸入薬が効くまでのつなぎ
去痰薬やツロブテロールやテオフィリンは効果なし
・百日咳:大人の遷延性咳嗽にある程度混じっている、外来受診する痙咳期は感染性はなく抗菌薬も無効
・慢性下気道感染症:痰の色が有色、胸部X線やHRCTで診断
・感染後咳嗽(感冒後咳嗽):明らかな上気道炎症状に続いて咳が始まり2週間以上遷延する
・小児や若年者で感冒様症状や胃腸炎症状で独歩来院する心筋炎がある。見逃すと劇症化し突然死することがある(劇症型心筋炎)。
・収縮期血圧低下、心電図変化、CPK上昇、AG増大のアシドーシスを認める。
・劇症型心筋炎の15%程度は悪心を、5-6%は下痢を伴うことがある。
<抗生剤>
・ジスロマック250mg2錠分1朝食後 3日分
・クラリスロマイシン200mg 2錠分2朝夕食後 7日分
注)マイコプラズマと百日咳の可能性がある場合はあらかじめ処方しておく(クラミジアの場合は7-14日間投与)
<感冒薬>
細菌性かウィルス性か判別つかないときは抗生剤を1~2日分くらい出した方がいいかもしれない(風邪症状や下痢の時)。
注意)感冒薬を処方する時は緑内障や前立腺肥大がないか確認すること!
注意)風邪症状で受診したリウマチ患者でMTXや生物製剤を投与中なら、結核を見逃さないこと。血痰が出てれば咳のし過ぎと思い込まず、PCR検査すること。特にニューキノロンは効果があるように見えるので注意。
cf)緑内障に抗ヒスタミン剤投与は可能
・緑内障に抗ヒスタミン剤投与は可能。
・本邦の緑内障症例のほとんどは開放隅角型で問題にならない。
・閉塞隅角型で抗ヒスタミン製剤で瞳孔ブロックが生じるのはもともと隅角癒着が進行してきている症例。ほとんどの場合はレーザー虹彩切開術等を受けているはずで、眼科を定期受診している時点でまずは問題にならない。
・実際には、眼科受診歴のない場合や前立腺肥大症の方が慎重になる必要がある。
・セラピナ顆粒1g 3包分3 5日まで
・PL顆粒1g 3包分3 5日まで(緑内障には禁忌)
cf)PL顆粒で眠気が出る場合は感冒に若年なら葛根湯1日7.5g分2~3もしくは1日18錠分2~3を食前食間、高齢なら桂枝湯(けいしとう)1日7.5g分2~3を食前食間、香蘇散(こうそさん)を1日6g分2~3(細粒)もしくあは1日7.5g(顆粒)分2~3を食前食間。
・ピーエイ配合錠6錠分3~8錠分4を5日分(顆粒が飲みにくいとき)<咳嗽による咽頭痛や血痰>
・リカバリン250mg(トランサミン)3C分3
cf)トランサミンは腫れや痛みの原因になるキニンをキニノーゲンから産生するのを促進するプラスミンを抑制する。
<咳止め>
・フスコデ1日9錠分3(もしくは咳嗽時に2錠頓服)
cf)ジヒドロコデインリン酸3mg、dl-メチルエフェドリン7mg、クロルフェニラミン1.5mg∴喘息、緑内障、前立腺肥大には禁忌
(カフコデNにはさらにアセトアミノフェン、ブロモワレリル尿素、ジプロフィリンも含まれる)
cf)コデイン1回20mg、1日3回が強力だが、喘息には禁忌
・ニチコデ散1g3包分3(フスコデの後発品)
・濃厚ブチロコデイン配合シロップ6ml キョウニン水3ml 単シロップ4ml 精製水17ml 1日30ml分3・メジコン15mg3錠分3~8錠分4(後発品はシーサール)
・アストミン10~20mgを1日3回
・アスベリン20㎎3錠分3~40㎎3錠分3(去痰効果もあり)
・トクレススパンスール30㎎3錠分3(抗コリン作用あり)(緑内障には禁忌)
・ホクナリンテープ2mg1日1枚 夕方または就寝前
<咽頭痛>
・アクロマイシントローチ15mg1錠
・ネオヨジンガーグル50ml<鼻水>
・アルデシンAQネーザル(アルデシン点鼻切り替え)1瓶1日4回20回分
・アラミスト点鼻27.5μg56回噴霧用5mg1瓶 1日1回
・フルナーゼ点鼻50μg28回噴霧用2.4㎎1瓶 1日2回
<咳喘息>
・セレベントロタディスク/ディスカス(50μg)1回1吸入 1日2回朝、就寝前(β2刺激薬:診断的治療にて1~2週間使用)
・フルタイドディスカス(200μg)1回1吸入 1日2回朝夕(ICS:吸入ステロイド、診断後に継続治療)
cf)2-4週間は継続すること!基本は継続投与が基本だが、中止して経過見てもよい。
・ホクナリンテープ2mg1日1枚 夕方または就寝前
・シングレア10mg1錠1日1回
cf)百日咳、マイコプラズマ、クラミジア肺炎をチェックする。
・百日咳PT-IgGを急性期と回復期(2-3週後)に測定(ぺア血清)し、①10EU/ml未満が10EU/ml以上に陽転化or②2倍以上の上昇or③100EU/ml以上であれば診断できる。
・マイコプラズマ抗原(咽頭拭い液)でチェックする。抗体であればPA法で①320倍以上or②ペア血清で4倍以上の上昇があれば診断できる。
・C.pneumoniaeは血清IgG/IgA(ELISA法)で2+/2+,1+/2+,2+/1+,-/2+,2+/-(どちらかが2+以上であれば現感染を疑う、2+:index3.00以上、1+:index1.10-2.99)
<痰>
・ムコダイン500㎎3錠分3・ムコソルバン15㎎3錠分3
cf)ムコダインはシアル酸やフコースを分解し痰の粘度を下げる。ムコソルバンはサーファクタントの分泌を促進し気道を痰が通過しやすくする。
cf)にんにく注射(保険適応なし!自費で!)
・ソリタT3 200ml・アリナミンF50注20mlやアリナミン10mg/2mlなど
・サブビタン1A(ビタミンB,C)
・強力ネオミノファーゲンC5ml
cf)妊娠中の喘息(無難に咳嗽時メジコン1-2T屯用でも良いが・・・)
・妊娠中の喘息のコントロールにはパルミコート200-400μg/day。
注)パルミコートはフルタイドの1/2の力価。
cf)参考論文
・The risk of teratogenic effects of inhaled medications (ICS, SABA and
LABA) is small. (Ned Tijdschr Geneeskd. 2018;162)・Normal pregnancy outcomes in a population-based study including 2,968
pregnant women exposed to budesonide.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12704351
cf)アレルギー性咳嗽や感染後咳嗽の処方について
・ステロイド吸入ならフルタイド200μ 4BL/日 2週間(咳が止まっても2週間は続けること)
・欧米のフルチカゾンの慢性咳嗽に対する有効性の研究は1000μ/日
・400μ/日では失敗することが多い。800μ/日でも副作用が出ることはない。
・吸入ステロイドを使うなら抗アレルギー薬は不必要。
・中枢性鎮咳薬は対処療法。メジコンは2錠/回、コデインは20mg/回の1日3回でないと効果なし。
・コデインやメジコンは空腹時内服、コデインは便秘の副作用あり。
・コデインやメジコンの効果は2-3時間程度
cf)感染後咳嗽
・マイコプラズマは当初から激しい咳と発熱が特徴。2週間以内に外来受診するはず。
・大人の百日咳は咳に特徴なし。外来受診時は痙咳期で抗菌薬は無効。
・マイコプラズマ、クラミジア、百日咳も否定できない場合はレスピラトリーキノロン(トスフロキサシン、ガレノキサシン)を3-5日間(長くても1週間)
cf)長引く咳について
・定義:3週間以上なら遷延性、8週間以上なら慢性
・原因:気管支喘息、アレルギー性咳嗽(咳喘息、アトピー咳嗽)、感染後咳嗽、慢性下気道感染症>気管支結核、肺癌
・必要な検査:病歴聴取、聴診、胸部x線、CT、スパイロメトリー
・病歴聴取:痰の起こる時間帯、痰の有無、痰の色
・アレルギー性咳嗽(咳喘息、アトピー咳嗽):痰が無色か白色ならアレルギー性、アレルギー歴がなくてもアレルギー性は否定できない。冷気曝露、会話、電話、就寝により誘発されるならアレルギー性、咳喘息は比較的末梢、アトピー咳嗽は中枢気道
・咳喘息は喘息になることがある
・咳喘息は気管支拡張薬に反応し、アトピー咳嗽は反応しない(実際にはどちらにも反応しないことが半数を占める)が、どちらもステロイド吸入薬で対処できる(corticosteroid responsive cough)
デキストロメトルファン(メジコン)、コデインなどの中枢性鎮咳薬は短時間しか効果がない→ステロイド吸入薬が効くまでのつなぎ
去痰薬やツロブテロールやテオフィリンは効果なし
・百日咳:大人の遷延性咳嗽にある程度混じっている、外来受診する痙咳期は感染性はなく抗菌薬も無効
・慢性下気道感染症:痰の色が有色、胸部X線やHRCTで診断
・感染後咳嗽(感冒後咳嗽):明らかな上気道炎症状に続いて咳が始まり2週間以上遷延する
インフルエンザ
☆インフルエンザ
cf)インフルエンザB型は高熱が出ないことがある。嘔吐、下痢を伴うこともある。
・タミフル75mg 2C分2朝夕食後5日間
・イナビル吸入末剤20mg 2キット(当日と翌日の朝)
学童は1キット
・カロナール200㎎(NSAID禁忌)発熱時頓服10回分もしくは発熱時2錠5回分
cf)・タミフルはA型で一部耐性あり。
・タミフル、イナビルは代謝産物による薬効だが、リレンザは直接作用するので代謝による個人差がなく、吸入を5日間と煩雑だが最も効果が確実。イナビルは1回投与なので失敗する可能性あり。
cf)インフルエンザではWBC6380-8440,CRP1.9-3.2。WBC数が10,000/m3を超えている場合やCRP値が8mg/dLを超えている場合は、細菌性肺炎の合併を疑う。
cf)インフルエンザの診断書
診断名:A型インフルエンザ感染症
上記の者、1月22日初診にてA型インフルエンザ感染症と診断された。(1月22日に迅速検査陽性なら)1月23日から27日まで休養を要する。学校への出席は不可。尚、経過によってはこの限りではない。以下余白。(出席停止期間:「発症した後5日を経過」かつ「解熱した後2日を経過」の両方を満たす期間は登校は禁止。)
cf)妊娠中のインフルエンザについて
・タミフルよりはイナビルやリレンザの方が血中への移行が少ない。
・どちらも妊娠中や授乳中の投与はOK
・母乳中にはわずかに移行するが、極微量。
・インフルエンザの母乳感染はない。
・手洗い、マスクをすれば母子分離は必要ないが、搾乳をして非感染者家族が与えるのがベスト。
・母乳中への移行薬剤で乳児のインフルエンザは治療できない。
cf)透析患者のインフルエンザにはタミフル75mgを1日1回単回投与でよい。
cf) ・抗インフルエンザ薬はどれも腎排泄なので腎障害時は用量調節をすること。
・H1はタミフル、ラピアクタ耐性が4%あり。
・H1N1でH274Yというアミノ酸に変異をもつソ連型はタミフルに100%耐性あり。
・RIDT(rapid influenza diagnostic test:インフルエンザ迅速検査)の感度は70~80%、特異度は95%。感度が高い検査は陽性になりやすい検査で、それでも陰性なら病気なし。特異度が高い検査は陰性になりやすい検査で、それでも陽性なら病気あり。
・インフルエンザの潜伏期間は1~3日。
・血圧低下、意識障害、Sat低下あるとき、ハイリスク(5才未満、65才以上、18才未満でアスピリン長期投与例、妊婦、心肺基礎疾患、免疫抑制状態)は入院。
・鼻閉、筋肉痛、頭痛、寒気の感度は83~94%。逆に発熱+咳+急性発症の感度は64%だが特異度は94%。発熱+咳+急性発症でRIDT陰性でも36%はインフルエンザ。
・迅速抗原検査は熱発から12時間以内は偽陰性が5人に1人いることに注意する。療養などで陰性でも疑わしいならタミフル処方する。12時間以降は偽陰性はほとんどない。
・入院中のインフル検査は、臨床症状があり疑わしい場合にする(デフォルトではしないこと)。
・新型インフルエンザとはヒトヒト感染し、人類のほとんどが抗体を持たず、パンデミックになる可能性のあるもの(ソ連型など)。逆に鳥インフルエンザはトリヒト感染しかせず、ヒトヒト感染も家族内だけで遺伝素因が関与してると思われるため新型とは言わない。
・インフルエンザ患者の2m以内にいた人にはタミフル予防投与(1回1カプセル10日間)を行う。
cf)インフルエンザワクチンについて
・インフルエンザの問診は「卵食べてなんともないですか?」「妊娠してますか?」「以前に打ったことありますか?(なければ痛いことをお伝えする)」
・接種部位は利き手ではない方の上腕伸側の下3分の1(肩峰と肘頭を結ぶ線の下3分の1)、①右手で消毒、②アル綿を左手に持ち変えて皮膚をつまむ、③30度の角度で針を刺して、逆血ないか確認し、しびれなどないか確認する、④ゆっくり皮下注射していく、 ⑤左手のアル綿をかぶせながらゆっくりと針を抜く、揉まないでくださいと言っておくこと。
・2-3日後に発熱することもあるが38℃台のことが多く、24時間以内に解熱する。
・健診ついでにインフルエンザワクチンを希望する人がいるが、バリウム(胃透視)とインフルエンザワクチンは同日にしないこと。
・インフルエンザワクチンには卵を使う不活化ワクチンと使わない組み換えHAワクチンがある。卵アレルギーあるからといってワクチン禁忌ではない。インフルエンザワクチンそのものにアレルギーある場合は禁忌。卵を食べると蕁麻疹が出る程度の18~49才の場合は組み換えワクチンを接種する。
・12月が流行期であれば11月中旬から下旬に接種する。
・65才以上では6か月たつと抗体価は6割になる。
cf)4人部屋でインフルエンザが発生した場合(感染対策を参照)
・4人部屋の1人でインフルエンザが発生した場合:①発症1人は個室にてモニタ管理、面会も禁止、②他3人はカーテン隔離、③病室ドアを閉めるため他3人はモニタ管理、④タミフルの予防内服(タミフル1回1錠7日間)(経口できない場合はMGチューブを挿入し内服or発症時にラピアクタ。ラピアクタの予防投与はできない)、⑤インフル患者の注入やめるかどうかはrhonchiあるかどうかで決める(インフルエンザ治療でPEGやレビンありならタミフル1日2錠分2、5日間でもよい)
・感染症患者報告書の書き方:①インフルエンザAかBか、②発症日は確定診断の日に、③感染予防対策の範囲は個室に隔離したいが、現在不可能なため仕方なく大部屋にてカーテン隔離、④治療はその他(ラピアクタ1本 〇月〇日のみetc)
・大部屋の中の1人か2人がインフルエンザ陽性で、かついろいろな部屋で同じように陽性が出ている場合は職員が感染源であることが多い。
cf)インフルエンザ後の2次性肺炎について
・2次性細菌性肺炎は急性のインフルエンザに引き続いて発症する肺炎。
・症状は急性インフルエンザの後2~3日間は患者の状態が改善を示すが、その後発熱が再発し、咳嗽、膿性痰の喀出、硬化の身体所見および胸部X線所見を含む細菌性肺炎の症候を伴うことがある。
・病原菌はStreptococcus pneumoniae(肺炎球菌)、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Haemophilus influenza(インフルエンザ桿菌)。
・2次性細菌性肺炎は慢性の肺疾患や心疾患を持つ患者や高齢者でしばしばみられる。
cf)インフルエンザB型は高熱が出ないことがある。嘔吐、下痢を伴うこともある。
・タミフル75mg 2C分2朝夕食後5日間
・イナビル吸入末剤20mg 2キット(当日と翌日の朝)
学童は1キット
・カロナール200㎎(NSAID禁忌)発熱時頓服10回分もしくは発熱時2錠5回分
cf)・タミフルはA型で一部耐性あり。
・タミフル、イナビルは代謝産物による薬効だが、リレンザは直接作用するので代謝による個人差がなく、吸入を5日間と煩雑だが最も効果が確実。イナビルは1回投与なので失敗する可能性あり。
cf)インフルエンザではWBC6380-8440,CRP1.9-3.2。WBC数が10,000/m3を超えている場合やCRP値が8mg/dLを超えている場合は、細菌性肺炎の合併を疑う。
cf)インフルエンザの診断書
診断名:A型インフルエンザ感染症
上記の者、1月22日初診にてA型インフルエンザ感染症と診断された。(1月22日に迅速検査陽性なら)1月23日から27日まで休養を要する。学校への出席は不可。尚、経過によってはこの限りではない。以下余白。(出席停止期間:「発症した後5日を経過」かつ「解熱した後2日を経過」の両方を満たす期間は登校は禁止。)
cf)妊娠中のインフルエンザについて
・タミフルよりはイナビルやリレンザの方が血中への移行が少ない。
・どちらも妊娠中や授乳中の投与はOK
・母乳中にはわずかに移行するが、極微量。
・インフルエンザの母乳感染はない。
・手洗い、マスクをすれば母子分離は必要ないが、搾乳をして非感染者家族が与えるのがベスト。
・母乳中への移行薬剤で乳児のインフルエンザは治療できない。
cf)透析患者のインフルエンザにはタミフル75mgを1日1回単回投与でよい。
cf) ・抗インフルエンザ薬はどれも腎排泄なので腎障害時は用量調節をすること。
・H1はタミフル、ラピアクタ耐性が4%あり。
・H1N1でH274Yというアミノ酸に変異をもつソ連型はタミフルに100%耐性あり。
・RIDT(rapid influenza diagnostic test:インフルエンザ迅速検査)の感度は70~80%、特異度は95%。感度が高い検査は陽性になりやすい検査で、それでも陰性なら病気なし。特異度が高い検査は陰性になりやすい検査で、それでも陽性なら病気あり。
・インフルエンザの潜伏期間は1~3日。
・血圧低下、意識障害、Sat低下あるとき、ハイリスク(5才未満、65才以上、18才未満でアスピリン長期投与例、妊婦、心肺基礎疾患、免疫抑制状態)は入院。
・鼻閉、筋肉痛、頭痛、寒気の感度は83~94%。逆に発熱+咳+急性発症の感度は64%だが特異度は94%。発熱+咳+急性発症でRIDT陰性でも36%はインフルエンザ。
・迅速抗原検査は熱発から12時間以内は偽陰性が5人に1人いることに注意する。療養などで陰性でも疑わしいならタミフル処方する。12時間以降は偽陰性はほとんどない。
・入院中のインフル検査は、臨床症状があり疑わしい場合にする(デフォルトではしないこと)。
・新型インフルエンザとはヒトヒト感染し、人類のほとんどが抗体を持たず、パンデミックになる可能性のあるもの(ソ連型など)。逆に鳥インフルエンザはトリヒト感染しかせず、ヒトヒト感染も家族内だけで遺伝素因が関与してると思われるため新型とは言わない。
・インフルエンザ患者の2m以内にいた人にはタミフル予防投与(1回1カプセル10日間)を行う。
cf)インフルエンザワクチンについて
・インフルエンザの問診は「卵食べてなんともないですか?」「妊娠してますか?」「以前に打ったことありますか?(なければ痛いことをお伝えする)」
・接種部位は利き手ではない方の上腕伸側の下3分の1(肩峰と肘頭を結ぶ線の下3分の1)、①右手で消毒、②アル綿を左手に持ち変えて皮膚をつまむ、③30度の角度で針を刺して、逆血ないか確認し、しびれなどないか確認する、④ゆっくり皮下注射していく、 ⑤左手のアル綿をかぶせながらゆっくりと針を抜く、揉まないでくださいと言っておくこと。
・2-3日後に発熱することもあるが38℃台のことが多く、24時間以内に解熱する。
・健診ついでにインフルエンザワクチンを希望する人がいるが、バリウム(胃透視)とインフルエンザワクチンは同日にしないこと。
・インフルエンザワクチンには卵を使う不活化ワクチンと使わない組み換えHAワクチンがある。卵アレルギーあるからといってワクチン禁忌ではない。インフルエンザワクチンそのものにアレルギーある場合は禁忌。卵を食べると蕁麻疹が出る程度の18~49才の場合は組み換えワクチンを接種する。
・12月が流行期であれば11月中旬から下旬に接種する。
・65才以上では6か月たつと抗体価は6割になる。
cf)4人部屋でインフルエンザが発生した場合(感染対策を参照)
・4人部屋の1人でインフルエンザが発生した場合:①発症1人は個室にてモニタ管理、面会も禁止、②他3人はカーテン隔離、③病室ドアを閉めるため他3人はモニタ管理、④タミフルの予防内服(タミフル1回1錠7日間)(経口できない場合はMGチューブを挿入し内服or発症時にラピアクタ。ラピアクタの予防投与はできない)、⑤インフル患者の注入やめるかどうかはrhonchiあるかどうかで決める(インフルエンザ治療でPEGやレビンありならタミフル1日2錠分2、5日間でもよい)
・感染症患者報告書の書き方:①インフルエンザAかBか、②発症日は確定診断の日に、③感染予防対策の範囲は個室に隔離したいが、現在不可能なため仕方なく大部屋にてカーテン隔離、④治療はその他(ラピアクタ1本 〇月〇日のみetc)
・大部屋の中の1人か2人がインフルエンザ陽性で、かついろいろな部屋で同じように陽性が出ている場合は職員が感染源であることが多い。
cf)インフルエンザ後の2次性肺炎について
・2次性細菌性肺炎は急性のインフルエンザに引き続いて発症する肺炎。
・症状は急性インフルエンザの後2~3日間は患者の状態が改善を示すが、その後発熱が再発し、咳嗽、膿性痰の喀出、硬化の身体所見および胸部X線所見を含む細菌性肺炎の症候を伴うことがある。
・病原菌はStreptococcus pneumoniae(肺炎球菌)、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)、Haemophilus influenza(インフルエンザ桿菌)。
・2次性細菌性肺炎は慢性の肺疾患や心疾患を持つ患者や高齢者でしばしばみられる。
肺炎
☆肺炎
・セフィローム1g:ロセフィン 2瓶
生食100ml 30分かけて(1日1回から2回)
・クリンダマイシン600mg(ミドシン/ダラシン)1A 生食100ml 1時間かけて(1日2回)
・アザクタム1g 1瓶
生食100ml 30分かけて(1日2回)
ユナシンやセフィロームで薬疹が出る時
・クラビット点滴静注バッグ500mg/100ml 1本
1時間かけて
ユナシンやセフィロームで薬疹が出る時
透析患者には250mgを2日に1回
・モダシン+ダラシンだと広域にカバーできる。アザクタム+ダラシンでも可。
・軽症ならグレースビット内服のみで経過を見ても良い。
cf)・常に結核を除外すること。
・右上葉に空洞を伴う小結節、小結節の周囲に娘結節、気管支拡張、縦隔条件で石灰化があれば結核を疑うこと(肺気腫に肺炎があればそう見えることがあるので注意。肺気腫が基礎になく空洞伴う結節影あればGaffkyを)
・液体培地(MGIT)だと1週間で結果が出る。
cf)セフェム系抗生剤の世代
・第1世代:フェファメジン
・第2世代:セフメタゾール、パンスポリン
・第3/4世代:セフトリアキソン、セフタジジム(モダシン)、スルペラゾン、マキシピーム
cf)誤嚥性肺炎予防
・ACE阻害薬(コバシル、カプトリル)は嚥下反射を起こさせるSubstancePの分解を抑制する。
・アマンタジンはSubstanceP分泌を促進するドパミン分泌を増加させる。
・シロスタゾール(プレタール)にも誤嚥性肺炎予防効果あり。
・PPIは誤嚥性肺炎再発リスクを1.5倍に増加させる。胃粘膜防御因子増強薬(ガスロンなど)は肺炎リスクを低下させる。(PPIはC.difficile関連下痢症の原因にもなり得る)。
・セフィローム1g:ロセフィン 2瓶
生食100ml 30分かけて(1日1回から2回)
・クリンダマイシン600mg(ミドシン/ダラシン)1A 生食100ml 1時間かけて(1日2回)
・アザクタム1g 1瓶
生食100ml 30分かけて(1日2回)
ユナシンやセフィロームで薬疹が出る時
・クラビット点滴静注バッグ500mg/100ml 1本
1時間かけて
ユナシンやセフィロームで薬疹が出る時
透析患者には250mgを2日に1回
・モダシン+ダラシンだと広域にカバーできる。アザクタム+ダラシンでも可。
・軽症ならグレースビット内服のみで経過を見ても良い。
cf)・常に結核を除外すること。
・右上葉に空洞を伴う小結節、小結節の周囲に娘結節、気管支拡張、縦隔条件で石灰化があれば結核を疑うこと(肺気腫に肺炎があればそう見えることがあるので注意。肺気腫が基礎になく空洞伴う結節影あればGaffkyを)
・液体培地(MGIT)だと1週間で結果が出る。
cf)セフェム系抗生剤の世代
・第1世代:フェファメジン
・第2世代:セフメタゾール、パンスポリン
・第3/4世代:セフトリアキソン、セフタジジム(モダシン)、スルペラゾン、マキシピーム
cf)誤嚥性肺炎予防
・ACE阻害薬(コバシル、カプトリル)は嚥下反射を起こさせるSubstancePの分解を抑制する。
・アマンタジンはSubstanceP分泌を促進するドパミン分泌を増加させる。
・シロスタゾール(プレタール)にも誤嚥性肺炎予防効果あり。
・PPIは誤嚥性肺炎再発リスクを1.5倍に増加させる。胃粘膜防御因子増強薬(ガスロンなど)は肺炎リスクを低下させる。(PPIはC.difficile関連下痢症の原因にもなり得る)。
鎮静(体重50㎏)
☆鎮静(体重50㎏)
・プレセデックス200μg2ml 生食50ml 5ml/hr 呼吸循環抑制が少ないが効きが悪い
・ミダゾラム(ドルミカム)10mg2ml 1A 生食5ml 2A 合計10mlにして、2mlずつ投与(急いでいる時は5ml投与)
・ミダゾラム(ドルミカム)10mg2ml 1A 希釈せずに1/4A投与
・ミダゾラム(ドルミカム)10mg2ml 5A 生食50ml 5ml/hr・ミダゾラム(ドルミカム)10mg2ml 1A 0.5A筋注
・1%プロポフォール20ml(ディプリバン)1A 5mlずつ投与
・1%プロポフォール50ml(ディプリバン)1A 5ml/hr・セレネース5mg0.5%1ml 筋注
・ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)5mg/1ml 1A 希釈せずに1A投与(生食で溶解すると白濁する)
cf)GF時の沈静に使用可
・プレセデックス200μg2ml 生食50ml 5ml/hr 呼吸循環抑制が少ないが効きが悪い
・ミダゾラム(ドルミカム)10mg2ml 1A 生食5ml 2A 合計10mlにして、2mlずつ投与(急いでいる時は5ml投与)
・ミダゾラム(ドルミカム)10mg2ml 1A 希釈せずに1/4A投与
・ミダゾラム(ドルミカム)10mg2ml 5A 生食50ml 5ml/hr・ミダゾラム(ドルミカム)10mg2ml 1A 0.5A筋注
・1%プロポフォール20ml(ディプリバン)1A 5mlずつ投与
・1%プロポフォール50ml(ディプリバン)1A 5ml/hr・セレネース5mg0.5%1ml 筋注
・ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)5mg/1ml 1A 希釈せずに1A投与(生食で溶解すると白濁する)
cf)GF時の沈静に使用可
・ロヒプノール2mg1mlを生食にといて20mlにし3-5ml cf)GF時の沈静に使用可
注意)メジャートランキライザー(セレネースやリスパダール)は呼吸停止はないが、マイナートランキライザー(セルシン、ドルミカム、ロヒプノール)は呼吸停止きたすことがある!
∴異常時指示でマイナー投与の指示は危ない。
注意)メジャートランキライザー(セレネースやリスパダール)は呼吸停止はないが、マイナートランキライザー(セルシン、ドルミカム、ロヒプノール)は呼吸停止きたすことがある!
∴異常時指示でマイナー投与の指示は危ない。
蕁麻疹/帯状疱疹
☆蕁麻疹
・アレグラ1回60mg1日2回
・アレジオン1回20mg1日1回
cf)眠気が少ない
cf)抗ヒスタミン剤での運転の可否
運転注意の記載なし:アレグラ、クラリチン
運転時には注意の記載あり:アレジオン、エバステル、タリオン
運転はしないよう注意することの記載あり:その他
注意)抗ヒスタミン剤のクラリチン、ジルテック、ザイザルは痙攣やてんかんの既往には使わない。
・ネオマレルミン6mg2錠分2・ポララミン2mg3錠分3・ポララミン5mg 1A ラニチジン100mg (ザンタック)1A ソル・メルコート125mg(プリドール)1A 生食100ml 30分かけて
cf)ソルメドロール125mgやサクシゾン(ソルコーテフの後発品)100mgでも良い。
注意)アスピリン喘息ではソルメルコートなどのコハク酸エステル型ステロイドは喘息を誘発するためリン酸エステル型ステロイドであるリンデロンやデカドロン4mgに変更する。
注意)ステロイド投与前にアスピリンに対するアレルギーやアスピリン喘息がないか聞くこと。アスピリン喘息あればソルコーテフやソルメドロール、サクシゾンは投与禁忌。
cf)サクシゾン、ソルメルコートとポララミンの混合は混濁するため別の生食に溶かすのがよい。
・ボスミン1mg1ml 0.3A筋注
呼吸苦あるとき
cf)ステロイド力価(コルチゾール:アルドステロン) ・ソルコーテフ/サクシゾン(ヒドロコルチゾン)⇒1:1 プレドニン(プレドニゾロン)⇒4:0.8 ソルメルコート/ソルメドロール(メチルプレドニゾロン)⇒5:0 リンデロン(ベタメタゾン)⇒25:0 オルガドロン/デカドロン(デキサメタゾン)⇒25:0 ・コルチゾールは体内で1日20mg分泌される。
☆帯状疱疹
・バルトレックス500mg6錠分3 7日間
(CCr:50-:3000mg/3x,25-50:2000mg/2x,10-25:1000mg/1x,-10/HD:500mg/1x)
・ゲンタシン軟膏1日1回
・アシクロビル(ゾビラックス)200mg20錠分5 7日間
CCr25以上:単純疱疹1回200mgを1日5回、帯状疱疹1回800mgを1日5回
CCr10-25:単純疱疹1回200mgを1日5回、帯状疱疹1回800mgを1日3回
CCr10以下:単純疱疹1回200mgを1日2回、帯状疱疹1回800mgを1日2回
内服できない時:
・ゾビラックス(アシクロビル)5mg/kg 1日3回 1時間以上かけて 7日間
(CCr:50-:10mg/kg/q8hr,25-50:5-10mg/kg/q12hr,10-25:5-10mg/kg/q24hr,-10/HD:5mg/kg/q24hr)
cf)ゾビラックスやバルトレックスの他にロキソニン、ビダラビン軟膏、メチコバールも処方するとよい。顔面の場合はプロラノン点眼、ゾビラックス眼軟膏も追加する。
cf)汎発性帯状疱疹
・通常の帯状疱疹(紅暈(こううん)を伴う水疱が帯状に集簇(しゅうぞく))とともに全身に水疱が生じる。
・免疫不全状態の高齢者、免疫抑制剤、悪性腫瘍などで誘発される。
・水痘帯状疱疹ウィルスによってウィルス血症を起こした結果生じる。
・汎発性の場合は呼気中に微量ウィルスが含まれるため空気感染の可能性あり。
・アレグラ1回60mg1日2回
・アレジオン1回20mg1日1回
cf)眠気が少ない
cf)抗ヒスタミン剤での運転の可否
運転注意の記載なし:アレグラ、クラリチン
運転時には注意の記載あり:アレジオン、エバステル、タリオン
運転はしないよう注意することの記載あり:その他
注意)抗ヒスタミン剤のクラリチン、ジルテック、ザイザルは痙攣やてんかんの既往には使わない。
・ネオマレルミン6mg2錠分2・ポララミン2mg3錠分3・ポララミン5mg 1A ラニチジン100mg (ザンタック)1A ソル・メルコート125mg(プリドール)1A 生食100ml 30分かけて
cf)ソルメドロール125mgやサクシゾン(ソルコーテフの後発品)100mgでも良い。
注意)アスピリン喘息ではソルメルコートなどのコハク酸エステル型ステロイドは喘息を誘発するためリン酸エステル型ステロイドであるリンデロンやデカドロン4mgに変更する。
注意)ステロイド投与前にアスピリンに対するアレルギーやアスピリン喘息がないか聞くこと。アスピリン喘息あればソルコーテフやソルメドロール、サクシゾンは投与禁忌。
cf)サクシゾン、ソルメルコートとポララミンの混合は混濁するため別の生食に溶かすのがよい。
・ボスミン1mg1ml 0.3A筋注
呼吸苦あるとき
cf)ステロイド力価(コルチゾール:アルドステロン) ・ソルコーテフ/サクシゾン(ヒドロコルチゾン)⇒1:1 プレドニン(プレドニゾロン)⇒4:0.8 ソルメルコート/ソルメドロール(メチルプレドニゾロン)⇒5:0 リンデロン(ベタメタゾン)⇒25:0 オルガドロン/デカドロン(デキサメタゾン)⇒25:0 ・コルチゾールは体内で1日20mg分泌される。
☆帯状疱疹
・バルトレックス500mg6錠分3 7日間
(CCr:50-:3000mg/3x,25-50:2000mg/2x,10-25:1000mg/1x,-10/HD:500mg/1x)
・ゲンタシン軟膏1日1回
・アシクロビル(ゾビラックス)200mg20錠分5 7日間
CCr25以上:単純疱疹1回200mgを1日5回、帯状疱疹1回800mgを1日5回
CCr10-25:単純疱疹1回200mgを1日5回、帯状疱疹1回800mgを1日3回
CCr10以下:単純疱疹1回200mgを1日2回、帯状疱疹1回800mgを1日2回
内服できない時:
・ゾビラックス(アシクロビル)5mg/kg 1日3回 1時間以上かけて 7日間
(CCr:50-:10mg/kg/q8hr,25-50:5-10mg/kg/q12hr,10-25:5-10mg/kg/q24hr,-10/HD:5mg/kg/q24hr)
cf)ゾビラックスやバルトレックスの他にロキソニン、ビダラビン軟膏、メチコバールも処方するとよい。顔面の場合はプロラノン点眼、ゾビラックス眼軟膏も追加する。
cf)汎発性帯状疱疹
・通常の帯状疱疹(紅暈(こううん)を伴う水疱が帯状に集簇(しゅうぞく))とともに全身に水疱が生じる。
・免疫不全状態の高齢者、免疫抑制剤、悪性腫瘍などで誘発される。
・水痘帯状疱疹ウィルスによってウィルス血症を起こした結果生じる。
・汎発性の場合は呼気中に微量ウィルスが含まれるため空気感染の可能性あり。
吐血/黒色便
☆吐血/黒色便
・ラクテック
チチナ100mg0.5%20ml 1A リカバリン100mg10%10ml 1A 急速静注
・ガスター20mg 1V+生食20mlに希釈しゆっくり静注、もしくはメイン点注 1日2回
ショットで急速に投与すると血圧低下あり。
・オメプラール20mg 1瓶
生食100ml 30分かけて
(生食20mlでショットで投与してもよい)
cf)14日間投与(その間にGFでsecond lookし止血確認)、その後内服のPPIやガスター点滴などに変更する。
cf)PPIの用量
①逆食(初期/8週)、②逆食(維持)、③NERD、④消化性潰瘍(胃8週/十二指腸6週)、⑤アスピリン/NSAIDs併用時、⑥除菌
・ネキシウム(エゾメプラゾール):①20mg②10mg③10mg④20mg⑤20mg⑥20mg×2・オメプラール(オメプラゾール):①20mg②10mg③10mg④20mg⑤非適応⑥20mg×2・タケプロン(ランソプラゾール):①30mg②15mg③15mg④30mg⑤15mg⑥30mg×2・パリエット(ラベプラゾール) :①20mg②10mg③10mg④20mg⑤非適応⑥10mg×2
cf) ・フェジンは10%ブドウ糖20mlでショットで投与する。
・オメプラールは生食20mlでショットで投与する。
注)ショットで投与するときはルートフラッシュ用の生食シリンジ20mlも入力すること。
・アルサルミン2g+マルファ20mlを散布
GFにて腫瘍から出血している時。
・ヘリコバクターピロリIgG抗体(効果判定は便中抗体か、尿素呼気試験(UBT試験))
・クロス採血
・CA19-9,CEA注)
・現在のHbが7を切ってなくても、BUN/Cr上昇あるときは脱水で実際よりも高めに出ていることもあり、Hb9でも輸血のオーダーをしておくこと。
・ラクテック
チチナ100mg0.5%20ml 1A リカバリン100mg10%10ml 1A 急速静注
・ガスター20mg 1V+生食20mlに希釈しゆっくり静注、もしくはメイン点注 1日2回
ショットで急速に投与すると血圧低下あり。
・オメプラール20mg 1瓶
生食100ml 30分かけて
(生食20mlでショットで投与してもよい)
cf)14日間投与(その間にGFでsecond lookし止血確認)、その後内服のPPIやガスター点滴などに変更する。
cf)PPIの用量
①逆食(初期/8週)、②逆食(維持)、③NERD、④消化性潰瘍(胃8週/十二指腸6週)、⑤アスピリン/NSAIDs併用時、⑥除菌
・ネキシウム(エゾメプラゾール):①20mg②10mg③10mg④20mg⑤20mg⑥20mg×2・オメプラール(オメプラゾール):①20mg②10mg③10mg④20mg⑤非適応⑥20mg×2・タケプロン(ランソプラゾール):①30mg②15mg③15mg④30mg⑤15mg⑥30mg×2・パリエット(ラベプラゾール) :①20mg②10mg③10mg④20mg⑤非適応⑥10mg×2
cf) ・フェジンは10%ブドウ糖20mlでショットで投与する。
・オメプラールは生食20mlでショットで投与する。
注)ショットで投与するときはルートフラッシュ用の生食シリンジ20mlも入力すること。
・アルサルミン2g+マルファ20mlを散布
GFにて腫瘍から出血している時。
・ヘリコバクターピロリIgG抗体(効果判定は便中抗体か、尿素呼気試験(UBT試験))
・クロス採血
・CA19-9,CEA注)
・現在のHbが7を切ってなくても、BUN/Cr上昇あるときは脱水で実際よりも高めに出ていることもあり、Hb9でも輸血のオーダーをしておくこと。
急性膵炎
☆急性膵炎
・ラクテック500ml 急速静注、その後160ml/hr・オメプラール20mg 生食100ml 30分かけて、1日2回
(生食20mlでショットで投与してもよい)
・メロペン0.5mg1瓶
生食100ml 30分かけて、1日4回
・ナファタット50(フサン)1瓶
5%ブドウ糖 500ml 160ml/hr、1日2回
電解質があるとフサンは失活する
注)フサンは溶解用の蒸留水20mlを入力すること。
・レペタン0.2mg 1Aショット
☆重症な場合
・ミラクリッド5万単位 1A
5%ブドウ糖20ml 1A
1日3回投与
・フサン50mg 5瓶
5%ブドウ糖500ml
1日2回 24時間持続投与
注)ミラクリッド、フサンは末梢からも投与できるが、FOYは別ルートが必須。CVはダブルルーメン以上にする。
・ラクテック500ml 急速静注、その後160ml/hr・オメプラール20mg 生食100ml 30分かけて、1日2回
(生食20mlでショットで投与してもよい)
・メロペン0.5mg1瓶
生食100ml 30分かけて、1日4回
・ナファタット50(フサン)1瓶
5%ブドウ糖 500ml 160ml/hr、1日2回
電解質があるとフサンは失活する
注)フサンは溶解用の蒸留水20mlを入力すること。
・レペタン0.2mg 1Aショット
☆重症な場合
・ミラクリッド5万単位 1A
5%ブドウ糖20ml 1A
1日3回投与
・フサン50mg 5瓶
5%ブドウ糖500ml
1日2回 24時間持続投与
注)ミラクリッド、フサンは末梢からも投与できるが、FOYは別ルートが必須。CVはダブルルーメン以上にする。
血便
☆血便
・ラクテック
チチナ(アドナ)100mg0.5%20ml 1A(1日25mg-100mg) リカバリン(トランサミン)250mg10%10ml 1A(1日250mg-500mg) 急速静注
・E入りキシロカイン1A ガーゼに浸して肛門鏡で充填
・腹部造影CT
cf)下血は黒くて上部消化管出血、血便は赤くて下部消化管出血を疑うものを言う。
・ラクテック
チチナ(アドナ)100mg0.5%20ml 1A(1日25mg-100mg) リカバリン(トランサミン)250mg10%10ml 1A(1日250mg-500mg) 急速静注
・E入りキシロカイン1A ガーゼに浸して肛門鏡で充填
・腹部造影CT
cf)下血は黒くて上部消化管出血、血便は赤くて下部消化管出血を疑うものを言う。
貧血
☆貧血
注意)血便、血尿、吐下血なしや便潜血陰性なら頭蓋内出血を疑うこと(特に抗凝固療法中の場合)。
・ビタメジン 1V 生食100ml 15分かけて
・フェジン40㎎2mL 1A 5%ブドウ糖100ml 15分かけて1日1回~3回
ビタメジンとフェジンは混合しないこと。配合変化あり。
(10%ブドウ糖20mlでショットで投与してもよい、2分以上かけて)
cf) ・フェジンは10%ブドウ糖20mlでショットで投与する。
・オメプラールは生食20mlでショットで投与する。
・フェロミア50mg2錠分2~4錠分2・インクレミンシロップ5%50mg/ml(鉄として6mg/ml) 10-15ml/3x
注意)血便、血尿、吐下血なしや便潜血陰性なら頭蓋内出血を疑うこと(特に抗凝固療法中の場合)。
・ビタメジン 1V 生食100ml 15分かけて
・フェジン40㎎2mL 1A 5%ブドウ糖100ml 15分かけて1日1回~3回
ビタメジンとフェジンは混合しないこと。配合変化あり。
(10%ブドウ糖20mlでショットで投与してもよい、2分以上かけて)
cf) ・フェジンは10%ブドウ糖20mlでショットで投与する。
・オメプラールは生食20mlでショットで投与する。
・フェロミア50mg2錠分2~4錠分2・インクレミンシロップ5%50mg/ml(鉄として6mg/ml) 10-15ml/3x
嘔気/嘔吐/麻痺性イレウス
<注意!!>
嘔気はACSをまず否定する!!胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
嘔気はACSをまず否定する!!胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
☆嘔気/嘔吐
・プリンペラン10mg0.5%2ml 1Aショット(生食20mlで溶いて静注)・アタラックスP 1Aショット
・リンデロン坐薬0.5mg 1個
・ノバミン5mg/1ml 1A筋注
・リンデロン4mg+生食100ml 1日1回点滴
cf)癌ターミナルでの嘔気に
注)完全閉塞の場合はナウゼリン、プリンペランは禁忌。サブイレウスまでなら使ってもよい。
注)嘔気の原因になる薬剤:
テオフィリン、バリウム、ジキタリス、チャンピックス、SSRI、NSAIDs、オピオイド、トラムセット、リリカ、フェロミア(インクレミンシロップやフェログラデュメットは嘔気少ない)、デパケン等
cf)麻痺性イレウスの時の点滴
・ソリタT3 500ml+パントール250mg/ml 1Aを1日2回、ビーフリード500ml、セフメタゾール1g1日2回
・プリンペラン10mg0.5%2ml 1Aショット(生食20mlで溶いて静注)・アタラックスP 1Aショット
・リンデロン坐薬0.5mg 1個
・ノバミン5mg/1ml 1A筋注
・リンデロン4mg+生食100ml 1日1回点滴
cf)癌ターミナルでの嘔気に
注)完全閉塞の場合はナウゼリン、プリンペランは禁忌。サブイレウスまでなら使ってもよい。
注)嘔気の原因になる薬剤:
テオフィリン、バリウム、ジキタリス、チャンピックス、SSRI、NSAIDs、オピオイド、トラムセット、リリカ、フェロミア(インクレミンシロップやフェログラデュメットは嘔気少ない)、デパケン等
cf)麻痺性イレウスの時の点滴
・ソリタT3 500ml+パントール250mg/ml 1Aを1日2回、ビーフリード500ml、セフメタゾール1g1日2回
回転性眩暈
☆回転性眩暈
・ベタヒスチンメシル12mg(メタヒスロン)3錠
セファドール25mg 3錠
ナウゼリン5mg 3錠
分3毎食後
・セロクラール20㎎3錠
分3毎食後
脳血管障害後の回転性眩暈に対して。脳循環改善目的。ケタスも同様効果。
・アデホスコーワ20mg 1A シアノコバラミン1mg アデマイド 1A メイロン8.4%20ml 2A プリンペラン10mg0.5%2ml 1A 生食100ml 30分かけて
注)アミノグリコシド系の他にミノマイシンでも眩暈をきたすことがある。
cf)明らかな神経所見のないめまいでMRIが必要な場合:
・初発のめまい
・脳卒中の既往や家族歴
・DM、HT、HLなど血管リスクがある場合
(めまいの原因で最も多いのはBPPV、緊張型頭痛、うつ。めまいで脳梗塞は1.6%ほど)
cf)発症時間の推定
・DWIでhigh、FLAIRでhighなしなら発症3hr以内(FLAIRでhighになるのは6hr以降)
・CTで脳梗塞がはっきりわかるのは8hr以降。∴脳梗塞の症状がありCTですでにLDAがある場合は別の部位に脳梗塞を起こしている可能性がある!CTのLDAにすぐに飛びつかないこと!
・ベタヒスチンメシル12mg(メタヒスロン)3錠
セファドール25mg 3錠
ナウゼリン5mg 3錠
分3毎食後
・セロクラール20㎎3錠
分3毎食後
脳血管障害後の回転性眩暈に対して。脳循環改善目的。ケタスも同様効果。
・アデホスコーワ20mg 1A シアノコバラミン1mg アデマイド 1A メイロン8.4%20ml 2A プリンペラン10mg0.5%2ml 1A 生食100ml 30分かけて
注)アミノグリコシド系の他にミノマイシンでも眩暈をきたすことがある。
cf)明らかな神経所見のないめまいでMRIが必要な場合:
・初発のめまい
・脳卒中の既往や家族歴
・DM、HT、HLなど血管リスクがある場合
(めまいの原因で最も多いのはBPPV、緊張型頭痛、うつ。めまいで脳梗塞は1.6%ほど)
cf)発症時間の推定
・DWIでhigh、FLAIRでhighなしなら発症3hr以内(FLAIRでhighになるのは6hr以降)
・CTで脳梗塞がはっきりわかるのは8hr以降。∴脳梗塞の症状がありCTですでにLDAがある場合は別の部位に脳梗塞を起こしている可能性がある!CTのLDAにすぐに飛びつかないこと!
動悸(PSVT,pAf)
☆動悸(PSVT,pAf)
・アデホスLコーワ20㎎ 1A 生食20ml 半減期が10秒なので生食20mlで後押しし急速静注。除細動器を準備する。適応はPSVT。
・ワソラン5㎎0.25%2ml 1A 生食100ml 30分かけて
適応はPSVT。
・ワソラン5㎎0.25%2ml 1A 1/4Aずつ投与
適応はPSVT。
・シベノール70㎎5ml 1A 生食20ml 5分かけて
適応はpAf。
・ジゴシン0.25㎎1ml 1A(ジキラノゲン0.4mg2ml 1Aでも可)
生食100ml 30分かけて
適応はpAf。非発作時にδ波ないことを確認してから
cf)有効血中濃度:ジゴキシン0.2-5ng/ml(実際は0.8を超えないようにする)
注)
・腎機能低下時(Cr>1)にはジゴシンは使わない方が無難。
・血中濃度は0.8を超えないように。
・最初は、0.5A(0.125mg)を隔日投与から。
・心電図変化が出てくるような即時中止。
cf)経管栄養時の頻脈発作の場合、ハーフジゴキシン1T(0.125mg)+プラビックス(クロピドグレル)75mg内服で改善することがある。
・アミサリン200㎎10%2ml 4A 生食20ml 5分かけて
適応はpAf。
・アデホスLコーワ20㎎ 1A 生食20ml 半減期が10秒なので生食20mlで後押しし急速静注。除細動器を準備する。適応はPSVT。
・ワソラン5㎎0.25%2ml 1A 生食100ml 30分かけて
適応はPSVT。
・ワソラン5㎎0.25%2ml 1A 1/4Aずつ投与
適応はPSVT。
・シベノール70㎎5ml 1A 生食20ml 5分かけて
適応はpAf。
・ジゴシン0.25㎎1ml 1A(ジキラノゲン0.4mg2ml 1Aでも可)
生食100ml 30分かけて
適応はpAf。非発作時にδ波ないことを確認してから
cf)有効血中濃度:ジゴキシン0.2-5ng/ml(実際は0.8を超えないようにする)
注)
・腎機能低下時(Cr>1)にはジゴシンは使わない方が無難。
・血中濃度は0.8を超えないように。
・最初は、0.5A(0.125mg)を隔日投与から。
・心電図変化が出てくるような即時中止。
cf)経管栄養時の頻脈発作の場合、ハーフジゴキシン1T(0.125mg)+プラビックス(クロピドグレル)75mg内服で改善することがある。
・アミサリン200㎎10%2ml 4A 生食20ml 5分かけて
適応はpAf。
動悸(脈ありVT)
☆動悸(脈ありVT)
・キシロカイン2%5ml 1A 0.5Aずつ投与
注意)局麻用と静注用のキシロカイン(リドカイン)の違い
・リドカイン静注用2%5mlアンプルは抗不整脈薬として使う。
・キシロカイン1%100mlバイアル製剤はメチルパラペン(防腐剤)が入っており局所麻酔薬としてしか使えない。エピネフリン添加製剤も防腐剤あり局所麻酔用。よって静注すると防腐剤に対するアレルギーを起こす可能性あり禁忌。
・キシロカインのポリアンプ製剤は局所麻酔用だが、小分けされているので防腐剤は入っていない。
・シンビット50㎎ 1瓶
生食20ml 5mlを5分かけて、その後5ml/hr・ミダゾラム10㎎2ml 1A(ドロミカム)
生食5ml 2A 2mlずつ意識がなくなるまで
DC150J-200Jの前に。
・ノルアドレナリン1A 生食20ml 3ml/hr ドロミカムの血圧低下に対して
・キシロカイン2%5ml 1A 0.5Aずつ投与
注意)局麻用と静注用のキシロカイン(リドカイン)の違い
・リドカイン静注用2%5mlアンプルは抗不整脈薬として使う。
・キシロカイン1%100mlバイアル製剤はメチルパラペン(防腐剤)が入っており局所麻酔薬としてしか使えない。エピネフリン添加製剤も防腐剤あり局所麻酔用。よって静注すると防腐剤に対するアレルギーを起こす可能性あり禁忌。
・キシロカインのポリアンプ製剤は局所麻酔用だが、小分けされているので防腐剤は入っていない。
・シンビット50㎎ 1瓶
生食20ml 5mlを5分かけて、その後5ml/hr・ミダゾラム10㎎2ml 1A(ドロミカム)
生食5ml 2A 2mlずつ意識がなくなるまで
DC150J-200Jの前に。
・ノルアドレナリン1A 生食20ml 3ml/hr ドロミカムの血圧低下に対して
徐脈
☆徐脈
・アトロピン0.05%1ml 1A 0.5Aずつ投与
・ドパミンキット600 200ml(プレドパ) 1袋
5ml/hr・プロタノール0.2㎎1ml 2A 生食50ml 5ml/hr
cf)CCBやβblockerなど徐脈の原因になる薬剤をチェックすること。AVBやⅡ度以上のSSSは循環器をすぐにCall。心停止する。
・アトロピン0.05%1ml 1A 0.5Aずつ投与
・ドパミンキット600 200ml(プレドパ) 1袋
5ml/hr・プロタノール0.2㎎1ml 2A 生食50ml 5ml/hr
cf)CCBやβblockerなど徐脈の原因になる薬剤をチェックすること。AVBやⅡ度以上のSSSは循環器をすぐにCall。心停止する。
CPA(ACLS)
☆CPA(ACLS)・ボスミン1㎎1ml 1A 3分ごとに投与
・ドパミンキット600 200ml(プレドパ) 1袋
10ml/hr 5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr、5γ以下はrenal dose)
・ドブポン0.3%注シリンジ50ml(ドブトレックス)1筒
10ml/hr 5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr)
DOA:DOB=1:1で合計20γ以下にする
・ノルアドレナリン 1A 生食100ml 15ml/hr 体重50㎏で0.05γ PEAは脚ブロックを伴ったQRS波が徐脈になっているか、全く正常な波形。心室細動はランダムな波形が続く。基本は頻脈になっている。
cf)挿管チューブについて
・径7.5mm、22cm口角
・入れ歯をとった時は挿管位置は口角20㎝でOK
cf)ACLSアルゴリズム
・ドパミンキット600 200ml(プレドパ) 1袋
10ml/hr 5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr、5γ以下はrenal dose)
・ドブポン0.3%注シリンジ50ml(ドブトレックス)1筒
10ml/hr 5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr)
DOA:DOB=1:1で合計20γ以下にする
・ノルアドレナリン 1A 生食100ml 15ml/hr 体重50㎏で0.05γ PEAは脚ブロックを伴ったQRS波が徐脈になっているか、全く正常な波形。心室細動はランダムな波形が続く。基本は頻脈になっている。
cf)挿管チューブについて
・径7.5mm、22cm口角
・入れ歯をとった時は挿管位置は口角20㎝でOK
cf)ACLSアルゴリズム
心原性ショック
☆心原性ショック
・ドパミンキット600 200ml(プレドパ) 1袋
10ml/hr 3-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr、3γ以下はrenal dose)
・ドブポン0.3%注シリンジ50ml(ドブトレックス)1筒
10ml/hr 5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr)
DOA:DOB=1:1で合計20γ以下にする
・ノルアドレナリン 1A 生食100ml 15ml/hr 体重50㎏で0.05γ注)とりあえず血圧低下に対し、ドパミンの指示が求められる時がある。その場合は3γくらいから始めて3時間毎(血圧をどの程度の間隔で測定できるかは病棟によって異なる)に血圧測定し、2γずつ増量し、10γは超えないように。3γ以下はrenal,10γ以上はα doseであることに注意。10γを超えると腎動脈が収縮し、乏尿になる。血圧の目安は90~110mmHgで、120超えるようなら1-2γずつ減量する。7γ程度くらいなら継続しても乏尿になることは少ない。
指示例: ドパミン(200)の指示:収縮期血圧90mmHgキープするように5ml/hrより開始し、2ml/hrずつ増減する。Max15ml/hr。
・ドパミンキット600 200ml(プレドパ) 1袋
10ml/hr 3-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr、3γ以下はrenal dose)
・ドブポン0.3%注シリンジ50ml(ドブトレックス)1筒
10ml/hr 5-10γ(体重50㎏で5-10ml/hr)
DOA:DOB=1:1で合計20γ以下にする
・ノルアドレナリン 1A 生食100ml 15ml/hr 体重50㎏で0.05γ注)とりあえず血圧低下に対し、ドパミンの指示が求められる時がある。その場合は3γくらいから始めて3時間毎(血圧をどの程度の間隔で測定できるかは病棟によって異なる)に血圧測定し、2γずつ増量し、10γは超えないように。3γ以下はrenal,10γ以上はα doseであることに注意。10γを超えると腎動脈が収縮し、乏尿になる。血圧の目安は90~110mmHgで、120超えるようなら1-2γずつ減量する。7γ程度くらいなら継続しても乏尿になることは少ない。
指示例: ドパミン(200)の指示:収縮期血圧90mmHgキープするように5ml/hrより開始し、2ml/hrずつ増減する。Max15ml/hr。
敗血症性ショック
☆敗血症性ショック
・ラクテック500ml 4袋
2本全開、血圧上昇なければさらに2本、その後は120ml/hr・MEPM0.5g+生食100ml 1日2-3回
VCM0.5g+生食100ml 1日1-2回
・ノルアドレナリン 1A 生食20ml 3ml/hr 補液で昇圧認めない時
・ノルアドレナリン 5A 生食50ml 0.9A 2ml/hr-9ml/hr(BW50㎏で0.1γは3ml/hr,0.05-0.3γ)
3ml/hで開始し、収縮期が80mmHg以下で2ml/h増量、150mmHg以上で2ml/h減量。
・ソルメルコート/ソルメドロール(メチルプレドニゾロン)250mg+生食100ml 1日1回(125mgを1日2回でも可能) 2時間かけて5日間
・献血ベニロン-I 2.5-5g/100ml 1日1回点滴 3時間かけて5日間
・アルブミナー25%50ml 5瓶
全開で投与。腎機能低下でHES使えない時。
・ガスター20mg 1V+生食20ml 1日2回 静注
ストレス潰瘍は意外と多いので忘れないこと。もともとPPIやH2blockerを内服していた人なら尚更。ショットで急速に投与すると血圧低下あり。
cf)療養病院でのノルアドレナリンの指示
ノルアドレナリン1A(1mg/1ml)+生食100mlを10ml/hrから開始、血圧90mmHg以上になるように5ml/hrずつ増量し、Max50ml/hr注1)最大で12mg/day、これは体重50kgでの0.16γにあたる。
注2)最大で生食1200ml/day追加になるので輸液負荷することにもなる。
注)とりあえず血圧低下に対し、ドパミンの指示が求められる時がある。その場合は3γくらいから始めて3時間毎(血圧をどの程度の間隔で測定できるかは病棟によって異なる)に血圧測定し、2γずつ増量し、10γは超えないように。3γ以下はrenal,10γ以上はα doseであることに注意。10γを超えると腎動脈が収縮し、乏尿になる。血圧の目安は90~110mmHgで、120超えるようなら1-2γずつ減量する。7γ程度くらいなら継続しても乏尿になることは少ない。
指示例: ドパミン(200)の指示:収縮期血圧90mmHgキープするように5ml/hrより開始し、2ml/hrずつ増減する。Max15ml/hr。
・ラクテック500ml 4袋
2本全開、血圧上昇なければさらに2本、その後は120ml/hr・MEPM0.5g+生食100ml 1日2-3回
VCM0.5g+生食100ml 1日1-2回
・ノルアドレナリン 1A 生食20ml 3ml/hr 補液で昇圧認めない時
・ノルアドレナリン 5A 生食50ml 0.9A 2ml/hr-9ml/hr(BW50㎏で0.1γは3ml/hr,0.05-0.3γ)
3ml/hで開始し、収縮期が80mmHg以下で2ml/h増量、150mmHg以上で2ml/h減量。
・ソルメルコート/ソルメドロール(メチルプレドニゾロン)250mg+生食100ml 1日1回(125mgを1日2回でも可能) 2時間かけて5日間
・献血ベニロン-I 2.5-5g/100ml 1日1回点滴 3時間かけて5日間
・アルブミナー25%50ml 5瓶
全開で投与。腎機能低下でHES使えない時。
・ガスター20mg 1V+生食20ml 1日2回 静注
ストレス潰瘍は意外と多いので忘れないこと。もともとPPIやH2blockerを内服していた人なら尚更。ショットで急速に投与すると血圧低下あり。
cf)療養病院でのノルアドレナリンの指示
ノルアドレナリン1A(1mg/1ml)+生食100mlを10ml/hrから開始、血圧90mmHg以上になるように5ml/hrずつ増量し、Max50ml/hr注1)最大で12mg/day、これは体重50kgでの0.16γにあたる。
注2)最大で生食1200ml/day追加になるので輸液負荷することにもなる。
注)とりあえず血圧低下に対し、ドパミンの指示が求められる時がある。その場合は3γくらいから始めて3時間毎(血圧をどの程度の間隔で測定できるかは病棟によって異なる)に血圧測定し、2γずつ増量し、10γは超えないように。3γ以下はrenal,10γ以上はα doseであることに注意。10γを超えると腎動脈が収縮し、乏尿になる。血圧の目安は90~110mmHgで、120超えるようなら1-2γずつ減量する。7γ程度くらいなら継続しても乏尿になることは少ない。
指示例: ドパミン(200)の指示:収縮期血圧90mmHgキープするように5ml/hrより開始し、2ml/hrずつ増減する。Max15ml/hr。
アナフィラキシーショック
☆アナフィラキシーショック
・ラクテック500ml 2袋
2本全開
・ボスミン1㎎1ml 0.3A筋注(皮下注は時間がかかる)
・ボスミン1㎎1ml 1A 生食20ml 3ml/hr・ポララミン5㎎ 1A ラニチジン100㎎(ザンタック) 1A
リンデロン4㎎0.4% 1A 生食50ml 30分かけて
cf)アナフィラキシーショックが疑われる場合は、MAST33検査やエピペンを携帯してもらうこと(エピペンは未使用であれば1年後に返却するように指示しておく)
・ラクテック500ml 2袋
2本全開
・ボスミン1㎎1ml 0.3A筋注(皮下注は時間がかかる)
・ボスミン1㎎1ml 1A 生食20ml 3ml/hr・ポララミン5㎎ 1A ラニチジン100㎎(ザンタック) 1A
リンデロン4㎎0.4% 1A 生食50ml 30分かけて
cf)アナフィラキシーショックが疑われる場合は、MAST33検査やエピペンを携帯してもらうこと(エピペンは未使用であれば1年後に返却するように指示しておく)
DIC
胸痛
<注意!!>
胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
☆胸痛
・ニトロペン舌下錠0.3㎎ 1錠
発作時舌下でなめて下さい。
・ミオコールスプレー7.2g 1本
2回プッシュ
下壁梗塞では右側誘導で胸部誘導ST上昇ないことを確認してから
・バイアスピリン100㎎ 2錠
プレタールOD錠50㎎ 2錠
サルポグレラート100㎎ 2錠
心筋梗塞時
・バイミカード5㎎2錠分1夕食後
冠攣縮性狭心症時。冠動脈に特異性高いCAB。明け方の発作に対応するため夕食後に服用。
・ヘパリン(1000単位/ml) 10ml 生食20ml 2A 2ml/hr・ミオコール5㎎10ml(ミリスロール) 5A 2ml/hr 投与前にASやHOCMないか確認すること。
・ニコランジル12㎎(シグマート) 5V 生食20ml 3A 2.5ml/hr-10ml/hr 血圧が低くてミオコールが使えないとき。
胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
☆胸痛
・ニトロペン舌下錠0.3㎎ 1錠
発作時舌下でなめて下さい。
・ミオコールスプレー7.2g 1本
2回プッシュ
下壁梗塞では右側誘導で胸部誘導ST上昇ないことを確認してから
・バイアスピリン100㎎ 2錠
プレタールOD錠50㎎ 2錠
サルポグレラート100㎎ 2錠
心筋梗塞時
・バイミカード5㎎2錠分1夕食後
冠攣縮性狭心症時。冠動脈に特異性高いCAB。明け方の発作に対応するため夕食後に服用。
・ヘパリン(1000単位/ml) 10ml 生食20ml 2A 2ml/hr・ミオコール5㎎10ml(ミリスロール) 5A 2ml/hr 投与前にASやHOCMないか確認すること。
・ニコランジル12㎎(シグマート) 5V 生食20ml 3A 2.5ml/hr-10ml/hr 血圧が低くてミオコールが使えないとき。
高血圧
☆高血圧
<基本>
①アバプロ100mg/1xかアムロジピン5mg/1xで開始。
②2週間後、降圧が不十分ならアイミクスLD(イルベサルタン100mg+アムロジピン5mg)に変更。
③さらに2週間後、不十分ならアイミクスHD(イルベサルタン100mg+アムロジピン10mg)に変更。
④さらに2週間後、不十分ならアダラートCR20mg1日2回+アバプロ1日100mgに変更。
⑤さらに2週間後、不十分ならナトリックス1mg0.5錠分1から1錠分1を追加。
⑥以上で効果ない時は2次性高血圧を精査すること。
<Ca拮抗薬>
・アダラートCR(徐放剤)(ニフェジピンCR)10mg1錠分1 高血圧時頓服でも可。アダラート5mgは即効性で急激な降圧なので使わない方が無難。ジヒドロピリジン系。降圧不十分な時は20mgを1日2回にするとよい。ジヒドロピリジン系(アダラート/ヘルラート/ニフェジピン)の舌下投与は高血圧緊急症では脳と心筋血流を低下させるので禁忌。内服は当然使用可能。
cf)最大1回40mg1日2回まで増量可能。
cf)胃管から投与する時は簡易懸濁できないので、セパミットRに変更する。
・アムロジン/ノルバスク(アムロジピン)5mg 1錠朝食後1回
cf)最大1日1回10mgまで増量可能。無効ならARB追加。ジヒドロピリジン系。
・カルブロック(アゼルニジピン)1日1回8-16mg ジヒドロピリジン系。降圧作用弱い。
・ヘルベッサーR(ジルチアゼム)100mg 1C朝食後1回
ベンゾジアゼピン系。Af頻脈や冠血管拡張作用を期待して使う。降圧作用は弱め。陰性変力作用あり慢性心不全には控える。
注意)
・Caブロッカーで下肢浮腫が来ることがある!
・Ca拮抗薬の降圧作用の強さ:
ニフェジピン(アダラート)5mg>アダラートCR(1日10mg1回~1回40mg1日2回)>アダラートL(1回10-20mg1日2回)>アムロジピン(アムロジン/ノルバスク1日1回2.5-10mg)>ペルジピン(コニール1日1回2-8mg)>ジルチアゼム(ヘルベッサーR1日1回100-200mg)
・アダラート5mgは急激な降圧なので使わない方が無難。
・アダラートCR40mgの1日2回が1番降圧作用が強い。
・ヘルベッサー、コニールは冠れん縮や頻脈ある時に使うが、降圧作用は強くない(持参でこれらがある場合は他のCa拮抗薬に安易に変更してはいけない。これらを使用されている場合は処方医に確認してから変更すること)。
<ARB>
・オルメテック5mg1錠朝食後1回(最大40mg)・ミカルディス20mg1錠朝食後1回(最大80mg)
肝代謝なので肝機能異常時は最大40mgまで。
注意)
・ARBの降圧作用の強さ:イルベサルタン(アバプロ1日1回50-200mg)>アジルサルタン(アジルバ1日1回20-40mg)>オルメサルタン(オルメテック5mgから開始し1日1回10-40mg)>テルミサルタン(ミカルディス20mgから開始し1日1回40-80mg)>バルサルタン(ディオバン1日1回40-80mg)>カンデサルタン(ブロプレス1日1回4-12mg)>ロサルタン(ニューロタン1日1回25-50mg)
・半減期はオルメテック、ミカルディスが10hr、ディオバンが5hr程度。
・ディオバン、ミカルディスは食後服用で効果半減。食前の方がよい。
<降圧利尿薬>
・フルイトラン1mg0.5錠分1から1錠分1・ナトリックス1mg0.5錠分1から1錠分1
cf)サイアザイド系利尿薬。高血圧症には1日1mg以下。
<その他の降圧薬>
・αブロッカー:腎不全で血圧下がらない時。2次性の除外が必要で、立ちくらみや頭痛に注意。
・βブロッカー:心不全あるときにアーチスト1.25mgやメインテート0.625mgから開始するが、血圧が下がるのはアーチスト10mgやメインテート2.5mgから。
・ACEI:ペリンドプリル(コバシル1日1回2-8mg)>エナラプリル(レニベース1日1回5-10mg)。ARBに心臓保護作用ないが、ACEIにはある。しかし降圧作用は弱い。コバシルはある程度下げる。心不全に対して臓器保護目的で使う。空咳が高率に出てくる(誤嚥予防には良いかもしれない)
<経口投与できない時>
・ニカルジピン10mg10ml(ラジストン/ペルジピン)2A 生食20ml 5ml/hrから開始(収縮期血圧100-120mmHgになるように2.5ml/hrずつ増減)
・フランドルテープ40㎎1日1回(下がりすぎるようなら2日に1回)
経口摂取できないとき
<Ca拮抗薬+ARB合剤>
ミカムロAP:ミカルディス40mg+アムロジピン5mgミカムロBP:ミカルディス80mg+アムロジピン5mgユニシアLD:ブロプレス8mg+アムロジピン2.5mgユニシアHD:ブロプレス8mg+アムロジピン2.5mgザクラスLD:アジルバ20mg+アムロジピン2.5mgザクラスHD:アジルバ20mg+アムロジピン5mgエックスフォージ:ディオバン80mg+アムロジピン5mgアイミクスLD:アバプロ100mg+アムロジピン2.5mgアイミクスHD:アバプロ100mg+アムロジピン5mgレザルタスLD:オルメテック10mg+カルブロック8mgレザルタスHD:オルメテック20mg+カルブロック16mgアテディオ:バルサルタン80mg+アテレック10mg
<基本>
①アバプロ100mg/1xかアムロジピン5mg/1xで開始。
②2週間後、降圧が不十分ならアイミクスLD(イルベサルタン100mg+アムロジピン5mg)に変更。
③さらに2週間後、不十分ならアイミクスHD(イルベサルタン100mg+アムロジピン10mg)に変更。
④さらに2週間後、不十分ならアダラートCR20mg1日2回+アバプロ1日100mgに変更。
⑤さらに2週間後、不十分ならナトリックス1mg0.5錠分1から1錠分1を追加。
⑥以上で効果ない時は2次性高血圧を精査すること。
<Ca拮抗薬>
・アダラートCR(徐放剤)(ニフェジピンCR)10mg1錠分1 高血圧時頓服でも可。アダラート5mgは即効性で急激な降圧なので使わない方が無難。ジヒドロピリジン系。降圧不十分な時は20mgを1日2回にするとよい。ジヒドロピリジン系(アダラート/ヘルラート/ニフェジピン)の舌下投与は高血圧緊急症では脳と心筋血流を低下させるので禁忌。内服は当然使用可能。
cf)最大1回40mg1日2回まで増量可能。
cf)胃管から投与する時は簡易懸濁できないので、セパミットRに変更する。
・アムロジン/ノルバスク(アムロジピン)5mg 1錠朝食後1回
cf)最大1日1回10mgまで増量可能。無効ならARB追加。ジヒドロピリジン系。
・カルブロック(アゼルニジピン)1日1回8-16mg ジヒドロピリジン系。降圧作用弱い。
・ヘルベッサーR(ジルチアゼム)100mg 1C朝食後1回
ベンゾジアゼピン系。Af頻脈や冠血管拡張作用を期待して使う。降圧作用は弱め。陰性変力作用あり慢性心不全には控える。
注意)
・Caブロッカーで下肢浮腫が来ることがある!
・Ca拮抗薬の降圧作用の強さ:
ニフェジピン(アダラート)5mg>アダラートCR(1日10mg1回~1回40mg1日2回)>アダラートL(1回10-20mg1日2回)>アムロジピン(アムロジン/ノルバスク1日1回2.5-10mg)>ペルジピン(コニール1日1回2-8mg)>ジルチアゼム(ヘルベッサーR1日1回100-200mg)
・アダラート5mgは急激な降圧なので使わない方が無難。
・アダラートCR40mgの1日2回が1番降圧作用が強い。
・ヘルベッサー、コニールは冠れん縮や頻脈ある時に使うが、降圧作用は強くない(持参でこれらがある場合は他のCa拮抗薬に安易に変更してはいけない。これらを使用されている場合は処方医に確認してから変更すること)。
<ARB>
・オルメテック5mg1錠朝食後1回(最大40mg)・ミカルディス20mg1錠朝食後1回(最大80mg)
肝代謝なので肝機能異常時は最大40mgまで。
注意)
・ARBの降圧作用の強さ:イルベサルタン(アバプロ1日1回50-200mg)>アジルサルタン(アジルバ1日1回20-40mg)>オルメサルタン(オルメテック5mgから開始し1日1回10-40mg)>テルミサルタン(ミカルディス20mgから開始し1日1回40-80mg)>バルサルタン(ディオバン1日1回40-80mg)>カンデサルタン(ブロプレス1日1回4-12mg)>ロサルタン(ニューロタン1日1回25-50mg)
・半減期はオルメテック、ミカルディスが10hr、ディオバンが5hr程度。
・ディオバン、ミカルディスは食後服用で効果半減。食前の方がよい。
<降圧利尿薬>
・フルイトラン1mg0.5錠分1から1錠分1・ナトリックス1mg0.5錠分1から1錠分1
cf)サイアザイド系利尿薬。高血圧症には1日1mg以下。
<その他の降圧薬>
・αブロッカー:腎不全で血圧下がらない時。2次性の除外が必要で、立ちくらみや頭痛に注意。
・βブロッカー:心不全あるときにアーチスト1.25mgやメインテート0.625mgから開始するが、血圧が下がるのはアーチスト10mgやメインテート2.5mgから。
・ACEI:ペリンドプリル(コバシル1日1回2-8mg)>エナラプリル(レニベース1日1回5-10mg)。ARBに心臓保護作用ないが、ACEIにはある。しかし降圧作用は弱い。コバシルはある程度下げる。心不全に対して臓器保護目的で使う。空咳が高率に出てくる(誤嚥予防には良いかもしれない)
<経口投与できない時>
・ニカルジピン10mg10ml(ラジストン/ペルジピン)2A 生食20ml 5ml/hrから開始(収縮期血圧100-120mmHgになるように2.5ml/hrずつ増減)
・フランドルテープ40㎎1日1回(下がりすぎるようなら2日に1回)
経口摂取できないとき
<Ca拮抗薬+ARB合剤>
ミカムロAP:ミカルディス40mg+アムロジピン5mgミカムロBP:ミカルディス80mg+アムロジピン5mgユニシアLD:ブロプレス8mg+アムロジピン2.5mgユニシアHD:ブロプレス8mg+アムロジピン2.5mgザクラスLD:アジルバ20mg+アムロジピン2.5mgザクラスHD:アジルバ20mg+アムロジピン5mgエックスフォージ:ディオバン80mg+アムロジピン5mgアイミクスLD:アバプロ100mg+アムロジピン2.5mgアイミクスHD:アバプロ100mg+アムロジピン5mgレザルタスLD:オルメテック10mg+カルブロック8mgレザルタスHD:オルメテック20mg+カルブロック16mgアテディオ:バルサルタン80mg+アテレック10mg
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載6
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載6
HTLV-1について
☆HTLV-1について
・スクリーニングは妊娠初期から中期にかけて行う。スクリーニング検査が陰性なら非感染者となる。
・スクリーニング検査が陽性ならウェスタンブロット法(WB法)を行う。
・WB法が陽性ならキャリアとなる。WB法で判定保留の場合はPCR法を行う。
・スクリーニングで陽性になるのは0.3%、WB法で陽性になるのは51.6%、判定保留は11.7%。
・HTLV-1はRNAウィルスである。
・主な感染経路は母子感染(8割)と性行為感染(2割)。感染力が弱いためこれら以外で感染することはない(子供同士の接触や温泉、散髪、唾液などでは感染しない)。
・3か月以上の母乳栄養では18%に母子感染を起こすが、完全人工栄養でも約3%が母子感染を起こす。
・日本では100万人以上のキャリアがおり、西日本に多い。
・ATL、HAM、ブドウ膜炎を起こす。生涯発生率はATLが5%、HAMが0.3%。
・ATLの発症年齢の中央値は67歳。やや男性に多い。キャリアの生涯発症率は男性に多い。40年以上の持続感染によって起こるため、母子感染でのキャリアで発症する。
・臨床病型は、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型に分類される。急性型では末梢血にflower cellと呼ばれる核に切れ込みのある異常リンパ球が出現する。
・臨床症状は、1週間以上の高熱、強い倦怠感、リンパ節腫脹、赤く盛り上がった皮疹、高カルシウム血症に伴う意識障害、肝腫大、脾腫大、種々の日和見感染。
・HTLV-1抗体検査が陽性で、かつサザンブロット法によって血液、皮膚病変、リンパ節病変のHTLV-1感染細胞がモノクロナールに増殖していれば確定診断となる。
・ATLは白血病の中でも予後は著しく不良。
・急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の生存期間中央値はそれぞれ6か月,10か月,24か月,5年以上。4年全生存率はそれぞれ11%,16%,36%,52%。
・ATLへの進展危険因子:男性、ウイルス量、年齢、家族歴、他の疾患治療中のHTLV-1陽性判明
・ATL急性型、リンパ腫型の予後予測因子:Ann Arbor stage,Per-formance Status(PS),年齢,血清Alb値,soluble interleukin-2 receptor(sIL-2R)
・ATLの予後不良因子:PS、好中球減少、血清LDH値、節外病変数、全病変数、化学療法の有無
・ATLの腫瘍性の維持に重要なHTLV-1 bZIP因子(HBZ)を標的とするワクチン療法はHAMやATLの発症予防や病勢制御にも有効な可能性がある。
・くすぶり型や予後不良因子のない慢性型では急性転化するまで経過観察。
・リンパ腫型、急性型、予後不良因子のある慢性型は化学療法、同種造血幹細胞移植、サルベージ療法、分子標的治療。
・抗CCR4抗体(ポテリジオ)は再発、再燃例に対する単剤投与による全有効率50%,生存中央期間13.7か月。
・インターフェロンαと核酸系逆転写酵素阻害薬(nucleoside reverse transcriptase inhibitor:NRTI)のzidovudine(AZT)の併用療法が化学療法よりも有効(5年全生存率46%vs20%)
・HAMは0~50歳代の発症(平均40歳)が多い。女性に多い。1年間でキャリア約3万人に1人の割合で発症。
・臨床症状は進行性の両下肢の痙性不全麻痺。下肢のツッパリ感や歩行時の足のもつれ、膀胱直腸障害(排尿障害、頻尿、便秘)。上肢の完全麻痺や嚥下障害を認めることは少ない。
・病勢の進行は、遅い場合から急速に進行する場合など多彩。
・診断は症状と、血液中のHTLV-1抗体陽性かつ脳脊髄液のHTLV-1抗体陽性であれば確定診断。
・ステロイドやIFNαが奏効するが、治療が遅れると有効性が減じる。
・生命予後は悪くないが、日常生活が著しく制約され、難病指定である。
・初期症状は、歩行の違和感、足のしびれ、つっぱり感、転びやすい等。
・多くは進行し、杖歩行、さらには車椅子となる。重症例では下肢の完全麻痺や体幹の筋力低下により寝たきりになる場合もある。
・下半身の触覚や温痛覚の低下、しびれ、疼痛等の感覚障害は約6割に認められ、持続性のしびれや痛みを伴う場合はQOL低下の原因となる。
・自律神経症状は高率にみられ、特に排尿困難、頻尿、便秘等の膀胱直腸障害は病初期より出現することもある。
・進行例では起立性低血圧や下半身の発汗障害、インポテンツがしばしばみられる。
・HAMは早期の診断と治療介入が重要であるため、両下肢の痙性麻痺を呈する患者を診た
ら、HAMを鑑別に挙げる。
・髄液検査では、細胞数増加(単核球優位)を約3~4割に認める。
・髄液のネオプテリンやCXCL10の増加はHAMの脊髄炎症レベルを反映する。
・血液検査では、HTLV-1プロウイルス量がキャリアに比して高値のことが多く、長期予後との相関がある。
・歩行障害の進行速度の中央値は、発症から片手杖歩行まで8年、両手杖歩行まで12.5年、歩行不能まで18年であった一方で、発症後20年以上経過しても杖なしで歩行可能な集団もあり、個人差が大きい。
・ぶどう膜炎は、ベーチェット病や真菌、細菌などで起こるが、HTLV-1感染によって発症するものは、HTLV-1ぶどう膜炎(HTLV-1 associated uveitis、以下HU)と呼ぶ。女性に多い。
・発症者の多くは成人で、飛蚊症や霧視、眼の充血、あるいは視力の低下などが急に起こる。ステロイド点眼が奏功。
・ぶどう膜炎には前部ぶどう膜炎(虹彩炎,虹彩毛様体炎)、中間部ぶどう膜炎(硝子体炎)、後部ぶどう膜炎(網膜炎,脈絡膜炎,網脈絡膜炎),汎ぶどう膜炎(眼内組織の全て)の4つの病型に分類される。
・前部ぶどう膜炎が最も多く、次いで、汎ぶどう膜炎>後部ぶどう膜炎>中間部ぶどう膜炎・治療は、前部ぶどう膜炎では主に局所投与(点眼,結膜注射)、中間部ぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎、汎ぶどう膜炎ではステロイド全身投与(内服)。
・視力予後は、網膜が冒される後部ぶどう膜炎と汎ぶどう膜炎が前部ぶどう膜炎よりも不良。
・女性に多く、性差(女性/男性)は105/30(3.5倍)。
・発症年齢は小児から若年成人,高齢者まで広く分布する。
・受診時の主訴は霧視(目のかすみ)(62%)が最多で、次いで飛蚊症(44%)、視力低下(44%)、目の充血(8%)、眼痛(2%)、羞明感(1%)。
・両眼性と片眼性がほぼ同数であることに注意する。
・約30%のHTLV-1ぶどう膜炎患者でぶどう膜炎の再発がみられる。
・白内障(82%)、緑内障(28%)、ドライアイ(涙液層破壊時間が10秒未満)(21%)、黄斑浮腫(5%)、黄斑上膜(4%)などの眼合併症がみられる。
・ブドウ膜炎の経過中に、HAM、ATL、Basedow病、関節リウマチ、間質性肺炎を合併することがある。
・サルコイドーシスはぶどう膜炎の原因疾患の第1位であり、血清アンジオテンシン変換酵素、胸部X線検査などは必ず行う。
・HTLV-1感染は男性から女性に起こりやすく、全キャリアの約20%が性行為感染。
・大多数は母乳を介した母子感染である。
・母子感染ルートの主体は感染したTリンパ球を含む母乳。
・感染率は、完全人工栄養児3.3%、生後3か月(90日)を超えた母乳栄養児では17.7%。
・完全人工栄養児であっても3.3%が母子感染する。これは母乳以外の経胎盤感染や産道感染の存在を示唆する。
・90日未満の母乳栄養では1.9%、凍結母乳栄養では3.1%が母子感染を起こすが、有効性のevidenceは低く、現在は完全人工栄養が推奨される。
・短期母乳栄養を選択しても、ときに授乳が中止できず母乳栄養期間が長期化する可能性がある(児が母乳を望んで泣くし、乳房痛があるためついつい母乳栄養を続けてしまう)。
・経管栄養を必要とする早産低出生体重児では、壊死性腸炎や感染症のリスクを考慮し、成熟した哺乳機能が確立するまで凍結母乳栄養にしたほうがよいかもしれない。
・乳汁栄養法の選択は分娩前に決定しておくことが望ましい。
・母子感染の有無を評価は、3歳以後で抗体検査を行う。陽性である場合にはWB法により確認する。
・小児科医がいない分娩施設から、他施設の小児科医にフォローアップを依頼するため紹介状を送付し、フォローアップが途切れないようにすることが望ましい。
・出生前に産科医と小児科医の円滑な連携を確保することができれば、家族も安心して受診できるかもしれない。
・医療機関のHTLV-1キャリア外来も指定しておくことが望ましい。
・キャリアへの説明の要点:①HTLV-1関連疾患を疑う症状がないか。症状がある場合は専門医への紹介。②HTLV-1感染についての正しい知識。③不安の解消、④生活を変える必要はないことを伝える。⑤HTLV-1関連疾患の検査や定期健診の希望がある場合は、HTLV-1感染症に詳しい医師のいる医療機関や血液内科医への紹介。
・家族の中にHTLV-1キャリアがいる可能性があるが、家族に伝えるべきかどうかは患者本人の判断でよい。
・献血や移植への臓器提供はできない。ただし、家族の中でATLを発症した場合、骨髄移植のドナーにはなれる。
・スクリーニングは妊娠初期から中期にかけて行う。スクリーニング検査が陰性なら非感染者となる。
・スクリーニング検査が陽性ならウェスタンブロット法(WB法)を行う。
・WB法が陽性ならキャリアとなる。WB法で判定保留の場合はPCR法を行う。
・スクリーニングで陽性になるのは0.3%、WB法で陽性になるのは51.6%、判定保留は11.7%。
・HTLV-1はRNAウィルスである。
・主な感染経路は母子感染(8割)と性行為感染(2割)。感染力が弱いためこれら以外で感染することはない(子供同士の接触や温泉、散髪、唾液などでは感染しない)。
・3か月以上の母乳栄養では18%に母子感染を起こすが、完全人工栄養でも約3%が母子感染を起こす。
・日本では100万人以上のキャリアがおり、西日本に多い。
・ATL、HAM、ブドウ膜炎を起こす。生涯発生率はATLが5%、HAMが0.3%。
・ATLの発症年齢の中央値は67歳。やや男性に多い。キャリアの生涯発症率は男性に多い。40年以上の持続感染によって起こるため、母子感染でのキャリアで発症する。
・臨床病型は、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型に分類される。急性型では末梢血にflower cellと呼ばれる核に切れ込みのある異常リンパ球が出現する。
・臨床症状は、1週間以上の高熱、強い倦怠感、リンパ節腫脹、赤く盛り上がった皮疹、高カルシウム血症に伴う意識障害、肝腫大、脾腫大、種々の日和見感染。
・HTLV-1抗体検査が陽性で、かつサザンブロット法によって血液、皮膚病変、リンパ節病変のHTLV-1感染細胞がモノクロナールに増殖していれば確定診断となる。
・ATLは白血病の中でも予後は著しく不良。
・急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の生存期間中央値はそれぞれ6か月,10か月,24か月,5年以上。4年全生存率はそれぞれ11%,16%,36%,52%。
・ATLへの進展危険因子:男性、ウイルス量、年齢、家族歴、他の疾患治療中のHTLV-1陽性判明
・ATL急性型、リンパ腫型の予後予測因子:Ann Arbor stage,Per-formance Status(PS),年齢,血清Alb値,soluble interleukin-2 receptor(sIL-2R)
・ATLの予後不良因子:PS、好中球減少、血清LDH値、節外病変数、全病変数、化学療法の有無
・ATLの腫瘍性の維持に重要なHTLV-1 bZIP因子(HBZ)を標的とするワクチン療法はHAMやATLの発症予防や病勢制御にも有効な可能性がある。
・くすぶり型や予後不良因子のない慢性型では急性転化するまで経過観察。
・リンパ腫型、急性型、予後不良因子のある慢性型は化学療法、同種造血幹細胞移植、サルベージ療法、分子標的治療。
・抗CCR4抗体(ポテリジオ)は再発、再燃例に対する単剤投与による全有効率50%,生存中央期間13.7か月。
・インターフェロンαと核酸系逆転写酵素阻害薬(nucleoside reverse transcriptase inhibitor:NRTI)のzidovudine(AZT)の併用療法が化学療法よりも有効(5年全生存率46%vs20%)
・HAMは0~50歳代の発症(平均40歳)が多い。女性に多い。1年間でキャリア約3万人に1人の割合で発症。
・臨床症状は進行性の両下肢の痙性不全麻痺。下肢のツッパリ感や歩行時の足のもつれ、膀胱直腸障害(排尿障害、頻尿、便秘)。上肢の完全麻痺や嚥下障害を認めることは少ない。
・病勢の進行は、遅い場合から急速に進行する場合など多彩。
・診断は症状と、血液中のHTLV-1抗体陽性かつ脳脊髄液のHTLV-1抗体陽性であれば確定診断。
・ステロイドやIFNαが奏効するが、治療が遅れると有効性が減じる。
・生命予後は悪くないが、日常生活が著しく制約され、難病指定である。
・初期症状は、歩行の違和感、足のしびれ、つっぱり感、転びやすい等。
・多くは進行し、杖歩行、さらには車椅子となる。重症例では下肢の完全麻痺や体幹の筋力低下により寝たきりになる場合もある。
・下半身の触覚や温痛覚の低下、しびれ、疼痛等の感覚障害は約6割に認められ、持続性のしびれや痛みを伴う場合はQOL低下の原因となる。
・自律神経症状は高率にみられ、特に排尿困難、頻尿、便秘等の膀胱直腸障害は病初期より出現することもある。
・進行例では起立性低血圧や下半身の発汗障害、インポテンツがしばしばみられる。
・HAMは早期の診断と治療介入が重要であるため、両下肢の痙性麻痺を呈する患者を診た
ら、HAMを鑑別に挙げる。
・髄液検査では、細胞数増加(単核球優位)を約3~4割に認める。
・髄液のネオプテリンやCXCL10の増加はHAMの脊髄炎症レベルを反映する。
・血液検査では、HTLV-1プロウイルス量がキャリアに比して高値のことが多く、長期予後との相関がある。
・歩行障害の進行速度の中央値は、発症から片手杖歩行まで8年、両手杖歩行まで12.5年、歩行不能まで18年であった一方で、発症後20年以上経過しても杖なしで歩行可能な集団もあり、個人差が大きい。
・ぶどう膜炎は、ベーチェット病や真菌、細菌などで起こるが、HTLV-1感染によって発症するものは、HTLV-1ぶどう膜炎(HTLV-1 associated uveitis、以下HU)と呼ぶ。女性に多い。
・発症者の多くは成人で、飛蚊症や霧視、眼の充血、あるいは視力の低下などが急に起こる。ステロイド点眼が奏功。
・ぶどう膜炎には前部ぶどう膜炎(虹彩炎,虹彩毛様体炎)、中間部ぶどう膜炎(硝子体炎)、後部ぶどう膜炎(網膜炎,脈絡膜炎,網脈絡膜炎),汎ぶどう膜炎(眼内組織の全て)の4つの病型に分類される。
・前部ぶどう膜炎が最も多く、次いで、汎ぶどう膜炎>後部ぶどう膜炎>中間部ぶどう膜炎・治療は、前部ぶどう膜炎では主に局所投与(点眼,結膜注射)、中間部ぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎、汎ぶどう膜炎ではステロイド全身投与(内服)。
・視力予後は、網膜が冒される後部ぶどう膜炎と汎ぶどう膜炎が前部ぶどう膜炎よりも不良。
・女性に多く、性差(女性/男性)は105/30(3.5倍)。
・発症年齢は小児から若年成人,高齢者まで広く分布する。
・受診時の主訴は霧視(目のかすみ)(62%)が最多で、次いで飛蚊症(44%)、視力低下(44%)、目の充血(8%)、眼痛(2%)、羞明感(1%)。
・両眼性と片眼性がほぼ同数であることに注意する。
・約30%のHTLV-1ぶどう膜炎患者でぶどう膜炎の再発がみられる。
・白内障(82%)、緑内障(28%)、ドライアイ(涙液層破壊時間が10秒未満)(21%)、黄斑浮腫(5%)、黄斑上膜(4%)などの眼合併症がみられる。
・ブドウ膜炎の経過中に、HAM、ATL、Basedow病、関節リウマチ、間質性肺炎を合併することがある。
・サルコイドーシスはぶどう膜炎の原因疾患の第1位であり、血清アンジオテンシン変換酵素、胸部X線検査などは必ず行う。
・HTLV-1感染は男性から女性に起こりやすく、全キャリアの約20%が性行為感染。
・大多数は母乳を介した母子感染である。
・母子感染ルートの主体は感染したTリンパ球を含む母乳。
・感染率は、完全人工栄養児3.3%、生後3か月(90日)を超えた母乳栄養児では17.7%。
・完全人工栄養児であっても3.3%が母子感染する。これは母乳以外の経胎盤感染や産道感染の存在を示唆する。
・90日未満の母乳栄養では1.9%、凍結母乳栄養では3.1%が母子感染を起こすが、有効性のevidenceは低く、現在は完全人工栄養が推奨される。
・短期母乳栄養を選択しても、ときに授乳が中止できず母乳栄養期間が長期化する可能性がある(児が母乳を望んで泣くし、乳房痛があるためついつい母乳栄養を続けてしまう)。
・経管栄養を必要とする早産低出生体重児では、壊死性腸炎や感染症のリスクを考慮し、成熟した哺乳機能が確立するまで凍結母乳栄養にしたほうがよいかもしれない。
・乳汁栄養法の選択は分娩前に決定しておくことが望ましい。
・母子感染の有無を評価は、3歳以後で抗体検査を行う。陽性である場合にはWB法により確認する。
・小児科医がいない分娩施設から、他施設の小児科医にフォローアップを依頼するため紹介状を送付し、フォローアップが途切れないようにすることが望ましい。
・出生前に産科医と小児科医の円滑な連携を確保することができれば、家族も安心して受診できるかもしれない。
・医療機関のHTLV-1キャリア外来も指定しておくことが望ましい。
・キャリアへの説明の要点:①HTLV-1関連疾患を疑う症状がないか。症状がある場合は専門医への紹介。②HTLV-1感染についての正しい知識。③不安の解消、④生活を変える必要はないことを伝える。⑤HTLV-1関連疾患の検査や定期健診の希望がある場合は、HTLV-1感染症に詳しい医師のいる医療機関や血液内科医への紹介。
・家族の中にHTLV-1キャリアがいる可能性があるが、家族に伝えるべきかどうかは患者本人の判断でよい。
・献血や移植への臓器提供はできない。ただし、家族の中でATLを発症した場合、骨髄移植のドナーにはなれる。
ダイエット薬について
☆ダイエット薬について
サノレックス(マジンドール)
・食欲中枢の抑制、消化管吸収抑制作用、代謝亢進作用
・10kgの体重減少効果、75%で効果
・昼食30分前に1日1錠0.5mgから開始(不眠になるため夜の内服はしない)
・2週間で効果がなければ0-1-0→0-2-0→1-2-0の順に増量
・覚醒効果、依存性があるため原則1日3錠28日分までの処方。3ヵ月投薬した後、3ヵ月休薬(休薬中はスーグラ、ゼニカルに変更)
・副作用は口渇感、便秘、悪心・嘔吐、睡眠障害、胃部不快感
・便秘にはグルコマンナンを併用(空腹感の解消でダイエットにつながる)
・禁忌:サノレックスに過敏症のある人、緑内障、重度の心不全、重度の膵疾患、重度の肝疾患、重度の腎疾患、重度の高血圧、脳血管障害、不安や抑うつや興奮状態、統合失調症、薬物やアルコールの乱用歴、MAO阻害薬の2週間以内の使用歴、妊婦、小児
サノレックス(マジンドール)
・食欲中枢の抑制、消化管吸収抑制作用、代謝亢進作用
・10kgの体重減少効果、75%で効果
・昼食30分前に1日1錠0.5mgから開始(不眠になるため夜の内服はしない)
・2週間で効果がなければ0-1-0→0-2-0→1-2-0の順に増量
・覚醒効果、依存性があるため原則1日3錠28日分までの処方。3ヵ月投薬した後、3ヵ月休薬(休薬中はスーグラ、ゼニカルに変更)
・副作用は口渇感、便秘、悪心・嘔吐、睡眠障害、胃部不快感
・便秘にはグルコマンナンを併用(空腹感の解消でダイエットにつながる)
・禁忌:サノレックスに過敏症のある人、緑内障、重度の心不全、重度の膵疾患、重度の肝疾患、重度の腎疾患、重度の高血圧、脳血管障害、不安や抑うつや興奮状態、統合失調症、薬物やアルコールの乱用歴、MAO阻害薬の2週間以内の使用歴、妊婦、小児
ゼニカル(オルリファスト、オルリスタット)
・脂肪分解に必要なリパーゼを抑制し、摂取した30%の脂肪分を分解せずそのまま体外へ排出させる
・FDA(アメリカ食品医薬局)が認可している肥満薬
・7kgの体重減少効果
・サノレックスとの併用も可能
・1日3回食前、もしくは食事と一緒に服用
・脂溶性ビタミンの吸収も抑制→長期服用をする場合はマルチビタミン等の摂取を行うこと
・禁忌:胆嚢障害、慢性消化不良がある人
・副作用は便中に脂質が増え脂肪便、軟便~下痢(ほぼ必発)
・脂肪分解に必要なリパーゼを抑制し、摂取した30%の脂肪分を分解せずそのまま体外へ排出させる
・FDA(アメリカ食品医薬局)が認可している肥満薬
・7kgの体重減少効果
・サノレックスとの併用も可能
・1日3回食前、もしくは食事と一緒に服用
・脂溶性ビタミンの吸収も抑制→長期服用をする場合はマルチビタミン等の摂取を行うこと
・禁忌:胆嚢障害、慢性消化不良がある人
・副作用は便中に脂質が増え脂肪便、軟便~下痢(ほぼ必発)
EDについて
<EDについて>
☆EDとは
・性行為に満足できない状態が3ヶ月以上持続すること。
・患者数は全国1130万人。40代前半で20%、50代で40%、65以上で60%。
cf)AGAの患者数は全国1260万人。20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代で40%。
☆EDの原因
・器質性ED:
①DM,HL,HT→動脈硬化→陰茎海綿体動脈の拡張障害
②アルツハイマー、脳卒中、パーキンソン病、骨盤内手術(TUR-Pt術後では6-68%)による神経障害
③前立腺肥大症、前立腺癌、更年期(LOH症候群、アンドロゲン低下)
・心因性ED:ストレスなどによる現実心因性、トラウマによる深層心因性ED・薬剤性EDには、抗うつ薬、降圧剤、睡眠剤。例:利尿剤、Ca拮抗薬、βブロッカー(ARBはEDを改善、BPH治療薬のαブロッカーは射精障害を起こすがEDは起こさない)
・リスクファクター:肥満、SAS(夜間の勃起障害→酸素化不良)、運動不足、喫煙、年齢、糖尿病、高血圧、テストステロン低下、慢性腎臓病、鬱、抗鬱薬、薬物、パーキンソン病や脳卒中などの神経疾患
☆ED治療薬
・陰茎海綿体に分布するPDE5を阻害し陰茎海綿体動脈の血管拡張を促す。
・1993年にバイアグラ(シルデナフィル)、2004年にレビトラ(バルデナフィル)、2007年にシアリス(タダラフィル)が承認。
・バイアグラはファイザーより1998年に承認され、日本以外では100mgまで販売されている。日本は50mgまで認められており、通常は50mgを服用する。
・バイアグラ25mgから開始:CYP3A4代謝の薬剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、シメチジン)、抗HIV薬/抗真菌薬、65歳以上、CCr30以下、Child-PughB以上、αブロッカー
・バイアグラ50mgが効かない時はレビトラ20mgやシアリス20mgに切り替えを考える(ED薬の強さ:バイアグラ100mg>シアリス20mg>レビトラ20mg>バイアグラ50mg)。
・勃起の硬さが不足すると感度が増え早漏になるが、レビトラにはバイアグラやシアリスより早漏改善効果がある。ただし早漏治療薬のダポキセチンには及ばない。
・レビトラの通常量は10mgで即効性があり、20mgまで増量でき、バイアグラ同様のED改善効果が期待できる。65歳以上にはレビトラ20mgの適用は無し。
・65歳以上にはレビトラ20mgは処方できないので、進行したEDの65歳以上ではシアリス20mg、バイアグラ100mgを使う。
・アドシルカは肺高血圧症の治療薬で40mgを1日1回、ザルティアは前立腺肥大に対する治療薬で用法は5mg1日1回である。成分はシアリスと同じタダラフィルである(シアリスは1日2回=40mg/dayまで投与可能)。
・きちんと前立腺肥大と診断されないと保険診療でザルティアを処方してもらうのは難しい状況である。
・1番新しい薬であるシアリスの通常量は10mgである。副作用が最も少ない。
・DMにより動脈硬化が進行し重度のEDがある場合はシアリス20mgにする。
・シアリスは"だけED"どの心因性に効果的である。効果の発現に若干の個人差があることに注意。
・3剤とも心血管イベントの発生率はプラセボと優位差なし。降圧薬との併用もOK。
☆ED治療薬の持続時間
・効果発現までの時間はバイアグラが30分~1時間、レビトラが10分~30分、シアリスが1~2時間。
・効果持続時間はバイアグラが3~6時間、レビトラが5~8時間、シアリスが30~36時間。
・食事やアルコールの影響はバイアグラやレビトラが受けるのに対し、シアリスはほとんど受けないとされている。
・シアリスは1時間後に効き始め、3時間後がピーク、30~36時間続くため、金曜の夜に内服しておけば日曜まで続くためウィークエンドピルと言われている。
☆副作用
①重篤なもの:
1)NAION(non-arteric anterior ischemic optic neuropathy):突然の無痛性の視野欠損。50歳以上で2-10/10万人に生じる。
2)突発性難聴
3)前立腺癌術後のPSA再発
4)メラノーマ(紫外線と同じハザード比で交絡因子の可能性)
5)持続性勃起症:服用後4時間以上続くなら泌尿器科受診が必要である。
②軽微なもの:
・顔のほてり、目の充血、頭痛、鼻づまり、青視症(視野が青色に見える)→全て自然軽快する。シアリスは副作用が少ない。
・顔のほてり、目の充血は効果発現のサイン、薬効が切れる頃に鼻づまりや目の奥の痛み、光過敏、青視症が認められるがすぐに改善する。
・その他、血流増加による蠕動運動上昇で胃部不快感(GERD)、下痢を認めることがある。結膜炎、腰痛などもあり。
・シアリスのみ背部痛(5%)を認めることがある(シアリスは骨格筋に分布するPDE11も阻害するため)。
☆禁忌、併用禁忌
・併用禁忌:硝酸薬(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)、クラスIIIの抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)、肺高血圧薬(リオシグアト)との併用は禁忌。
cf)ニプラジロール点眼液、ハイパジールコーワ点眼液にニプラジロールが含まれており、添付文書上はバイアグラと併用禁忌ではないが併用禁忌としているクリニックもある。
cf)メニエールにて処方されるイソバイドはイソソルビドだが、硝酸イソソルビドとは違うのでED薬は使用可能。
・禁忌:PDE5阻害薬そのものにアレルギーがある人、肝障害、心血管障害があり性行為そのものが禁止されている人、90/50mmHg以下の低血圧や170mmHg以上のコントロールされていない高血圧症、網膜色素変性症
・バイアグラやシアリスにはないレビトラの禁忌:先天性QT延長症候群、クラス1Aの抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、抗HIV薬、ケトコナゾールやイトラコナゾール、透析中。
☆服用上の注意
・性行為の1時間前に服用する。
・ED薬を飲んだだけでは勃起しない。ED薬服用後に性的興奮が加わる必要がある。
・アルコールはリラックス効果があるが、過度に飲酒すると神経伝達が悪くなるためほどほどにする。
・性欲には影響しない(催淫作用はない)。
・ED薬は5~6回使わないと効果にムラがあり、また食事の影響受けるので食事のタイミングを掴むためにも5~6回試す必要がある。
・必ず空腹時に服用すること、食後に服用するときは2~3時間あけて、また油ものは避けるようにする。
・食事をする場合は先に内服して吸収をさせてからにしておく。
・ED薬の効果が効かないのはアルコールの飲み過ぎや食後の服用が最も多い原因。
・シアリスは食事の影響は受けにくいが800kcal以上食べ過ぎると効果が減弱する。
・ED薬は直射日光にあてさえしなければ2年間は保存可能。
・持病で服用中ならお薬手帳で禁忌薬がないか確認する。
☆用法用量
・バイアグラ
1日1回25-50mgを性交の1時間前に服用(投与間隔は24時間)
65歳以上、肝障害、重度の腎障害(CCr<30ml/min)では25mgから開始
・レビトラ
1日1回10mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
65歳以上、中等度肝障害では5mgから開始し、上限は10mg・シアリス
1日1回10mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
軽度又は中等度肝障害では上限10mg中等度の腎障害では5mgから開始し上限10mg(投与間隔は48時間)
重度の腎障害では5mgが上限(投与間隔は48時間)
☆禁忌
・バイアグラの禁忌
本剤に過敏症の既往
硝酸剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)投与中
心血管障害により性行為が不適当
重度の肝機能障害
低血圧(90/50mmHg以下)又は無治療の高血圧(安静時収縮期170mmHg以上または安静時拡張期血圧100mmHg以上)
脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往が6ヶ月以内
網膜色素変性症
アミオダロン投与中
可溶性グアニル酸シクラーゼ(リオシグアト)投与中
・レビトラの禁忌
バイアグラの禁忌に以下を追加
先天性QT延長症候群、クラス1A抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、クラス3抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)
血液透析患者
不安定狭心症
CYP3A4を阻害する薬剤(リトナビル、インジナビル、アタザナビル、サキナビルメシル、ホスアンプレナビル、ロピナビル・リトナビル、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル、ダルナビル、テラプレビル、外用剤以外のケトコナゾール、イトラコナゾール、コビシスタット)
・シアリスの禁忌
バイアグラの禁忌とほぼ同じ(心筋梗塞の既往が6ヶ月→3ヶ月以内に変更あり)
☆EDとは
・性行為に満足できない状態が3ヶ月以上持続すること。
・患者数は全国1130万人。40代前半で20%、50代で40%、65以上で60%。
cf)AGAの患者数は全国1260万人。20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代で40%。
☆EDの原因
・器質性ED:
①DM,HL,HT→動脈硬化→陰茎海綿体動脈の拡張障害
②アルツハイマー、脳卒中、パーキンソン病、骨盤内手術(TUR-Pt術後では6-68%)による神経障害
③前立腺肥大症、前立腺癌、更年期(LOH症候群、アンドロゲン低下)
・心因性ED:ストレスなどによる現実心因性、トラウマによる深層心因性ED・薬剤性EDには、抗うつ薬、降圧剤、睡眠剤。例:利尿剤、Ca拮抗薬、βブロッカー(ARBはEDを改善、BPH治療薬のαブロッカーは射精障害を起こすがEDは起こさない)
・リスクファクター:肥満、SAS(夜間の勃起障害→酸素化不良)、運動不足、喫煙、年齢、糖尿病、高血圧、テストステロン低下、慢性腎臓病、鬱、抗鬱薬、薬物、パーキンソン病や脳卒中などの神経疾患
☆ED治療薬
・陰茎海綿体に分布するPDE5を阻害し陰茎海綿体動脈の血管拡張を促す。
・1993年にバイアグラ(シルデナフィル)、2004年にレビトラ(バルデナフィル)、2007年にシアリス(タダラフィル)が承認。
・バイアグラはファイザーより1998年に承認され、日本以外では100mgまで販売されている。日本は50mgまで認められており、通常は50mgを服用する。
・バイアグラ25mgから開始:CYP3A4代謝の薬剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、シメチジン)、抗HIV薬/抗真菌薬、65歳以上、CCr30以下、Child-PughB以上、αブロッカー
・バイアグラ50mgが効かない時はレビトラ20mgやシアリス20mgに切り替えを考える(ED薬の強さ:バイアグラ100mg>シアリス20mg>レビトラ20mg>バイアグラ50mg)。
・勃起の硬さが不足すると感度が増え早漏になるが、レビトラにはバイアグラやシアリスより早漏改善効果がある。ただし早漏治療薬のダポキセチンには及ばない。
・レビトラの通常量は10mgで即効性があり、20mgまで増量でき、バイアグラ同様のED改善効果が期待できる。65歳以上にはレビトラ20mgの適用は無し。
・65歳以上にはレビトラ20mgは処方できないので、進行したEDの65歳以上ではシアリス20mg、バイアグラ100mgを使う。
・アドシルカは肺高血圧症の治療薬で40mgを1日1回、ザルティアは前立腺肥大に対する治療薬で用法は5mg1日1回である。成分はシアリスと同じタダラフィルである(シアリスは1日2回=40mg/dayまで投与可能)。
・きちんと前立腺肥大と診断されないと保険診療でザルティアを処方してもらうのは難しい状況である。
・1番新しい薬であるシアリスの通常量は10mgである。副作用が最も少ない。
・DMにより動脈硬化が進行し重度のEDがある場合はシアリス20mgにする。
・シアリスは"だけED"どの心因性に効果的である。効果の発現に若干の個人差があることに注意。
・3剤とも心血管イベントの発生率はプラセボと優位差なし。降圧薬との併用もOK。
☆ED治療薬の持続時間
・効果発現までの時間はバイアグラが30分~1時間、レビトラが10分~30分、シアリスが1~2時間。
・効果持続時間はバイアグラが3~6時間、レビトラが5~8時間、シアリスが30~36時間。
・食事やアルコールの影響はバイアグラやレビトラが受けるのに対し、シアリスはほとんど受けないとされている。
・シアリスは1時間後に効き始め、3時間後がピーク、30~36時間続くため、金曜の夜に内服しておけば日曜まで続くためウィークエンドピルと言われている。
☆副作用
①重篤なもの:
1)NAION(non-arteric anterior ischemic optic neuropathy):突然の無痛性の視野欠損。50歳以上で2-10/10万人に生じる。
2)突発性難聴
3)前立腺癌術後のPSA再発
4)メラノーマ(紫外線と同じハザード比で交絡因子の可能性)
5)持続性勃起症:服用後4時間以上続くなら泌尿器科受診が必要である。
②軽微なもの:
・顔のほてり、目の充血、頭痛、鼻づまり、青視症(視野が青色に見える)→全て自然軽快する。シアリスは副作用が少ない。
・顔のほてり、目の充血は効果発現のサイン、薬効が切れる頃に鼻づまりや目の奥の痛み、光過敏、青視症が認められるがすぐに改善する。
・その他、血流増加による蠕動運動上昇で胃部不快感(GERD)、下痢を認めることがある。結膜炎、腰痛などもあり。
・シアリスのみ背部痛(5%)を認めることがある(シアリスは骨格筋に分布するPDE11も阻害するため)。
☆禁忌、併用禁忌
・併用禁忌:硝酸薬(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)、クラスIIIの抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)、肺高血圧薬(リオシグアト)との併用は禁忌。
cf)ニプラジロール点眼液、ハイパジールコーワ点眼液にニプラジロールが含まれており、添付文書上はバイアグラと併用禁忌ではないが併用禁忌としているクリニックもある。
cf)メニエールにて処方されるイソバイドはイソソルビドだが、硝酸イソソルビドとは違うのでED薬は使用可能。
・禁忌:PDE5阻害薬そのものにアレルギーがある人、肝障害、心血管障害があり性行為そのものが禁止されている人、90/50mmHg以下の低血圧や170mmHg以上のコントロールされていない高血圧症、網膜色素変性症
・バイアグラやシアリスにはないレビトラの禁忌:先天性QT延長症候群、クラス1Aの抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、抗HIV薬、ケトコナゾールやイトラコナゾール、透析中。
☆服用上の注意
・性行為の1時間前に服用する。
・ED薬を飲んだだけでは勃起しない。ED薬服用後に性的興奮が加わる必要がある。
・アルコールはリラックス効果があるが、過度に飲酒すると神経伝達が悪くなるためほどほどにする。
・性欲には影響しない(催淫作用はない)。
・ED薬は5~6回使わないと効果にムラがあり、また食事の影響受けるので食事のタイミングを掴むためにも5~6回試す必要がある。
・必ず空腹時に服用すること、食後に服用するときは2~3時間あけて、また油ものは避けるようにする。
・食事をする場合は先に内服して吸収をさせてからにしておく。
・ED薬の効果が効かないのはアルコールの飲み過ぎや食後の服用が最も多い原因。
・シアリスは食事の影響は受けにくいが800kcal以上食べ過ぎると効果が減弱する。
・ED薬は直射日光にあてさえしなければ2年間は保存可能。
・持病で服用中ならお薬手帳で禁忌薬がないか確認する。
☆用法用量
・バイアグラ
1日1回25-50mgを性交の1時間前に服用(投与間隔は24時間)
65歳以上、肝障害、重度の腎障害(CCr<30ml/min)では25mgから開始
・レビトラ
1日1回10mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
65歳以上、中等度肝障害では5mgから開始し、上限は10mg・シアリス
1日1回10mgを性交の1時間前に服用、効果ないときは20mgに増量(投与間隔は24時間)
軽度又は中等度肝障害では上限10mg中等度の腎障害では5mgから開始し上限10mg(投与間隔は48時間)
重度の腎障害では5mgが上限(投与間隔は48時間)
☆禁忌
・バイアグラの禁忌
本剤に過敏症の既往
硝酸剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)投与中
心血管障害により性行為が不適当
重度の肝機能障害
低血圧(90/50mmHg以下)又は無治療の高血圧(安静時収縮期170mmHg以上または安静時拡張期血圧100mmHg以上)
脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往が6ヶ月以内
網膜色素変性症
アミオダロン投与中
可溶性グアニル酸シクラーゼ(リオシグアト)投与中
・レビトラの禁忌
バイアグラの禁忌に以下を追加
先天性QT延長症候群、クラス1A抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド)、クラス3抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール)
血液透析患者
不安定狭心症
CYP3A4を阻害する薬剤(リトナビル、インジナビル、アタザナビル、サキナビルメシル、ホスアンプレナビル、ロピナビル・リトナビル、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル、ダルナビル、テラプレビル、外用剤以外のケトコナゾール、イトラコナゾール、コビシスタット)
・シアリスの禁忌
バイアグラの禁忌とほぼ同じ(心筋梗塞の既往が6ヶ月→3ヶ月以内に変更あり)
AGAについて
<AGAについて>
☆AGAとは
・Androgenetic Alopecia=Androgen(男性ホルモン)+genetic(遺伝)を背景にした薄毛。
・毛乳頭からの血流を受け、毛母細胞が分裂増殖し角化したものが毛髪となる。1か月に1cm伸びる。
・毛髪サイクルは休止期は3~4ヶ月、成長期は2~6年、退行期は2週間。AGAでは成長期が数ヶ月から1年に短縮される。
・AGAの患者数は全国1260万人。20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代で40%。
cf)EDの患者数は全国1130万人。40代前半で20%、50代で40%、65以上で60%。
☆AGAの原因
・AGAの原因は、男性ホルモン(DHT)の増加、遺伝、血流の悪化。
・DHTは生え際、頭頂部のAGAの原因、血流は頭頂部、前頭部のAGAの主な原因。
・テストステロン(Testosterone, TST)が5α還元酵素により、ジヒドロテストステロン(Dihydrotestosterone, DHT)に代謝されてDHTが毛乳頭の核内のreceptorに結合しDKK-1,PGFβを合成し毛乳頭を障害し発症。
・遺伝は原因遺伝子がX染色体上にあるため母親からの遺伝による影響が強い(母方家系にAGAがいなかったか?)。
☆AGA治療の考え方
・男性ホルモンを抑制:プロペシア(フィナステリド)、ザガーロ(デュタステリド)
・頭皮の血流改善:禁煙、ロゲイン(ミノキシジル)、カロヤン(アロビックス)
・頭皮環境を整える:ケトコナゾールシャンプー
・生活環境の改善、頭皮への栄養:規則正しい生活、毛髪の栄養分である亜鉛、ビタミンB郡、ビタミンC、セレン等の摂取、ヘアパック等のヘアケア
・6ヶ月を目安にして治療効果を判定する。
・5α還元酵素阻害薬は3年での改善(維持を含む)は98%以上の効果。しかし著名な効果は2-6%にとどまるため、ミノキシジルと併用することが重要。
・ガイドラインでは軽症AGAに対しては推奨度C1の育毛剤もしくは5%ミノキシジルand/orフィナステリド。重症AGAに関しては5%ミノキシジルとフィナステリドを1年間投与。1年間の治療後に植毛やかつらの考慮。
・ガイドラインの推奨度Aはプロペシア、ザガーロ、ミノキシジル外用。アデノシン外用はB、ミノキシジルタブレットはD。
・早めに治療しないと毛組織の瘢痕化が生じてからでは遅い。
☆AGA以外の薄毛の原因:
円形脱毛症、ケルスス禿瘡、脂漏性脱毛症、薬剤性脱毛症、妊娠脱毛症
cf)額の生え際、頭頂部以外から脱毛が始まった場合は別の脱毛症の可能性がある
☆5α還元酵素阻害薬
・プロペシア(フィナステリド)はMSD社より2005年から発売。1日1回1錠内服。
・ザガーロ(デュタステリド)はもともとグラクソスミスクライン社(GSK社)から2001年(日本は2009年)に同成分のアボルブが前立腺肥大症治療薬として100カ国以上で販売されており、2015年からAGA治療薬としてザガーロとして承認された。
・5α還元酵素が存在するのは皮膚(毛根、皮脂腺)、肝臓、前立腺。サブタイプが2つあり、皮膚や肝臓では1型が優位、前立腺では2型が優位に存在する。
・デュタステリドはフィナステリドが作用しない1型5α還元酵素を阻害する上、2型5α還元酵素も約3倍阻害するため、DHTをより強力に抑制する。デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgの1.6倍の発毛効果があり、維持よりも発毛効果が認められる。
・24週間後の毛髪量の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mg>プロペシア1mg 24週間後の毛髪径の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mg=プロペシア1mg・ザガーロ0.1mgより開始し様子を見て0.5mgに増量する。ただしプロペシア1mgからの切り替えはザガーロ0.5mgで良い。
・1年では6割、2年で7割、3年で8割の効果。長期使用によって効果が上がる。
☆5α還元酵素阻害薬の副作用
・プロペシアの副作用は性欲減退(1%、プラセボと有意差なし)、ED(0.7%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
・ザガーロの副作用は性欲減退(4%)、ED(4%)、性欲減少(1%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
☆併用注意
・ザガーロは肝臓でチトクロームP450(CYP3A4)で代謝されるため同じチトクロームP450で代謝されるリトナビルやCa拮抗薬の併用でクリアランスが低下する(つまり血中濃度上昇する)。
☆服用上の注意
・治療開始後2~6週に初期脱毛を生じることがある(休止期の毛髪が脱落し新たな発毛が起こるため)。
・3-6ヶ月でPSAを半減させるため前立腺癌を見落とす可能性があり、5α還元酵素阻害薬投与中は健診時に申告すること。
・処方前にcontrolとしてPSAを測定するとよい。処方中低下したPSAが再上昇または処方中全く低下せず上昇する場合には前立腺癌の除外が必要。
・PSAの低下はプロペシアでは中止すれば2ヶ月で正常化。ザガーロは6ヶ月で正常化するが、1年以上持続することもある。
・プロペシアは献血の際には1ヵ月の休薬が必要。ザガーロは6か月の休薬が必要。
・ザガーロの禁忌はザガーロに対するアレルギーのある患者、妊産婦、小児、重度の肝障害のある患者、安全性の確立されていない20歳未満。
・プロペシアが効かない原因として、毎日きちんと服用できていない、治療開始6か月以内である、AGAの程度が強いなどが考えられる。
・AGAの程度が強い場合はミノキシジル内服の併用の追加や、より強力なザガーロに変更する。
・ザガーロは脱カプセルで経費吸収されるため、女性や小児に触れさせてはいけない。妊婦が触れると経費吸収され胎児の生殖器奇形のリスクがある。しかし精子を介した暴露でもリスクは指摘されてはいるが可能性は低い。しかしリスクはゼロでは無いため12~20週で体内から排泄されるため、子作りをする場合は12~20週前から休薬する。休薬をする間もAGA治療する場合はミノキシジルタブレットを使う。
☆ロゲイン
・ロゲインはミノキシジルを主成分とする外用薬で、血管拡張作用があり、毛乳頭への血流を改善し、IGF-1やVEGFを産生する。
・プロペシアやザガーロと併用すると効果がある。1%、2%、5%含有のものがあり、副作用の頻度は変わらないので5%が良い。1日2回直接頭皮に塗布する。
・3ヶ月で改善効果があるが、その前に初期脱毛を生じることがあるので6か月は継続する。
・副作用は頭皮のかゆみ、ふけ、発疹、かぶれ、低血圧、性欲減退、手足のむくみなど。
・心血管障害がある場合は担当医と相談をする。アデノシン外用は心血管障害があっても使用できる。
・大正製薬のリアップx5はもともとはロゲインのジェネリックである。アメリカのポラリスリサーチラボラトリーズ社から最高16%のミノキシジルローションが発売されている。
☆ミノキシジルタブレット
・ミノキシジルタブレット(ミノタブ)はもともとファイザーが高血圧治療薬として開発したが、多毛症が認められたため発毛剤として発売された。外用よりも効果が大きく、1日5mgを分1~2で投与する。3~4ヶ月で改善効果が認められる。
・ただし、もともとは降圧薬なので急激な血圧低下や浮腫を生じる可能性がありガイドラインの推奨度はD。
・毛髪のこしを強くするミノキシジル、発毛されやすくするのはプロペシアとザガーロで特に前頭部や生え際の発毛に効果がある。
・ミノキシジル内服と外用の併用も可能である。
・ミノキシジルタブレットの副作用は体毛の増加、吐き気、嘔吐、腹痛、性欲減退、血圧低下、むくみなどが報告されている。副作用のうち多毛が最多でむくみは400例中2例しか報告されていない。
・ミノタブはもともと高血圧治療薬なのでアルコール併用でさらに血圧低下をきたすので注意する。
・ミノタブを水に溶かして頭皮に塗っても効果はなし。
☆アロビックス
・アロビックス(塩化カルプロニウム)はカロヤンが第一三共から1から2%の濃度で発売されているがアロビックスは5%である。ただしガイドラインではC1。1日2~3回頭皮に塗布する。
・副作用は局所発汗、かゆみ、刺激痛、熱感など。
☆用法用量
・プロペシア
1日1回0.2mg、必要に応じて1mgまで増量
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
・ザガーロ
1日1回0.1mg、必要に応じて0.5mgまで増量
カプセルは噛んだり開けたりせず服用
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
☆禁忌
・プロペシアの禁忌
本剤に過敏症ある場合
妊婦、妊娠の可能性のある女性、授乳中
・ザガーロの禁忌
本剤及び5α還元酵素阻害剤に過敏症がある場合
女性
小児
重度の肝機能異常
☆AGAとは
・Androgenetic Alopecia=Androgen(男性ホルモン)+genetic(遺伝)を背景にした薄毛。
・毛乳頭からの血流を受け、毛母細胞が分裂増殖し角化したものが毛髪となる。1か月に1cm伸びる。
・毛髪サイクルは休止期は3~4ヶ月、成長期は2~6年、退行期は2週間。AGAでは成長期が数ヶ月から1年に短縮される。
・AGAの患者数は全国1260万人。20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代で40%。
cf)EDの患者数は全国1130万人。40代前半で20%、50代で40%、65以上で60%。
☆AGAの原因
・AGAの原因は、男性ホルモン(DHT)の増加、遺伝、血流の悪化。
・DHTは生え際、頭頂部のAGAの原因、血流は頭頂部、前頭部のAGAの主な原因。
・テストステロン(Testosterone, TST)が5α還元酵素により、ジヒドロテストステロン(Dihydrotestosterone, DHT)に代謝されてDHTが毛乳頭の核内のreceptorに結合しDKK-1,PGFβを合成し毛乳頭を障害し発症。
・遺伝は原因遺伝子がX染色体上にあるため母親からの遺伝による影響が強い(母方家系にAGAがいなかったか?)。
☆AGA治療の考え方
・男性ホルモンを抑制:プロペシア(フィナステリド)、ザガーロ(デュタステリド)
・頭皮の血流改善:禁煙、ロゲイン(ミノキシジル)、カロヤン(アロビックス)
・頭皮環境を整える:ケトコナゾールシャンプー
・生活環境の改善、頭皮への栄養:規則正しい生活、毛髪の栄養分である亜鉛、ビタミンB郡、ビタミンC、セレン等の摂取、ヘアパック等のヘアケア
・6ヶ月を目安にして治療効果を判定する。
・5α還元酵素阻害薬は3年での改善(維持を含む)は98%以上の効果。しかし著名な効果は2-6%にとどまるため、ミノキシジルと併用することが重要。
・ガイドラインでは軽症AGAに対しては推奨度C1の育毛剤もしくは5%ミノキシジルand/orフィナステリド。重症AGAに関しては5%ミノキシジルとフィナステリドを1年間投与。1年間の治療後に植毛やかつらの考慮。
・ガイドラインの推奨度Aはプロペシア、ザガーロ、ミノキシジル外用。アデノシン外用はB、ミノキシジルタブレットはD。
・早めに治療しないと毛組織の瘢痕化が生じてからでは遅い。
☆AGA以外の薄毛の原因:
円形脱毛症、ケルスス禿瘡、脂漏性脱毛症、薬剤性脱毛症、妊娠脱毛症
cf)額の生え際、頭頂部以外から脱毛が始まった場合は別の脱毛症の可能性がある
☆5α還元酵素阻害薬
・プロペシア(フィナステリド)はMSD社より2005年から発売。1日1回1錠内服。
・ザガーロ(デュタステリド)はもともとグラクソスミスクライン社(GSK社)から2001年(日本は2009年)に同成分のアボルブが前立腺肥大症治療薬として100カ国以上で販売されており、2015年からAGA治療薬としてザガーロとして承認された。
・5α還元酵素が存在するのは皮膚(毛根、皮脂腺)、肝臓、前立腺。サブタイプが2つあり、皮膚や肝臓では1型が優位、前立腺では2型が優位に存在する。
・デュタステリドはフィナステリドが作用しない1型5α還元酵素を阻害する上、2型5α還元酵素も約3倍阻害するため、DHTをより強力に抑制する。デュタステリド0.5mgはフィナステリド1mgの1.6倍の発毛効果があり、維持よりも発毛効果が認められる。
・24週間後の毛髪量の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mg>プロペシア1mg 24週間後の毛髪径の増加ではザガーロ0.5mg>ザガーロ0.1mg=プロペシア1mg・ザガーロ0.1mgより開始し様子を見て0.5mgに増量する。ただしプロペシア1mgからの切り替えはザガーロ0.5mgで良い。
・1年では6割、2年で7割、3年で8割の効果。長期使用によって効果が上がる。
☆5α還元酵素阻害薬の副作用
・プロペシアの副作用は性欲減退(1%、プラセボと有意差なし)、ED(0.7%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
・ザガーロの副作用は性欲減退(4%)、ED(4%)、性欲減少(1%)、肝障害(食欲不振や全身倦怠感)。
☆併用注意
・ザガーロは肝臓でチトクロームP450(CYP3A4)で代謝されるため同じチトクロームP450で代謝されるリトナビルやCa拮抗薬の併用でクリアランスが低下する(つまり血中濃度上昇する)。
☆服用上の注意
・治療開始後2~6週に初期脱毛を生じることがある(休止期の毛髪が脱落し新たな発毛が起こるため)。
・3-6ヶ月でPSAを半減させるため前立腺癌を見落とす可能性があり、5α還元酵素阻害薬投与中は健診時に申告すること。
・処方前にcontrolとしてPSAを測定するとよい。処方中低下したPSAが再上昇または処方中全く低下せず上昇する場合には前立腺癌の除外が必要。
・PSAの低下はプロペシアでは中止すれば2ヶ月で正常化。ザガーロは6ヶ月で正常化するが、1年以上持続することもある。
・プロペシアは献血の際には1ヵ月の休薬が必要。ザガーロは6か月の休薬が必要。
・ザガーロの禁忌はザガーロに対するアレルギーのある患者、妊産婦、小児、重度の肝障害のある患者、安全性の確立されていない20歳未満。
・プロペシアが効かない原因として、毎日きちんと服用できていない、治療開始6か月以内である、AGAの程度が強いなどが考えられる。
・AGAの程度が強い場合はミノキシジル内服の併用の追加や、より強力なザガーロに変更する。
・ザガーロは脱カプセルで経費吸収されるため、女性や小児に触れさせてはいけない。妊婦が触れると経費吸収され胎児の生殖器奇形のリスクがある。しかし精子を介した暴露でもリスクは指摘されてはいるが可能性は低い。しかしリスクはゼロでは無いため12~20週で体内から排泄されるため、子作りをする場合は12~20週前から休薬する。休薬をする間もAGA治療する場合はミノキシジルタブレットを使う。
☆ロゲイン
・ロゲインはミノキシジルを主成分とする外用薬で、血管拡張作用があり、毛乳頭への血流を改善し、IGF-1やVEGFを産生する。
・プロペシアやザガーロと併用すると効果がある。1%、2%、5%含有のものがあり、副作用の頻度は変わらないので5%が良い。1日2回直接頭皮に塗布する。
・3ヶ月で改善効果があるが、その前に初期脱毛を生じることがあるので6か月は継続する。
・副作用は頭皮のかゆみ、ふけ、発疹、かぶれ、低血圧、性欲減退、手足のむくみなど。
・心血管障害がある場合は担当医と相談をする。アデノシン外用は心血管障害があっても使用できる。
・大正製薬のリアップx5はもともとはロゲインのジェネリックである。アメリカのポラリスリサーチラボラトリーズ社から最高16%のミノキシジルローションが発売されている。
☆ミノキシジルタブレット
・ミノキシジルタブレット(ミノタブ)はもともとファイザーが高血圧治療薬として開発したが、多毛症が認められたため発毛剤として発売された。外用よりも効果が大きく、1日5mgを分1~2で投与する。3~4ヶ月で改善効果が認められる。
・ただし、もともとは降圧薬なので急激な血圧低下や浮腫を生じる可能性がありガイドラインの推奨度はD。
・毛髪のこしを強くするミノキシジル、発毛されやすくするのはプロペシアとザガーロで特に前頭部や生え際の発毛に効果がある。
・ミノキシジル内服と外用の併用も可能である。
・ミノキシジルタブレットの副作用は体毛の増加、吐き気、嘔吐、腹痛、性欲減退、血圧低下、むくみなどが報告されている。副作用のうち多毛が最多でむくみは400例中2例しか報告されていない。
・ミノタブはもともと高血圧治療薬なのでアルコール併用でさらに血圧低下をきたすので注意する。
・ミノタブを水に溶かして頭皮に塗っても効果はなし。
☆アロビックス
・アロビックス(塩化カルプロニウム)はカロヤンが第一三共から1から2%の濃度で発売されているがアロビックスは5%である。ただしガイドラインではC1。1日2~3回頭皮に塗布する。
・副作用は局所発汗、かゆみ、刺激痛、熱感など。
☆用法用量
・プロペシア
1日1回0.2mg、必要に応じて1mgまで増量
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
・ザガーロ
1日1回0.1mg、必要に応じて0.5mgまで増量
カプセルは噛んだり開けたりせず服用
効果が確認できるまで6か月の連日投与が必要
☆禁忌
・プロペシアの禁忌
本剤に過敏症ある場合
妊婦、妊娠の可能性のある女性、授乳中
・ザガーロの禁忌
本剤及び5α還元酵素阻害剤に過敏症がある場合
女性
小児
重度の肝機能異常
<薬剤メモ 目次>
便秘(サブイレウス/麻痺性イレウス)
尿閉
水様性下痢(IBSも含む)
不眠
痙攣
不穏/せん妄
発熱(38.5℃以上の時)
疼痛(体重50kgあたり)/帯状疱疹後神経痛
片頭痛/群発頭痛
胃痛(FDも含む)
耳痛/頬痛
咽頭痛/感冒(かぜ)/咳/痰
インフルエンザ
肺炎
鎮静(体重50㎏)
蕁麻疹/帯状疱疹
吐血/黒色便
急性膵炎
血便
貧血
嘔気/嘔吐/麻痺性イレウス
回転性眩暈
動悸(PSVT,pAf)
動悸(脈ありVT)
徐脈
CPA心原性ショック
敗血症性ショック
アナフィラキシーショック
DIC胸痛
高血圧
脳梗塞
ASO高血糖
低血糖
低K血症
高K血症
低Na血症
呼吸困難(心不全)
呼吸困難(喘息/COPD)
呼吸困難(肺塞栓)
髄膜炎
ドライアイ
結膜炎
創傷/褥瘡
熱傷
打撲
PPN/TPN(IVH)
PPN/TPN(腎不全)
PPN(肝不全)
強化インスリン療法(スケールも含む)
経口血糖降下薬
高脂血症
高尿酸血症
慢性心不全経口薬
慢性心房細動
大腸検査前
骨粗鬆症
花粉症
DKA緩和ケア
経腸栄養(PEGやNGから投与する栄養)/PEG増設時のパス
ピロリ除菌療法
軟膏
低蛋白血症、腹水(肝硬変、がん末期)
ERCP時のパス
造影剤
服用時間の略語
逆流性食道炎
よく使われる漢方
シップ
認知症
鼻出血/血尿/喀血
夜間頻尿
ESD時のパス
ステロイドミニ"ミニ"パルス
療養病院での抗生剤の使い方
便秘(サブイレウス/麻痺性イレウス)
尿閉
水様性下痢(IBSも含む)
不眠
痙攣
不穏/せん妄
発熱(38.5℃以上の時)
疼痛(体重50kgあたり)/帯状疱疹後神経痛
片頭痛/群発頭痛
胃痛(FDも含む)
耳痛/頬痛
咽頭痛/感冒(かぜ)/咳/痰
インフルエンザ
肺炎
鎮静(体重50㎏)
蕁麻疹/帯状疱疹
吐血/黒色便
急性膵炎
血便
貧血
嘔気/嘔吐/麻痺性イレウス
回転性眩暈
動悸(PSVT,pAf)
動悸(脈ありVT)
徐脈
CPA心原性ショック
敗血症性ショック
アナフィラキシーショック
DIC胸痛
高血圧
脳梗塞
ASO高血糖
低血糖
低K血症
高K血症
低Na血症
呼吸困難(心不全)
呼吸困難(喘息/COPD)
呼吸困難(肺塞栓)
髄膜炎
ドライアイ
結膜炎
創傷/褥瘡
熱傷
打撲
PPN/TPN(IVH)
PPN/TPN(腎不全)
PPN(肝不全)
強化インスリン療法(スケールも含む)
経口血糖降下薬
高脂血症
高尿酸血症
慢性心不全経口薬
慢性心房細動
大腸検査前
骨粗鬆症
花粉症
DKA緩和ケア
経腸栄養(PEGやNGから投与する栄養)/PEG増設時のパス
ピロリ除菌療法
軟膏
低蛋白血症、腹水(肝硬変、がん末期)
ERCP時のパス
造影剤
服用時間の略語
逆流性食道炎
よく使われる漢方
シップ
認知症
鼻出血/血尿/喀血
夜間頻尿
ESD時のパス
ステロイドミニ"ミニ"パルス
療養病院での抗生剤の使い方
便秘(サブイレウス/麻痺性イレウス)
☆便秘(サブイレウス/麻痺性イレウス)
便秘時の指示:便秘2日目でレシカルボン座薬、3日目でラキソベロン内服etc・ケンエーG浣腸50% 60ml 1個
直腸付近の便秘に。
・ラキソベロン10ml 1回10-15滴をコップ一杯の水で薄めて飲んでください。
4分の1以上の服用で下痢になる。腸内細菌叢で分解され腸管刺激作用。
・330mgマグラックス錠(カマグ)6錠分3 水を吸収し、増大することで腸管蠕動を亢進させる。9錠分3まで増量可能。Mg濃度をフォローする。
cf)無効な場合は、大建中湯、D-ソルビトール、アミティーザ25μg1T/1x~2T/2xで対処。直腸にあるのであればGE浣腸を複数回かけて摘便する。
・フォルセニド12-24㎎分1・センノシド(アローゼン)1g分1 腸内細菌により腸管刺激物に変化。12時間持続するので就寝前に服用し、翌朝排便。IBSなどには使わない。
・新レシカルボン坐薬1個
・麻子仁丸3包分3(食間か食前)が有効なことあり
・大建中湯15g分3食前
イレウスの再発予防に。
・ラクツロース30ml分3・D-ソルビトール5g分2 腎不全の便秘時に便を軟便化する。ラキソベロン、プルゼニドも使用可能。透析導入が必要な腎不全時にマグラックスは不可。
注)
センノシド→大建中湯併用→ラキソベロン10滴→15滴→半分⇒無効ならCSをすること。
cf)・マグコロールは透析でなければ腎機能あまり気にしなくて良い。
・ニフレックは内圧が上昇するので注意。イレウス疑いの人には使わない。
・ラキソベロンは時に虚血性腸炎になり得る。既往のある人には使わない。
cf)向精神病薬内服中の頑固な便秘や腹部膨満
・マグミット(330)6T/3x・大建中湯15g/3x・アミティーザカプセル24μg 2C/2x朝夕
・ワゴスチグミン散(0.5%)20mg/2x朝夕
・ラキソベロン2.5mg 2Tネ前
(パントシンやラクツロースなども有効)
<サブイレウス/麻痺性イレウス>
・パントール250mg/1ml 1A+生食100mlを1日1~3回(最大500mgを1日3回)
cf)癒着性イレウスの手術適応の判断
癒着性イレウスに対し、NGチューブから胃内容物を吸引した後に、ガストログラフィンを50-100ml注入し、6-24時間後に撮影し、右横行結腸に造影剤が認められれば、感度92%、特異度93%で手術治療なしで治療可能と判断できる。
便秘時の指示:便秘2日目でレシカルボン座薬、3日目でラキソベロン内服etc・ケンエーG浣腸50% 60ml 1個
直腸付近の便秘に。
・ラキソベロン10ml 1回10-15滴をコップ一杯の水で薄めて飲んでください。
4分の1以上の服用で下痢になる。腸内細菌叢で分解され腸管刺激作用。
・330mgマグラックス錠(カマグ)6錠分3 水を吸収し、増大することで腸管蠕動を亢進させる。9錠分3まで増量可能。Mg濃度をフォローする。
cf)無効な場合は、大建中湯、D-ソルビトール、アミティーザ25μg1T/1x~2T/2xで対処。直腸にあるのであればGE浣腸を複数回かけて摘便する。
・フォルセニド12-24㎎分1・センノシド(アローゼン)1g分1 腸内細菌により腸管刺激物に変化。12時間持続するので就寝前に服用し、翌朝排便。IBSなどには使わない。
・新レシカルボン坐薬1個
・麻子仁丸3包分3(食間か食前)が有効なことあり
・大建中湯15g分3食前
イレウスの再発予防に。
・ラクツロース30ml分3・D-ソルビトール5g分2 腎不全の便秘時に便を軟便化する。ラキソベロン、プルゼニドも使用可能。透析導入が必要な腎不全時にマグラックスは不可。
注)
センノシド→大建中湯併用→ラキソベロン10滴→15滴→半分⇒無効ならCSをすること。
cf)・マグコロールは透析でなければ腎機能あまり気にしなくて良い。
・ニフレックは内圧が上昇するので注意。イレウス疑いの人には使わない。
・ラキソベロンは時に虚血性腸炎になり得る。既往のある人には使わない。
cf)向精神病薬内服中の頑固な便秘や腹部膨満
・マグミット(330)6T/3x・大建中湯15g/3x・アミティーザカプセル24μg 2C/2x朝夕
・ワゴスチグミン散(0.5%)20mg/2x朝夕
・ラキソベロン2.5mg 2Tネ前
(パントシンやラクツロースなども有効)
<サブイレウス/麻痺性イレウス>
・パントール250mg/1ml 1A+生食100mlを1日1~3回(最大500mgを1日3回)
cf)癒着性イレウスの手術適応の判断
癒着性イレウスに対し、NGチューブから胃内容物を吸引した後に、ガストログラフィンを50-100ml注入し、6-24時間後に撮影し、右横行結腸に造影剤が認められれば、感度92%、特異度93%で手術治療なしで治療可能と判断できる。
尿閉
水様性下痢(IBSも含む)
<注意!!>
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
・小児や若年者で感冒様症状や胃腸炎症状で独歩来院する心筋炎がある。見逃すと劇症化し突然死することがある(劇症型心筋炎)。
・収縮期血圧低下、心電図変化、CPK上昇、AG増大のアシドーシスを認める。
・劇症型心筋炎の15%程度は悪心を、5-6%は下痢を伴うことがある。
cf)細菌性かウィルス性か判別つかないときは抗生剤を1~2日分くらい出した方がいいかもしれない(風邪症状や下痢の時)。
☆水様性下痢(IBSも含む)
急性胃腸炎:
・ミヤBM 3g分3・ロペラミド塩酸塩カプセル1mg(ロペミン)2C 朝夕毎食後
・ホスミシン500mg3錠分3~4錠分4 39度以上の発熱、濃粘血便、激しい腹痛、しぶり腹のどれかがあるとき。重篤であれば便培養とセキリアメーバAB:FAも提出。便ロタウィルス(迅速)や血中ノロウィルス抗原(迅速)。
cf)ノロウィルスの隔離解除は下痢消失2~3日
・ブスコパン20mg2%1ml 1A(ショットはしないこと。50ml以上の生食に溶かして点滴する)
急性胃腸炎の腹痛時。静注では頻脈きたすことあり。筋注の方がよい。ラクテック500ml点注でもよい。喘息の既往あれば使わない。
・プリンペラン10mg/2ml 1A(ショットでも可だがdyskinesia起こすことあり。生食20mlに希釈して静注がbetter。)
嘔気時。
・抗生剤使用時の水様性下痢はCDIを疑う:
①抗生剤の中止
②既往があるならミヤBMやビオフェルミンR(Rなしは無効)、レベニンの事前投与
③マクロライド、ニューキノロンへの変更
④メトロニダゾール(フラジール) 250 mg 4錠分4
⑤VCM500mg~2gを単シロップ4mlと精性水36mlに溶いて分4で内服
CD-1毒素陽性、CD-1抗原陽性の時。経口摂取困難の時はNGtubeから投与。
注意)CDIにフラジールかバンコマイシンか
・軽度から中等度のCDIに対してはメトロニダゾール
・65歳以上で再発のリスクがある、抗菌薬をCDIの初発以後30日間に使用する場合には、初発時からバンコマイシンを投与
・これらのリスクがない場合には、奏効率と再発率においてバンコマイシンと差はなく、薬価も低いメトロニダゾールを投与
・大建中湯、マグミット、エレンタール、ラクツロースなど下痢になる内服の中止。
過敏性腸症候群(IBS):
・コロネル/ポリフル細粒83.3%1.2g/包 3包分3 ・ビオフェルミン3g分3下痢型IBS:
・ストレスを避け、FODMAP食品を減らすよう指導する
・ビオフェルミン3-6g分3,ミヤBM3g分3:プロバイオティクス
・ポリフル500mg3錠毎食後(6錠分3まで増量可):高分子重合体
以上が無効な場合:
・ブスコパン10mg3錠分3もしくは腹痛時1錠頓服
・ロペミン1mg2C分2:止痢剤、頓服でも可
・セレキノン100mg3錠分3(6錠分3まで増量可):消化管機能調整薬、頓服でも可
・イリボー5μg1錠分1(男性:5-10μg/女性:2.5-5μg):5HT3拮抗薬、頓服でも可
処方例)ネキシウム10mg1錠朝、ビオフェルミン3g分3、セレキノン100mg6錠分3など。
さらに無効な場合:
・ドグマチール50mg3錠分3毎食前
cf)IBSについて
・原因:
①腸炎による腸内細菌の変化
②FODMAP食品の制限(fermentable発酵性:小麦や玉ねぎ、oligosaccharidesオリゴ糖:ひよこ豆やレンズ豆、disacchalides2糖類:牛乳やヨーグルト、monosaccharides単糖類:ハチミツ、polyolsポリオール:甘味料)
cf)最低1ヶ月は米、卵、魚、肉、ニンジン、レタス、きゅうり、トマト、マヨネーズ、塩コショウ、醤油少々、普通の油、バターのみで過ごす。
③ストレスによるCRH増加で蠕動亢進や粘膜炎症増加、リンパ球/CD3陽性細胞/CD25陽性細胞、TNFα/IL-1,6,12の増加、肥満細胞の増加
④glutamine synthetase遺伝子発現増加による粘膜透過性亢進
⑤serotonin transporter遺伝子のs/s型はセロトニン取り込み低下しセロトニン増加
・診断基準:過去3か月にわたり1か月に3日以上で腹痛や腹部不快感をきたし、以下のうち2項目を満たす。1)排便で症状が改善する、2)発症時に排便頻度に変化がある、3)発症時に便形状に変化がある
・薬物療法
①プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌)
②高分子重合体(ポリフル、コロネル:水分を吸収し腸内水分保持や蠕動調整、Ca含むため腎機能低下時には高Caに注意)
③①、②で無効
・消化管機能調整薬(セレキノン:オピオイド受容体作用薬、蠕動亢進時は抑制し蠕動低下時は亢進させる) ・男性の下痢型には5HT3拮抗薬のイリボー
・便秘型にはアミティーザ、屯用でセンナ/アローゼン/トランコロン/ラキソベロン
・下痢型にはロペミン/タンナビル/フェロベリンなどの止痢剤
・腹痛には抗コリン薬のブスコパン/チアトン/トランコロン
・上記が無効でうつ優性ならSSRI、不安優性なら抗不安薬を使う。
・それでも無効なら小腸内視鏡や乳糖付加試験をすること。
注)
・FODMAPを含むもの:小麦、豆類、牛乳、ヨーグルト、チーズ、ニンニク、玉ねぎ、大根、ゴボウ、キャベツ、アスパラ、アボガド、蜂蜜、りんご、桃、納豆、キムチ、キシリトール、ソルビトール
・FODMAPが小腸の酵素で分解しきれずに残ると大腸で発酵し、ガス、水分、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)が生じ、IBS症状の原因となる。また、セルラーゼ産生菌があると、発酵性食物繊維(セルロース、ヘミセルロース)が発酵しプロピオン酸を生じ、IBS症状をきたす。
下痢の訴えで、実は軟便、臍周囲の鈍痛、食欲なしは虫垂炎!!
虫垂が長くて臍あたりまで来ていると考えるべし!!
もしくは腸捻転や絞扼!!痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水あれば疑うこと。痛みは強いはず。
・小児や若年者で感冒様症状や胃腸炎症状で独歩来院する心筋炎がある。見逃すと劇症化し突然死することがある(劇症型心筋炎)。
・収縮期血圧低下、心電図変化、CPK上昇、AG増大のアシドーシスを認める。
・劇症型心筋炎の15%程度は悪心を、5-6%は下痢を伴うことがある。
cf)細菌性かウィルス性か判別つかないときは抗生剤を1~2日分くらい出した方がいいかもしれない(風邪症状や下痢の時)。
☆水様性下痢(IBSも含む)
急性胃腸炎:
・ミヤBM 3g分3・ロペラミド塩酸塩カプセル1mg(ロペミン)2C 朝夕毎食後
・ホスミシン500mg3錠分3~4錠分4 39度以上の発熱、濃粘血便、激しい腹痛、しぶり腹のどれかがあるとき。重篤であれば便培養とセキリアメーバAB:FAも提出。便ロタウィルス(迅速)や血中ノロウィルス抗原(迅速)。
cf)ノロウィルスの隔離解除は下痢消失2~3日
・ブスコパン20mg2%1ml 1A(ショットはしないこと。50ml以上の生食に溶かして点滴する)
急性胃腸炎の腹痛時。静注では頻脈きたすことあり。筋注の方がよい。ラクテック500ml点注でもよい。喘息の既往あれば使わない。
・プリンペラン10mg/2ml 1A(ショットでも可だがdyskinesia起こすことあり。生食20mlに希釈して静注がbetter。)
嘔気時。
・抗生剤使用時の水様性下痢はCDIを疑う:
①抗生剤の中止
②既往があるならミヤBMやビオフェルミンR(Rなしは無効)、レベニンの事前投与
③マクロライド、ニューキノロンへの変更
④メトロニダゾール(フラジール) 250 mg 4錠分4
⑤VCM500mg~2gを単シロップ4mlと精性水36mlに溶いて分4で内服
CD-1毒素陽性、CD-1抗原陽性の時。経口摂取困難の時はNGtubeから投与。
注意)CDIにフラジールかバンコマイシンか
・軽度から中等度のCDIに対してはメトロニダゾール
・65歳以上で再発のリスクがある、抗菌薬をCDIの初発以後30日間に使用する場合には、初発時からバンコマイシンを投与
・これらのリスクがない場合には、奏効率と再発率においてバンコマイシンと差はなく、薬価も低いメトロニダゾールを投与
・大建中湯、マグミット、エレンタール、ラクツロースなど下痢になる内服の中止。
過敏性腸症候群(IBS):
・コロネル/ポリフル細粒83.3%1.2g/包 3包分3 ・ビオフェルミン3g分3下痢型IBS:
・ストレスを避け、FODMAP食品を減らすよう指導する
・ビオフェルミン3-6g分3,ミヤBM3g分3:プロバイオティクス
・ポリフル500mg3錠毎食後(6錠分3まで増量可):高分子重合体
以上が無効な場合:
・ブスコパン10mg3錠分3もしくは腹痛時1錠頓服
・ロペミン1mg2C分2:止痢剤、頓服でも可
・セレキノン100mg3錠分3(6錠分3まで増量可):消化管機能調整薬、頓服でも可
・イリボー5μg1錠分1(男性:5-10μg/女性:2.5-5μg):5HT3拮抗薬、頓服でも可
処方例)ネキシウム10mg1錠朝、ビオフェルミン3g分3、セレキノン100mg6錠分3など。
さらに無効な場合:
・ドグマチール50mg3錠分3毎食前
cf)IBSについて
・原因:
①腸炎による腸内細菌の変化
②FODMAP食品の制限(fermentable発酵性:小麦や玉ねぎ、oligosaccharidesオリゴ糖:ひよこ豆やレンズ豆、disacchalides2糖類:牛乳やヨーグルト、monosaccharides単糖類:ハチミツ、polyolsポリオール:甘味料)
cf)最低1ヶ月は米、卵、魚、肉、ニンジン、レタス、きゅうり、トマト、マヨネーズ、塩コショウ、醤油少々、普通の油、バターのみで過ごす。
③ストレスによるCRH増加で蠕動亢進や粘膜炎症増加、リンパ球/CD3陽性細胞/CD25陽性細胞、TNFα/IL-1,6,12の増加、肥満細胞の増加
④glutamine synthetase遺伝子発現増加による粘膜透過性亢進
⑤serotonin transporter遺伝子のs/s型はセロトニン取り込み低下しセロトニン増加
・診断基準:過去3か月にわたり1か月に3日以上で腹痛や腹部不快感をきたし、以下のうち2項目を満たす。1)排便で症状が改善する、2)発症時に排便頻度に変化がある、3)発症時に便形状に変化がある
・薬物療法
①プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌)
②高分子重合体(ポリフル、コロネル:水分を吸収し腸内水分保持や蠕動調整、Ca含むため腎機能低下時には高Caに注意)
③①、②で無効
・消化管機能調整薬(セレキノン:オピオイド受容体作用薬、蠕動亢進時は抑制し蠕動低下時は亢進させる) ・男性の下痢型には5HT3拮抗薬のイリボー
・便秘型にはアミティーザ、屯用でセンナ/アローゼン/トランコロン/ラキソベロン
・下痢型にはロペミン/タンナビル/フェロベリンなどの止痢剤
・腹痛には抗コリン薬のブスコパン/チアトン/トランコロン
・上記が無効でうつ優性ならSSRI、不安優性なら抗不安薬を使う。
・それでも無効なら小腸内視鏡や乳糖付加試験をすること。
注)
・FODMAPを含むもの:小麦、豆類、牛乳、ヨーグルト、チーズ、ニンニク、玉ねぎ、大根、ゴボウ、キャベツ、アスパラ、アボガド、蜂蜜、りんご、桃、納豆、キムチ、キシリトール、ソルビトール
・FODMAPが小腸の酵素で分解しきれずに残ると大腸で発酵し、ガス、水分、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)が生じ、IBS症状の原因となる。また、セルラーゼ産生菌があると、発酵性食物繊維(セルロース、ヘミセルロース)が発酵しプロピオン酸を生じ、IBS症状をきたす。
不眠
☆不眠
・デパス0.5㎎1錠+マイスリー5㎎2錠
これでとりあえずはOK・ゾピクロン7.5-10mg 1錠(アモバン)
入眠障害(超短時間型)、非BZP系。起床時に苦味。
・ゾルピデム5mg 1-2錠(マイスリー)
入眠障害(超短時間型)、非BZP系。副作用少ないが弱い。
・トリアゾラム0.125-0.25mg 1錠(ハルシオン)
入眠障害(超短時間型)、切れが良い。
・ブロチゾラム0.25mg 1錠(レンドルミン)
中途覚醒(短時間型)、半減期7時間。入眠も良いし、切れが良い(おすすめ)。
・エスタゾラム1mg 1錠(ユーロジン)
中途覚醒(中間型型)、半減期24時間なので日中のふらつきあり。
・ソラナックス0.4mg 3錠分3 不安で眠れないとき
・デパス0.5mg 3錠分3 不安で眠れないとき
・ベゲタミンB配合錠 1錠
妄想や精神病を伴った不眠(ベゲタミンA錠は30錠以上の大量服用は危険)。
・ロヒプノール0.5-2㎎ 1錠
半減期24時間。
・ミラドール(ドグマチール/スルピリド)50㎎2錠 分1就寝前
軽度の鬱状態に。翌朝からの気分改善効果あり。
cf)入院中で不穏になりやすい場合:
・ロゼレム1錠 夕食後
・ベルソムラ1錠 就寝前
注)ベルソムラ+ロゼレムは保険通らない
注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
・テトラミド1錠>レスリン1錠、デジレル1錠 不眠時
注意)ベルソムラはCYP3Aを阻害する薬物(ワソラン、ヘルベッサー、グランダキシン)と併用するとCYP3Aを阻害し半減期が延長するので併用時は10mgに減量する。一方で、CYP3Aを強く阻害する薬物(イトコナゾール、クラリスロマイシン)との併用は禁忌。
・デパス0.5㎎1錠+マイスリー5㎎2錠
これでとりあえずはOK・ゾピクロン7.5-10mg 1錠(アモバン)
入眠障害(超短時間型)、非BZP系。起床時に苦味。
・ゾルピデム5mg 1-2錠(マイスリー)
入眠障害(超短時間型)、非BZP系。副作用少ないが弱い。
・トリアゾラム0.125-0.25mg 1錠(ハルシオン)
入眠障害(超短時間型)、切れが良い。
・ブロチゾラム0.25mg 1錠(レンドルミン)
中途覚醒(短時間型)、半減期7時間。入眠も良いし、切れが良い(おすすめ)。
・エスタゾラム1mg 1錠(ユーロジン)
中途覚醒(中間型型)、半減期24時間なので日中のふらつきあり。
・ソラナックス0.4mg 3錠分3 不安で眠れないとき
・デパス0.5mg 3錠分3 不安で眠れないとき
・ベゲタミンB配合錠 1錠
妄想や精神病を伴った不眠(ベゲタミンA錠は30錠以上の大量服用は危険)。
・ロヒプノール0.5-2㎎ 1錠
半減期24時間。
・ミラドール(ドグマチール/スルピリド)50㎎2錠 分1就寝前
軽度の鬱状態に。翌朝からの気分改善効果あり。
cf)入院中で不穏になりやすい場合:
・ロゼレム1錠 夕食後
・ベルソムラ1錠 就寝前
注)ベルソムラ+ロゼレムは保険通らない
注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
・テトラミド1錠>レスリン1錠、デジレル1錠 不眠時
注意)ベルソムラはCYP3Aを阻害する薬物(ワソラン、ヘルベッサー、グランダキシン)と併用するとCYP3Aを阻害し半減期が延長するので併用時は10mgに減量する。一方で、CYP3Aを強く阻害する薬物(イトコナゾール、クラリスロマイシン)との併用は禁忌。
痙攣
☆痙攣
・テグレトール100㎎2錠分2 カルバマゼピン。症候性癲癇の第1選択薬。血中濃度を測定する。成人初発の癲癇は脳腫瘍を精査。
・セレニカR細粒800㎎分2 バルプロ酸。デパケンの細粒版。癲癇全般に使える。
cf)メロペンと併用は禁忌
・ホリゾン10mg 1A 0.5Aずつ投与。呼吸停止の場合もあり、バッグバルブマスクを用意。
・アレビアチン250mg5ml 1A 生食100ml 1瓶
30分かけて投与
投与後、効果発現まで30分かかるのでホリゾンと同時投与。ルート内にブドウ糖あるときはwash outしてからでないと凝固する。翌日にフェニトイン濃度を測定すること。1日3回投与。
・ホストイン750㎎/10ml 2A 生食50ml ホストイン12mlと生食48mlを混ぜて60mlとし20分かけて投与。維持量は半量を1日1回。翌日にフェニトイン濃度を測定すること。
・フェノバール100mg10%1ml 1A筋注
1日2回筋注で経過みる場合もある。
cf)有効血中濃度:カルバマゼピン4-12μg/ml、バルプロ酸50-100μg/ml。意識レベル低下あれば採血し、減量する(頭部CTやMRIは必要)。
cf)吃逆にはコントミン12.5mg1錠屯用使用するとよい。
・テグレトール100㎎2錠分2 カルバマゼピン。症候性癲癇の第1選択薬。血中濃度を測定する。成人初発の癲癇は脳腫瘍を精査。
・セレニカR細粒800㎎分2 バルプロ酸。デパケンの細粒版。癲癇全般に使える。
cf)メロペンと併用は禁忌
・ホリゾン10mg 1A 0.5Aずつ投与。呼吸停止の場合もあり、バッグバルブマスクを用意。
・アレビアチン250mg5ml 1A 生食100ml 1瓶
30分かけて投与
投与後、効果発現まで30分かかるのでホリゾンと同時投与。ルート内にブドウ糖あるときはwash outしてからでないと凝固する。翌日にフェニトイン濃度を測定すること。1日3回投与。
・ホストイン750㎎/10ml 2A 生食50ml ホストイン12mlと生食48mlを混ぜて60mlとし20分かけて投与。維持量は半量を1日1回。翌日にフェニトイン濃度を測定すること。
・フェノバール100mg10%1ml 1A筋注
1日2回筋注で経過みる場合もある。
cf)有効血中濃度:カルバマゼピン4-12μg/ml、バルプロ酸50-100μg/ml。意識レベル低下あれば採血し、減量する(頭部CTやMRIは必要)。
cf)吃逆にはコントミン12.5mg1錠屯用使用するとよい。
不穏/せん妄
☆不穏/せん妄
・アタラックスP25mg 1Aショットもしくは筋注
・セレネース5mg0.5%1ml 1A筋注
・セレネース5mg0.5%1ml 1A 生食100ml 1時間かけて投与し、入眠すれば終了する。
cf)EPS予防にアキネトン1/3A(5mg/1ml/1A)を混注することがある。筋注の場合も混注してよい。
・リスパダール0.5mg分1夕食後
錐体外路症状など副作用出るなら1日おきや液剤に変更する。嚥下機能が低下し、誤嚥を起こしやすくなるので注意。
・リスパダール1.0mg/包 1包
水薬なので、口の前に持ってきて流し込むと良い。無効なら1時間おきに3回まで追加。
・抑肝散2.5gを1日3回(低Kに注意)
・リスパダール1mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)
・セロクエル12.5-25mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(DMorDM既往は禁忌)
・ジプレキサ2.5-5mg1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(DMorDM既往は禁忌)
・グラマリール25mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)
・セレネース0.75mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(EPS、悪性症候群に注意)
cf)EPS予防にアキネトン1mg2T/2xを併用するとよい。
cf)一般の精神科病院入院患者の投与量は時に40mg程度に及ぶこともあるらしい。
・デパケン100-200mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(MEPMとの併用禁忌)
・デパケンシロップ8-24ml(デパケン400-1200mgに相当)を分2-3(MEPMとの併用禁忌)
・テグレトール100mgを2T/2x-3T/3x-6T/3x
cf)デパケンとテグレトールの違い
デパケン(バルプロ酸)
・リチウムに等しい抗躁作用。
・不機嫌、易怒性、ラピッドサイクラーの躁に有効。
・副作用は少ないが、肝機能障害や催奇形性、高NH3血症に注意。
テグレトール(カルバマゼピン)
・副作用が多い。重症薬疹、汎血球減少、肝機能障害、急性腎不全、間質性肺炎、心不全、催奇形性。
・重症薬疹(TEN、SjS)は最初は皮膚や粘膜の軽度の発疹から始まる事が多い。発熱、咽頭痛、目の充血などを伴う事が多い。
・メマリー2.5-5mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(必ずしも漸増しなくても可)
・他にテトラミド10mg1錠、他にデジレル、レスリン、リフレックス、レメロン等
例)
・①日中はリハビリで覚醒、夜間は眠れるようにする
②眠剤を変更。ロゼレム1錠夕食後+ベルソムラ1錠就寝前
(注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
→無効ならロゼレム1錠夕食後+レスリン/デジレル12.5-50mg就寝前
③不穏時はリスパダール液1ml30分-1時間おき追加3回まで
④無効ならセレネース1A+生食100ml点滴を1時間かけて入眠すれば終了する。
⑤2-3日たって無効なら15時にリスパダール1ml追加
⑥精神科+内科の療養型病院へ転院検討
cf)入院中に不穏になった場合:
・せん妄の原因検索をすること。
①感染(梅毒?)
②電解質(Ca/Zn/Cu)
③ビタミンB1/B12、葉酸
④低血糖
⑤アンモニア
⑥内分泌(甲状腺、副腎)
⑦腫瘍(胸腹部CT)
⑧脳炎(頭部MRI)
⑨認知症
⑩薬剤(BZP、抗コリン薬、抗パ薬、H2ブロッカー、ステロイド、抗ヒスタミン薬)
・原因薬剤の例:マイスリー、アモバン、セルシン、ハルシオン、デパス、レンドルミン、ベンザリン、セルシン、ガスター、ファモチジン、ザンタック、テオドール、スロービット、アタラックスP、全てせん妄の原因になる。
・日中はリハビリで覚醒、夜間は眠れるようにする(眠剤にBZPは使わないこと!!⇒ロゼレム1錠 夕食後+ベルソムラ1錠 就寝前)
注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
・BZPを半年以上内服し、離脱症候群も否定できないときは、セレネース1A+ロヒプノール1A+生食100ml点滴 100ml/hr 入眠すれば中止
・アタラックスP25mg 1Aショットもしくは筋注
・セレネース5mg0.5%1ml 1A筋注
・セレネース5mg0.5%1ml 1A 生食100ml 1時間かけて投与し、入眠すれば終了する。
cf)EPS予防にアキネトン1/3A(5mg/1ml/1A)を混注することがある。筋注の場合も混注してよい。
・リスパダール0.5mg分1夕食後
錐体外路症状など副作用出るなら1日おきや液剤に変更する。嚥下機能が低下し、誤嚥を起こしやすくなるので注意。
・リスパダール1.0mg/包 1包
水薬なので、口の前に持ってきて流し込むと良い。無効なら1時間おきに3回まで追加。
・抑肝散2.5gを1日3回(低Kに注意)
・リスパダール1mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)
・セロクエル12.5-25mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(DMorDM既往は禁忌)
・ジプレキサ2.5-5mg1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(DMorDM既往は禁忌)
・グラマリール25mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)
・セレネース0.75mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(EPS、悪性症候群に注意)
cf)EPS予防にアキネトン1mg2T/2xを併用するとよい。
cf)一般の精神科病院入院患者の投与量は時に40mg程度に及ぶこともあるらしい。
・デパケン100-200mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(MEPMとの併用禁忌)
・デパケンシロップ8-24ml(デパケン400-1200mgに相当)を分2-3(MEPMとの併用禁忌)
・テグレトール100mgを2T/2x-3T/3x-6T/3x
cf)デパケンとテグレトールの違い
デパケン(バルプロ酸)
・リチウムに等しい抗躁作用。
・不機嫌、易怒性、ラピッドサイクラーの躁に有効。
・副作用は少ないが、肝機能障害や催奇形性、高NH3血症に注意。
テグレトール(カルバマゼピン)
・副作用が多い。重症薬疹、汎血球減少、肝機能障害、急性腎不全、間質性肺炎、心不全、催奇形性。
・重症薬疹(TEN、SjS)は最初は皮膚や粘膜の軽度の発疹から始まる事が多い。発熱、咽頭痛、目の充血などを伴う事が多い。
・メマリー2.5-5mgを1日1-2回(夕1回→昼夕2回)(必ずしも漸増しなくても可)
・他にテトラミド10mg1錠、他にデジレル、レスリン、リフレックス、レメロン等
例)
・①日中はリハビリで覚醒、夜間は眠れるようにする
②眠剤を変更。ロゼレム1錠夕食後+ベルソムラ1錠就寝前
(注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
→無効ならロゼレム1錠夕食後+レスリン/デジレル12.5-50mg就寝前
③不穏時はリスパダール液1ml30分-1時間おき追加3回まで
④無効ならセレネース1A+生食100ml点滴を1時間かけて入眠すれば終了する。
⑤2-3日たって無効なら15時にリスパダール1ml追加
⑥精神科+内科の療養型病院へ転院検討
cf)入院中に不穏になった場合:
・せん妄の原因検索をすること。
①感染(梅毒?)
②電解質(Ca/Zn/Cu)
③ビタミンB1/B12、葉酸
④低血糖
⑤アンモニア
⑥内分泌(甲状腺、副腎)
⑦腫瘍(胸腹部CT)
⑧脳炎(頭部MRI)
⑨認知症
⑩薬剤(BZP、抗コリン薬、抗パ薬、H2ブロッカー、ステロイド、抗ヒスタミン薬)
・原因薬剤の例:マイスリー、アモバン、セルシン、ハルシオン、デパス、レンドルミン、ベンザリン、セルシン、ガスター、ファモチジン、ザンタック、テオドール、スロービット、アタラックスP、全てせん妄の原因になる。
・日中はリハビリで覚醒、夜間は眠れるようにする(眠剤にBZPは使わないこと!!⇒ロゼレム1錠 夕食後+ベルソムラ1錠 就寝前)
注)クラリスとベルソムラは併用禁忌
・BZPを半年以上内服し、離脱症候群も否定できないときは、セレネース1A+ロヒプノール1A+生食100ml点滴 100ml/hr 入眠すれば中止
発熱(38.5℃以上の時)
☆発熱(38.5℃以上の時)
・カロナール坐剤(アンヒバ、アルピニー)100mg 2個
・ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg(フェニタレン) 1個
cf)体格の小さい場合や高齢者は25mgにする。腎機能障害ある場合は禁忌。透析患者ではむしろ使用可能。血圧低下時も使わないこと。
cf)座薬はボルタレンだけでなく、アセトアミノフェン(アンヒバ、アルピニー)座薬も血圧低下きたすことがある。肛門挿入による副交感神経優位のため。ボルタレンは血管収縮作用のあるPG阻害のため。従って、熱発時で血圧低下あるときは座薬は使わないこと。
・ケンタン錠60mg(ロキソニン)1錠
ムコスタ100mg1錠
・カロナール200mg2錠
・メチロン250mg1ml1A筋注(ピリン系)
cf)ピリンアレルギーや血圧低下時は禁忌。
・カロナール坐剤(アンヒバ、アルピニー)100mg 2個
・ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg(フェニタレン) 1個
cf)体格の小さい場合や高齢者は25mgにする。腎機能障害ある場合は禁忌。透析患者ではむしろ使用可能。血圧低下時も使わないこと。
cf)座薬はボルタレンだけでなく、アセトアミノフェン(アンヒバ、アルピニー)座薬も血圧低下きたすことがある。肛門挿入による副交感神経優位のため。ボルタレンは血管収縮作用のあるPG阻害のため。従って、熱発時で血圧低下あるときは座薬は使わないこと。
・ケンタン錠60mg(ロキソニン)1錠
ムコスタ100mg1錠
・カロナール200mg2錠
・メチロン250mg1ml1A筋注(ピリン系)
cf)ピリンアレルギーや血圧低下時は禁忌。
疼痛(体重50kgあたり)/帯状疱疹後神経痛
☆疼痛(体重50kgあたり)
・セレコックス100mg2錠分2朝夕食後
セレコックスは頓服はしない(効果発現が遅い)
・ケンタン錠60mg(ロキソニン)1錠
ムコスタ100mg1錠
・ナイキサン100mg1錠
腎機能低下時
・カロナール200mg2錠
1回mgまで増量可能。1日4000mgまでOK・トラムセット3錠分3 頑固な腰痛に。
・カロナール坐剤100mg 2個
・ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg(フェニタレン) 1個
・レペタン坐剤0.2mg 1個
・ロピオン50mg5ml 1A 生食100ml 30分かけて
軽減しないときは8時間ごとに反復投与
腎不全(透析導入前)では使用不可
・ソセゴン15mg1Aショット
軽減しないときは3時間ごとに反復投与
・レペタン0.2mg 1Aショット
嘔気嘔吐に注意
・オピスタン35mg1ml 1A 1Aショットで投与
・オピスタン35mg1ml 4A 生食20ml 1ml/hr・レペタン0.2㎎/1ml 12A 0.5ml/hr
☆帯状疱疹後神経痛
・トリプタノール10mg分1 夕食後
・カロナール200mg6錠分3 毎食後
・リリカ25mg2C分2 朝夕食後
・亜鉛華10%単軟膏+ベトノバールG軟膏0.12%
・セレコックス100mg2錠分2朝夕食後
セレコックスは頓服はしない(効果発現が遅い)
・ケンタン錠60mg(ロキソニン)1錠
ムコスタ100mg1錠
・ナイキサン100mg1錠
腎機能低下時
・カロナール200mg2錠
1回mgまで増量可能。1日4000mgまでOK・トラムセット3錠分3 頑固な腰痛に。
・カロナール坐剤100mg 2個
・ジクロフェナクナトリウム坐剤50mg(フェニタレン) 1個
・レペタン坐剤0.2mg 1個
・ロピオン50mg5ml 1A 生食100ml 30分かけて
軽減しないときは8時間ごとに反復投与
腎不全(透析導入前)では使用不可
・ソセゴン15mg1Aショット
軽減しないときは3時間ごとに反復投与
・レペタン0.2mg 1Aショット
嘔気嘔吐に注意
・オピスタン35mg1ml 1A 1Aショットで投与
・オピスタン35mg1ml 4A 生食20ml 1ml/hr・レペタン0.2㎎/1ml 12A 0.5ml/hr
☆帯状疱疹後神経痛
・トリプタノール10mg分1 夕食後
・カロナール200mg6錠分3 毎食後
・リリカ25mg2C分2 朝夕食後
・亜鉛華10%単軟膏+ベトノバールG軟膏0.12%
片頭痛/群発頭痛
胃痛(FDも含む)
<注意!!>
胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診の指示とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
鯖寿司を食べた後に胃痛、胆石持ちの胃痛、逆流性食道炎持ちの胃痛、嘔吐を繰り返した後の胃痛など病歴から消化器疾患を強く疑う場合でもまずは心電図にてACSを否定すること!全ての胃痛は心電図が必須!
☆胃痛(FDも含む)
・スルカイン100mg2錠
・ムコスタ100mg3錠分3毎食後
・ランソプラゾール15mg タケプロン2錠朝食後 14日分
・ガスモチン5㎎3錠分3毎食後
消化管蠕動促進
・オメプラール20mg 1瓶
生食100ml 1瓶
30分かけて
(生食20mlでショットで投与してもよい)
・ラクテック500ml ブスコパン20mg2%1ml 1A ブスコパンはショットでCPAも。できるだけショットは避ける。BPHや緑内障ある場合はグルカゴン。
・アタラックスP 25mg 1Aショット
・プリンペラン10mg0.5%2ml 1Aショット
FDの典型処方
・ラベプラゾール10mg1錠分1・アコファイド100mg3錠分3(アコファイド処方時には内視鏡検査日をレセプトに記載必要あり。)
・ビオフェルミン3g分3・六君子湯(りっくんしとう)2.5g/包 3包分3食後の胃もたれ、腹部膨満感がメインなら:
・アコファイド1錠100mg3錠毎食前
ChEI。消化管の神経終末でのAch増加により胃運動機能改善、迷走神経を介したストレス調節。
・ガナトン1錠50mg3錠毎食前
抗D2、ChEI。蠕動亢進、受容性弛緩不全改善。BBB通過しにくい。
・ガスモチン1錠5mg3錠毎食前、毎食後
5HT4作働薬。上部と下部の蠕動亢進、便秘にも有効。
・セレキノン1錠100mg3錠分3(IBSでは6錠分3まで増量可能)
オピアト調節薬。蠕動亢進では抑制し、蠕動抑制では亢進。
・ナウゼリン1回5~10mg1日3回食前
抗D2。プリンペランよりBBB通過しにくい。
・プリンペラン5mg1日2回~10mg1日3回
抗D2。制吐、蠕動亢進作用。BBB通過しやすいため錘体外路症状きたしやすい。
・心窩部痛、心窩部灼熱感ならPPI、H2拮抗薬を使う。
cf)妊娠中の胃痛薬
・H2拮抗薬(ファモチジン、ラニチジン)は安全。
・PPIも安全だが、H2拮抗薬より奇形発生率はやや高い。
・奇形率:通常妊娠2-3%、H2拮抗薬2.7%、PPI3.6%
cf)胆石発作(胆石による急性の痛み、胆嚢炎も含む)にはコスパノンカプセル40mg3c/3x、疼痛時にロキソニン60mg、ムコスタ100mg
cf)機能性ディスペプシアは胃壁伸展異常や伸展に対する知覚過敏。ピロリ除菌でよくなるのは15人に1人。PPIやアコチアミドを使う。あとは抗うつ薬、抗不安薬、漢方。
cf)FD(機能性消化管ディスペプシア)の診断基準:
①食後のもたれ感
②食後早期の飽満感
③心窩部痛
④心窩部灼熱感
のうち1項目が3ヶ月以上続く
前2つはPDS(post prandial distress syndrome:食後不定愁訴症候群)、後2つはEPS(epigastric pain syndrome:心窩部痛症候群)と呼ばれる。
・FDの成因は、胃酸分泌の亢進または低下、胃排出能の遅延、胃前庭部の運動能力の低下、噴門部適応性弛緩能低下 (十二指腸に脂肪が流入するとCCKが分泌され胃収縮能や噴門部の拡張能が低下する。FDではCCKへの感受性が高い)、十二指腸胃逆流(十二指腸内のMΦや好酸球の増加を認める)、胃小腸の内臓知覚異常、
ピロリ箘による胃粘膜の炎症(除菌すると3年で症状改善することあり)、腸脳相関(幼少期の過度のストレスにより内臓感覚処理機構の異常)
cf)胆汁逆流による胃炎ならPPIは逆効果。胃液が緑色なら胆汁逆流によるものか。粘膜保護剤とガスモチンで対処する。
胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診の指示とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
鯖寿司を食べた後に胃痛、胆石持ちの胃痛、逆流性食道炎持ちの胃痛、嘔吐を繰り返した後の胃痛など病歴から消化器疾患を強く疑う場合でもまずは心電図にてACSを否定すること!全ての胃痛は心電図が必須!
☆胃痛(FDも含む)
・スルカイン100mg2錠
・ムコスタ100mg3錠分3毎食後
・ランソプラゾール15mg タケプロン2錠朝食後 14日分
・ガスモチン5㎎3錠分3毎食後
消化管蠕動促進
・オメプラール20mg 1瓶
生食100ml 1瓶
30分かけて
(生食20mlでショットで投与してもよい)
・ラクテック500ml ブスコパン20mg2%1ml 1A ブスコパンはショットでCPAも。できるだけショットは避ける。BPHや緑内障ある場合はグルカゴン。
・アタラックスP 25mg 1Aショット
・プリンペラン10mg0.5%2ml 1Aショット
FDの典型処方
・ラベプラゾール10mg1錠分1・アコファイド100mg3錠分3(アコファイド処方時には内視鏡検査日をレセプトに記載必要あり。)
・ビオフェルミン3g分3・六君子湯(りっくんしとう)2.5g/包 3包分3食後の胃もたれ、腹部膨満感がメインなら:
・アコファイド1錠100mg3錠毎食前
ChEI。消化管の神経終末でのAch増加により胃運動機能改善、迷走神経を介したストレス調節。
・ガナトン1錠50mg3錠毎食前
抗D2、ChEI。蠕動亢進、受容性弛緩不全改善。BBB通過しにくい。
・ガスモチン1錠5mg3錠毎食前、毎食後
5HT4作働薬。上部と下部の蠕動亢進、便秘にも有効。
・セレキノン1錠100mg3錠分3(IBSでは6錠分3まで増量可能)
オピアト調節薬。蠕動亢進では抑制し、蠕動抑制では亢進。
・ナウゼリン1回5~10mg1日3回食前
抗D2。プリンペランよりBBB通過しにくい。
・プリンペラン5mg1日2回~10mg1日3回
抗D2。制吐、蠕動亢進作用。BBB通過しやすいため錘体外路症状きたしやすい。
・心窩部痛、心窩部灼熱感ならPPI、H2拮抗薬を使う。
cf)妊娠中の胃痛薬
・H2拮抗薬(ファモチジン、ラニチジン)は安全。
・PPIも安全だが、H2拮抗薬より奇形発生率はやや高い。
・奇形率:通常妊娠2-3%、H2拮抗薬2.7%、PPI3.6%
cf)胆石発作(胆石による急性の痛み、胆嚢炎も含む)にはコスパノンカプセル40mg3c/3x、疼痛時にロキソニン60mg、ムコスタ100mg
cf)機能性ディスペプシアは胃壁伸展異常や伸展に対する知覚過敏。ピロリ除菌でよくなるのは15人に1人。PPIやアコチアミドを使う。あとは抗うつ薬、抗不安薬、漢方。
cf)FD(機能性消化管ディスペプシア)の診断基準:
①食後のもたれ感
②食後早期の飽満感
③心窩部痛
④心窩部灼熱感
のうち1項目が3ヶ月以上続く
前2つはPDS(post prandial distress syndrome:食後不定愁訴症候群)、後2つはEPS(epigastric pain syndrome:心窩部痛症候群)と呼ばれる。
・FDの成因は、胃酸分泌の亢進または低下、胃排出能の遅延、胃前庭部の運動能力の低下、噴門部適応性弛緩能低下 (十二指腸に脂肪が流入するとCCKが分泌され胃収縮能や噴門部の拡張能が低下する。FDではCCKへの感受性が高い)、十二指腸胃逆流(十二指腸内のMΦや好酸球の増加を認める)、胃小腸の内臓知覚異常、
ピロリ箘による胃粘膜の炎症(除菌すると3年で症状改善することあり)、腸脳相関(幼少期の過度のストレスにより内臓感覚処理機構の異常)
cf)胆汁逆流による胃炎ならPPIは逆効果。胃液が緑色なら胆汁逆流によるものか。粘膜保護剤とガスモチンで対処する。
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載5
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載5
内視鏡の肉眼分類
☆内視鏡の肉眼分類
・逆流性食道炎
GradeA:5mmを超えない発赤
GradeB:5mm以上の発赤が1箇所以上
GradeC:複数の粘膜襞を超えて発赤、全周の3/4を超えない
GradeD:全周の3/4を超える発赤
・静脈瘤
L(場所):Ls:上部、Lm:中部、Li:下部、Lg-c:噴門輪に近接、Lg-f:噴門輪と離れた胃静脈瘤
F(形態):F0:静脈瘤なし、F1:直線状、F2:連珠状、F3:結節状
C(色調):Cw:白色、Cb:青色、血栓化してる時はCw-Th,Cb-Thと記す
RC(発赤):RC-:発赤なし、RC+:ごく少数、RC++:+と+++の間、RC+++:全周に多数
粘膜所見:E:びらん、UI:潰瘍、S:瘢痕
治療対象はF1RC++、F2RC+、F3RC-以上のもの
cf)肝機能異常認めない場合は単なる静脈拡張の場合あり
・胃潰瘍
A1:厚い黒色の苔、辺縁の浮腫著名、出血あり
A2:辺縁浮腫軽減、白色輪、充血輪
H1:白苔が薄い、ひだの集まりあり
H2:潰瘍底が盛り上がる、薄い白苔
S1:赤色瘢痕
S2:白色瘢痕
・胃癌
0型:m癌
1型:腫瘤型
2型:潰瘍限局
3型:潰瘍浸潤
4型:びまん浸潤
5型:分類不能
・早期胃癌(m癌、0型胃癌)の分類
0I:隆起型(正常粘膜の高さの2倍以上、2倍以下は0IIa)
0IIa:表面隆起
0IIb:表面平坦
0IIc:表面陥凹
・胃ポリープ
山田I型:隆起の起始部が滑らかで明確な境界線なし
山田II型:隆起の起始部が明確だがくびれなし
山田III型:隆起の起始部にくびれあるが茎なし
山田IV型:茎のあるもの
・大腸ポリープ
Ip:茎あり
Isp:隆起の起始部にくびれあるが茎なし
Is:隆起の起始部が明確だがくびれなし
IIa:隆起の起始部が滑らかで明確な境界線なし
IIb:平坦なもの
IIc:陥凹なもの
LST:小さなポリープが塊になり側方に発育している
LST-G:従来のポリープがいくつも集まっている
LST-NG:平坦な病変が集まっている
・胃のNBI SEC(粘膜上皮直下毛細血管):癌化すると蛇行、間延び、ループ、口径不同
MCE(腺窩辺縁上皮):癌化するとギザギザ、口径不同、消失
・大腸のpit pattern I:円形
II:星状、乳頭状→過形成性ポリープ
IIIs:正常より大きな円形→管状腺腫
IIIL:正常より大きな円形、管状→腺腫、m癌
IV:脳回状→管状絨毛腺腫
VI:不整なpit→m癌、sm微小浸潤癌
VN:無構造→sm浸潤癌
・逆流性食道炎
GradeA:5mmを超えない発赤
GradeB:5mm以上の発赤が1箇所以上
GradeC:複数の粘膜襞を超えて発赤、全周の3/4を超えない
GradeD:全周の3/4を超える発赤
・静脈瘤
L(場所):Ls:上部、Lm:中部、Li:下部、Lg-c:噴門輪に近接、Lg-f:噴門輪と離れた胃静脈瘤
F(形態):F0:静脈瘤なし、F1:直線状、F2:連珠状、F3:結節状
C(色調):Cw:白色、Cb:青色、血栓化してる時はCw-Th,Cb-Thと記す
RC(発赤):RC-:発赤なし、RC+:ごく少数、RC++:+と+++の間、RC+++:全周に多数
粘膜所見:E:びらん、UI:潰瘍、S:瘢痕
治療対象はF1RC++、F2RC+、F3RC-以上のもの
cf)肝機能異常認めない場合は単なる静脈拡張の場合あり
・胃潰瘍
A1:厚い黒色の苔、辺縁の浮腫著名、出血あり
A2:辺縁浮腫軽減、白色輪、充血輪
H1:白苔が薄い、ひだの集まりあり
H2:潰瘍底が盛り上がる、薄い白苔
S1:赤色瘢痕
S2:白色瘢痕
・胃癌
0型:m癌
1型:腫瘤型
2型:潰瘍限局
3型:潰瘍浸潤
4型:びまん浸潤
5型:分類不能
・早期胃癌(m癌、0型胃癌)の分類
0I:隆起型(正常粘膜の高さの2倍以上、2倍以下は0IIa)
0IIa:表面隆起
0IIb:表面平坦
0IIc:表面陥凹
・胃ポリープ
山田I型:隆起の起始部が滑らかで明確な境界線なし
山田II型:隆起の起始部が明確だがくびれなし
山田III型:隆起の起始部にくびれあるが茎なし
山田IV型:茎のあるもの
・大腸ポリープ
Ip:茎あり
Isp:隆起の起始部にくびれあるが茎なし
Is:隆起の起始部が明確だがくびれなし
IIa:隆起の起始部が滑らかで明確な境界線なし
IIb:平坦なもの
IIc:陥凹なもの
LST:小さなポリープが塊になり側方に発育している
LST-G:従来のポリープがいくつも集まっている
LST-NG:平坦な病変が集まっている
・胃のNBI SEC(粘膜上皮直下毛細血管):癌化すると蛇行、間延び、ループ、口径不同
MCE(腺窩辺縁上皮):癌化するとギザギザ、口径不同、消失
・大腸のpit pattern I:円形
II:星状、乳頭状→過形成性ポリープ
IIIs:正常より大きな円形→管状腺腫
IIIL:正常より大きな円形、管状→腺腫、m癌
IV:脳回状→管状絨毛腺腫
VI:不整なpit→m癌、sm微小浸潤癌
VN:無構造→sm浸潤癌
胃瘻交換
☆胃瘻交換
・バンパー型ボタンタイプ(カンガルーボタン)の場合
①消毒
②PEGの蓋を開けてオブチュレーターを挿入
③オブチュレーターにガイドワイヤーを挿入
④オブチュレーターを押し込んでバンパー部分を伸展
⑤ガイドワイヤーを残してオブチュレーターとPEGを抜去
⑥新しいPEGにオブチュレーターを挿入しバンパー部分を伸展させ、ガイドワーヤーに沿って挿入
⑦ガイドワイヤーとオブチュレーターを抜去する
⑧airを注入し聴診で確認
⑨ガストロ10ml(便秘なら15ml)を注入し体を少し揺さぶってレントゲンで確認する
・バルーン型チューブタイプの場合
①新しいPEGチューブに蒸留水を注入しバルーンがどれだけの量で膨らむかを確認する
②消毒
③バルーン内の蒸留水を引き抜く
④PEGチューブを引き抜く
⑤新しいPEGチューブにキシロカインゼリーを塗り、瘻孔に沿って挿入する
⑥蒸留水を注入し固定
⑦airを注入し聴診で確認
⑧ガストロ10ml(便秘なら15ml)を注入し体を少し揺さぶってレントゲンで確認する
注意)療養病院でのCV入った胃ろう患者の胃ろう交換はあまりしなくてもよい。
・バンパー型ボタンタイプ(カンガルーボタン)の場合
①消毒
②PEGの蓋を開けてオブチュレーターを挿入
③オブチュレーターにガイドワイヤーを挿入
④オブチュレーターを押し込んでバンパー部分を伸展
⑤ガイドワイヤーを残してオブチュレーターとPEGを抜去
⑥新しいPEGにオブチュレーターを挿入しバンパー部分を伸展させ、ガイドワーヤーに沿って挿入
⑦ガイドワイヤーとオブチュレーターを抜去する
⑧airを注入し聴診で確認
⑨ガストロ10ml(便秘なら15ml)を注入し体を少し揺さぶってレントゲンで確認する
・バルーン型チューブタイプの場合
①新しいPEGチューブに蒸留水を注入しバルーンがどれだけの量で膨らむかを確認する
②消毒
③バルーン内の蒸留水を引き抜く
④PEGチューブを引き抜く
⑤新しいPEGチューブにキシロカインゼリーを塗り、瘻孔に沿って挿入する
⑥蒸留水を注入し固定
⑦airを注入し聴診で確認
⑧ガストロ10ml(便秘なら15ml)を注入し体を少し揺さぶってレントゲンで確認する
注意)療養病院でのCV入った胃ろう患者の胃ろう交換はあまりしなくてもよい。
終末期の予後予測ツール
終末期の予後予測ツール
<PaPスコア(Palliative Prognosis Score)>
①臨床的に見ての予後:1-2週なら8.5点、3-4週なら6.0点、5-6週なら4.5点、7-12週なら2.5点、13週以上なら0点(ここは分からない場合はPPIを使うと良い)
②Karnofsky Performance Scale:10-20なら2.5点、30以上なら0点
③食欲不振:ありなら1.5点、なしなら0点
④呼吸困難:ありなら1.0点、なしなら0点
⑤白血球数(/mm3):11000以上なら1.5点、8501-11000なら0.5点、8500以下なら0点
⑥リンパ球数(%):0-11.9なら2.5点、12-19.9なら1.0点、20以上なら0点
⇒①~⑥の合計:
9点以上:余命は21日以下の可能性が高い
5.5点以下:余命は30日以上の可能性が高い
cf)Karnofsky Performance Scale
100:正常、臨床症状なし
90:軽い臨床症状はあるが、正常活動が可能
80:かなり臨床症状はあるが、努力して正常の活動が可能
70:自分自身の世話はできるが、正常の活動、労働は不可能
60:自分に必要なことはできるが、時々介助が必要
50:病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
40:動けず、適切な医療および看護が必要
30:全く動けず、入院が必要だが死は差し迫っていない
20:非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10:死期が切迫している
<PPI(Palliative Prognostic Index)>
①Palliative Performance Scale:10~20なら4.0点、30~50なら2.5点、60以上なら0点
②経口摂取量:数口以下なら2.5点、減少しているが数口よりは多いなら1.0点、正常なら0点
(消化管閉塞のため高カロリー輸液を施行している場合は0点とする)
③浮腫:ありなら1.0点、なしなら0点
④安静時呼吸困難:ありなら3.5点、なしなら0点
⑤せん妄:あり(原因が薬物単独のものは含めない)なら4.0点、なしなら0点
⇒①~⑤の合計点:
6.5点以上:予後は21日以下の可能性が高い
3.5点以下:予後は42日以上の可能性が高い
cf)PPS(Palliative Performance Scale)左から順番にみて、患者に最もあてはまるレベルを決定する。
100%:100%起居している⇒正常の活動が可能で症状なし⇒ADL自立⇒経口摂取正常⇒意識レベル清明
90%:100%起居している⇒正常の活動が可能でいくらかの症状がある⇒ADL自立⇒経口摂取正常⇒意識レベル清明
80%:100%起居している⇒いくらかの症状はあるが努力すれば正常の活動が可能⇒ADL自立⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明
70%:ほとんど起居している⇒何らかの症状があり通常の仕事や業務が困難⇒ADL自立⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明
60%:ほとんど起居している⇒明らかな症状があり趣味や家事を行うことが困難⇒時に介助⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明または混乱
50%:ほとんど座位か横たわっている⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒しばしば介助⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明または混乱
40%:ほとんど臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒ほとんど介助⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明または混乱または傾眠
30%:常に臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒全介助⇒経口摂取減少⇒意識レベル清明または混乱または傾眠
20%:常に臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒全介助⇒経口摂取数口以下⇒意識レベル清明または混乱または傾眠
10%:常に臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒全介助⇒マウスケアのみ⇒意識レベル傾眠または昏睡
<PaPスコア(Palliative Prognosis Score)>
①臨床的に見ての予後:1-2週なら8.5点、3-4週なら6.0点、5-6週なら4.5点、7-12週なら2.5点、13週以上なら0点(ここは分からない場合はPPIを使うと良い)
②Karnofsky Performance Scale:10-20なら2.5点、30以上なら0点
③食欲不振:ありなら1.5点、なしなら0点
④呼吸困難:ありなら1.0点、なしなら0点
⑤白血球数(/mm3):11000以上なら1.5点、8501-11000なら0.5点、8500以下なら0点
⑥リンパ球数(%):0-11.9なら2.5点、12-19.9なら1.0点、20以上なら0点
⇒①~⑥の合計:
9点以上:余命は21日以下の可能性が高い
5.5点以下:余命は30日以上の可能性が高い
cf)Karnofsky Performance Scale
100:正常、臨床症状なし
90:軽い臨床症状はあるが、正常活動が可能
80:かなり臨床症状はあるが、努力して正常の活動が可能
70:自分自身の世話はできるが、正常の活動、労働は不可能
60:自分に必要なことはできるが、時々介助が必要
50:病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
40:動けず、適切な医療および看護が必要
30:全く動けず、入院が必要だが死は差し迫っていない
20:非常に重症、入院が必要で精力的な治療が必要
10:死期が切迫している
<PPI(Palliative Prognostic Index)>
①Palliative Performance Scale:10~20なら4.0点、30~50なら2.5点、60以上なら0点
②経口摂取量:数口以下なら2.5点、減少しているが数口よりは多いなら1.0点、正常なら0点
(消化管閉塞のため高カロリー輸液を施行している場合は0点とする)
③浮腫:ありなら1.0点、なしなら0点
④安静時呼吸困難:ありなら3.5点、なしなら0点
⑤せん妄:あり(原因が薬物単独のものは含めない)なら4.0点、なしなら0点
⇒①~⑤の合計点:
6.5点以上:予後は21日以下の可能性が高い
3.5点以下:予後は42日以上の可能性が高い
cf)PPS(Palliative Performance Scale)左から順番にみて、患者に最もあてはまるレベルを決定する。
100%:100%起居している⇒正常の活動が可能で症状なし⇒ADL自立⇒経口摂取正常⇒意識レベル清明
90%:100%起居している⇒正常の活動が可能でいくらかの症状がある⇒ADL自立⇒経口摂取正常⇒意識レベル清明
80%:100%起居している⇒いくらかの症状はあるが努力すれば正常の活動が可能⇒ADL自立⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明
70%:ほとんど起居している⇒何らかの症状があり通常の仕事や業務が困難⇒ADL自立⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明
60%:ほとんど起居している⇒明らかな症状があり趣味や家事を行うことが困難⇒時に介助⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明または混乱
50%:ほとんど座位か横たわっている⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒しばしば介助⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明または混乱
40%:ほとんど臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒ほとんど介助⇒経口摂取正常または低下⇒意識レベル清明または混乱または傾眠
30%:常に臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒全介助⇒経口摂取減少⇒意識レベル清明または混乱または傾眠
20%:常に臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒全介助⇒経口摂取数口以下⇒意識レベル清明または混乱または傾眠
10%:常に臥床⇒著明な症状がありどんな仕事もすることが困難⇒全介助⇒マウスケアのみ⇒意識レベル傾眠または昏睡
酸素指示
☆酸素指示
①通常の場合:
「SpO2 93-97%を維持するように酸素増減」
もしくは、
「SpO2 90%未満ならO2開始。90%以下なら1Lずつup、97%以上なら1Lずつdown。Max10L、適宜offも可。」と記載する。
酸素
~4L:カヌラ
5~7L:マスク
8L~:リザーバーマスク
(*気切の場合は当然ながらこの指示はいらない)
②COPD既往ありの場合:
SpO2 88-92%を維持するようにカヌラ0.5Lずつ酸素増減。5L以上は以下の通り変更。
~4L:カヌラ
5~7L:マスク
8L~:リザーバーマスク
cf)酸素指示は正常ならSpO2:93-97%、COPDなら88-92%を保つように酸素増減が正しい。
理由:SpO2 98%=PaO2 100mmHg、SpO2 98-100%=PaO2 100-500mmHg⇒SpO2≧98%では高酸素血症が生じている可能性があるため、少なくとも97%以下に制限する。高酸素血症はCO2ナルコーシス、活性酸素による肺傷害、吸収性無気肺などの有害事象リスクがある。重症患者において高酸素血症は死亡リスクが増加する報告が多数あり、低酸素血症よりも死亡率が高まる報告も複数ある。
①通常の場合:
「SpO2 93-97%を維持するように酸素増減」
もしくは、
「SpO2 90%未満ならO2開始。90%以下なら1Lずつup、97%以上なら1Lずつdown。Max10L、適宜offも可。」と記載する。
酸素
~4L:カヌラ
5~7L:マスク
8L~:リザーバーマスク
(*気切の場合は当然ながらこの指示はいらない)
②COPD既往ありの場合:
SpO2 88-92%を維持するようにカヌラ0.5Lずつ酸素増減。5L以上は以下の通り変更。
~4L:カヌラ
5~7L:マスク
8L~:リザーバーマスク
cf)酸素指示は正常ならSpO2:93-97%、COPDなら88-92%を保つように酸素増減が正しい。
理由:SpO2 98%=PaO2 100mmHg、SpO2 98-100%=PaO2 100-500mmHg⇒SpO2≧98%では高酸素血症が生じている可能性があるため、少なくとも97%以下に制限する。高酸素血症はCO2ナルコーシス、活性酸素による肺傷害、吸収性無気肺などの有害事象リスクがある。重症患者において高酸素血症は死亡リスクが増加する報告が多数あり、低酸素血症よりも死亡率が高まる報告も複数ある。
浮腫の原因
☆浮腫の原因
注意)溢水か脱水か
・下肢末端に浮腫があっても溢水とは限らない
・低Alb血症にて浮腫を起こしていても皮膚乾燥あれば溢水ではない
・下肢末端だけの浮腫かつ皮膚乾燥なら利尿剤は必要ない
→あきらかな心不全の既往がない限りは体格小はアミノトリパ1号850ml、体格大はフルカリック1号1000mlくらいから開始し、下肢全体の浮腫が来たらラシックス1A+生食100mlなど追加、皮膚乾燥出てくれば、点滴量を追加していく(療養病院の場合)
原因不明の下肢浮腫の3/4は静脈うっ滞やリンパ浮腫。心不全、DVT、骨盤内悪性腫瘍をとりあえずは否定することが大切。
<全身性のことが多い>
・肝機能、腎機能、心機能をチェックする。
・Albは2.5以下であれば浮腫の原因になりえる(肝疾患、蛋白漏出性胃腸症、低栄養)。
・薬剤が原因になることもある。例:NSAIDs,Ca拮抗薬,甘草(漢方),Na(抗生剤の点滴),ステロイド,リリカ,ACEI,抗がん剤など
・甲状腺機能低下症
<片側性のことが多い>
・深部静脈血栓症:腫脹が中心、両側性のこともある
・蜂窩織炎:発赤や熱感、疼痛が中心
・リンパ浮腫:皮膚が硬い、下肢挙上で改善しない、骨盤内の癌や乳がん手術、リンパ節郭清が原因。軟部組織感染を繰り返しやすいのでフットケアが重要(下肢挙上や弾性ストッキングも有効だが静脈うっ滞ほどは有効ではない)
・静脈うっ滞:皮膚は軟らかい圧痕性、毛細血管拡張>静脈瘤>浮腫>色素沈着、静脈うっ滞性皮膚炎>潰瘍。車椅子や臥床の時間が長いことが多い。患肢挙上やマッサージ、弾性ストッキングが有効。
cf)浮腫の鑑別:
①脛骨前の浮腫を押しても直ちに戻る場合(non-pitting edema):リンパ浮腫(直腸がんや婦人科領域の悪性腫瘍)、甲状腺機能低下症、血管性浮腫(毛細血管透過性亢進)
②圧痕が5秒程度残る場合(fast edema):低Alb血症(2.5g/dl以下、Albが低いほど間質の水分が増えて圧痕がより速く戻る)→低栄養、ネフローゼ、肝硬変
③片側の浮腫:蜂窩織炎(訴えの割には皮膚所見が乏しい場合や急速に広がる場合は壊死性筋膜炎を疑うこと)、DVT、リンパ浮腫(解剖学的に左総腸骨静脈は右総腸骨動脈に圧迫されているため、左下肢は生理的に浮腫が生じやすい)
④両側の浮腫:腎不全、肝不全、心不全、甲状腺機能低下症
⑤眼瞼の浮腫:下眼瞼のみなら心不全、全周性なら低ALB血症
⑥手背の浮腫:RS3PE(remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema)症候群による左右対称性の滑膜炎による圧痕性浮腫
⑦口唇の浮腫:血管性浮腫(遺伝性血管性浮腫、Quincke浮腫、好酸球性血管性浮腫)、薬剤誘発性血管性浮腫→「喉の違和感」 「呼吸困難」の有無をチェックし、ペニシリン系抗菌薬、降圧薬(ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)、アスピリンなどNSAIDs服用歴ないかチェックする
⑧Ca拮抗薬、NSAIDs、甘草などは浮腫の原因となりえる。
⑨車椅子や寝たきり状態では下肢筋肉のポンプ機能が低下し、不動性浮腫やchair edema、麻痺側の静脈はうっ滞しやすい。
注意)溢水か脱水か
・下肢末端に浮腫があっても溢水とは限らない
・低Alb血症にて浮腫を起こしていても皮膚乾燥あれば溢水ではない
・下肢末端だけの浮腫かつ皮膚乾燥なら利尿剤は必要ない
→あきらかな心不全の既往がない限りは体格小はアミノトリパ1号850ml、体格大はフルカリック1号1000mlくらいから開始し、下肢全体の浮腫が来たらラシックス1A+生食100mlなど追加、皮膚乾燥出てくれば、点滴量を追加していく(療養病院の場合)
原因不明の下肢浮腫の3/4は静脈うっ滞やリンパ浮腫。心不全、DVT、骨盤内悪性腫瘍をとりあえずは否定することが大切。
<全身性のことが多い>
・肝機能、腎機能、心機能をチェックする。
・Albは2.5以下であれば浮腫の原因になりえる(肝疾患、蛋白漏出性胃腸症、低栄養)。
・薬剤が原因になることもある。例:NSAIDs,Ca拮抗薬,甘草(漢方),Na(抗生剤の点滴),ステロイド,リリカ,ACEI,抗がん剤など
・甲状腺機能低下症
<片側性のことが多い>
・深部静脈血栓症:腫脹が中心、両側性のこともある
・蜂窩織炎:発赤や熱感、疼痛が中心
・リンパ浮腫:皮膚が硬い、下肢挙上で改善しない、骨盤内の癌や乳がん手術、リンパ節郭清が原因。軟部組織感染を繰り返しやすいのでフットケアが重要(下肢挙上や弾性ストッキングも有効だが静脈うっ滞ほどは有効ではない)
・静脈うっ滞:皮膚は軟らかい圧痕性、毛細血管拡張>静脈瘤>浮腫>色素沈着、静脈うっ滞性皮膚炎>潰瘍。車椅子や臥床の時間が長いことが多い。患肢挙上やマッサージ、弾性ストッキングが有効。
cf)浮腫の鑑別:
①脛骨前の浮腫を押しても直ちに戻る場合(non-pitting edema):リンパ浮腫(直腸がんや婦人科領域の悪性腫瘍)、甲状腺機能低下症、血管性浮腫(毛細血管透過性亢進)
②圧痕が5秒程度残る場合(fast edema):低Alb血症(2.5g/dl以下、Albが低いほど間質の水分が増えて圧痕がより速く戻る)→低栄養、ネフローゼ、肝硬変
③片側の浮腫:蜂窩織炎(訴えの割には皮膚所見が乏しい場合や急速に広がる場合は壊死性筋膜炎を疑うこと)、DVT、リンパ浮腫(解剖学的に左総腸骨静脈は右総腸骨動脈に圧迫されているため、左下肢は生理的に浮腫が生じやすい)
④両側の浮腫:腎不全、肝不全、心不全、甲状腺機能低下症
⑤眼瞼の浮腫:下眼瞼のみなら心不全、全周性なら低ALB血症
⑥手背の浮腫:RS3PE(remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema)症候群による左右対称性の滑膜炎による圧痕性浮腫
⑦口唇の浮腫:血管性浮腫(遺伝性血管性浮腫、Quincke浮腫、好酸球性血管性浮腫)、薬剤誘発性血管性浮腫→「喉の違和感」 「呼吸困難」の有無をチェックし、ペニシリン系抗菌薬、降圧薬(ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)、アスピリンなどNSAIDs服用歴ないかチェックする
⑧Ca拮抗薬、NSAIDs、甘草などは浮腫の原因となりえる。
⑨車椅子や寝たきり状態では下肢筋肉のポンプ機能が低下し、不動性浮腫やchair edema、麻痺側の静脈はうっ滞しやすい。
PSAについて
☆PSAについて
・4ng/ml未満は前立腺がんは否定的。
・4-10はgray zone。F/T比(遊離型/全PSA)が0.15以上ならBPHや前立腺炎の可能性が高い。
・10以上は前立腺がんの可能性が高い。
・50-64歳は3ng/ml以下、65-69歳は3.5ng/ml以下、70歳以上では4ng/ml以下が正常値。
・これらを超えてくるようであれば泌尿器科受診を。
・根治的前立腺全摘術後であれば測定以下になるはず(でなければ全摘ではない)。その後にに0.2ng/mlを超え、1ヵ月後にも連続して0.2以上であれば再発と考える。泌尿器科受診を。
・4ng/ml未満は前立腺がんは否定的。
・4-10はgray zone。F/T比(遊離型/全PSA)が0.15以上ならBPHや前立腺炎の可能性が高い。
・10以上は前立腺がんの可能性が高い。
・50-64歳は3ng/ml以下、65-69歳は3.5ng/ml以下、70歳以上では4ng/ml以下が正常値。
・これらを超えてくるようであれば泌尿器科受診を。
・根治的前立腺全摘術後であれば測定以下になるはず(でなければ全摘ではない)。その後にに0.2ng/mlを超え、1ヵ月後にも連続して0.2以上であれば再発と考える。泌尿器科受診を。
IVH後に肝機能異常をきたした場合
☆IVH後に肝機能異常をきたした場合
・アミノ酸負荷によるものが多い(BUN↑)
・以下のように変更していき、肝機能をフォローしていく
①フィジオ35 500ml(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
②フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日3回(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
③ビーフリード500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日2回を3-5日間
④ビーフリード500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日2回、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回を3-5日間
⑤エルネオパ1号1000ml、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回を3-5日間
⑥エルネオパ1号1500mlを3-5日間
⑦エルネオパ2号1500mlに変更
・アミノ酸負荷によるものが多い(BUN↑)
・以下のように変更していき、肝機能をフォローしていく
①フィジオ35 500ml(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
②フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日3回(うち1本にはシーパラ1Aを混注)を3-5日間
③ビーフリード500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日2回を3-5日間
④ビーフリード500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日2回、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回を3-5日間
⑤エルネオパ1号1000ml、フィジオ35 500ml+50%ブドウ糖20ml5Aを1日1回を3-5日間
⑥エルネオパ1号1500mlを3-5日間
⑦エルネオパ2号1500mlに変更
CEA軽度上昇について
☆CEA軽度上昇について
・健診にてCEAが軽度上昇で精査依頼されることがある。
・健診日と受診日が開いている場合は採血して再検する。
・CEAが10ng/ml以下でも検査希望ならGF、CF、胸腹部CT、甲状腺機能をチェックする。異常なく、さらなる検査希望であれば乳腺、婦人科を紹介する。
・CEA10ng/ml以上ならGF、CF、胸腹部CT施行し、毎月のCEAフォロー。
・自費診療も厭わないならPETをしてみるのがいいだろう。
cf)ちなみに、自費ではGFで9000円、CFで25000円、腹部USで6000円、腹部CTで9000円位。
・喫煙、下痢、糖尿病、加齢、気管支炎、慢性膵炎、慢性肝炎、肺結核、クローン病、胃潰瘍、萎縮性胃炎、肺線維症、腎不全、子宮内膜症でも偽陽性になる。
・正常人の0.3%で10ng/mlを越える。潰瘍性大腸炎4.0%、肺疾患5.0%、肝硬変7.0%、腎疾患10.0%のほか直腸ポリープや肝炎で2%以下で10ng/mlを超えることがある。
・悪性疾患では大腸癌54.7%>肺癌24.5%>胃癌21.6%>乳癌16.2%>卵巣癌12.2%で10ng/ml以上となる。
・喫煙者は0.6%が10ng/mlを越えるが、通常は10ng/ml以下で、5ng/mlを越えるのは6.9%である。
・健診にてCEAが軽度上昇で精査依頼されることがある。
・健診日と受診日が開いている場合は採血して再検する。
・CEAが10ng/ml以下でも検査希望ならGF、CF、胸腹部CT、甲状腺機能をチェックする。異常なく、さらなる検査希望であれば乳腺、婦人科を紹介する。
・CEA10ng/ml以上ならGF、CF、胸腹部CT施行し、毎月のCEAフォロー。
・自費診療も厭わないならPETをしてみるのがいいだろう。
cf)ちなみに、自費ではGFで9000円、CFで25000円、腹部USで6000円、腹部CTで9000円位。
・喫煙、下痢、糖尿病、加齢、気管支炎、慢性膵炎、慢性肝炎、肺結核、クローン病、胃潰瘍、萎縮性胃炎、肺線維症、腎不全、子宮内膜症でも偽陽性になる。
・正常人の0.3%で10ng/mlを越える。潰瘍性大腸炎4.0%、肺疾患5.0%、肝硬変7.0%、腎疾患10.0%のほか直腸ポリープや肝炎で2%以下で10ng/mlを超えることがある。
・悪性疾患では大腸癌54.7%>肺癌24.5%>胃癌21.6%>乳癌16.2%>卵巣癌12.2%で10ng/ml以上となる。
・喫煙者は0.6%が10ng/mlを越えるが、通常は10ng/ml以下で、5ng/mlを越えるのは6.9%である。
カテ熱(CRBSI)について
☆カテ熱(CRBSI:catheter
related blood stream
infection)について
・カテーテル刺入部の排膿、発赤、圧痛あればすぐにカテ抜去(しかし、このような場合は稀)。septic shockの場合は感染源を疑うなら血培採取後、カテを入れ替えて広域の抗生剤(MEPM+VCMあたり)、shockの治療に入る。血行動態が安定しているなら抗生剤を開始しながら血培の結果を見て判断してもよい。通常はカテ抜去だけで熱が下がる。
⇒カテが入っている人の熱で他に熱源がなさそうであればカテ抜去し、末梢点滴+抗生剤(S/A等)で様子見るのが基本。
・sepsisを疑う場合、熱がないから血培をとらないのはナンセンス。低体温はより危険。
・カテーテルが入っていて、熱源がはっきりしない場合はカテーテル感染を必ず疑うこと。
・カテ熱で刺入部に発赤がみられるのは3%程度。原因菌の8割はコアグラーゼ陰性ブドウ球菌という弱毒菌のため、局所に炎症を生じにくい(∴抜去だけで熱が下がる)。
・カテ熱で状態が悪く、カテ先培養と血液培養で同じ菌種(グラム陰性桿菌、MRSA、カンジダsp.、黄色ブドウ球菌、腸球菌、真菌、抗酸菌など)が同定された場合は、カテ抜去で末梢で様子見るのがベター。違う部位からカテ挿入してもいいが、ガイドワイヤーを使っての入れ替えは禁忌。
・カテ熱(カテーテル関連血流感染症:CRBSI)の診断基準:
基準(1):1回もしくは複数回の血液培養から病原体が確認される。さらに 血液から培養された微生物は他の部位の感染に関係がない
基準(2):以下の症状や徴候が少なくとも1つある
①発熱(>38℃、熱型の特徴はspike fever)、悪寒戦慄、低血圧
②徴候や症状そして陽性の臨床検査結果が他の部位の感染に関係がない
③一般の皮膚汚染菌(類ジフテリア、バシラス属、Propionibacterium属、CNS、ビリダンス群溶連菌、ミクロコッカス属)が別々の機会に採取された2回以上の血液培養検体から培養される。
基準(3):微生物学的診断
①カテーテル先端の培養(定量or半定量)の検出菌=末梢静脈血からの検出菌
②カテーテル採血培養が末梢静脈血培養よりも2時間以上早く陽性になる
③カテーテル採血培養:末梢静脈血培養≧5:1
④カテーテル挿入部中心静脈血の定量培養(一般細菌≧100CFU/ml,真菌≧25CFU/ml)
cf)カテ熱の治療について
・血培2セット、カテ先培養を採取。
・まずは抜去する(大抵は抜去するとすぐに解熱する)。
・最大の原因菌は耐性ブドウ球菌で、βラクタムは耐性あるため、第1選択はバンコマイシン1g12時間おき。血液培養の結果を見てde-escalationする。
・超重症患者の場合はバンコマイシン(VCM)、メロペン(MEPM)、ミカファンギン(MCFG)を併用する。
cf)療養病院でのカテ熱
・療養病院でのカテ熱のほとんどは風呂熱である(入浴時にCVの保護テープ内にお湯が入り込む)・CVのナート部位のアイテル(膿)は非感染性で針反応と思われるものもある。
・フルカリック2号でカテ熱疑いの場合はエルネオパNF1号に変えると発熱が収まる場合がある。
・ポート感染疑うときは、すぐ抜去するのではなく、ポートはヘパロックし末梢点滴と抗生剤に変更してみる(ヘパロックは週1で交換する)。
cf)CVカテーテル閉塞時の交換について
・皮膚をカテーテルごとイソジン消毒し、覆い布をかける。
・ハサミでカテーテルの途中を切って、清潔操作でガイドワイヤーを挿入し、固定の糸を抜糸してからカテーテルを抜去する。
・その後はCV留置と同様の操作を行う。
参考1)
・5大医療感染症はHAP/VAP(ハップバップ)、CAUTI(カウチ)、CRBSI、SSI、CDI。CRBSIはCVCが原因の血流感染。診断には血液培養陽性が必須。カテ先培養は定量でなければ意味がない。他のfocusから菌血症を起こし、CVCに菌が付着によるものもある。カテーテル逆血培養1セット、末梢静脈から1セット採取し、カテーテル逆血培養の方が菌量の方が3倍以上多いか、カテーテル逆血培養の方が2時間以上早く陽性になればCRBSIと診断できる(菌量の比較は通常の検査室ではできないため)。診断にCVC抜去は必須ではない。末梢静脈カテーテルによるCRBSIも侮れない。菌はBIOFILMを形成して人工物に付着する。抗菌薬はBIOFILMの表面に効果あるだけでBIOFILM内部の菌には届かない。原因菌は表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌(MRSA)、GNRの中でも特にSPACE(セラチア、緑膿菌、アシネトバクター、シトロバクター、エンテロバクター)。SPACEは急変する可能性が高い。予防はマキシマルバリアプリコーションが大切。
参考2)
・CVC抜去せず高張液を浸透圧比1の等張液に変更(ソリタT3やソルデム1)するだけでも解熱することが多い。逆に高張液(ビーフリードやフィジオゾール3号)ではバイオフィルム内に浸透し細菌増殖の原因となる。
・CVC抜去しても解熱しない場合は人工弁などが無くても血管内の粥腫などにに感染がついているのかも。
・CVC穿刺困難な場合はCVCをガイドワイヤーを使って入れ替えるのも方法だが邪道。
☆カテ感染疑いで血培でカンジダが1セットで陽性になった場合
・酵母様真菌とあれば多くはカンジダ。
・βDグルカン陰性でも真菌感染は否定できない。
・カテ感染疑い+状態不良の場合、カンジダ、黄ブ菌、腸球菌は2セット中1セットでも陽性なら本物でコンタミではないと考えて治療開始する。
・血培からカンジダが採取された場合、通常ならコンタミであるが、カテが入っていて抜去しても熱が下がらない場合や、通常の抗生剤で効果がないときは抗真菌薬を投与する。
・逆に、IVH中でもなく、ケモ中でも免疫不全でもない場合は深在性真菌感染症の可能性はほぼない。
・カンジダ血症のリスク:免疫不全、手術後、ICU、CVC留置中、広域抗生剤使用、APACHEスコア高値、急性腎不全、未熟新生児、外傷、熱傷、埋め込み式人口装置、H2ブロッカー使用、カンジダ定着状態
・カテ感染の4大起炎菌:ブ菌、大腸菌、緑膿菌、カンジダ
・カンジダ感染症:IE、化膿性血栓性静脈炎、骨髄炎、髄膜炎の他に網膜炎も忘れずに
・カンジダ感染では眼底鏡を必ずチェックする
・C.albicansはフルコナゾール(FLCZ)が有効だが、C.glabra、C.kruseiはフルコナゾール無効なことがあり、ミカファンギン(MCFG)、アンホテリシンB(AMPH-B)を使う。クロモアガー培地で3つが判別できる。
cf)抗真菌薬について
・ファンギゾン(アンホテリシンB:AMPH-B)は25-50mg(0.5-1V)を5%ブドウ糖250-500mlに溶解して3-6時間以上かけて投与する必要がある(5%ブドウ糖で0.1mg/mlとする)。
・ファンギゾン自体に発熱の副作用があることに注意する。
・ただし、ファンギゾンは腎障害など副作用も強いので、ジフルカン(フルコナゾール:FLCZ/アゾール系)50-100mg(どちらも50mlの静注液)+生食100ml1日1回投与が無難。1日最大量は400mgまで。CCr50以上は通常用量、50未満は半量(HD時はHD終了後に通常用量)。
・ジフルカンはC.albicansには効くが、C.glabrata,C.kuruseiには無効。クリプトコッカスには効くがアスペルギルスには無効。
・1日2回だがフロリードF注(ミコナゾール:MCZ/アゾール系)200mg+生食100ml1日2回(ファンギゾンより副作用少ない)もファンギゾンより副作用少ない。併用禁忌はワルファリン、ピモジド、キニジン、トリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、ニソルジピン、ブロナンセリン、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、リバーロキサバン、アスナプレビル。
・アゾール系が無効な場合はキャンディン系のファンガード(ミカファンギン:MCFG)を使う。
・カテーテル刺入部の排膿、発赤、圧痛あればすぐにカテ抜去(しかし、このような場合は稀)。septic shockの場合は感染源を疑うなら血培採取後、カテを入れ替えて広域の抗生剤(MEPM+VCMあたり)、shockの治療に入る。血行動態が安定しているなら抗生剤を開始しながら血培の結果を見て判断してもよい。通常はカテ抜去だけで熱が下がる。
⇒カテが入っている人の熱で他に熱源がなさそうであればカテ抜去し、末梢点滴+抗生剤(S/A等)で様子見るのが基本。
・sepsisを疑う場合、熱がないから血培をとらないのはナンセンス。低体温はより危険。
・カテーテルが入っていて、熱源がはっきりしない場合はカテーテル感染を必ず疑うこと。
・カテ熱で刺入部に発赤がみられるのは3%程度。原因菌の8割はコアグラーゼ陰性ブドウ球菌という弱毒菌のため、局所に炎症を生じにくい(∴抜去だけで熱が下がる)。
・カテ熱で状態が悪く、カテ先培養と血液培養で同じ菌種(グラム陰性桿菌、MRSA、カンジダsp.、黄色ブドウ球菌、腸球菌、真菌、抗酸菌など)が同定された場合は、カテ抜去で末梢で様子見るのがベター。違う部位からカテ挿入してもいいが、ガイドワイヤーを使っての入れ替えは禁忌。
・カテ熱(カテーテル関連血流感染症:CRBSI)の診断基準:
基準(1):1回もしくは複数回の血液培養から病原体が確認される。さらに 血液から培養された微生物は他の部位の感染に関係がない
基準(2):以下の症状や徴候が少なくとも1つある
①発熱(>38℃、熱型の特徴はspike fever)、悪寒戦慄、低血圧
②徴候や症状そして陽性の臨床検査結果が他の部位の感染に関係がない
③一般の皮膚汚染菌(類ジフテリア、バシラス属、Propionibacterium属、CNS、ビリダンス群溶連菌、ミクロコッカス属)が別々の機会に採取された2回以上の血液培養検体から培養される。
基準(3):微生物学的診断
①カテーテル先端の培養(定量or半定量)の検出菌=末梢静脈血からの検出菌
②カテーテル採血培養が末梢静脈血培養よりも2時間以上早く陽性になる
③カテーテル採血培養:末梢静脈血培養≧5:1
④カテーテル挿入部中心静脈血の定量培養(一般細菌≧100CFU/ml,真菌≧25CFU/ml)
cf)カテ熱の治療について
・血培2セット、カテ先培養を採取。
・まずは抜去する(大抵は抜去するとすぐに解熱する)。
・最大の原因菌は耐性ブドウ球菌で、βラクタムは耐性あるため、第1選択はバンコマイシン1g12時間おき。血液培養の結果を見てde-escalationする。
・超重症患者の場合はバンコマイシン(VCM)、メロペン(MEPM)、ミカファンギン(MCFG)を併用する。
cf)療養病院でのカテ熱
・療養病院でのカテ熱のほとんどは風呂熱である(入浴時にCVの保護テープ内にお湯が入り込む)・CVのナート部位のアイテル(膿)は非感染性で針反応と思われるものもある。
・フルカリック2号でカテ熱疑いの場合はエルネオパNF1号に変えると発熱が収まる場合がある。
・ポート感染疑うときは、すぐ抜去するのではなく、ポートはヘパロックし末梢点滴と抗生剤に変更してみる(ヘパロックは週1で交換する)。
cf)CVカテーテル閉塞時の交換について
・皮膚をカテーテルごとイソジン消毒し、覆い布をかける。
・ハサミでカテーテルの途中を切って、清潔操作でガイドワイヤーを挿入し、固定の糸を抜糸してからカテーテルを抜去する。
・その後はCV留置と同様の操作を行う。
参考1)
・5大医療感染症はHAP/VAP(ハップバップ)、CAUTI(カウチ)、CRBSI、SSI、CDI。CRBSIはCVCが原因の血流感染。診断には血液培養陽性が必須。カテ先培養は定量でなければ意味がない。他のfocusから菌血症を起こし、CVCに菌が付着によるものもある。カテーテル逆血培養1セット、末梢静脈から1セット採取し、カテーテル逆血培養の方が菌量の方が3倍以上多いか、カテーテル逆血培養の方が2時間以上早く陽性になればCRBSIと診断できる(菌量の比較は通常の検査室ではできないため)。診断にCVC抜去は必須ではない。末梢静脈カテーテルによるCRBSIも侮れない。菌はBIOFILMを形成して人工物に付着する。抗菌薬はBIOFILMの表面に効果あるだけでBIOFILM内部の菌には届かない。原因菌は表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌(MRSA)、GNRの中でも特にSPACE(セラチア、緑膿菌、アシネトバクター、シトロバクター、エンテロバクター)。SPACEは急変する可能性が高い。予防はマキシマルバリアプリコーションが大切。
参考2)
・CVC抜去せず高張液を浸透圧比1の等張液に変更(ソリタT3やソルデム1)するだけでも解熱することが多い。逆に高張液(ビーフリードやフィジオゾール3号)ではバイオフィルム内に浸透し細菌増殖の原因となる。
・CVC抜去しても解熱しない場合は人工弁などが無くても血管内の粥腫などにに感染がついているのかも。
・CVC穿刺困難な場合はCVCをガイドワイヤーを使って入れ替えるのも方法だが邪道。
☆カテ感染疑いで血培でカンジダが1セットで陽性になった場合
・酵母様真菌とあれば多くはカンジダ。
・βDグルカン陰性でも真菌感染は否定できない。
・カテ感染疑い+状態不良の場合、カンジダ、黄ブ菌、腸球菌は2セット中1セットでも陽性なら本物でコンタミではないと考えて治療開始する。
・血培からカンジダが採取された場合、通常ならコンタミであるが、カテが入っていて抜去しても熱が下がらない場合や、通常の抗生剤で効果がないときは抗真菌薬を投与する。
・逆に、IVH中でもなく、ケモ中でも免疫不全でもない場合は深在性真菌感染症の可能性はほぼない。
・カンジダ血症のリスク:免疫不全、手術後、ICU、CVC留置中、広域抗生剤使用、APACHEスコア高値、急性腎不全、未熟新生児、外傷、熱傷、埋め込み式人口装置、H2ブロッカー使用、カンジダ定着状態
・カテ感染の4大起炎菌:ブ菌、大腸菌、緑膿菌、カンジダ
・カンジダ感染症:IE、化膿性血栓性静脈炎、骨髄炎、髄膜炎の他に網膜炎も忘れずに
・カンジダ感染では眼底鏡を必ずチェックする
・C.albicansはフルコナゾール(FLCZ)が有効だが、C.glabra、C.kruseiはフルコナゾール無効なことがあり、ミカファンギン(MCFG)、アンホテリシンB(AMPH-B)を使う。クロモアガー培地で3つが判別できる。
cf)抗真菌薬について
・ファンギゾン(アンホテリシンB:AMPH-B)は25-50mg(0.5-1V)を5%ブドウ糖250-500mlに溶解して3-6時間以上かけて投与する必要がある(5%ブドウ糖で0.1mg/mlとする)。
・ファンギゾン自体に発熱の副作用があることに注意する。
・ただし、ファンギゾンは腎障害など副作用も強いので、ジフルカン(フルコナゾール:FLCZ/アゾール系)50-100mg(どちらも50mlの静注液)+生食100ml1日1回投与が無難。1日最大量は400mgまで。CCr50以上は通常用量、50未満は半量(HD時はHD終了後に通常用量)。
・ジフルカンはC.albicansには効くが、C.glabrata,C.kuruseiには無効。クリプトコッカスには効くがアスペルギルスには無効。
・1日2回だがフロリードF注(ミコナゾール:MCZ/アゾール系)200mg+生食100ml1日2回(ファンギゾンより副作用少ない)もファンギゾンより副作用少ない。併用禁忌はワルファリン、ピモジド、キニジン、トリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、ニソルジピン、ブロナンセリン、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、リバーロキサバン、アスナプレビル。
・アゾール系が無効な場合はキャンディン系のファンガード(ミカファンギン:MCFG)を使う。
ワクチンについて
<総論>
☆ワクチンの種類
生ワク:ムンプス、風疹、麻疹、ポリオ、結核、水痘(生きるのは無風の進歩の結果です)。他は不活化かトキソイド。
☆接種方法
・筋注:HPV、経口:ロタ、皮内注:BCG、他は皮下注
・原則は不活化、トキソイドは局所反応が起こしやすいため深い場所に接種する必要があり、免疫反応が起こりにくいため血流の多い筋肉に接種するべきだが、筋注を指定しているのは現状はHPVワクチンのみ。従って、不活化、トキソイドは皮下深くに接種する。生ワクは局所反応が起きにくいため皮下注でよい。
・皮下注:上腕伸側の皮膚をつまんで30度の角度で針は16mm。筋注:肩の三角筋に垂直に針は25mm。
cf)橈骨神経は上腕伸側の中1/3において背側から腹側に斜めに下降するので、この部位での接種は橈骨神経の損傷を起こす危険性がある。従って接種部位は上腕伸側の上1/3または下1/3が適切である。
☆接種間隔
・不→不、不→生は1週間、生→不、生→生は4週間あける。
・同時接種は左右の上肢に1回ずつ別々に接種する。同側なら3-5cmあける。製剤同士は絶対に混ぜないこと。
・同日接種(朝に検診で接種し、その後来院し他のワクチンを接種)は自治体によっては2回目の保険が通らないこともあり。
☆副反応
①軽微なもの:局所反応:疼痛、腫脹、発赤、硬結、全身反応:発熱、倦怠感、頭痛→数%にみられ、自然軽快する
cf)インフルエンザワクチンによる発熱は当日~翌日、37度台~39度台まで様々。インフルエンザワクチン後に発熱することがあるが、抗体産生まで1週間くらいかかるので、ワクチンによる発熱かインフルエンザ感染による発熱かわからない。
②生ワクによる原疾患類似の症状:麻疹、風疹ワクチンで発熱、全身の発疹→2、3日で軽快し、本来の麻疹、風疹ではないので伝染はしない
③重篤なもの:アナフィラキシーショック(数千~数万分の1、接種後30分以内)、ADEM(急性散在性脳脊髄炎、数万~数十万分の1)、血小板減少性紫斑病
☆接種禁忌
①重篤な急性疾患
②当該ワクチンに対してアナフィラキシーショックの既往ある場合
③免疫抑制状態:先天性免疫不全、ステロイド、免疫抑制剤、抗癌剤使用中
④半年以内の輸血、γグロブリン製剤の使用歴(生ワクのみ禁忌、免疫応答が起こらない)
⑤妊娠中の生ワク(特にMRワクチン)
⑥卵アレルギーでの黄熱ワクチン(インフルエンザワクチンは重篤なアレルギーでなければ接種可)
⑦エリスロマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシンアレルギーに対する麻疹、風疹、MR、ムンプス、水痘ワクチン
・37.5℃以上の感冒や軽微な感染性腸炎は数日は接種見合わせ、麻疹後は4週間、風疹、水痘、ムンプス後は2-4週間、伝染性紅斑後は1-2週あけて接種するが医師の判断で接種も可能
・定期接種の重篤な副反応は予防接種法で補償、任意接種はPMDA(医薬品医療機器総合機構)にて保障される
cf)ワクチンの目標抗体価
麻疹EIA IgG 8-10倍以上、SRL 5-8倍以上
風疹HI IgG 16倍以上
水痘EIA IgG6-8倍以上
ムンプスEIA IgG 6-8倍以上
(医療従事者の場合は異なることがあるので要注意)
<各論>
☆B型肝炎(任意)
・周産期感染(垂直感染)は95%がキャリア化→母子感染予防事業で0.024%まで低下
・乳幼児、小児に周囲のキャリアからの唾液感染、成人以降はSTDとして水平感染することあり、定期接種化が望ましい
・水平感染では30%が急性肝炎(うち2%が劇症化し致死率は70%)、数%がキャリア化
・定期化されたHib、小児肺炎球菌ワクチンと同時に2か月以降に接種すべき
・本来は筋注が望ましいが、皮下深く接種する
☆Hib、小児肺炎球菌(定期)
・髄膜炎、敗血症、喉頭蓋炎を予防する
・小児肺炎球菌は2013年から13価に変更(それまで7価)
・Occult bacteremia(高熱だが全身状態が良好で感染巣が不明な小児での菌血症)はHib/肺炎球菌ワクチン2回接種児ではリスクは1%未満、接種なければ10%あり
☆破傷風(定期:DPT)
・土の中にいるClostridium tetaniから感染する
・100人/年発生、発症すると致死率は20-50%・DPTワクチンは乳幼児期に4回接種し、11歳でDTを1回接種するが、10年ごとにブースター接種が必要
・汚染された外傷では、
DPT接種なしか不明なとき:テタノブリン筋注、その場で対側の三角筋にTd1回接種、1M後に2回目、6-12M後に3回目
DPT接種ありで最終接種から5年以上ならその場でTd1回接種、5年未満なら予防必要なし
(定期化されたのは昭和43年以降なので昭和43年以前に生まれた人はDPT接種なし)
☆百日咳(定期:DPT)
・新生児から乳幼児の致死率が高い
・ワクチンは生後3か月以降
・成人のアウトブレイクから感染するため周囲の人はワクチンで防御する必要あり
・アメリカでは2011年のアウトブレイクを受けて、全成人と妊婦(不活化なので接種可)にDPTワクチンを接種を進めた
・DPT0.5mlを成人に接種すると発熱、局所反応(自然軽快するが)が起こりやすいので0.2mlにし、0.2mlで十分に免疫力を得られる(Tdapは日本は未承認)
☆麻疹、風疹(定期:MR)
・日本は麻疹輸出国、麻疹は年間300人、先天性風疹症候群は年間16人発症している
・南北アメリカは麻疹、風疹を排除できている
・1歳と就学前(5,6歳)の2回接種する
・生ワクなので妊婦には禁忌
cf)ワクチン接種後に抗体価が上昇しない場合
・風疹ならEIA IgG8.0未満、ムンプスなら4.0未満であれば再接種。
・2回目の接種でも抗体上昇を認めないなら接種製剤を変える(違う会社のものにする)と効果がある。
・風疹ワクチン接種後2ヶ月間は避妊が必要だが、風疹ワクチン接種後に妊娠が判明した場合でも、これまではワクチン接種による先天性風疹症候群の報告はない。
☆日本脳炎(定期)
・ブタからアカイエカを介して感染
・ほとんどは不顕性で発症するのは0.1-1%。しかし発症すると致死率は20-40%、神経学的後遺症は45-70%・ワクチンは6か月から接種可能だが、日本では推奨接種年齢が3歳となっている(しかし、現実は新生児、乳児期にも蚊に刺されるリスクあるので6か月で接種するのが望ましい)
・九州と四国地方での報告が多い
☆水痘(任意)
・空気感染する上、90%が顕性感染なのでアウトブレイクを非常に起こしやすい
・致死率は10万人あたり1-14歳で1人、15-19歳で2.7人、30-49歳で25人
・多彩な合併症:二次性皮膚細菌感染、二次性細菌性肺炎、一過性小脳失調、髄膜炎、2%未満で20週以下の妊婦で先天性水痘症候群、将来の帯状疱疹のリスク
・ワクチンは2回接種が望ましい(13歳未満は3か月間隔、13歳以上なら4週間空けて)
・通常は1歳で1回目、就学前(5,6歳)で2回目
・暴露後接種が有効なので、水ぼうそうの児に接触した場合はすぐに接種する(特に兄弟の一方が発症したらもう一方に必ず接種する)。72時間以内なら90%、5日以内なら70%で発症を防げる。
☆ムンプス(流行性耳下腺炎)(任意)
・特に問題になるのは難聴で年間650人、不顕性によるものは年間2500人。片側だが、聴力予後は極めて悪い。
・水痘以上に多彩な合併症:髄膜炎、脳炎、精巣炎、卵巣炎、乳腺炎、膵炎、流産、心筋炎、腎機能障害、小脳失調、ギランバレー症候群
・2回接種が必要。1回目は1歳、2回目は就学前(5,6歳)。キャッチアップは4週間空けて行う。
☆HPVワクチン(定期)
・不活性化で初めて筋注指定
・子宮頸部上皮内腫瘍を95%減らしたが子宮頸癌を減らしたevidenceはない
・4価ワクチンでは尖圭コンジローマも予防できる
・子宮頸癌関連の16価の血清型のうち2価もしくは4価のみの予防のため、20歳以降の子宮頸癌検診の受診が必要
・2013年6以降は接種後の重篤な有害事象が複数報告があり定期接種のままだが、積極的な接種勧奨は差し控えられている
・ワクチンと有害事象の因果関係は不明
・感染経路はSTDのみ。sexually activeでなければすぐに接種が必要というわけではない。
☆成人肺炎球菌ワクチン(任意)
・成人用はPPSV(Pneumococcal Poly Saccharide Vaccine/13価/ニューモバックス)、小児用はPCV(Pneumococcal Conjugate Vaccine/7価/プレベナー)。
・PPSVはもともと小児用として開発されたが、成人でのみ抗体価を上げた。PCVはPPSVの製剤に加工し免疫反応を起こしやすくしたもの。
・PPSVが市中肺炎を減らしたというevidenceはない。IPD(肺炎球菌関連の髄膜炎や敗血症)を減らす。
・肺炎は予防しないが重症化を防ぐワクチンであると理解する。
・老健施設でのHNCAPを減らしたevidenceはある。
・無脾の人はIPDのリスクが高いので必ず接種する。2歳以上であればPPSVの接種は保険適応あり。
・2回目以降の接種は禁忌ではないが、局所反応や全身反応が強く出ることに注意する(以前は再接種は禁忌だった)。
・無脾の人で以前接種した人は5年以上経過したなら65歳以上で2回目接種する。
・インフルエンザ流行期には同時接種も可能だが、現実的にはインフルエンザワクチンの1週間後、必要あれば肺炎球菌ワクチンを接種。
・呼吸器学会のアルゴリズムでは65,70,75,80…歳(5の倍数)ならニューモバックスを定期で接種し、5年以上あけて再接種(任意)、中途半端な年齢ならプレベナーを接種し、次の5の倍数の年齢時にニューモバックスを定期(2回目以降のニューモバックスは任意)で接種する。
☆ワクチンの種類
生ワク:ムンプス、風疹、麻疹、ポリオ、結核、水痘(生きるのは無風の進歩の結果です)。他は不活化かトキソイド。
☆接種方法
・筋注:HPV、経口:ロタ、皮内注:BCG、他は皮下注
・原則は不活化、トキソイドは局所反応が起こしやすいため深い場所に接種する必要があり、免疫反応が起こりにくいため血流の多い筋肉に接種するべきだが、筋注を指定しているのは現状はHPVワクチンのみ。従って、不活化、トキソイドは皮下深くに接種する。生ワクは局所反応が起きにくいため皮下注でよい。
・皮下注:上腕伸側の皮膚をつまんで30度の角度で針は16mm。筋注:肩の三角筋に垂直に針は25mm。
cf)橈骨神経は上腕伸側の中1/3において背側から腹側に斜めに下降するので、この部位での接種は橈骨神経の損傷を起こす危険性がある。従って接種部位は上腕伸側の上1/3または下1/3が適切である。
☆接種間隔
・不→不、不→生は1週間、生→不、生→生は4週間あける。
・同時接種は左右の上肢に1回ずつ別々に接種する。同側なら3-5cmあける。製剤同士は絶対に混ぜないこと。
・同日接種(朝に検診で接種し、その後来院し他のワクチンを接種)は自治体によっては2回目の保険が通らないこともあり。
☆副反応
①軽微なもの:局所反応:疼痛、腫脹、発赤、硬結、全身反応:発熱、倦怠感、頭痛→数%にみられ、自然軽快する
cf)インフルエンザワクチンによる発熱は当日~翌日、37度台~39度台まで様々。インフルエンザワクチン後に発熱することがあるが、抗体産生まで1週間くらいかかるので、ワクチンによる発熱かインフルエンザ感染による発熱かわからない。
②生ワクによる原疾患類似の症状:麻疹、風疹ワクチンで発熱、全身の発疹→2、3日で軽快し、本来の麻疹、風疹ではないので伝染はしない
③重篤なもの:アナフィラキシーショック(数千~数万分の1、接種後30分以内)、ADEM(急性散在性脳脊髄炎、数万~数十万分の1)、血小板減少性紫斑病
☆接種禁忌
①重篤な急性疾患
②当該ワクチンに対してアナフィラキシーショックの既往ある場合
③免疫抑制状態:先天性免疫不全、ステロイド、免疫抑制剤、抗癌剤使用中
④半年以内の輸血、γグロブリン製剤の使用歴(生ワクのみ禁忌、免疫応答が起こらない)
⑤妊娠中の生ワク(特にMRワクチン)
⑥卵アレルギーでの黄熱ワクチン(インフルエンザワクチンは重篤なアレルギーでなければ接種可)
⑦エリスロマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシンアレルギーに対する麻疹、風疹、MR、ムンプス、水痘ワクチン
・37.5℃以上の感冒や軽微な感染性腸炎は数日は接種見合わせ、麻疹後は4週間、風疹、水痘、ムンプス後は2-4週間、伝染性紅斑後は1-2週あけて接種するが医師の判断で接種も可能
・定期接種の重篤な副反応は予防接種法で補償、任意接種はPMDA(医薬品医療機器総合機構)にて保障される
cf)ワクチンの目標抗体価
麻疹EIA IgG 8-10倍以上、SRL 5-8倍以上
風疹HI IgG 16倍以上
水痘EIA IgG6-8倍以上
ムンプスEIA IgG 6-8倍以上
(医療従事者の場合は異なることがあるので要注意)
<各論>
☆B型肝炎(任意)
・周産期感染(垂直感染)は95%がキャリア化→母子感染予防事業で0.024%まで低下
・乳幼児、小児に周囲のキャリアからの唾液感染、成人以降はSTDとして水平感染することあり、定期接種化が望ましい
・水平感染では30%が急性肝炎(うち2%が劇症化し致死率は70%)、数%がキャリア化
・定期化されたHib、小児肺炎球菌ワクチンと同時に2か月以降に接種すべき
・本来は筋注が望ましいが、皮下深く接種する
☆Hib、小児肺炎球菌(定期)
・髄膜炎、敗血症、喉頭蓋炎を予防する
・小児肺炎球菌は2013年から13価に変更(それまで7価)
・Occult bacteremia(高熱だが全身状態が良好で感染巣が不明な小児での菌血症)はHib/肺炎球菌ワクチン2回接種児ではリスクは1%未満、接種なければ10%あり
☆破傷風(定期:DPT)
・土の中にいるClostridium tetaniから感染する
・100人/年発生、発症すると致死率は20-50%・DPTワクチンは乳幼児期に4回接種し、11歳でDTを1回接種するが、10年ごとにブースター接種が必要
・汚染された外傷では、
DPT接種なしか不明なとき:テタノブリン筋注、その場で対側の三角筋にTd1回接種、1M後に2回目、6-12M後に3回目
DPT接種ありで最終接種から5年以上ならその場でTd1回接種、5年未満なら予防必要なし
(定期化されたのは昭和43年以降なので昭和43年以前に生まれた人はDPT接種なし)
☆百日咳(定期:DPT)
・新生児から乳幼児の致死率が高い
・ワクチンは生後3か月以降
・成人のアウトブレイクから感染するため周囲の人はワクチンで防御する必要あり
・アメリカでは2011年のアウトブレイクを受けて、全成人と妊婦(不活化なので接種可)にDPTワクチンを接種を進めた
・DPT0.5mlを成人に接種すると発熱、局所反応(自然軽快するが)が起こりやすいので0.2mlにし、0.2mlで十分に免疫力を得られる(Tdapは日本は未承認)
☆麻疹、風疹(定期:MR)
・日本は麻疹輸出国、麻疹は年間300人、先天性風疹症候群は年間16人発症している
・南北アメリカは麻疹、風疹を排除できている
・1歳と就学前(5,6歳)の2回接種する
・生ワクなので妊婦には禁忌
cf)ワクチン接種後に抗体価が上昇しない場合
・風疹ならEIA IgG8.0未満、ムンプスなら4.0未満であれば再接種。
・2回目の接種でも抗体上昇を認めないなら接種製剤を変える(違う会社のものにする)と効果がある。
・風疹ワクチン接種後2ヶ月間は避妊が必要だが、風疹ワクチン接種後に妊娠が判明した場合でも、これまではワクチン接種による先天性風疹症候群の報告はない。
☆日本脳炎(定期)
・ブタからアカイエカを介して感染
・ほとんどは不顕性で発症するのは0.1-1%。しかし発症すると致死率は20-40%、神経学的後遺症は45-70%・ワクチンは6か月から接種可能だが、日本では推奨接種年齢が3歳となっている(しかし、現実は新生児、乳児期にも蚊に刺されるリスクあるので6か月で接種するのが望ましい)
・九州と四国地方での報告が多い
☆水痘(任意)
・空気感染する上、90%が顕性感染なのでアウトブレイクを非常に起こしやすい
・致死率は10万人あたり1-14歳で1人、15-19歳で2.7人、30-49歳で25人
・多彩な合併症:二次性皮膚細菌感染、二次性細菌性肺炎、一過性小脳失調、髄膜炎、2%未満で20週以下の妊婦で先天性水痘症候群、将来の帯状疱疹のリスク
・ワクチンは2回接種が望ましい(13歳未満は3か月間隔、13歳以上なら4週間空けて)
・通常は1歳で1回目、就学前(5,6歳)で2回目
・暴露後接種が有効なので、水ぼうそうの児に接触した場合はすぐに接種する(特に兄弟の一方が発症したらもう一方に必ず接種する)。72時間以内なら90%、5日以内なら70%で発症を防げる。
☆ムンプス(流行性耳下腺炎)(任意)
・特に問題になるのは難聴で年間650人、不顕性によるものは年間2500人。片側だが、聴力予後は極めて悪い。
・水痘以上に多彩な合併症:髄膜炎、脳炎、精巣炎、卵巣炎、乳腺炎、膵炎、流産、心筋炎、腎機能障害、小脳失調、ギランバレー症候群
・2回接種が必要。1回目は1歳、2回目は就学前(5,6歳)。キャッチアップは4週間空けて行う。
☆HPVワクチン(定期)
・不活性化で初めて筋注指定
・子宮頸部上皮内腫瘍を95%減らしたが子宮頸癌を減らしたevidenceはない
・4価ワクチンでは尖圭コンジローマも予防できる
・子宮頸癌関連の16価の血清型のうち2価もしくは4価のみの予防のため、20歳以降の子宮頸癌検診の受診が必要
・2013年6以降は接種後の重篤な有害事象が複数報告があり定期接種のままだが、積極的な接種勧奨は差し控えられている
・ワクチンと有害事象の因果関係は不明
・感染経路はSTDのみ。sexually activeでなければすぐに接種が必要というわけではない。
☆成人肺炎球菌ワクチン(任意)
・成人用はPPSV(Pneumococcal Poly Saccharide Vaccine/13価/ニューモバックス)、小児用はPCV(Pneumococcal Conjugate Vaccine/7価/プレベナー)。
・PPSVはもともと小児用として開発されたが、成人でのみ抗体価を上げた。PCVはPPSVの製剤に加工し免疫反応を起こしやすくしたもの。
・PPSVが市中肺炎を減らしたというevidenceはない。IPD(肺炎球菌関連の髄膜炎や敗血症)を減らす。
・肺炎は予防しないが重症化を防ぐワクチンであると理解する。
・老健施設でのHNCAPを減らしたevidenceはある。
・無脾の人はIPDのリスクが高いので必ず接種する。2歳以上であればPPSVの接種は保険適応あり。
・2回目以降の接種は禁忌ではないが、局所反応や全身反応が強く出ることに注意する(以前は再接種は禁忌だった)。
・無脾の人で以前接種した人は5年以上経過したなら65歳以上で2回目接種する。
・インフルエンザ流行期には同時接種も可能だが、現実的にはインフルエンザワクチンの1週間後、必要あれば肺炎球菌ワクチンを接種。
・呼吸器学会のアルゴリズムでは65,70,75,80…歳(5の倍数)ならニューモバックスを定期で接種し、5年以上あけて再接種(任意)、中途半端な年齢ならプレベナーを接種し、次の5の倍数の年齢時にニューモバックスを定期(2回目以降のニューモバックスは任意)で接種する。
ペースメーカー植え込みや胃瘻患者の死後対応
☆ペースメーカー植え込みや胃瘻患者の死後対応
・皮膚切開し、ペースメーカー本体を取り出す。本体は皮下に糸で固定されていることが多いが、大胸筋の内側に固定されて皮膚の上からは触れないこともあるので注意する。リード線は引き抜かなくてよい。本体からハサミで切り離せばよい。
・摘出する前に家族にペースメーカーを摘出すること、皮下出血認める場合があることなどを説明する。摘出しない場合は火葬時に破裂することがあり、葬儀業者にペースメーカーがあることを伝えることを説明する。破裂するのは火葬開始後30分以内のことが多い。
・取り出した本体は感染廃棄物として処理する。
☆死後の胃瘻処置
・胃瘻チューブの根本をハサミで切って胃内に落とす。受針器と丸針で縫合し胃瘻孔をふさぐ。ピンク針ではやりにくいので丸針と受針器を使うとよい。
・皮膚切開し、ペースメーカー本体を取り出す。本体は皮下に糸で固定されていることが多いが、大胸筋の内側に固定されて皮膚の上からは触れないこともあるので注意する。リード線は引き抜かなくてよい。本体からハサミで切り離せばよい。
・摘出する前に家族にペースメーカーを摘出すること、皮下出血認める場合があることなどを説明する。摘出しない場合は火葬時に破裂することがあり、葬儀業者にペースメーカーがあることを伝えることを説明する。破裂するのは火葬開始後30分以内のことが多い。
・取り出した本体は感染廃棄物として処理する。
☆死後の胃瘻処置
・胃瘻チューブの根本をハサミで切って胃内に落とす。受針器と丸針で縫合し胃瘻孔をふさぐ。ピンク針ではやりにくいので丸針と受針器を使うとよい。
医療区分について
☆医療区分について
・医療区分によって入院基本料(マルメ料)が変わる。ただし、療養病棟でも人工呼吸器は出来高算定。
・PEGやEDtubeで経腸栄養しているだけなら区分1。
・CVあれば区分3。
・モニター(医師及び看護職員により常時監視および管理している状態)あれば、モニタ装着していた日数だけ区分3。ただし、吸痰や酸素投与が必要。モニター単独なら区分2。
・末梢点滴だけでも、1日1000ml以上していれば実施した日付のみ区分3(ただし1か月に7日まで)。
・「24時間点滴加療が必要」は末梢点滴を指していて1週間しかできない。IVHの場合は「中心静脈点滴を行っている」だけでよい(2つ同時にはできない)。
・1日8回以上の吸痰あれば区分2(吸痰回数はバイタル表に記載あるはず)。
・気切しているだけなら区分2、発熱伴えば区分3。
・画像、採血にて肺炎診断した上で治療しているなら区分2(治療期間のみ)。
・尿検査を実施し細菌尿もしくは尿中WBC10個以上で尿路感染で治療しているなら区分2(治療期間のみ)。
・酸素投与は3L以上なら区分3、2L以下なら区分2。ただし、1か月全て区分3の酸素療法では査定されることが多い。
・パーキンソン病あれば区分2、もやもや病や脊髄小脳変性症など特定疾患あれば区分2。
・褥瘡治療している場合は区分2(治療期間のみ)。仙骨部褥瘡など病名に部位の記載が必要。
・週3回、1日3回以上血糖測定していれば血糖測定した日付のみ区分2(1日1回だけなら毎日でも算定されない)。
・区分1~3が混ざっているときは平均をとって、一番多い区分に合わせる
・医療区分によって入院基本料(マルメ料)が変わる。ただし、療養病棟でも人工呼吸器は出来高算定。
・PEGやEDtubeで経腸栄養しているだけなら区分1。
・CVあれば区分3。
・モニター(医師及び看護職員により常時監視および管理している状態)あれば、モニタ装着していた日数だけ区分3。ただし、吸痰や酸素投与が必要。モニター単独なら区分2。
・末梢点滴だけでも、1日1000ml以上していれば実施した日付のみ区分3(ただし1か月に7日まで)。
・「24時間点滴加療が必要」は末梢点滴を指していて1週間しかできない。IVHの場合は「中心静脈点滴を行っている」だけでよい(2つ同時にはできない)。
・1日8回以上の吸痰あれば区分2(吸痰回数はバイタル表に記載あるはず)。
・気切しているだけなら区分2、発熱伴えば区分3。
・画像、採血にて肺炎診断した上で治療しているなら区分2(治療期間のみ)。
・尿検査を実施し細菌尿もしくは尿中WBC10個以上で尿路感染で治療しているなら区分2(治療期間のみ)。
・酸素投与は3L以上なら区分3、2L以下なら区分2。ただし、1か月全て区分3の酸素療法では査定されることが多い。
・パーキンソン病あれば区分2、もやもや病や脊髄小脳変性症など特定疾患あれば区分2。
・褥瘡治療している場合は区分2(治療期間のみ)。仙骨部褥瘡など病名に部位の記載が必要。
・週3回、1日3回以上血糖測定していれば血糖測定した日付のみ区分2(1日1回だけなら毎日でも算定されない)。
・区分1~3が混ざっているときは平均をとって、一番多い区分に合わせる
感染対策(インフルエンザ、ノロ、MRSAなど)
<感染対策(インフルエンザ、ノロ、MRSAなど)>
☆インフルエンザ対策
・潜伏期は2日間で、感染性のある期間は発症1-2日前から発症後5-7日の間。潜伏期間から感染力がある。
・迅速検査の感度50-70%、特異度90%なので、検査陰性でも絶対とは言えない。インフルエンザ疑いなら陰性でも感染対策をする。
・インフルエンザ流行期の対策
1)外来では、①呼吸器症状ありならマスク着用、②手洗い励行、③インフルエンザが疑われる場合は待合室を分けるか、診察の順番を工夫する、④感染者用の診察室を用意する、⑤風邪症状がある場合は面会を控えるように指導する
2)入院患者では、①インフルエンザ疑いの段階で個室対応(難しい場合はカーテン隔離)⇒翌朝に発熱続けば迅速検査の指示を出す、②患者が外に出るときはマスク着用、手指衛生を徹底してもらう、③入室時はマスク着用、手指衛生を確実にする。
3)発症した患者では、①飛沫感染対策を発症後7日以上経過したら解除(あるいは発症後5日かつ解熱後2日、ただしこれは学校保健法で世界的には症状出現から5-7日間)
4)暴露した患者では、①発症者とは別の個室で管理(原則5日間→潜伏期間が長くて5日間なので)、個室管理が難しい場合は、ワクチンを接種していなければタミフルの予防投与を行う(病院負担)。
5)職員では、就業制限は原則として発症の日から最低5日間(発症後5日間かつ解熱後2日)→本当は7日間だが、現実的には5日間となる
注意)療養病床でインフルエンザ流行時に個室管理が推奨される場合
・咳やくしゃみの頻度が高い患者
・酸素投与中の患者
・人工呼吸管理下にある患者
☆ノロウィルス感染対策
・アウトブレイクしやすい理由は、①感染力が強い(100個以下の少ない量でも感染が成立)、②アルコール無効
・ウィルス性胃腸炎(冬季下痢症)はノロウィルスだけではない。アデノウィルスやロタウィルスもあり、感染力は高い。
・診断はPCRがベストだが、迅速検査は感度50%、特異度85%(→陰性でも否定はできない、陽性者のみに対策していると蔓延しやすい)。検査会社の感度、特異度はあてにならない。臨床研究での感度、特異度とは違う。
・潜伏は1-2日間、下痢の症状が消失してから7日間、免疫不全者の場合は2週間はウィルスが排出される
・職員が冬季下痢症になった場合は症状消失まで就業禁止とする(症状消失後7日間は排出があるため拡散防止に努めること)。
・12-3月に急激に生じた嘔気嘔吐、腹痛、水様性下痢の3つのうち2つを満たせばノロウィルスに準じた対策をする。
・吐物、糞便の処理方法(ノロウィルスに限定しない)
1)手袋、エプロン、マスクを着用
2)吐物の周囲2mくらいを汚染範囲と考えて処理する
3)吐物の周囲2mくらいを使い捨てのペーパータオルで外側から内側に向けて静かにふき取る。ふき取ったペーパータオルはビニール袋に入れて感染性廃棄容器に廃棄する。
4)ふきとった場所を1000ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液をしみ込ませたペーパータオルでふき取る(次亜塩素酸Naは金属腐食性があるので後で水拭きをしておく)
5)新しい次亜塩素酸Naをしみ込ませたペーパータオルで靴やスリッパをふき取る
6)汚染範囲の清掃を清掃担当者に依頼する。
☆MRSAを始めとする多剤耐性菌の理想の感染対策
・具体的な感染対策
1)アルコールによる手指消毒を徹底する。
2)感染と保菌は区別せずに個室管理し、入室者はエプロン、手袋、マスク(当然、部屋から出るときはマスクも含め廃棄する)着用。
3)保菌者の手や服にも付着しているが、周りの机など環境表面にも付着している。患者に接しなくても環境表面から付着するため、大部屋の別の患者を診察する時にも逐一アルコール消毒をする。
4)MRSAに効果のある薬剤を終了して48時間以上、もともとMRSAが出た部位および鼻腔のそれぞれが3回連続で培養陰性になれば隔離解除。
5)5分に1回は無意識に顔を触っているので、マスクで伝播を防ぐ目的もあるため、MRSAは空気感染や飛沫感染はしないが、マスクは必要。MRSA保菌者の診察をした69%の確率で汚染される。白衣は毎日洗濯する。
・バクトロバン鼻腔用軟膏2%の塗布方法
用法・用量:通常、適量を1日3回鼻腔内に塗布する。
1)綿棒の先にチューブからあずき粒程度の薬剤をとる。
2)まず、片側の鼻腔内に塗布し、次にもう片方の鼻腔内にも同じ量を塗布する。
3)薬剤を均一に伸ばすため、塗布後、両側の鼻翼の上からよくマッサージする。
注意)MRSA除菌の必要性
・現実的には療養病棟での看取り患者のMRSA除菌はしない。
・急性期ではMRSAの除菌をせずに、患者が死亡した場合敗訴する可能性がある。
「市民病院に入院した患者がMRSA敗血症を発生し、転院先の大学病院で死亡。市民病院の担当医らのMRSA感染予防を怠った過失、当該過失と死亡との因果関係を認めた高裁判決」 福岡高等裁判所平成18年9月14日判決 判例タイムズ1285号234頁
☆多剤耐性緑膿菌(MDRP)感染対策
・定義はIMP,AMK,CPFXの3剤耐性
・対策は保菌、感染問わずに全例個室で接触感染予防策。
・準MDRP(3剤中2剤に耐性ある場合)も全例個室にするべき。
・G陰性桿菌(緑膿菌、アシネトバクター、セラチア、大腸菌)は毒性が強く、エンドトキシン産生により重症化しやすい。耐性化すると抗菌薬が効かず危険。ERDP、ESBLも含め、多剤耐性グラム陰性桿菌をIMP,CPFX,AMK,CAZ(セフタチジム)のうち2剤耐性(R,I)のものと定義し、個室管理すべき。
・多剤耐性菌が出た時のカルテ記載:ご提出いただきました〇〇検体より院内規定による多剤耐性グラム陰性桿菌が検出されております。接触感染対策の開始をお願いします。
・具体的な感染対策:
1)患者診察、処置前後でのアルコールでの手指衛生の徹底
2)患者さんの使用する器具の固定(聴診器など)
3)患者さんの手指衛生の徹底を指導
4)個室にできるなら、個室管理とし、エプロン+手袋+マスク着用。
cf)多剤耐性菌について
・多剤耐性菌の種類
MRSA多剤耐性緑膿菌(MDRP)
多剤耐性アシネトバクター(MDRA)
ESBL産生グラム陰性桿菌
カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)
・日本に限らず訴訟、賠償のNO1はMRSA!→血液培養2セットは必ずとること
・感染症法で全数報告(国、県)が必要な耐性菌
1)VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)
2)VRSA(バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)→日本では1例もない、Laboエラーのことも多い
3)CRE(カルバペネム耐性腸内細菌)
4)MDRA(薬剤耐性アシネトバクター)*
5)MDRP(多剤耐性緑膿菌)やMRSAは報告義務なし
・多剤耐性の定義:
IPM,AMK,CPFX全てにRであれば多剤耐性とする
IPMのMIC>16
AMKのMIC>32
CPFXのMIC>4
☆インフルエンザ対策
・潜伏期は2日間で、感染性のある期間は発症1-2日前から発症後5-7日の間。潜伏期間から感染力がある。
・迅速検査の感度50-70%、特異度90%なので、検査陰性でも絶対とは言えない。インフルエンザ疑いなら陰性でも感染対策をする。
・インフルエンザ流行期の対策
1)外来では、①呼吸器症状ありならマスク着用、②手洗い励行、③インフルエンザが疑われる場合は待合室を分けるか、診察の順番を工夫する、④感染者用の診察室を用意する、⑤風邪症状がある場合は面会を控えるように指導する
2)入院患者では、①インフルエンザ疑いの段階で個室対応(難しい場合はカーテン隔離)⇒翌朝に発熱続けば迅速検査の指示を出す、②患者が外に出るときはマスク着用、手指衛生を徹底してもらう、③入室時はマスク着用、手指衛生を確実にする。
3)発症した患者では、①飛沫感染対策を発症後7日以上経過したら解除(あるいは発症後5日かつ解熱後2日、ただしこれは学校保健法で世界的には症状出現から5-7日間)
4)暴露した患者では、①発症者とは別の個室で管理(原則5日間→潜伏期間が長くて5日間なので)、個室管理が難しい場合は、ワクチンを接種していなければタミフルの予防投与を行う(病院負担)。
5)職員では、就業制限は原則として発症の日から最低5日間(発症後5日間かつ解熱後2日)→本当は7日間だが、現実的には5日間となる
注意)療養病床でインフルエンザ流行時に個室管理が推奨される場合
・咳やくしゃみの頻度が高い患者
・酸素投与中の患者
・人工呼吸管理下にある患者
☆ノロウィルス感染対策
・アウトブレイクしやすい理由は、①感染力が強い(100個以下の少ない量でも感染が成立)、②アルコール無効
・ウィルス性胃腸炎(冬季下痢症)はノロウィルスだけではない。アデノウィルスやロタウィルスもあり、感染力は高い。
・診断はPCRがベストだが、迅速検査は感度50%、特異度85%(→陰性でも否定はできない、陽性者のみに対策していると蔓延しやすい)。検査会社の感度、特異度はあてにならない。臨床研究での感度、特異度とは違う。
・潜伏は1-2日間、下痢の症状が消失してから7日間、免疫不全者の場合は2週間はウィルスが排出される
・職員が冬季下痢症になった場合は症状消失まで就業禁止とする(症状消失後7日間は排出があるため拡散防止に努めること)。
・12-3月に急激に生じた嘔気嘔吐、腹痛、水様性下痢の3つのうち2つを満たせばノロウィルスに準じた対策をする。
・吐物、糞便の処理方法(ノロウィルスに限定しない)
1)手袋、エプロン、マスクを着用
2)吐物の周囲2mくらいを汚染範囲と考えて処理する
3)吐物の周囲2mくらいを使い捨てのペーパータオルで外側から内側に向けて静かにふき取る。ふき取ったペーパータオルはビニール袋に入れて感染性廃棄容器に廃棄する。
4)ふきとった場所を1000ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液をしみ込ませたペーパータオルでふき取る(次亜塩素酸Naは金属腐食性があるので後で水拭きをしておく)
5)新しい次亜塩素酸Naをしみ込ませたペーパータオルで靴やスリッパをふき取る
6)汚染範囲の清掃を清掃担当者に依頼する。
☆MRSAを始めとする多剤耐性菌の理想の感染対策
・具体的な感染対策
1)アルコールによる手指消毒を徹底する。
2)感染と保菌は区別せずに個室管理し、入室者はエプロン、手袋、マスク(当然、部屋から出るときはマスクも含め廃棄する)着用。
3)保菌者の手や服にも付着しているが、周りの机など環境表面にも付着している。患者に接しなくても環境表面から付着するため、大部屋の別の患者を診察する時にも逐一アルコール消毒をする。
4)MRSAに効果のある薬剤を終了して48時間以上、もともとMRSAが出た部位および鼻腔のそれぞれが3回連続で培養陰性になれば隔離解除。
5)5分に1回は無意識に顔を触っているので、マスクで伝播を防ぐ目的もあるため、MRSAは空気感染や飛沫感染はしないが、マスクは必要。MRSA保菌者の診察をした69%の確率で汚染される。白衣は毎日洗濯する。
・バクトロバン鼻腔用軟膏2%の塗布方法
用法・用量:通常、適量を1日3回鼻腔内に塗布する。
1)綿棒の先にチューブからあずき粒程度の薬剤をとる。
2)まず、片側の鼻腔内に塗布し、次にもう片方の鼻腔内にも同じ量を塗布する。
3)薬剤を均一に伸ばすため、塗布後、両側の鼻翼の上からよくマッサージする。
注意)MRSA除菌の必要性
・現実的には療養病棟での看取り患者のMRSA除菌はしない。
・急性期ではMRSAの除菌をせずに、患者が死亡した場合敗訴する可能性がある。
「市民病院に入院した患者がMRSA敗血症を発生し、転院先の大学病院で死亡。市民病院の担当医らのMRSA感染予防を怠った過失、当該過失と死亡との因果関係を認めた高裁判決」 福岡高等裁判所平成18年9月14日判決 判例タイムズ1285号234頁
☆多剤耐性緑膿菌(MDRP)感染対策
・定義はIMP,AMK,CPFXの3剤耐性
・対策は保菌、感染問わずに全例個室で接触感染予防策。
・準MDRP(3剤中2剤に耐性ある場合)も全例個室にするべき。
・G陰性桿菌(緑膿菌、アシネトバクター、セラチア、大腸菌)は毒性が強く、エンドトキシン産生により重症化しやすい。耐性化すると抗菌薬が効かず危険。ERDP、ESBLも含め、多剤耐性グラム陰性桿菌をIMP,CPFX,AMK,CAZ(セフタチジム)のうち2剤耐性(R,I)のものと定義し、個室管理すべき。
・多剤耐性菌が出た時のカルテ記載:ご提出いただきました〇〇検体より院内規定による多剤耐性グラム陰性桿菌が検出されております。接触感染対策の開始をお願いします。
・具体的な感染対策:
1)患者診察、処置前後でのアルコールでの手指衛生の徹底
2)患者さんの使用する器具の固定(聴診器など)
3)患者さんの手指衛生の徹底を指導
4)個室にできるなら、個室管理とし、エプロン+手袋+マスク着用。
cf)多剤耐性菌について
・多剤耐性菌の種類
MRSA多剤耐性緑膿菌(MDRP)
多剤耐性アシネトバクター(MDRA)
ESBL産生グラム陰性桿菌
カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)
・日本に限らず訴訟、賠償のNO1はMRSA!→血液培養2セットは必ずとること
・感染症法で全数報告(国、県)が必要な耐性菌
1)VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)
2)VRSA(バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)→日本では1例もない、Laboエラーのことも多い
3)CRE(カルバペネム耐性腸内細菌)
4)MDRA(薬剤耐性アシネトバクター)*
5)MDRP(多剤耐性緑膿菌)やMRSAは報告義務なし
・多剤耐性の定義:
IPM,AMK,CPFX全てにRであれば多剤耐性とする
IPMのMIC>16
AMKのMIC>32
CPFXのMIC>4
梅毒検査について
☆梅毒検査について
・STS×,TPHA×:未感染
・STS○,TPHA×:感染初期もしくはBFP(生物学的偽陽性:妊婦、SLE、ワクチン接種後、肝疾患)
・STS○,TPHA○:梅毒(治療開始)
・STS×,TPHA○:既感染(ただしProzone Phenomenonの可能性もあるためSTS定量にてcheckすること。特にTPHA10倍以上の高値の場合)
cf)RPRとTPHAについて
・梅毒検査にはSTS(VDRL,RPR)とTP抗原(EIA,TPHA,TPPA,FTA-ABS)の2つがある。
・RPR(STS,非TP法):梅毒感染で生じるカルジオリピン-レシチンへの抗体を見ており、梅毒感染から3-6週間後に陽性化する。治癒すると低下する。慢性炎症(Tb、肝炎、RA、SLE)、高齢者、ウィルス感染(ヘルペス、HIV)、マラリア、予防接種、妊娠でも陽性になる(BFP)。
・TPHA:梅毒に特異的な抗原を見ており、梅毒感染から6週間後に陽性化する。治癒しても陽性が持続する。
cf)BFP(生物学的偽陽性)の原因:抗リン脂質抗体症候群、急性ウイルス感染症(EBV, 肝炎, 麻疹など)、マイコプラズマ感染症、クラミジア感染症、予防接種、妊娠など、他にはHIV、悪性腫瘍、頭位分娩、じんま疹、皮膚炎、脳梗塞、SLE
cf)高齢者の梅毒検査について(RPR+、TPHA+の場合)
・高齢者なら多くの場合は活動性がないため治療は不要。
・原則はSTS(RPR,非TP法)の定量16倍以上であれば無症状でも治療することが望ましい。第3期以上ではサワシリンカプセル250mg6錠分3もしくはミノマイシン100mg2錠分2を8-12週間投与し、投与終了後半年後にSTS(RPR)定量を測定し8倍以下なら治療成功。8倍以上なら治療失敗。
注)RPR+,TPHA+の場合でも現感染とは限らない
・RPR+,TPHA+でもRPR<8,TPHA<280の場合は治癒後の梅毒の可能性が高い(やんちゃな夫から妻がもらった場合が多い)。FTA-ABS IgMで確認してもよい。
cf)梅毒患者の針刺しの感染予防
・ペニシリンG、アンピシリンの常用量を2週間内服する。
・STS×,TPHA×:未感染
・STS○,TPHA×:感染初期もしくはBFP(生物学的偽陽性:妊婦、SLE、ワクチン接種後、肝疾患)
・STS○,TPHA○:梅毒(治療開始)
・STS×,TPHA○:既感染(ただしProzone Phenomenonの可能性もあるためSTS定量にてcheckすること。特にTPHA10倍以上の高値の場合)
cf)RPRとTPHAについて
・梅毒検査にはSTS(VDRL,RPR)とTP抗原(EIA,TPHA,TPPA,FTA-ABS)の2つがある。
・RPR(STS,非TP法):梅毒感染で生じるカルジオリピン-レシチンへの抗体を見ており、梅毒感染から3-6週間後に陽性化する。治癒すると低下する。慢性炎症(Tb、肝炎、RA、SLE)、高齢者、ウィルス感染(ヘルペス、HIV)、マラリア、予防接種、妊娠でも陽性になる(BFP)。
・TPHA:梅毒に特異的な抗原を見ており、梅毒感染から6週間後に陽性化する。治癒しても陽性が持続する。
cf)BFP(生物学的偽陽性)の原因:抗リン脂質抗体症候群、急性ウイルス感染症(EBV, 肝炎, 麻疹など)、マイコプラズマ感染症、クラミジア感染症、予防接種、妊娠など、他にはHIV、悪性腫瘍、頭位分娩、じんま疹、皮膚炎、脳梗塞、SLE
cf)高齢者の梅毒検査について(RPR+、TPHA+の場合)
・高齢者なら多くの場合は活動性がないため治療は不要。
・原則はSTS(RPR,非TP法)の定量16倍以上であれば無症状でも治療することが望ましい。第3期以上ではサワシリンカプセル250mg6錠分3もしくはミノマイシン100mg2錠分2を8-12週間投与し、投与終了後半年後にSTS(RPR)定量を測定し8倍以下なら治療成功。8倍以上なら治療失敗。
注)RPR+,TPHA+の場合でも現感染とは限らない
・RPR+,TPHA+でもRPR<8,TPHA<280の場合は治癒後の梅毒の可能性が高い(やんちゃな夫から妻がもらった場合が多い)。FTA-ABS IgMで確認してもよい。
cf)梅毒患者の針刺しの感染予防
・ペニシリンG、アンピシリンの常用量を2週間内服する。
免疫抑制、化学療法開始時のHBV再活性化リスク評価について
☆免疫抑制、化学療法開始時のHBV再活性化リスク評価について
・免疫抑制、化学療法を開始する前に、まずHBs抗原を測定しHBVキャリアかどうかを確認する。
・HBs抗原陽性のHBVキャリアは、HBV再活性化の高リスクなため、肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤を投与。
・HBs抗原陰性例は、HBs抗体およびHBc抗体を測定して、陽性であれば既往感染者と判定する。
・HBV既往感染例でも免疫抑制、化学療法を行うとHBVが再活性化するリスクがある。
・HBc抗体、HBs抗体のうちどちらか一方しか測定ができない場合は、HBc抗体をまず測定する。ただし、HBc抗体陰性例でも再活性化が報告されている。ワクチン接種歴が明らかである場合を除きガイドラインに従う。
・HBV既往感染者と判定した場合はHBV DNA量を測定し、原疾患治療を開始する前に、一度肝臓専門医にコンサルトする。
・HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体が陰性であれば、HBVキャリアでも既往感染者でもないため、通常の原疾患治療を行う。
・副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、免疫抑制作用や免疫修飾作用を有する分子標的薬を用いた免疫抑制療法では、治療開始後少なくとも6ヵ月間は、月1回のHBV DNA量のモニタリングが推奨される。
・免疫抑制・化学療法中にHBV DNA量が2.1 log copies/mL(20 IU/mL)以上に増加した場合、直ちに肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤(エンテカビル)を投与する。
・通常、ALT/AST値などの肝機能障害の指標は、HBVの増殖から数ヵ月遅れて上昇する。
・核酸アナログ製剤の効果発現には1ヵ月程度かかる。
・ALT/AST値が正常値を超えて上昇してからでは、HBV DNA量が著しく増加し、核酸アナログ製剤の効果発現がHBVの増殖に追いつかないリスクがあるため、HBV DNAが2.1 log copies/mL(20 IU/mL)以上になった時点で肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤の投与を開始する。
・その際、免疫抑制・化学療法を中止すると、原疾患の病態が増悪する可能性があるため、中止せずに肝臓専門医と相談する。
・免疫抑制、化学療法を開始する前に、まずHBs抗原を測定しHBVキャリアかどうかを確認する。
・HBs抗原陽性のHBVキャリアは、HBV再活性化の高リスクなため、肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤を投与。
・HBs抗原陰性例は、HBs抗体およびHBc抗体を測定して、陽性であれば既往感染者と判定する。
・HBV既往感染例でも免疫抑制、化学療法を行うとHBVが再活性化するリスクがある。
・HBc抗体、HBs抗体のうちどちらか一方しか測定ができない場合は、HBc抗体をまず測定する。ただし、HBc抗体陰性例でも再活性化が報告されている。ワクチン接種歴が明らかである場合を除きガイドラインに従う。
・HBV既往感染者と判定した場合はHBV DNA量を測定し、原疾患治療を開始する前に、一度肝臓専門医にコンサルトする。
・HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体が陰性であれば、HBVキャリアでも既往感染者でもないため、通常の原疾患治療を行う。
・副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、免疫抑制作用や免疫修飾作用を有する分子標的薬を用いた免疫抑制療法では、治療開始後少なくとも6ヵ月間は、月1回のHBV DNA量のモニタリングが推奨される。
・免疫抑制・化学療法中にHBV DNA量が2.1 log copies/mL(20 IU/mL)以上に増加した場合、直ちに肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤(エンテカビル)を投与する。
・通常、ALT/AST値などの肝機能障害の指標は、HBVの増殖から数ヵ月遅れて上昇する。
・核酸アナログ製剤の効果発現には1ヵ月程度かかる。
・ALT/AST値が正常値を超えて上昇してからでは、HBV DNA量が著しく増加し、核酸アナログ製剤の効果発現がHBVの増殖に追いつかないリスクがあるため、HBV DNAが2.1 log copies/mL(20 IU/mL)以上になった時点で肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤の投与を開始する。
・その際、免疫抑制・化学療法を中止すると、原疾患の病態が増悪する可能性があるため、中止せずに肝臓専門医と相談する。
悪性症候群について
☆悪性症候群について
・急激なドパミン遮断による。Lドーパの急な中止や、抗精神病薬の使用が原因。
・高熱と高CPK血症があるのみで、筋強剛など錐体外路症状や自律神経症状が乏しい場合は一般的な悪性症候群(NMS)の診断基準は満たさない(特徴は手足がガクガクガチガチになり、スッと伸びなくなる。ただし症状がはっきりしない不全型も結構ある。早めにダントリウム入れてもいいかもしれない)。
・じほう社の経管投与ハンドブックではマドパは粉砕可、簡易懸濁可。簡易懸濁では、55℃5分では溶けず、10分を要する。マドパはNGtubeなどから継続するのが無難。
・マドパー3錠なら、急にoffにしても問題ないことが多いが、3日づつ漸減するのが無難。
・悪性症候群を起こすのはマドパー600mgや900mg等、比較的投与量が多い時に見られる。それを突然に中止し、脱水などが加わると起こしやすい。
・CPKは軽く5000~10000を越えることが多い。ダントリウムで回復しても、同じ抗精神病薬を使うと再発する。
・ダントリウムによる筋弛緩作用のために、呼吸不全に注意する必要がある。悪性症候群は基本的に抗精神病薬の中止と補液で対応できることも多い。
・急激なドパミン遮断による。Lドーパの急な中止や、抗精神病薬の使用が原因。
・高熱と高CPK血症があるのみで、筋強剛など錐体外路症状や自律神経症状が乏しい場合は一般的な悪性症候群(NMS)の診断基準は満たさない(特徴は手足がガクガクガチガチになり、スッと伸びなくなる。ただし症状がはっきりしない不全型も結構ある。早めにダントリウム入れてもいいかもしれない)。
・じほう社の経管投与ハンドブックではマドパは粉砕可、簡易懸濁可。簡易懸濁では、55℃5分では溶けず、10分を要する。マドパはNGtubeなどから継続するのが無難。
・マドパー3錠なら、急にoffにしても問題ないことが多いが、3日づつ漸減するのが無難。
・悪性症候群を起こすのはマドパー600mgや900mg等、比較的投与量が多い時に見られる。それを突然に中止し、脱水などが加わると起こしやすい。
・CPKは軽く5000~10000を越えることが多い。ダントリウムで回復しても、同じ抗精神病薬を使うと再発する。
・ダントリウムによる筋弛緩作用のために、呼吸不全に注意する必要がある。悪性症候群は基本的に抗精神病薬の中止と補液で対応できることも多い。
S型アミラーゼ上昇時の鑑別
☆S型アミラーゼ上昇時の鑑別
・シェーグレン症候群、ミクリッツ、唾石、ウイルス性唾液腺炎、唾液腺腫瘍、アル中など。耳鼻科受診し鑑別を。
・肺癌や大腸癌、卵巣癌も鑑別に挙がるので、胸部と腹部のスクリーニングをすること。
・胸部CT、大腸内視鏡、骨盤MRIが理想だが、現実はまず胸部X線、便潜血、腹部and/or経膣エコー。
・市販のサプリメントや精神的ストレス、歯ぎしり、やせ、でも上昇するらしい。
・マクロアミラーゼ血症も鑑別に入る。
・シェーグレン症候群、ミクリッツ、唾石、ウイルス性唾液腺炎、唾液腺腫瘍、アル中など。耳鼻科受診し鑑別を。
・肺癌や大腸癌、卵巣癌も鑑別に挙がるので、胸部と腹部のスクリーニングをすること。
・胸部CT、大腸内視鏡、骨盤MRIが理想だが、現実はまず胸部X線、便潜血、腹部and/or経膣エコー。
・市販のサプリメントや精神的ストレス、歯ぎしり、やせ、でも上昇するらしい。
・マクロアミラーゼ血症も鑑別に入る。
胃癌のABC検診
☆胃癌のABC検診
・H.ピロリ抗体価(HP)とペプシノーゲン法(PG)により採血だけで胃癌リスクをスクリーニングする。
・A群:HP-/PG-、B群:HP+/PG-、C群:HP+/PG+、D群:HP-/PG+(D群はピロリ菌が生存できないほど萎縮性胃炎が進行)
・胃癌発生率:A群:年率0%、B群:年率0.1%、C群:年率0.2%、D群:年率1.25%・ピロリ除菌療法、上部内視鏡はB群以上で必要(D群での除菌は内視鏡所見、UBT、便中抗原から判断)。
・ペプシノーゲンI(PG-I)は胃底腺から分泌、PG-IIは胃全体から分泌される。胃炎ではPG-I、PG-IIともに血中に逸脱するが、ピロリ感染では胃底腺が減少するのでPG-I/PG-IIは低下する。除菌してもすぐにPG-I/PG-IIは上昇しないことに注意。
・PG-I/PG-IIが3以下で陽性(1+)とする。PG-I 50ng/ml以下かつPG-I/PG-II 3以下を(2+)、PG-I 30ng/ml以下かつPG-I/PG-II 2以下を(3+)の判定とする。
・Hピロリ抗体価10U/ml以上を陽性とするが、3U/ml以上10U/ml未満は陰性高値でUBTや便中抗原を検査し陽性であれば現感染とする。
・HP抗体価が陰性(陰性高値でない)でも萎縮性胃炎が進んでいる可能性(D群)もあるが、その確率は0.1%程度と見られている。∴HP抗体価は99.9%は正しい。
・しかし、Hピロリ抗体価が3以下でも胃癌リスクなしとは判定できず、結局GFが必要になる。
・H.ピロリ抗体価(HP)とペプシノーゲン法(PG)により採血だけで胃癌リスクをスクリーニングする。
・A群:HP-/PG-、B群:HP+/PG-、C群:HP+/PG+、D群:HP-/PG+(D群はピロリ菌が生存できないほど萎縮性胃炎が進行)
・胃癌発生率:A群:年率0%、B群:年率0.1%、C群:年率0.2%、D群:年率1.25%・ピロリ除菌療法、上部内視鏡はB群以上で必要(D群での除菌は内視鏡所見、UBT、便中抗原から判断)。
・ペプシノーゲンI(PG-I)は胃底腺から分泌、PG-IIは胃全体から分泌される。胃炎ではPG-I、PG-IIともに血中に逸脱するが、ピロリ感染では胃底腺が減少するのでPG-I/PG-IIは低下する。除菌してもすぐにPG-I/PG-IIは上昇しないことに注意。
・PG-I/PG-IIが3以下で陽性(1+)とする。PG-I 50ng/ml以下かつPG-I/PG-II 3以下を(2+)、PG-I 30ng/ml以下かつPG-I/PG-II 2以下を(3+)の判定とする。
・Hピロリ抗体価10U/ml以上を陽性とするが、3U/ml以上10U/ml未満は陰性高値でUBTや便中抗原を検査し陽性であれば現感染とする。
・HP抗体価が陰性(陰性高値でない)でも萎縮性胃炎が進んでいる可能性(D群)もあるが、その確率は0.1%程度と見られている。∴HP抗体価は99.9%は正しい。
・しかし、Hピロリ抗体価が3以下でも胃癌リスクなしとは判定できず、結局GFが必要になる。
ALP高値について
☆ALP高値について
・γGTP上昇なければ骨疾患か、生理的。→整形外科コンサルト
・γGTP上昇あり、T-BiL上昇あれば総胆管胆石など考慮。→腹部エコー
・γGTP上昇あるが、T-BiL上昇なければミクロな胆汁うっ滞の可能性ありAMA、M2測定し、上昇あればPBC疑い。→肝臓内科コンサルト
・γGTP上昇あるが、T-BiL上昇なし、AMA陰性、M2陰性であれば薬剤を疑う。→薬剤チェック
・γGTP上昇なければ骨疾患か、生理的。→整形外科コンサルト
・γGTP上昇あり、T-BiL上昇あれば総胆管胆石など考慮。→腹部エコー
・γGTP上昇あるが、T-BiL上昇なければミクロな胆汁うっ滞の可能性ありAMA、M2測定し、上昇あればPBC疑い。→肝臓内科コンサルト
・γGTP上昇あるが、T-BiL上昇なし、AMA陰性、M2陰性であれば薬剤を疑う。→薬剤チェック
CD関連腸炎での隔離の方法と隔離解除について
☆CD関連腸炎での隔離の方法と隔離解除について
・VCM投与終了後に下痢が続くこともあるが、①腸管粘膜障害が改善していない、②腸管内の常在菌の乱れが回復していない、③低蛋白血症による腸管の水分の吸収不全、④蠕動機能が回復していない等によることもある。
・CDのMICは0.5-2μg/mlであり、VCMの腸管内濃度は4000μg/mlなため耐性化は考慮する必要ない。
・VCMを投与してもCDが残ることがあるが、症状が消失した段階で接触感染対策を解除する(CDは健常人の5-25%から検出される)。
・下痢症状が消失していればCDトキシンの再検はせずに隔離解除してよい。
・病棟によっては、CDトキシン陰性を2日連続で確認してから隔離解除とする場合もある。
・CD感染症を発症し回復した症例については隔離解除後も標準予防策(一般的な手洗い、防護用具着用)を行う。
☆CD感染性下痢を疑うとき
・CDトキシンの結果が出るまで時間差があるので、CDを疑う場合はあらかじめカーテン隔離、専用の聴診器などは結果が出る前にしておいたほうが良い。
・VCM投与終了後に下痢が続くこともあるが、①腸管粘膜障害が改善していない、②腸管内の常在菌の乱れが回復していない、③低蛋白血症による腸管の水分の吸収不全、④蠕動機能が回復していない等によることもある。
・CDのMICは0.5-2μg/mlであり、VCMの腸管内濃度は4000μg/mlなため耐性化は考慮する必要ない。
・VCMを投与してもCDが残ることがあるが、症状が消失した段階で接触感染対策を解除する(CDは健常人の5-25%から検出される)。
・下痢症状が消失していればCDトキシンの再検はせずに隔離解除してよい。
・病棟によっては、CDトキシン陰性を2日連続で確認してから隔離解除とする場合もある。
・CD感染症を発症し回復した症例については隔離解除後も標準予防策(一般的な手洗い、防護用具着用)を行う。
☆CD感染性下痢を疑うとき
・CDトキシンの結果が出るまで時間差があるので、CDを疑う場合はあらかじめカーテン隔離、専用の聴診器などは結果が出る前にしておいたほうが良い。
療養病院での肺炎、心不全管理
☆療養病院での肺炎管理
・肺炎ばかりを見るのではなく、心不全などほかの併存疾患を注意深く観察する。
・「下腿浮腫や頸静脈怒張が出てきた」「尿量が減ってきた」などは心不全の徴候。
・肺炎が改善してきているにもかかわらず心不全が増悪していくこともある。
・「肺炎が治っていない」ではなく「心不全が増悪した」という可能性も頭に置いておくこと。
・抗菌薬投与が30日、90日、1年後の予後を必ずしも改善しない。
・寝たきり、サルコペニア、低Alb血症などの因子の影響が大きい。
・NHCAPでは広域抗生剤使用が狭域よりも予後を悪化させる。
☆療養病院での心不全管理
・溢水だと血圧が上昇し、脱水だと血圧が下がってくる(∴血圧低下では利尿薬は用いない)。
・脱水でも頻脈になるし、心不全でも頻脈になる。
・尿量減少時の対応:明らかな心不全ある場合は利尿剤→明らかな浮腫がある場合も利尿剤→浮腫がない場合はとりあえず補液負荷を2-3日かけてみる→それでも尿量が増えない場合はCXRで両側(片測ではだめ)のうっ血像がないか確認したり、腎機能や電解質をチェックする→結果、心不全や腎不全であれば利尿剤
・肺炎ばかりを見るのではなく、心不全などほかの併存疾患を注意深く観察する。
・「下腿浮腫や頸静脈怒張が出てきた」「尿量が減ってきた」などは心不全の徴候。
・肺炎が改善してきているにもかかわらず心不全が増悪していくこともある。
・「肺炎が治っていない」ではなく「心不全が増悪した」という可能性も頭に置いておくこと。
・抗菌薬投与が30日、90日、1年後の予後を必ずしも改善しない。
・寝たきり、サルコペニア、低Alb血症などの因子の影響が大きい。
・NHCAPでは広域抗生剤使用が狭域よりも予後を悪化させる。
☆療養病院での心不全管理
・溢水だと血圧が上昇し、脱水だと血圧が下がってくる(∴血圧低下では利尿薬は用いない)。
・脱水でも頻脈になるし、心不全でも頻脈になる。
・尿量減少時の対応:明らかな心不全ある場合は利尿剤→明らかな浮腫がある場合も利尿剤→浮腫がない場合はとりあえず補液負荷を2-3日かけてみる→それでも尿量が増えない場合はCXRで両側(片測ではだめ)のうっ血像がないか確認したり、腎機能や電解質をチェックする→結果、心不全や腎不全であれば利尿剤
療養病院でのIVH管理まとめ
☆療養病院でのIVH管理まとめ
注意)異常があるからといって、すぐに抗生剤を開始したり、利尿剤を開始したりしないこと。
①アミノトリパ1号850ml+ビタジェクト1A+ソルデム3A200mlから開始(もしくはネルネオパNF1号1000ml)⇒安定していればフルカリック2号1000ml+メドレニック1Aに変更
cf)基本は1000mlだが、男性や大柄女性にはソルデム3A200mlや500mlを追加し1200-1500mlにしておく。
cf)ターミナルでない場合は最低1000mlは入れておくこと。ターミナルとは低栄養が進行し浮腫と尿量減少(濃尿)が来た状態を指す。
cf)TPN開始後、3日間は1日1回のBS測定を行うこと。知らずに高血糖から脱水になっている場合あり。
cf)利尿剤の内服を中止した場合は点滴量を減らすこと。
②熱があるならスルペラゾン(SBT/CPZ、後発:セフロニック、セフォン、ワイスタール全て同じ)1g+N/S100ml1日2回を5日間投与。改善あればさらに5日間追加し中止。改善なければMEPM0.5g+N/S100mlに変更し5日間投与する。それでも改善なければカテ抜去する。
cf)フルカリック2号でカテ熱疑いの場合はエルネオパNF1号に変えると発熱が収まる場合がある。
cf)終末期では肺炎と心不全は高率に合併し線引きが難しい。
③頻脈が続くならワソラン1A+N/S100ml投与。改善なければジゴシン0.5A+N/S100ml連日投与から開始。
cf)経管栄養時の頻脈発作の場合、ハーフジゴキシン1T(0.125mg)+プラビックス(クロピドグレル)75mg内服で改善することがある。
④浮腫、SpO2低下、レントゲンでのうっ血像(butterfly shadowもしくは両側上肺野のうっ血像もしくは片側/両側胸水)の3つが全て揃えば(どれかだけではダメ)バルーン留置しラシックス1A+N/S100ml開始。改善あればラシックス中止(脱水になってしまうので漫然と継続しないこと)。
cf)浮腫のみで利尿剤は開始しないこと。浮腫+SpO2低下であれば利尿剤を開始してもよい。
cf)心不全による頻脈では利尿剤ではなく、ワソランやジゴシンを投与すること。
cf)③、④の両方が認められるならラシックス1A+ジゴシン0.5A+N/S100mlから開始する。
cf)メインを減らす場合はアミノトリパ1号をビーフリード500mlに変更するが、まずはラシックス投与のみで様子をみていく(メインを減らすのと利尿剤開始を同時にしない)。
⑤尿量減少(濃尿)は皮膚乾燥やturgor低下あれば点滴(ソルデム3A500ml)を5日間追加し尿量を見ていく。高Na血症の場合は5%TZ500mlを1週間追加し改善あれば中止。
⑥尿量減少(濃尿)でも浮腫や皮膚湿潤ある場合は低Albが原因の膠質浸透圧低下による血管内脱水なので点滴を絞っていく(アミノトリパ1号850ml)。急性期病棟なら本来はアルブミン点滴+ラシックス持続投与+トロッカーのケース。
cf)心不全や腎不全による尿量減少は原則は希釈尿である!
⑦褥瘡あればメドレニック1Aを追加する。改善ないときはイントラリポス100ml(+フラッシュ用生食)を週1回投与する。
⑧茶色嘔吐あれば内服中止し、NGtube(マーゲンチューブ)を留置し開放、
ガスター1Aもしくはオメプラゾール1A+N/S100mlを10日間投与し改善あれば中止。
⑨点滴が思わぬスピードで入ってしまった時
拘縮が強いとCVカテが折れ曲がり点滴スピードの調節が難しくなる。姿勢や体位の変化で短時間で点滴が入ってしまう時がある(看護師の怠慢ではないので注意!)。血糖測定を指示し、3号液500mlを次の点滴更新までつなぐように指示すると良い。
注意)異常があるからといって、すぐに抗生剤を開始したり、利尿剤を開始したりしないこと。
①アミノトリパ1号850ml+ビタジェクト1A+ソルデム3A200mlから開始(もしくはネルネオパNF1号1000ml)⇒安定していればフルカリック2号1000ml+メドレニック1Aに変更
cf)基本は1000mlだが、男性や大柄女性にはソルデム3A200mlや500mlを追加し1200-1500mlにしておく。
cf)ターミナルでない場合は最低1000mlは入れておくこと。ターミナルとは低栄養が進行し浮腫と尿量減少(濃尿)が来た状態を指す。
cf)TPN開始後、3日間は1日1回のBS測定を行うこと。知らずに高血糖から脱水になっている場合あり。
cf)利尿剤の内服を中止した場合は点滴量を減らすこと。
②熱があるならスルペラゾン(SBT/CPZ、後発:セフロニック、セフォン、ワイスタール全て同じ)1g+N/S100ml1日2回を5日間投与。改善あればさらに5日間追加し中止。改善なければMEPM0.5g+N/S100mlに変更し5日間投与する。それでも改善なければカテ抜去する。
cf)フルカリック2号でカテ熱疑いの場合はエルネオパNF1号に変えると発熱が収まる場合がある。
cf)終末期では肺炎と心不全は高率に合併し線引きが難しい。
③頻脈が続くならワソラン1A+N/S100ml投与。改善なければジゴシン0.5A+N/S100ml連日投与から開始。
cf)経管栄養時の頻脈発作の場合、ハーフジゴキシン1T(0.125mg)+プラビックス(クロピドグレル)75mg内服で改善することがある。
④浮腫、SpO2低下、レントゲンでのうっ血像(butterfly shadowもしくは両側上肺野のうっ血像もしくは片側/両側胸水)の3つが全て揃えば(どれかだけではダメ)バルーン留置しラシックス1A+N/S100ml開始。改善あればラシックス中止(脱水になってしまうので漫然と継続しないこと)。
cf)浮腫のみで利尿剤は開始しないこと。浮腫+SpO2低下であれば利尿剤を開始してもよい。
cf)心不全による頻脈では利尿剤ではなく、ワソランやジゴシンを投与すること。
cf)③、④の両方が認められるならラシックス1A+ジゴシン0.5A+N/S100mlから開始する。
cf)メインを減らす場合はアミノトリパ1号をビーフリード500mlに変更するが、まずはラシックス投与のみで様子をみていく(メインを減らすのと利尿剤開始を同時にしない)。
⑤尿量減少(濃尿)は皮膚乾燥やturgor低下あれば点滴(ソルデム3A500ml)を5日間追加し尿量を見ていく。高Na血症の場合は5%TZ500mlを1週間追加し改善あれば中止。
⑥尿量減少(濃尿)でも浮腫や皮膚湿潤ある場合は低Albが原因の膠質浸透圧低下による血管内脱水なので点滴を絞っていく(アミノトリパ1号850ml)。急性期病棟なら本来はアルブミン点滴+ラシックス持続投与+トロッカーのケース。
cf)心不全や腎不全による尿量減少は原則は希釈尿である!
⑦褥瘡あればメドレニック1Aを追加する。改善ないときはイントラリポス100ml(+フラッシュ用生食)を週1回投与する。
⑧茶色嘔吐あれば内服中止し、NGtube(マーゲンチューブ)を留置し開放、
ガスター1Aもしくはオメプラゾール1A+N/S100mlを10日間投与し改善あれば中止。
⑨点滴が思わぬスピードで入ってしまった時
拘縮が強いとCVカテが折れ曲がり点滴スピードの調節が難しくなる。姿勢や体位の変化で短時間で点滴が入ってしまう時がある(看護師の怠慢ではないので注意!)。血糖測定を指示し、3号液500mlを次の点滴更新までつなぐように指示すると良い。
終末期で高Na血症なのに浮腫や胸水が生じる理由
☆終末期で高Na血症なのに浮腫や胸水が生じる理由
・経鼻栄養、胃ろう栄養では2年弱、高カロリー点滴は8ヶ月の生命予後。
・長期間の高カロリー点滴の結果、心不全になっていく。
・低栄養による低Alb状態が進行し膠質浸透圧を維持できずに漏出性胸水や肺水腫、浮腫を生じ、血管内は脱水となる(∴高Na血症=脱水-"血管内脱水"-なのに浮腫や胸水が生じる)。従って、胸水貯留を認めたら点滴量を絞っていく。血管内脱水では通常の脱水と同様に尿は少なく濃くなってくる。
・尿量を維持(臓器還流を維持)する目的で点滴量を増加させていけば胸水貯留が増悪し酸素化が不良になってくる。
・終末期の心不全と肺炎は効率に合併し、どちらも致命的なので明瞭に区別するのは難しい。
・肺水腫がある間は肺炎も完治するのが困難になる。
・したがって、やや脱水にしてでも補液調整していくのがよい。
・経鼻栄養、胃ろう栄養では2年弱、高カロリー点滴は8ヶ月の生命予後。
・長期間の高カロリー点滴の結果、心不全になっていく。
・低栄養による低Alb状態が進行し膠質浸透圧を維持できずに漏出性胸水や肺水腫、浮腫を生じ、血管内は脱水となる(∴高Na血症=脱水-"血管内脱水"-なのに浮腫や胸水が生じる)。従って、胸水貯留を認めたら点滴量を絞っていく。血管内脱水では通常の脱水と同様に尿は少なく濃くなってくる。
・尿量を維持(臓器還流を維持)する目的で点滴量を増加させていけば胸水貯留が増悪し酸素化が不良になってくる。
・終末期の心不全と肺炎は効率に合併し、どちらも致命的なので明瞭に区別するのは難しい。
・肺水腫がある間は肺炎も完治するのが困難になる。
・したがって、やや脱水にしてでも補液調整していくのがよい。
胸水貯留を認めたら、輸液を絞るのは、正しい判断だと思うが、えてして熱発していることも多い。看護婦さんからすると熱発患者で輸液量を絞るのは合点がいかないようで、反論されることも多い。浮腫や胸水があるから、水分は足りているのに。看護婦が強く、輸液を絞れず、胸水貯留増悪が多い。偶然体温が正常になった時がチャンス。
終末期で痰詰まりによる死亡の場合の死亡診断書やICについて
☆終末期で痰詰まりによる死亡の場合の死亡診断書やICについて
・重症の原疾患(老衰、蘇生後低酸素脳症、慢性閉塞性肺疾患、脳血管障害後遺症など)のために日常的に痰が多い状態で、呼吸筋疲労や嚥下反射の低下のため自己喀出がうまくできず痰が詰まったということをICする。
・突然の呼吸停止の原因が喀痰による閉塞とは限らない。脳機能の廃絶としての呼吸停止もある。
・直接の死因としては、肺炎もしくは呼吸不全(約1日)、慢性気管支炎(吸痰回数が1日8回以上になっていた期間)、その原因に原疾患(老衰、低酸素脳症、慢性閉塞性肺疾患、脳血管障害後遺症など)を記載する。罹病期間は同疾患の診断時、老衰であれば廃用(食事が取れなくなった時期)となった時期からの期間を記載する。
注1)窒息という表現は外因死に対して使われる。
注2)厳密には急性気道閉塞(その原因は喉頭嚥下機能低下、その原因は脳血管障害後遺症など)となる。
注3)厳密には鑑別疾患に肺塞栓症、心筋梗塞、致死性不整脈が考えられる。
注4)WHOは疾患の終末像として心不全や呼吸不全を死因と記載するのは死因統計が不正確になるため書かないよう推奨しているが、明らかな病態としての心不全、呼吸不全を記入することは問題ない。
・重症の原疾患(老衰、蘇生後低酸素脳症、慢性閉塞性肺疾患、脳血管障害後遺症など)のために日常的に痰が多い状態で、呼吸筋疲労や嚥下反射の低下のため自己喀出がうまくできず痰が詰まったということをICする。
・突然の呼吸停止の原因が喀痰による閉塞とは限らない。脳機能の廃絶としての呼吸停止もある。
・直接の死因としては、肺炎もしくは呼吸不全(約1日)、慢性気管支炎(吸痰回数が1日8回以上になっていた期間)、その原因に原疾患(老衰、低酸素脳症、慢性閉塞性肺疾患、脳血管障害後遺症など)を記載する。罹病期間は同疾患の診断時、老衰であれば廃用(食事が取れなくなった時期)となった時期からの期間を記載する。
注1)窒息という表現は外因死に対して使われる。
注2)厳密には急性気道閉塞(その原因は喉頭嚥下機能低下、その原因は脳血管障害後遺症など)となる。
注3)厳密には鑑別疾患に肺塞栓症、心筋梗塞、致死性不整脈が考えられる。
注4)WHOは疾患の終末像として心不全や呼吸不全を死因と記載するのは死因統計が不正確になるため書かないよう推奨しているが、明らかな病態としての心不全、呼吸不全を記入することは問題ない。
繰り返す水疱
人工呼吸器アラーム対応
☆人工呼吸器アラーム対応
注意)気切造設後すぐのカニューレ交換で気管の前に入ってしまうことがある(指で確認して潰れた気管を広げること)
・無呼吸アラーム
設定:15-20秒に設定
原因と対策:
①自発呼吸の低下→PS,CPAPではなくA/C,SIMV,SIMV+PSに変更
②呼吸回路のリーク、外れ→リーク(カフ漏れに注意)、回路の確認
③自発呼吸のトリガー不良→トリガー感度を上げる
・気道内圧上限アラーム
設定:40cmH2O程度
原因と対策:
①設定1回換気量が高すぎる→適切に設定
②痰、凝血塊による閉塞→吸引
③回路の閉塞、片肺換気→挿管チューブを浅くする、チューブを噛んでいないか
④巨大無気肺、緊張性気胸→無気肺の治療、脱気
⑤気管支狭窄、気管支痙攣など→気管支拡張薬
⑥肺炎、肺水腫、ARDSなど肺胞レベルの問題→肺保護換気のため1回換気量を下げる
⑦autoPEEPの存在→換気回数減少、吸気時間短縮、呼吸時間延長
⑧バッキング(咳)、ファイティング(呼吸器と患者の呼吸が合わずにぶつかる)→鎮静剤の増量、同調性のよいPCV,PSVへ変更
・気道内圧下限アラーム
設定:ピーク圧-10cmH2O,ピーク圧の70-80%原因と対策:
①回路接続部のゆるみ、はずれ、回路破損→接続確認
②カフ周囲からのリーク:気切チューブの入れ替え
③胸腔ドレーンからの大量リーク→呼吸器外科へコンサルト
④トリガー感度が鈍く自発呼吸により陰圧形成→トリガー感度を上げる
⑤強い自発呼吸→鎮静剤の増量、同調性のよいPCV,PSVへ変更
・分時換気量下限アラーム
設定:分時換気量の50%程度、PCVでは70-80%原因と対策:
①気道内圧下限アラームと同じ原因
②不適切な換気モード→自発呼吸を前提としてPSVでは自発呼吸数が減少すると容易に低換気になる、SIMV(+PS)の設定換気回数が少ない場合は増やす
③自発呼吸のトリガー不良→トリガー感度を上げる
・分時換気量上限アラーム
設定:10-20L/分
原因と対策:
①1回換気量や換気回数が多すぎる→適切に設定
②患者の頻呼吸→鎮静剤の増量
③A/C設定→A/Cはすべての呼吸をフルサポートするため過換気になるリスクがある
・分時呼吸回数アラーム
設定:30-40回/分
原因と対策:
①患者の頻呼吸→鎮静剤増量
②ミストリガー→回路内貯留水が揺れてもミストリガーになれうことがあるので貯留水を除去する、トリガー感度を下げる
注意)気切造設後すぐのカニューレ交換で気管の前に入ってしまうことがある(指で確認して潰れた気管を広げること)
・無呼吸アラーム
設定:15-20秒に設定
原因と対策:
①自発呼吸の低下→PS,CPAPではなくA/C,SIMV,SIMV+PSに変更
②呼吸回路のリーク、外れ→リーク(カフ漏れに注意)、回路の確認
③自発呼吸のトリガー不良→トリガー感度を上げる
・気道内圧上限アラーム
設定:40cmH2O程度
原因と対策:
①設定1回換気量が高すぎる→適切に設定
②痰、凝血塊による閉塞→吸引
③回路の閉塞、片肺換気→挿管チューブを浅くする、チューブを噛んでいないか
④巨大無気肺、緊張性気胸→無気肺の治療、脱気
⑤気管支狭窄、気管支痙攣など→気管支拡張薬
⑥肺炎、肺水腫、ARDSなど肺胞レベルの問題→肺保護換気のため1回換気量を下げる
⑦autoPEEPの存在→換気回数減少、吸気時間短縮、呼吸時間延長
⑧バッキング(咳)、ファイティング(呼吸器と患者の呼吸が合わずにぶつかる)→鎮静剤の増量、同調性のよいPCV,PSVへ変更
・気道内圧下限アラーム
設定:ピーク圧-10cmH2O,ピーク圧の70-80%原因と対策:
①回路接続部のゆるみ、はずれ、回路破損→接続確認
②カフ周囲からのリーク:気切チューブの入れ替え
③胸腔ドレーンからの大量リーク→呼吸器外科へコンサルト
④トリガー感度が鈍く自発呼吸により陰圧形成→トリガー感度を上げる
⑤強い自発呼吸→鎮静剤の増量、同調性のよいPCV,PSVへ変更
・分時換気量下限アラーム
設定:分時換気量の50%程度、PCVでは70-80%原因と対策:
①気道内圧下限アラームと同じ原因
②不適切な換気モード→自発呼吸を前提としてPSVでは自発呼吸数が減少すると容易に低換気になる、SIMV(+PS)の設定換気回数が少ない場合は増やす
③自発呼吸のトリガー不良→トリガー感度を上げる
・分時換気量上限アラーム
設定:10-20L/分
原因と対策:
①1回換気量や換気回数が多すぎる→適切に設定
②患者の頻呼吸→鎮静剤の増量
③A/C設定→A/Cはすべての呼吸をフルサポートするため過換気になるリスクがある
・分時呼吸回数アラーム
設定:30-40回/分
原因と対策:
①患者の頻呼吸→鎮静剤増量
②ミストリガー→回路内貯留水が揺れてもミストリガーになれうことがあるので貯留水を除去する、トリガー感度を下げる
高齢者の強い皮膚掻痒感/かゆみ
<高齢者の強い皮膚掻痒感/かゆみ>
・肝機能、腎機能のチェック。
・疥癬を除外する(メスの刃を立ててかさぶたのところを数回こすって、スピッツにメスごと入れて提出する)
・疥癬ならストロメクトール3mg錠を体重に合わせて1回のみ内服する(15-24kgは1錠、25-35kgは2錠、36-50kgは3錠、51-65kgは4錠、66-79kgは4錠、66-79kgは5錠、80kg以上は200μg/kg)。
・皮脂欠乏性皮膚炎による掻痒感にはオイラックスクリームが有効。
・尿素系は保湿効果はあるが、尿素その物が刺激するのでヘパリン類似物質(ヒルドイド)ローションorクリームやオイラックスクリームを使う。
・オイラックスクリームが効かない時はヒスタブロック(セレスタミン)1回1-2錠を1日1-4回投与する(1錠にPSL2.5mgが含まれることに注意、長期使用ならH2ブロッカーを併用する)。
・夜間の掻痒感が強い場合はセロトニン過剰が原因のことがあり、ニューレプチルとして2-3mg(ニューレプチル細粒0.002-0.003g)を1日1-2回投与も有効らしい。
・少量の抗欝剤(トフラニール10mgなど)や神経因性疼痛用薬剤も有効。
・DMはむしろコントロールされている時あたりから出る印象がある。
・類天疱瘡も初期は掻痒感が強い。類天疱瘡ではBP180抗体が増加する。結節性類天疱瘡はBP180抗体が低下する。
・肝機能、腎機能のチェック。
・疥癬を除外する(メスの刃を立ててかさぶたのところを数回こすって、スピッツにメスごと入れて提出する)
・疥癬ならストロメクトール3mg錠を体重に合わせて1回のみ内服する(15-24kgは1錠、25-35kgは2錠、36-50kgは3錠、51-65kgは4錠、66-79kgは4錠、66-79kgは5錠、80kg以上は200μg/kg)。
・皮脂欠乏性皮膚炎による掻痒感にはオイラックスクリームが有効。
・尿素系は保湿効果はあるが、尿素その物が刺激するのでヘパリン類似物質(ヒルドイド)ローションorクリームやオイラックスクリームを使う。
・オイラックスクリームが効かない時はヒスタブロック(セレスタミン)1回1-2錠を1日1-4回投与する(1錠にPSL2.5mgが含まれることに注意、長期使用ならH2ブロッカーを併用する)。
・夜間の掻痒感が強い場合はセロトニン過剰が原因のことがあり、ニューレプチルとして2-3mg(ニューレプチル細粒0.002-0.003g)を1日1-2回投与も有効らしい。
・少量の抗欝剤(トフラニール10mgなど)や神経因性疼痛用薬剤も有効。
・DMはむしろコントロールされている時あたりから出る印象がある。
・類天疱瘡も初期は掻痒感が強い。類天疱瘡ではBP180抗体が増加する。結節性類天疱瘡はBP180抗体が低下する。
抗生剤のMICについて
☆抗生剤のMICについて
MICとは最小発育阻止濃度。例えば、http://www.antibiotic-books.jp/drugsによると、緑膿菌のMIC80(80%の菌が死滅するMIC)に関して、MEPMは6.25μg/ml、PIPCは16μg/mlとなっている。
ここで例えば、ある検体から培養された緑膿菌株に対し、PIPCのMICが32μg/mlの場合、添付文書に載っている処方量ではMIC32μg/mlに相当する血中濃度が保てないということ=効果がない、Rと判定される。
培養感受性試験の結果、MEPM、PIPCがともにS(感受性あり)でも、MEPMのMICが6μg/ml、PIPCのMICが6μg/mlなら、この緑膿菌はPIPCの方が効きやすいということになる(本来のPIPCのMICは16μg/mlであるため)。 つまり、ともに感受性があり、かつ標準MICと比較しMICが低い抗菌薬がより効果があるということになる。
MICとは最小発育阻止濃度。例えば、http://www.antibiotic-books.jp/drugsによると、緑膿菌のMIC80(80%の菌が死滅するMIC)に関して、MEPMは6.25μg/ml、PIPCは16μg/mlとなっている。
ここで例えば、ある検体から培養された緑膿菌株に対し、PIPCのMICが32μg/mlの場合、添付文書に載っている処方量ではMIC32μg/mlに相当する血中濃度が保てないということ=効果がない、Rと判定される。
培養感受性試験の結果、MEPM、PIPCがともにS(感受性あり)でも、MEPMのMICが6μg/ml、PIPCのMICが6μg/mlなら、この緑膿菌はPIPCの方が効きやすいということになる(本来のPIPCのMICは16μg/mlであるため)。 つまり、ともに感受性があり、かつ標準MICと比較しMICが低い抗菌薬がより効果があるということになる。
尿量減少時の対応
☆尿量減少時の対応
・溢水であればラシックス投与、脱水であれば点滴だが、判断しかねる場合も多い。脱水の方がより怖い(脱水⇒臓器還流低下⇒多臓器不全)。迷ったら、まずは点滴をしてみる。
・溢水か脱水かの判断材料は、
①in/outバランスを見る。食事量が減っていないか、点滴量が過剰でないか。
②浮腫があるのか、turgorの低下があるのかを見る。
③溢水であれば血圧上昇、脱水であれば血圧低下であることが多い。
④溢水であれば希釈尿、脱水であれば濃尿であることが多い。
・一番正確なのは腹部エコーでIVCを見ること。心臓から2cmのところで測定し、プローブを縦にして吸気時/呼気時ともに1桁mmなら脱水、ともに2桁なら多め、20mm超えてれば溢水。
・感染、術後、重症膵炎などでで炎症反応(SIRS)により血管内皮が障害され、サードスペースに浸出し血管内脱水が生じ尿量減少と浮腫や胸水が生じる。血管内脱水で血圧低下となる場合も、血管攣縮やRAA系亢進で血圧上昇となる場合がある。この場合は利尿剤の投与は禁忌に近い。むしろ点滴を増量し腎血流を保たなければならない(胸水貯留に対し胸腔ドレーンを入れてでも)。
・浮腫があるのに濃尿である場合、終末期や肝硬変など低Albでの漏出性の血管内脱水である。酸素化が不良であれば胸水貯留があるので、血管内脱水でもラシックス投与が必要になってくる。要するに、同じ血管内脱水でも回復可能な一時的なものなのか、終末期で回復不可能なのかによって対応が変わってくる(前者なら胸水貯留による酸素化不良があれば胸腔ドレーンを入れてでも点滴を増量する、後者なら酸素化不良あれば利尿剤で水を引く)。
・溢水であればラシックス投与、脱水であれば点滴だが、判断しかねる場合も多い。脱水の方がより怖い(脱水⇒臓器還流低下⇒多臓器不全)。迷ったら、まずは点滴をしてみる。
・溢水か脱水かの判断材料は、
①in/outバランスを見る。食事量が減っていないか、点滴量が過剰でないか。
②浮腫があるのか、turgorの低下があるのかを見る。
③溢水であれば血圧上昇、脱水であれば血圧低下であることが多い。
④溢水であれば希釈尿、脱水であれば濃尿であることが多い。
・一番正確なのは腹部エコーでIVCを見ること。心臓から2cmのところで測定し、プローブを縦にして吸気時/呼気時ともに1桁mmなら脱水、ともに2桁なら多め、20mm超えてれば溢水。
・感染、術後、重症膵炎などでで炎症反応(SIRS)により血管内皮が障害され、サードスペースに浸出し血管内脱水が生じ尿量減少と浮腫や胸水が生じる。血管内脱水で血圧低下となる場合も、血管攣縮やRAA系亢進で血圧上昇となる場合がある。この場合は利尿剤の投与は禁忌に近い。むしろ点滴を増量し腎血流を保たなければならない(胸水貯留に対し胸腔ドレーンを入れてでも)。
・浮腫があるのに濃尿である場合、終末期や肝硬変など低Albでの漏出性の血管内脱水である。酸素化が不良であれば胸水貯留があるので、血管内脱水でもラシックス投与が必要になってくる。要するに、同じ血管内脱水でも回復可能な一時的なものなのか、終末期で回復不可能なのかによって対応が変わってくる(前者なら胸水貯留による酸素化不良があれば胸腔ドレーンを入れてでも点滴を増量する、後者なら酸素化不良あれば利尿剤で水を引く)。
生食ロックとヘパリンロック
☆生食ロックとヘパリンロック
・カテーテル閉鎖はカテーテルへの血液の逆流が原因。
・逆流防止効果は生食でもヘパリン生食でも変わりがない。
・ヘパリンはカテーテル上のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の増殖の原因になる。
・CVラインにコアグラが付着すると感染源になるためCVラインではヘパリンロックがいいとされてきたが、感染率でも生食ロックと有意差がなかった。
・末梢ラインでもCVラインでも生食ロックでよい。
・CVポートの生食ロックの方法:全て清潔手袋装着の後、Jループタイプの短く固いルート(長いルートは動きで逆流することあり)にシュアプラグを接続し生食を10ml以上のシリンジでゆっくりと注入し、シリンジで陽圧をかけながらシリンジを引き抜く(感染防止の観点からなるべく三方活栓は使わない)。その後、ルートを清潔ガーゼでくるんでおく。
・カテーテル閉鎖はカテーテルへの血液の逆流が原因。
・逆流防止効果は生食でもヘパリン生食でも変わりがない。
・ヘパリンはカテーテル上のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の増殖の原因になる。
・CVラインにコアグラが付着すると感染源になるためCVラインではヘパリンロックがいいとされてきたが、感染率でも生食ロックと有意差がなかった。
・末梢ラインでもCVラインでも生食ロックでよい。
・CVポートの生食ロックの方法:全て清潔手袋装着の後、Jループタイプの短く固いルート(長いルートは動きで逆流することあり)にシュアプラグを接続し生食を10ml以上のシリンジでゆっくりと注入し、シリンジで陽圧をかけながらシリンジを引き抜く(感染防止の観点からなるべく三方活栓は使わない)。その後、ルートを清潔ガーゼでくるんでおく。
潜在性甲状腺機能低下症
☆潜在性甲状腺機能低下症
・顕性甲状腺機能低下症は血清TSH10μU/mL以上、血清FT4が基準値以下。
・潜在性甲状腺機能低下症は血清TSH正常値以上、血清FT4が基準値以内。TSHが10μU/mLを超えるならチラージン補充を行う。
・挙児希望ならTSHが2.5μU/mLを超えるならチラージン補充を行う。
・顕性、TSHが10以上の潜在性ではチラージン補充を行う。
・抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体を測定してまず慢性甲状腺炎の有無を確認する。
cf)チラージンSの増量の方法
・1日1回朝の内服が基本
・12.5-25μgから開始し、2-4週間毎に12.5-25μgずつ増量する
・原発性甲状腺機能低下症では、維持量をTSHが1-2μU/mLになるように1.5-2.5μg/kg/day(50-200μg/day)(中枢性甲状腺機能低下症では血中FT4,FT3を指標にする)
・顕性甲状腺機能低下症は血清TSH10μU/mL以上、血清FT4が基準値以下。
・潜在性甲状腺機能低下症は血清TSH正常値以上、血清FT4が基準値以内。TSHが10μU/mLを超えるならチラージン補充を行う。
・挙児希望ならTSHが2.5μU/mLを超えるならチラージン補充を行う。
・顕性、TSHが10以上の潜在性ではチラージン補充を行う。
・抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体を測定してまず慢性甲状腺炎の有無を確認する。
cf)チラージンSの増量の方法
・1日1回朝の内服が基本
・12.5-25μgから開始し、2-4週間毎に12.5-25μgずつ増量する
・原発性甲状腺機能低下症では、維持量をTSHが1-2μU/mLになるように1.5-2.5μg/kg/day(50-200μg/day)(中枢性甲状腺機能低下症では血中FT4,FT3を指標にする)
CVポートで点滴漏れが生じたとき
☆CVポートで点滴漏れが生じたとき
・穿刺間違い(針がポートに刺さっておらず皮下注になっていた、cut down法で造設されており皮下深くにポート本体がある場合は穿刺間違いを起こしやすい)→皮下注であれば滴下不良あるはず、試験的に生食をivしてもスムーズにはいかないはず、CXRでわかるはず
・ポート自体の破損→滴下不良はないかも、生食ivもスムーズ、ポート本体の損傷はCXRやCTでは分からない(ポート本体からカテーテルが外れている場合や、カテーテルがピンチオフしている場合はCXRでもわかる、ヨード造影剤でも圧をかけないと漏れが確認できない場合もあるが10mlより小さいシリンジで強く注入すると本体とカテーテルが外れる場合があるので注意)
・ポート破損の徴候として注入時のポートの閉塞、疼痛、注入中の滴下不良、点滴漏れ、腫脹がある。
・すぐ抜去できない場合は、ポート破損を疑えばヘパリンロックし末梢点滴に変更しておく。
・穿刺間違い(針がポートに刺さっておらず皮下注になっていた、cut down法で造設されており皮下深くにポート本体がある場合は穿刺間違いを起こしやすい)→皮下注であれば滴下不良あるはず、試験的に生食をivしてもスムーズにはいかないはず、CXRでわかるはず
・ポート自体の破損→滴下不良はないかも、生食ivもスムーズ、ポート本体の損傷はCXRやCTでは分からない(ポート本体からカテーテルが外れている場合や、カテーテルがピンチオフしている場合はCXRでもわかる、ヨード造影剤でも圧をかけないと漏れが確認できない場合もあるが10mlより小さいシリンジで強く注入すると本体とカテーテルが外れる場合があるので注意)
・ポート破損の徴候として注入時のポートの閉塞、疼痛、注入中の滴下不良、点滴漏れ、腫脹がある。
・すぐ抜去できない場合は、ポート破損を疑えばヘパリンロックし末梢点滴に変更しておく。
健診でγGTPのみ上昇している場合
☆健診でγGTPのみ上昇している場合
・腎、膵、肝、脾に分布している。
・飲酒、胆石、アルコール、サプリ、ランニングなどでも上昇する。
・1ヶ月断酒して再検する。
・AST,ALT,γGTP,ALP,HBs抗原,HCV抗体,ANA(AIH),AMA(PBC),腹部エコーして脂肪肝や肝SOLがないか精査する。異常なければ年2回フォローする。
・軽度肝機能異常はウルソ200mg3錠分3で改善することがある。
・胆汁うっ滞でγ-GTP、ALP、LAPが上昇するがγ-GTPはそれ以外でも上昇する。
・γ-GTPのみ上昇し、ALP,LAPが正常なら飲酒、抗痙攣薬、非アルコール性脂肪肝である。
・γ-GTPはアルコール摂取に敏感に反応して上昇、禁酒後2週間で半分以下になる。
・腎、膵、肝、脾に分布している。
・飲酒、胆石、アルコール、サプリ、ランニングなどでも上昇する。
・1ヶ月断酒して再検する。
・AST,ALT,γGTP,ALP,HBs抗原,HCV抗体,ANA(AIH),AMA(PBC),腹部エコーして脂肪肝や肝SOLがないか精査する。異常なければ年2回フォローする。
・軽度肝機能異常はウルソ200mg3錠分3で改善することがある。
・胆汁うっ滞でγ-GTP、ALP、LAPが上昇するがγ-GTPはそれ以外でも上昇する。
・γ-GTPのみ上昇し、ALP,LAPが正常なら飲酒、抗痙攣薬、非アルコール性脂肪肝である。
・γ-GTPはアルコール摂取に敏感に反応して上昇、禁酒後2週間で半分以下になる。
半減期と投与間隔
☆半減期と投与間隔
・投与間隔=半減期であれば5回目の投与で定常状態(吸収量=排出量)となる。
・投与間隔<半減期であれば5回目の投与でより高い濃度で定常状態となる。
・投与間隔>半減期であれば半減期の4倍以内であれば時間はかかるが定常状態となる。
・薬効、副作用が消失するのは投与中止後半減期の5倍経た時。
・ボルタレンの半減期は1.6時間なので投与間隔が1.6×4=6.4hr以内だと血中濃度が上がっていずれ定常状態になるので1日3回投与(8hr間隔)までの投与とする。
・薬剤投与量が代謝酵素の働きを超えた場合は体内消失時間は半減期×5を超える。投与量を倍にすれば血中濃度は倍になるはずだが、それ以上になった場合は投与量が酵素による代謝量を超えていることを示す。
・ザガーロの半減期は5日。1日1回投与し半年後の定常状態における半減期は約1か月なので投与中止後に薬効、副作用が消失するのは約5か月後。
cf) ザガーロは半減期5日である。ザガーロを1日1回投与した場合に単回投与の最高血中濃度(xとする)の何倍に近づくかを計算してみる。
xは5日後にx/2になるので5日間でx/2減少する。そのため1日後にはx/2÷5=x/10減少し、x/2-x/10=(9/10)xとなり、さらに1回投与するので(9/10)x+xとなる。同様に2日後は*1x+・・・(9/10)x+x(=Snとする)となる。Sn-(9/10)Sn=x-((9/10)^n)xとなり、n→∞にするとSn/10=xとなる。したがって、Sn=10xとなる。つまり半減期5日のザガーロを1日1回投与すると血中濃度は単回投与での最高血中濃度の10倍に近づくと予想される。実際、ザガーロ0.5mgのCmaxは単回投与では3288±1160pg/ml(3.288±1.160ng/ml)で、24週間後は30.69±13.90ng/mlなので約10倍になっている。
・投与間隔=半減期であれば5回目の投与で定常状態(吸収量=排出量)となる。
・投与間隔<半減期であれば5回目の投与でより高い濃度で定常状態となる。
・投与間隔>半減期であれば半減期の4倍以内であれば時間はかかるが定常状態となる。
・薬効、副作用が消失するのは投与中止後半減期の5倍経た時。
・ボルタレンの半減期は1.6時間なので投与間隔が1.6×4=6.4hr以内だと血中濃度が上がっていずれ定常状態になるので1日3回投与(8hr間隔)までの投与とする。
・薬剤投与量が代謝酵素の働きを超えた場合は体内消失時間は半減期×5を超える。投与量を倍にすれば血中濃度は倍になるはずだが、それ以上になった場合は投与量が酵素による代謝量を超えていることを示す。
・ザガーロの半減期は5日。1日1回投与し半年後の定常状態における半減期は約1か月なので投与中止後に薬効、副作用が消失するのは約5か月後。
cf) ザガーロは半減期5日である。ザガーロを1日1回投与した場合に単回投与の最高血中濃度(xとする)の何倍に近づくかを計算してみる。
xは5日後にx/2になるので5日間でx/2減少する。そのため1日後にはx/2÷5=x/10減少し、x/2-x/10=(9/10)xとなり、さらに1回投与するので(9/10)x+xとなる。同様に2日後は*1x+・・・(9/10)x+x(=Snとする)となる。Sn-(9/10)Sn=x-((9/10)^n)xとなり、n→∞にするとSn/10=xとなる。したがって、Sn=10xとなる。つまり半減期5日のザガーロを1日1回投与すると血中濃度は単回投与での最高血中濃度の10倍に近づくと予想される。実際、ザガーロ0.5mgのCmaxは単回投与では3288±1160pg/ml(3.288±1.160ng/ml)で、24週間後は30.69±13.90ng/mlなので約10倍になっている。
*1:9/10)^2)x+(9/10)x+xとなる。n日後には((9/10)^n)x+((9/10)^(n-1
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載4
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載4
入院させた後に気をつけること
<入院させた後に気をつけること>
☆ムンテラは厳しめにするが、元気そうな患者の家族にいきなりDNARか聞かないこと。
☆検査値異常を見逃さないために、その日の異常値の項目を全て時系列で見ること。自分がよく知らない項目の見逃しが防げるし、大きく変化している場合は正常範囲でも何か意味がある。
☆CRP正常でも以前よりWBC,Neutro上昇あれば感染の可能性が高い。
☆同じ抗生剤を10日以上続けていないかチェックする。
→CMZ,ワイスタール,セフォチアム,クラビットなどに順次変更していく。
☆CV留置中は発熱の有無を常に確認する。刺入部の発赤とspike様の発熱はカテ感染。
☆inとoutの量に気を配る。特に心不全ある人はすぐに溢水になってしまう。
☆心拡大=溢水ではない。口渇やBUN/Cr、尿比重、Na濃度などで総合的に判断すること。
☆体格小~中等度なら1500ml、大柄なら2000mlで開始し、2-3日の尿量を見て増減することが大切。
☆抗生剤も点滴変更も効果が出るのは2、3日後。
☆尿量が正常でも、以前より3割以上減っているのが2日以上続いているなら、点滴量や食事量を見直す。
☆尿量減少時は、点滴量を見直して明らかな脱水あれば補液する。それ以外はラシックス1A静注で対応する(2A1日2回まで)。心不全や肝不全あれば尿量減少するがバソプレシン分泌低下により尿が薄く少なくなる。尿が濃く少ない場合は単純に脱水か、低Albにより膠質浸透圧の低下から血管内脱水になっている場合もあり、血管内脱水では安易に点滴を増量すると胸水が溜まって酸素化が悪くなってしまう。
cf)尿量減少時の対応
・尿色濃い+皮膚湿潤→点滴は絞り気味、SpO2低下あればラシックス1A ・尿色濃い+皮膚乾燥→点滴増量
・尿色薄い+皮膚湿潤→心不全、腎不全→SpO2低下あればラシックス1A
☆尿量減少時は、腹部エコーで水腎症ないか確認し、溢水か脱水かの評価するためIVCを測定する。心臓から2cmのところで測定し、プローブを縦にして吸気時/呼気時ともに1桁mmなら脱水、ともに2桁なら多め、20mm超えてれば溢水。
☆明らかな腎不全なく多尿の場合は一過性かもしれないので経過観察。
☆補液が多くて多尿は当たり前で心配なし(多すぎて肺水腫なることあるが)、補液が少なくて乏尿は見逃すと腎不全になる。
☆軽度のCr上昇時は500ml1本程度を5日ほど補液すると良い(ヴィーンDなど)。
☆拘縮が強い場合、滴下調節しても体位によって点滴が3時間くらいで全部落ちてしまうことがある。
☆浮腫やSat低下ないか見る(発熱+Sat低下は肺炎、発熱なしのSat低下は胸水→点滴量多くないか)
☆状態が悪くなってくると多臓器不全から腎不全になり尿量が減少してくる→1号液を500-1000mlでよい。
☆DM持ちはインスリンスケール対応を忘れないように。
☆消化管手術後、ERCP、急性膵炎後など序々に食上げするときは常食になるまでスケール対応。
☆通常のスケール対応のインスリンの針は太いので、手持ちがある場合は速効型でスケール対応、持続型は通常通りの単位数にする。
☆指示出し後では当日昼の内服から始まるので、指示出した当日は昼夕、翌日から朝昼夕の処方にしておくと定期に合わせやすい。
☆誤嚥起こしそうな人(脳梗塞後、寝たきり、肺炎反復)ではST評価(VFなど)。
☆食上げの順は(おかず)ゼリー⇒ミキサー⇒きざみ⇒軟菜、(米)ミキサー⇒5分⇒全粥。
☆食種:DMはDM食(EC1400等)、ワーファリン服用中はワーファリン食で納豆禁止、心不全は塩分6g未満、貧血は貧血食、ERCP後は胆膵食(FC20-1400など)、胃切後は5回食、ステント留置後は5分粥まで。
☆入院が長期化すると嚥下機能も落ちるので高齢者は嚥下食で留めておく。
☆ムースで咽頭貯留あるときはミキサー食。
☆状態悪いときは嚥下機能も落ちるので、状態改善したら嚥下機能も再評価する。
☆食事量が半分切れば1-2本、3割切れば2-3本点滴を入れる。
☆感染では培養結果を必ず見て、必ずde-escalationすること。
☆潰瘍止血後は露出血管あるかないかをチェックする。
☆PEG/CV/腰椎穿刺/ERCP予定はワーファリンやアスピリン服用歴ないかチェック。
☆経口摂取不可ならCV/NG/PEG/看取り(点滴)のどれにするかIC。
☆退院近いなら帰宅先は自宅か施設か。独居か同居か。
☆シャントがある腕にルートをとるときは、シャントより末梢の尺側手背からとる(シャントより遠位でとってつぶれることは避ける)。
☆造影剤/ケモ投与後の穿刺部発赤は、次回投与前にサクシゾン100mg+生食100mlを投与する、投与スピードを倍にする、腕を変えるなど。
☆ユナシンやセフィロームで薬疹が出る時はアザクタム(1g+生食100mlを30分かけて1日2回)に変更する。
☆造影CTがどうしても必要だが、腎障害がある場合は、検査前に300ml(心不全あるときは150ml)生食をボーラス投与し、検査後は1ml/kg/hrで12時間生食投与。造影剤は50-100mlにする(ヨード含有量が300mg/dlの造影剤の場合)
☆プレドニン30mg/日以上投与中は、血糖測定、パリエット10mg1T/1x、ボナロン(BP:ビスホスホネート)35mg/1x起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン(アンホテリシンB)シロップ含嗽液(480ml)1本1回20mLでうがい後に服用1日3回、ダイフェン(S400mgT80mg)1T/1x月水金投与、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HRを2週間毎に測定する。
☆誤嚥性肺炎でも抗パ薬、チラージン、ステロイド、抗痙攣薬などはNGtubeから投与する。
cf)一般病棟入院時の説明:
①高齢者特有の危険性
・回復の遅れ、低下、食べられない、寝たきりになる→寿命では?
・そうなる場合にどうするか?点滴(末梢?中心静脈?)?経管栄養?自然(看取り)?
・ある程度元気になった場合は行き先の検討
②認知症の進行
③内臓器官の機能低下及び誤嚥性肺炎などの余病併発
④転倒、骨折の危険性
⑤突然急変する可能性(心筋梗塞、肺塞栓、誤嚥など)
・起こった場合の対処法(蘇生、自然に任せる)
・結論出るまでは蘇生を行う(30分ほど)が、回復の見込みはほとんどなし→脳死になる
・心マ、挿管をするかどうか
⑥せん妄になった場合は鎮静剤の使用、拘束、付き添いなど必要になることがある
cf)回復期リハビリ病棟入院時の説明:
・診療報酬がマルメになるため、薬剤を後発品に変更することあり。検査も必要最小限。
・急変が生じた場合は一般病棟や他の急性期病院へ転院が必要。
・夜間、救急時は当直医の対応になる。
・入院期間の上限あり。肺炎後などの廃用症候群は90日間。脳血管障害は150日か180日。この間に介護保険の変更手続きをとり、自宅の準備を整えたり、今後の行き先の検討をする。
・リハビリの成果が家族、本人の思うような場合でなかったとしても期限が来れば退院が必要。
・リハビリ処方箋に担当医、病名、発症年月日、入院年月日、経過、治療目標(拘縮予防、ADL改善など)を記載する。栄養管理計画書の病名、担当医名を記載する。リハビリ総合実施計画書の主治医、担当医、原因疾患を記載する。褥瘡対策に関する診療計画書の医師名、危険因子の評価を記載する。リハビリを保健請求するために、カルテに「目標設定等支援管理シートについて説明し、家族の了承を得た」と、記載すること。
☆入院時検査と指示
・血圧、SpO2、体温は1日1-3回測定、尿測は基本不要、体重測定 4週に1回測定など。
・入院時採血、検尿、胸腹部レントゲン、心電図、咽頭粘膜塗抹培養/感受性、持参薬継続かどうか、吸痰1日8回以上の指示。
☆入院時の異常時指示
(①が優先度高い)
注意)胃瘻の患者で発熱時にカロナール内服を指示すると、通常は病棟で粉砕し水に溶かして投与するか、50℃くらいのお湯に溶かして投与する(簡易懸濁)。あまり頻繁なようなら、カロナール粉砕を発熱時頓用5回分などあらかじめ処方しておく。クラビットはフィルムコーティングしてあり粉砕して溶かして注入すると詰まることがあるため、クラビット細粒を使う。
発熱時:
①カロナール200mg2T
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg(腎障害あるときはしない)
④メチロン250mg/1mL 1A筋注
cf)血圧低下時の解熱の基本は、①クーリング、②カロナール内服、③アセリオ点滴(1000mg/100ml1瓶→300mg/30mlを生食100mlなどに溶かして15分で点滴する)→アンヒバ坐薬はよさそうだが・・・(坐薬は嫌がることが多い)→ボルタレン坐薬やメチロン筋注は避ける!!
疼痛時:
①カロナール200mg2T
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg (腎障害あるときはしない)
④ペンタジン15mg 1A筋注
不眠時:
①ベルソムラ15㎎(長期間BZP内服時は持参のBZPを1週間ごとに0.5~0.25Tずつ漸減しながら併用)
(以下はせん妄時は中止)
②マイスリー10mg 0.5T
③②無効時はさらに0.5T追加
④レンドルミン0.25mg1T嘔気時:
①アタラックスP1A静注
②プリンペラン1A筋注(もしくはプリンペラン1A+生食20ml静注もしくはメイン点注)
③ノバミン1A筋注
④ナウゼリン坐薬1個
不穏時:
①テトラミド1T(レスリン、デジレル、リフレックス、レメロン)内服
②リスパダール1包内服(1日3回まで、1時間あけて)
③セレネース1A筋注
④セレネース1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ
⑤セレネース1A+ロヒプノール1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ(BZPを半年以上服用し、休薬による反跳性不眠を疑うとき)
⑥家族Call便秘時:
①摘便
②レシカルボン坐薬
③GE浣腸60ml
④プルゼニド2T血圧200mmHg以上:
①アダラート5mg 1C内服
②フランドルテープ40㎎1日1枚(内服できないとき)
☆ムンテラは厳しめにするが、元気そうな患者の家族にいきなりDNARか聞かないこと。
☆検査値異常を見逃さないために、その日の異常値の項目を全て時系列で見ること。自分がよく知らない項目の見逃しが防げるし、大きく変化している場合は正常範囲でも何か意味がある。
☆CRP正常でも以前よりWBC,Neutro上昇あれば感染の可能性が高い。
☆同じ抗生剤を10日以上続けていないかチェックする。
→CMZ,ワイスタール,セフォチアム,クラビットなどに順次変更していく。
☆CV留置中は発熱の有無を常に確認する。刺入部の発赤とspike様の発熱はカテ感染。
☆inとoutの量に気を配る。特に心不全ある人はすぐに溢水になってしまう。
☆心拡大=溢水ではない。口渇やBUN/Cr、尿比重、Na濃度などで総合的に判断すること。
☆体格小~中等度なら1500ml、大柄なら2000mlで開始し、2-3日の尿量を見て増減することが大切。
☆抗生剤も点滴変更も効果が出るのは2、3日後。
☆尿量が正常でも、以前より3割以上減っているのが2日以上続いているなら、点滴量や食事量を見直す。
☆尿量減少時は、点滴量を見直して明らかな脱水あれば補液する。それ以外はラシックス1A静注で対応する(2A1日2回まで)。心不全や肝不全あれば尿量減少するがバソプレシン分泌低下により尿が薄く少なくなる。尿が濃く少ない場合は単純に脱水か、低Albにより膠質浸透圧の低下から血管内脱水になっている場合もあり、血管内脱水では安易に点滴を増量すると胸水が溜まって酸素化が悪くなってしまう。
cf)尿量減少時の対応
・尿色濃い+皮膚湿潤→点滴は絞り気味、SpO2低下あればラシックス1A ・尿色濃い+皮膚乾燥→点滴増量
・尿色薄い+皮膚湿潤→心不全、腎不全→SpO2低下あればラシックス1A
☆尿量減少時は、腹部エコーで水腎症ないか確認し、溢水か脱水かの評価するためIVCを測定する。心臓から2cmのところで測定し、プローブを縦にして吸気時/呼気時ともに1桁mmなら脱水、ともに2桁なら多め、20mm超えてれば溢水。
☆明らかな腎不全なく多尿の場合は一過性かもしれないので経過観察。
☆補液が多くて多尿は当たり前で心配なし(多すぎて肺水腫なることあるが)、補液が少なくて乏尿は見逃すと腎不全になる。
☆軽度のCr上昇時は500ml1本程度を5日ほど補液すると良い(ヴィーンDなど)。
☆拘縮が強い場合、滴下調節しても体位によって点滴が3時間くらいで全部落ちてしまうことがある。
☆浮腫やSat低下ないか見る(発熱+Sat低下は肺炎、発熱なしのSat低下は胸水→点滴量多くないか)
☆状態が悪くなってくると多臓器不全から腎不全になり尿量が減少してくる→1号液を500-1000mlでよい。
☆DM持ちはインスリンスケール対応を忘れないように。
☆消化管手術後、ERCP、急性膵炎後など序々に食上げするときは常食になるまでスケール対応。
☆通常のスケール対応のインスリンの針は太いので、手持ちがある場合は速効型でスケール対応、持続型は通常通りの単位数にする。
☆指示出し後では当日昼の内服から始まるので、指示出した当日は昼夕、翌日から朝昼夕の処方にしておくと定期に合わせやすい。
☆誤嚥起こしそうな人(脳梗塞後、寝たきり、肺炎反復)ではST評価(VFなど)。
☆食上げの順は(おかず)ゼリー⇒ミキサー⇒きざみ⇒軟菜、(米)ミキサー⇒5分⇒全粥。
☆食種:DMはDM食(EC1400等)、ワーファリン服用中はワーファリン食で納豆禁止、心不全は塩分6g未満、貧血は貧血食、ERCP後は胆膵食(FC20-1400など)、胃切後は5回食、ステント留置後は5分粥まで。
☆入院が長期化すると嚥下機能も落ちるので高齢者は嚥下食で留めておく。
☆ムースで咽頭貯留あるときはミキサー食。
☆状態悪いときは嚥下機能も落ちるので、状態改善したら嚥下機能も再評価する。
☆食事量が半分切れば1-2本、3割切れば2-3本点滴を入れる。
☆感染では培養結果を必ず見て、必ずde-escalationすること。
☆潰瘍止血後は露出血管あるかないかをチェックする。
☆PEG/CV/腰椎穿刺/ERCP予定はワーファリンやアスピリン服用歴ないかチェック。
☆経口摂取不可ならCV/NG/PEG/看取り(点滴)のどれにするかIC。
☆退院近いなら帰宅先は自宅か施設か。独居か同居か。
☆シャントがある腕にルートをとるときは、シャントより末梢の尺側手背からとる(シャントより遠位でとってつぶれることは避ける)。
☆造影剤/ケモ投与後の穿刺部発赤は、次回投与前にサクシゾン100mg+生食100mlを投与する、投与スピードを倍にする、腕を変えるなど。
☆ユナシンやセフィロームで薬疹が出る時はアザクタム(1g+生食100mlを30分かけて1日2回)に変更する。
☆造影CTがどうしても必要だが、腎障害がある場合は、検査前に300ml(心不全あるときは150ml)生食をボーラス投与し、検査後は1ml/kg/hrで12時間生食投与。造影剤は50-100mlにする(ヨード含有量が300mg/dlの造影剤の場合)
☆プレドニン30mg/日以上投与中は、血糖測定、パリエット10mg1T/1x、ボナロン(BP:ビスホスホネート)35mg/1x起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン(アンホテリシンB)シロップ含嗽液(480ml)1本1回20mLでうがい後に服用1日3回、ダイフェン(S400mgT80mg)1T/1x月水金投与、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HRを2週間毎に測定する。
☆誤嚥性肺炎でも抗パ薬、チラージン、ステロイド、抗痙攣薬などはNGtubeから投与する。
cf)一般病棟入院時の説明:
①高齢者特有の危険性
・回復の遅れ、低下、食べられない、寝たきりになる→寿命では?
・そうなる場合にどうするか?点滴(末梢?中心静脈?)?経管栄養?自然(看取り)?
・ある程度元気になった場合は行き先の検討
②認知症の進行
③内臓器官の機能低下及び誤嚥性肺炎などの余病併発
④転倒、骨折の危険性
⑤突然急変する可能性(心筋梗塞、肺塞栓、誤嚥など)
・起こった場合の対処法(蘇生、自然に任せる)
・結論出るまでは蘇生を行う(30分ほど)が、回復の見込みはほとんどなし→脳死になる
・心マ、挿管をするかどうか
⑥せん妄になった場合は鎮静剤の使用、拘束、付き添いなど必要になることがある
cf)回復期リハビリ病棟入院時の説明:
・診療報酬がマルメになるため、薬剤を後発品に変更することあり。検査も必要最小限。
・急変が生じた場合は一般病棟や他の急性期病院へ転院が必要。
・夜間、救急時は当直医の対応になる。
・入院期間の上限あり。肺炎後などの廃用症候群は90日間。脳血管障害は150日か180日。この間に介護保険の変更手続きをとり、自宅の準備を整えたり、今後の行き先の検討をする。
・リハビリの成果が家族、本人の思うような場合でなかったとしても期限が来れば退院が必要。
・リハビリ処方箋に担当医、病名、発症年月日、入院年月日、経過、治療目標(拘縮予防、ADL改善など)を記載する。栄養管理計画書の病名、担当医名を記載する。リハビリ総合実施計画書の主治医、担当医、原因疾患を記載する。褥瘡対策に関する診療計画書の医師名、危険因子の評価を記載する。リハビリを保健請求するために、カルテに「目標設定等支援管理シートについて説明し、家族の了承を得た」と、記載すること。
☆入院時検査と指示
・血圧、SpO2、体温は1日1-3回測定、尿測は基本不要、体重測定 4週に1回測定など。
・入院時採血、検尿、胸腹部レントゲン、心電図、咽頭粘膜塗抹培養/感受性、持参薬継続かどうか、吸痰1日8回以上の指示。
☆入院時の異常時指示
(①が優先度高い)
注意)胃瘻の患者で発熱時にカロナール内服を指示すると、通常は病棟で粉砕し水に溶かして投与するか、50℃くらいのお湯に溶かして投与する(簡易懸濁)。あまり頻繁なようなら、カロナール粉砕を発熱時頓用5回分などあらかじめ処方しておく。クラビットはフィルムコーティングしてあり粉砕して溶かして注入すると詰まることがあるため、クラビット細粒を使う。
発熱時:
①カロナール200mg2T
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg(腎障害あるときはしない)
④メチロン250mg/1mL 1A筋注
cf)血圧低下時の解熱の基本は、①クーリング、②カロナール内服、③アセリオ点滴(1000mg/100ml1瓶→300mg/30mlを生食100mlなどに溶かして15分で点滴する)→アンヒバ坐薬はよさそうだが・・・(坐薬は嫌がることが多い)→ボルタレン坐薬やメチロン筋注は避ける!!
疼痛時:
①カロナール200mg2T
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg (腎障害あるときはしない)
④ペンタジン15mg 1A筋注
不眠時:
①ベルソムラ15㎎(長期間BZP内服時は持参のBZPを1週間ごとに0.5~0.25Tずつ漸減しながら併用)
(以下はせん妄時は中止)
②マイスリー10mg 0.5T
③②無効時はさらに0.5T追加
④レンドルミン0.25mg1T嘔気時:
①アタラックスP1A静注
②プリンペラン1A筋注(もしくはプリンペラン1A+生食20ml静注もしくはメイン点注)
③ノバミン1A筋注
④ナウゼリン坐薬1個
不穏時:
①テトラミド1T(レスリン、デジレル、リフレックス、レメロン)内服
②リスパダール1包内服(1日3回まで、1時間あけて)
③セレネース1A筋注
④セレネース1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ
⑤セレネース1A+ロヒプノール1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ(BZPを半年以上服用し、休薬による反跳性不眠を疑うとき)
⑥家族Call便秘時:
①摘便
②レシカルボン坐薬
③GE浣腸60ml
④プルゼニド2T血圧200mmHg以上:
①アダラート5mg 1C内服
②フランドルテープ40㎎1日1枚(内服できないとき)
胸腔ドレーンの入れ方
☆胸腔ドレーンの入れ方
⓪必ずルート確保、モニタ装着すること。
①左第5/6肋間をマーキングし、第5肋骨上縁に沿って22Gで局所麻酔をしながら陰圧に保ちつつ穿刺する。
②空気とともに少量の胸水の逆流を認め(気胸の場合は空気のみ)、少し針を戻したところで壁側胸膜を浸潤麻酔する。
③尖刃で約1.5㎝の皮膚切開創を加え、そのままコッヘル鉗子及び第2指で第5肋骨上縁に触れながら、皮下組織および壁側胸膜を剥離していき、第2指が2㎝進んだところで左肺を触知。
④約1㎝の大きさの孔を壁側胸膜にあけ、28Frのチェストチューブを背側下部胸腔に向けて挿入(気胸の場合は14Frで肺尖部でも可)、2㎝挿入したところで内筒を引き抜き、そのままチェストチューブ(トロッカー)を挿入する。
⑤チェストチューブの両端を1-0シルクおよび角針でマットレス縫合し、その2本の糸でチェストチューブを固定する。8つおりガーゼおよびYガーゼで挿入部を多い、がっちりテープで固定。胸部レントゲンで挿入を確認し、合併症がないことを確認し終了。
⑥気胸、胸水の場合は5cmH2Oで持続吸引すればよい。
cf)・気胸の場合は肺の膨張を確認し、air leakがなくなった翌日の朝にチェストチューブをクランプし、6時間~1日後に胸部レントゲンにて確認し、虚脱がなければトロッカーを抜去する。
・気胸での呼吸性変動/エアリークは+/-ならクランプ可能、+/+なら気胸継続かチューブから漏れてるから接続を確認、-/-ならチューブ閉塞、-/+チューブはずれている。
・吸引圧は-10cmH2Oと言われるが、始めは-1~-5cmH2Oにした方が無難。それでエアリークが続くようであれば吸引圧を上げる。エアリークが全くないようであれば0cmH2Oかwater seal(吸引機の電源をオフ)にする。
・咳あれば再膨張性の肺水腫かも。いきなり上げすぎないこと。
・トロッカー抜去は呼気終末で息止めをしてから行う。
・トロッカー抜去後はマットレス縫合を行うこと。
⓪必ずルート確保、モニタ装着すること。
①左第5/6肋間をマーキングし、第5肋骨上縁に沿って22Gで局所麻酔をしながら陰圧に保ちつつ穿刺する。
②空気とともに少量の胸水の逆流を認め(気胸の場合は空気のみ)、少し針を戻したところで壁側胸膜を浸潤麻酔する。
③尖刃で約1.5㎝の皮膚切開創を加え、そのままコッヘル鉗子及び第2指で第5肋骨上縁に触れながら、皮下組織および壁側胸膜を剥離していき、第2指が2㎝進んだところで左肺を触知。
④約1㎝の大きさの孔を壁側胸膜にあけ、28Frのチェストチューブを背側下部胸腔に向けて挿入(気胸の場合は14Frで肺尖部でも可)、2㎝挿入したところで内筒を引き抜き、そのままチェストチューブ(トロッカー)を挿入する。
⑤チェストチューブの両端を1-0シルクおよび角針でマットレス縫合し、その2本の糸でチェストチューブを固定する。8つおりガーゼおよびYガーゼで挿入部を多い、がっちりテープで固定。胸部レントゲンで挿入を確認し、合併症がないことを確認し終了。
⑥気胸、胸水の場合は5cmH2Oで持続吸引すればよい。
cf)・気胸の場合は肺の膨張を確認し、air leakがなくなった翌日の朝にチェストチューブをクランプし、6時間~1日後に胸部レントゲンにて確認し、虚脱がなければトロッカーを抜去する。
・気胸での呼吸性変動/エアリークは+/-ならクランプ可能、+/+なら気胸継続かチューブから漏れてるから接続を確認、-/-ならチューブ閉塞、-/+チューブはずれている。
・吸引圧は-10cmH2Oと言われるが、始めは-1~-5cmH2Oにした方が無難。それでエアリークが続くようであれば吸引圧を上げる。エアリークが全くないようであれば0cmH2Oかwater seal(吸引機の電源をオフ)にする。
・咳あれば再膨張性の肺水腫かも。いきなり上げすぎないこと。
・トロッカー抜去は呼気終末で息止めをしてから行う。
・トロッカー抜去後はマットレス縫合を行うこと。
中心静脈留置カテーテルの入れ方
☆中心静脈留置カテーテルの入れ方
①両脚挙上の上(Trendelenburg体位)、頭位を45度左側外転させ、超音波で内頸静脈と内頚動脈の位置を確認する。
cf)両下肢挙上しても内頸静脈の虚脱がある場合は頭位を下げるとよい。
②清潔ガウンと清潔手袋を装着し、イソジン綿球で穿刺予定部位、およびその周辺を半径15㎝の範囲で消毒する。
③覆い布をかけ、カテーテルやダイレーターの内部をヘパリン生食で満たし、キューサイトを閉栓する。
④左手で内頚動脈の拍動を触知しつつ、皮膚を1%キシロカイン5mlで浸潤麻酔、すぐ脇を通る内頸静脈を穿刺する。
⑤22G針で数回穿刺し、逆血を確認した後、そのままシリンジだけを抜き、22G針は留置しておく。
⑥留置した22G針の2㎜遠位を同じ角度で留置針を穿刺する。
⑦22G針を穿刺した深さよりも深い部位で留置針を止め、そのまま内筒を引き抜く。
⑧外筒を固定し、留置針のシリンジを接続し、陰圧をかけながら、外筒を固定しつつ、逆血があるまで、徐々に引き抜き、逆血があるところでガイドワイヤーを挿入する。
⑨ガイドワイヤーが残り20cm程度になるまで挿入し、外筒を引き抜いた後、ダイレーターを根元まで挿入し、穿刺部位を広げる。
⑩ダイレーターを引き抜き、そこにヘパリン生食で満たしたダブルルーメンカテーテルをガイドワイヤーに沿って、挿入し、15㎝の深さまで挿入する(急性膵炎の場合はダブルルーメンにすること)。
⑪シリンジで逆血を確認した後、ヘパリン生食を流し込み、再びキューサイトでカテーテルを閉栓。
⑫24G針と1-0シルクを使って、3か所でカテーテルを固定して終了する。
⑬胸部X線単純写真を撮影し、上大静脈の位置まで留置されていることを確認し終了する。
cf)鼠径からのCV留置で肥満女性の場合、股関節を外転させた方が入りやすい。
cf)・右内頚静脈の場合は13cm(12-15cm)、大腿静脈の場合は35cm(30-40cm)で留置する。
・右内頚静脈の場合はCVカテーテルの先端が気管分岐部の高さにくるのが良い。
・右内頚静脈穿刺ではあまり鎖骨に近いと気胸を起こすことがある(留置して数時間後にSpO2低下を起こすこともある)。
・穿刺するときは針を寝かせてする。十分に寝かせないとガイドワイヤーが血管壁に当たって進まないことがある。
・穿刺中に血管走行がわからなくなった場合は、清潔手袋にゼリーを入れて、中にプローベを入れて、清潔手袋ごと生食にひたして血管位置を確認しながら穿刺するとよい。
・CVを固定する時に、ペアンで糸を挟んだ方向と直角な方向に結ばないと、滑って奥に入ってしまう!
・CV穿刺にて逆血もあり、滴下も問題ないのに、じわじわ出血が続く場合は大腿動脈を突き抜けて大腿静脈を穿刺している可能性あり。
cf)CVカテーテル閉塞時の交換について
・皮膚をカテーテルごとイソジン消毒し、覆い布をかける。
・ハサミでカテーテルの途中を切って、清潔操作でガイドワイヤーを挿入し、固定の糸を抜糸してからカテーテルを抜去する。
・その後はCV留置と同様の操作を行う。
注)ペースメーカーある場合、内頚静脈からのCVはやめた方がよい。カテ感染の場合、ペースメーカーのリード線経由で感染が広がる場合あり(どこから留置しても菌血症になるため同じという意見もあり)。
①両脚挙上の上(Trendelenburg体位)、頭位を45度左側外転させ、超音波で内頸静脈と内頚動脈の位置を確認する。
cf)両下肢挙上しても内頸静脈の虚脱がある場合は頭位を下げるとよい。
②清潔ガウンと清潔手袋を装着し、イソジン綿球で穿刺予定部位、およびその周辺を半径15㎝の範囲で消毒する。
③覆い布をかけ、カテーテルやダイレーターの内部をヘパリン生食で満たし、キューサイトを閉栓する。
④左手で内頚動脈の拍動を触知しつつ、皮膚を1%キシロカイン5mlで浸潤麻酔、すぐ脇を通る内頸静脈を穿刺する。
⑤22G針で数回穿刺し、逆血を確認した後、そのままシリンジだけを抜き、22G針は留置しておく。
⑥留置した22G針の2㎜遠位を同じ角度で留置針を穿刺する。
⑦22G針を穿刺した深さよりも深い部位で留置針を止め、そのまま内筒を引き抜く。
⑧外筒を固定し、留置針のシリンジを接続し、陰圧をかけながら、外筒を固定しつつ、逆血があるまで、徐々に引き抜き、逆血があるところでガイドワイヤーを挿入する。
⑨ガイドワイヤーが残り20cm程度になるまで挿入し、外筒を引き抜いた後、ダイレーターを根元まで挿入し、穿刺部位を広げる。
⑩ダイレーターを引き抜き、そこにヘパリン生食で満たしたダブルルーメンカテーテルをガイドワイヤーに沿って、挿入し、15㎝の深さまで挿入する(急性膵炎の場合はダブルルーメンにすること)。
⑪シリンジで逆血を確認した後、ヘパリン生食を流し込み、再びキューサイトでカテーテルを閉栓。
⑫24G針と1-0シルクを使って、3か所でカテーテルを固定して終了する。
⑬胸部X線単純写真を撮影し、上大静脈の位置まで留置されていることを確認し終了する。
cf)鼠径からのCV留置で肥満女性の場合、股関節を外転させた方が入りやすい。
cf)・右内頚静脈の場合は13cm(12-15cm)、大腿静脈の場合は35cm(30-40cm)で留置する。
・右内頚静脈の場合はCVカテーテルの先端が気管分岐部の高さにくるのが良い。
・右内頚静脈穿刺ではあまり鎖骨に近いと気胸を起こすことがある(留置して数時間後にSpO2低下を起こすこともある)。
・穿刺するときは針を寝かせてする。十分に寝かせないとガイドワイヤーが血管壁に当たって進まないことがある。
・穿刺中に血管走行がわからなくなった場合は、清潔手袋にゼリーを入れて、中にプローベを入れて、清潔手袋ごと生食にひたして血管位置を確認しながら穿刺するとよい。
・CVを固定する時に、ペアンで糸を挟んだ方向と直角な方向に結ばないと、滑って奥に入ってしまう!
・CV穿刺にて逆血もあり、滴下も問題ないのに、じわじわ出血が続く場合は大腿動脈を突き抜けて大腿静脈を穿刺している可能性あり。
cf)CVカテーテル閉塞時の交換について
・皮膚をカテーテルごとイソジン消毒し、覆い布をかける。
・ハサミでカテーテルの途中を切って、清潔操作でガイドワイヤーを挿入し、固定の糸を抜糸してからカテーテルを抜去する。
・その後はCV留置と同様の操作を行う。
注)ペースメーカーある場合、内頚静脈からのCVはやめた方がよい。カテ感染の場合、ペースメーカーのリード線経由で感染が広がる場合あり(どこから留置しても菌血症になるため同じという意見もあり)。
ステロイドテーパリングの方法
cf)ステロイドテーパリングの方法
・リンデロン8mg×2→リンデロン8mg3日間→リンデロン4mg3日間→終了
・ソルメドロール120mg→プレドニン60mg3日間→プレドニン20mg3日間→終了
注)そもそも1週間程度のステロイド使用ではテーパリングは必要ない。
・プレドニン30mg長期投与例
25mg1週間→20mg1週間→15mg1週間→10mg1週間→10mg隔日1週間→5mg隔日1週間→終了
・デカドロン1mg(プレドニン6.25mg)の長期投与例
1mg隔日4週間→0.5mg隔日4週間→0.25mg隔日4週間→終了
cf)ステロイドを分2にするときは日内変動に合わせて朝を多くすること。
☆CMV、結核、カリニ肺炎(PCP)、HBV再燃に注意する。疑う時はCMV-Ag/CMV-IgM/CMV-IgG/CMV-C7HR、3連痰/結核PCR/QFT、βDグルカン/LDHを精査する。下血あればCMV腸炎も忘れずに。
☆プレドニン換算20mgを4週以上継続するときは血糖測定、パリエット10mg1錠朝食後、ボナロン/フォサマック35mg1錠起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン/ファンギゾンシロップ含嗽液(480ml)1本1回20mLでうがい後に服用1日3回、バクタ/ダイフェン(S400mgT80mg)1錠(月水金内服)、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HRを2週間毎に測定する。
注意)ステロイド中止する場合はバクタはプレドニン終了とともに中止してよい。
・リンデロン8mg×2→リンデロン8mg3日間→リンデロン4mg3日間→終了
・ソルメドロール120mg→プレドニン60mg3日間→プレドニン20mg3日間→終了
注)そもそも1週間程度のステロイド使用ではテーパリングは必要ない。
・プレドニン30mg長期投与例
25mg1週間→20mg1週間→15mg1週間→10mg1週間→10mg隔日1週間→5mg隔日1週間→終了
・デカドロン1mg(プレドニン6.25mg)の長期投与例
1mg隔日4週間→0.5mg隔日4週間→0.25mg隔日4週間→終了
cf)ステロイドを分2にするときは日内変動に合わせて朝を多くすること。
☆CMV、結核、カリニ肺炎(PCP)、HBV再燃に注意する。疑う時はCMV-Ag/CMV-IgM/CMV-IgG/CMV-C7HR、3連痰/結核PCR/QFT、βDグルカン/LDHを精査する。下血あればCMV腸炎も忘れずに。
☆プレドニン換算20mgを4週以上継続するときは血糖測定、パリエット10mg1錠朝食後、ボナロン/フォサマック35mg1錠起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン/ファンギゾンシロップ含嗽液(480ml)1本1回20mLでうがい後に服用1日3回、バクタ/ダイフェン(S400mgT80mg)1錠(月水金内服)、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HRを2週間毎に測定する。
注意)ステロイド中止する場合はバクタはプレドニン終了とともに中止してよい。
CFやGFで癌が見つかった時のムンテラ
☆マナーについて
・いきなり本題に入らないこと。体調や最近の様子を聞く。
・本人だけの時は家族と同席が必要ないか聞くこと。
・話の途中でもわからないことがあればいつでも質問するように伝える。
・説明の途中で「ここまでわからないことや不明なところはありますか」と聞くこと。
・「がん」とはっきり言うことは大切だが、必要以上に「がん」を繰り返さないこと(悪いもの、腫瘍、できものという曖昧な言葉にする)。
・セカンドオピニオンについて説明すること。
・今の目標は治療のための検査を進め、治療を始めることであり、治療が始まったら以前の生活と変わりなく過ごせるようにすることだと伝える。
・最後に「何か心配なことはありますか」と聞くこと。
☆病状について
・カメラで見えた隆起性病変は悪性であって、内視鏡的にとることはできない。
・外科手術、開腹手術が必要です。
・腫瘍にはステージ分類があり、分類をしてそれによって治療が変わってくるため、今後はCTをとってステージ分類がⅠからⅣのどこなのかを決める必要がある。
・手術になった場合の合併症その他は外科受診をして、外科の先生からの説明を受けてほしい。
☆ケモや緩和ケアになったとき
・化学療法と緩和ケアは同時進めるものであること。
・緩和ケアの開始が末期を意味しないということ。
・Ⅳ期イコール末期ではないこと。
☆死にたいと言われたとき
・「そういうふうに考えても仕方がないと思います」(決して、そんなこと考えずにがんばりましょうはだめ。)
・いきなり本題に入らないこと。体調や最近の様子を聞く。
・本人だけの時は家族と同席が必要ないか聞くこと。
・話の途中でもわからないことがあればいつでも質問するように伝える。
・説明の途中で「ここまでわからないことや不明なところはありますか」と聞くこと。
・「がん」とはっきり言うことは大切だが、必要以上に「がん」を繰り返さないこと(悪いもの、腫瘍、できものという曖昧な言葉にする)。
・セカンドオピニオンについて説明すること。
・今の目標は治療のための検査を進め、治療を始めることであり、治療が始まったら以前の生活と変わりなく過ごせるようにすることだと伝える。
・最後に「何か心配なことはありますか」と聞くこと。
☆病状について
・カメラで見えた隆起性病変は悪性であって、内視鏡的にとることはできない。
・外科手術、開腹手術が必要です。
・腫瘍にはステージ分類があり、分類をしてそれによって治療が変わってくるため、今後はCTをとってステージ分類がⅠからⅣのどこなのかを決める必要がある。
・手術になった場合の合併症その他は外科受診をして、外科の先生からの説明を受けてほしい。
☆ケモや緩和ケアになったとき
・化学療法と緩和ケアは同時進めるものであること。
・緩和ケアの開始が末期を意味しないということ。
・Ⅳ期イコール末期ではないこと。
☆死にたいと言われたとき
・「そういうふうに考えても仕方がないと思います」(決して、そんなこと考えずにがんばりましょうはだめ。)
針刺し時の血液検査
<針刺し時・輸血後の血液検査>
☆針刺し
・AST,ALT,HIVAb/Ag,HTLV-1(PA),s抗原,s抗体,HCV抗体
注)CV留置中に針刺しをした場合、針刺しの針を必ず別に捨てること。
cf)針刺しの相手に感染がない場合は1回のみの採血で良いが、感染ある場合は該当感染の有無を1ヵ月毎に3ヶ月、半年後にフォローする。
☆輸血後
HIV Ag/Ab、HCV抗原、HBVDNA量(リアルタイム)
☆針刺し
・AST,ALT,HIVAb/Ag,HTLV-1(PA),s抗原,s抗体,HCV抗体
注)CV留置中に針刺しをした場合、針刺しの針を必ず別に捨てること。
cf)針刺しの相手に感染がない場合は1回のみの採血で良いが、感染ある場合は該当感染の有無を1ヵ月毎に3ヶ月、半年後にフォローする。
☆輸血後
HIV Ag/Ab、HCV抗原、HBVDNA量(リアルタイム)
CTの読み方
<CTの読み方>
冠状断(coronal):体を腹側と背側に分ける面
矢状断(sagital):体を左右に分ける面
水平断(transverse)
☆HFU(CT値)・30以下なら水(尿や腹水)
・30以上なら血液
・50以上なら凝結塊
☆double phase・30秒後、Aoや腎皮質が造影→早期相(early phase)・2分後、Aoや腎実質が造影→晩期相(delayed phase)
☆血腫
・均一
・densityが高い→筋肉より高いdensity(腫瘍と血腫は筋肉より高い)・HFU30以上
・泡沫状のairなし
・造影でhighかつdouble phaseで形の変化あれば現在の出血(etravasation)・血腫の中に沈まないhighあれば現在の出血(etravasation)・臓器外にある血腫
☆大動脈解離(切迫破裂、進行性)
・造影でhigh(単純でもdensity高め)→陳旧性ではisoからlow・造影でcrescent sign→造影でlowでも新鮮
・造影でintimal flap(真腔と偽腔の境目)
冠状断(coronal):体を腹側と背側に分ける面
矢状断(sagital):体を左右に分ける面
水平断(transverse)
☆HFU(CT値)・30以下なら水(尿や腹水)
・30以上なら血液
・50以上なら凝結塊
☆double phase・30秒後、Aoや腎皮質が造影→早期相(early phase)・2分後、Aoや腎実質が造影→晩期相(delayed phase)
☆血腫
・均一
・densityが高い→筋肉より高いdensity(腫瘍と血腫は筋肉より高い)・HFU30以上
・泡沫状のairなし
・造影でhighかつdouble phaseで形の変化あれば現在の出血(etravasation)・血腫の中に沈まないhighあれば現在の出血(etravasation)・臓器外にある血腫
☆大動脈解離(切迫破裂、進行性)
・造影でhigh(単純でもdensity高め)→陳旧性ではisoからlow・造影でcrescent sign→造影でlowでも新鮮
・造影でintimal flap(真腔と偽腔の境目)
胸部大動脈解離(単純でもintimal
flapの石灰化が見える)
大動脈解離がSMAに及んでいる
血栓閉塞型の大動脈解離
☆動脈瘤
・正常大動脈の1.5倍以上(正常部位と比較する)
・造影で真ん丸なetravasation・大血管からの出血→胸部は解離の破裂、腹部は腹部大動脈瘤(AAA)破裂が多い
☆肺結核
・右上葉に空洞を伴う小結節、小結節の周囲に娘結節、気管支拡張、縦隔条件で石灰化があれば疑うこと
☆肺陰影
・肺胞腔が完全に液体で満たされたとき→斑状陰影、air bronchogram・「肺胞腔が不完全に液体で満たされairを含むとき」や「肺胞壁の肥厚」→スリガラス陰影
・肺の構造とは無関係な陰影→浸潤陰影
☆肺炎の新旧の区別
・新しい肺炎は呼吸細気管支が炎症で白く写るので、約10mm程度の線状の陰影が見える。
☆心タンポナーデ
・左半分のほとんどを心臓が占める
・心嚢液(心臓を取り囲むようにdensityの低い液貯留)とIVCの拡張(Aoよりも大きい)がサイン
☆後腹膜血腫
・脊椎の横にややdensityが高いmass・腎臓が上に持ち上がっている
☆消化管出血
・糞便があればそれ以降の部位からの出血
☆大腸か小腸か(追っていくしかない!!)
・Kerckring襞(小腸襞)は腸管を完全に横切る
・Haustra(結腸ひも)は腸管を完全には横切らない
●上行結腸につながっていれば小腸
●下行結腸につながっていれば横行結腸
(つながりを見るときはパラパラ見ずに1枚ずつゆっくり見ること!!)
・「丸がいっぱい」「丸につながる扇状の腸間膜」「液状物だけでガスなし」は小腸
・「ガスが多い拡張腸管」は横行結腸
☆空腸か回腸か
・右上から左下に線を引き、上が回腸、下が空腸
☆大腸の閉塞か小腸の閉塞か
・小腸は拡張しても5㎝まで、それ以上は大腸の拡張
・上行結腸の拡張もしくは大量の糞便→横行結腸以降の閉塞
・上行と下行の拡張→S状結腸の閉塞
☆腸閉塞
・小腸だけの液状物→小腸の機械的腸閉塞
→①外ヘルニア(大腿静脈が圧迫されていれば大腿ヘルニア、恥骨と坐骨が見える高さで恥骨筋(前)と外閉鎖筋(後)に挟まれた腸管あれ
ば閉鎖孔ヘルニア)
②beak signまたは壁造影の薄い濃いがあればclosed loop ③回腸末端から上行結腸にかけてpseudokidney signあれば腸重積
・小腸だけでなく盲腸や上行結腸にも液状物(niveau)→麻痺性イレウス→腸管穿孔(若年者なら穿孔性虫垂炎)
・大腸の閉塞は盲腸が12cm以上なら穿孔の可能性
→圧上昇でBauhin弁が壊れると小腸が拡張
→圧が逃げられるので待機的に見れる(ただし右下腹部痛は強いはず)
cf)腸炎や虫垂穿孔による麻痺性イレウスでも小腸~上行結腸の拡張が見られるが、腹痛は軽度のはず。
・小腸ガスはそれだけで異常。機械的腸閉塞、急性腸炎、虫垂炎、腸炎、Mesenteric ischemia、腸管穿孔を考える。
横行結腸癌
☆小腸閉塞あれば外ヘルニアを探す
・恥骨筋と外閉鎖孔に挟まれた腸管を探す
・小腸内糞便はより遠位で閉塞起点があるサイン
・蠕動で連続した腸管でも狭窄してるように見えたり、そこから突然拡張してっ見えることがある。中に液体が溜まっていなければ腸閉塞ではなく、蠕動を見ていることが多い。dynamicで見ると閉塞部位が移動しているはず。
☆NOMI(non-occlusive mesenteric ischemia)・脱水や出血による腸管虚血壊死
☆腸管壁肥厚
・腸炎は単純で全周性の均一な壁肥厚(4㎜以上)→発熱ありなら感染症腸炎、発熱なしなら虚血性腸炎
・感染性腸炎ではアニサキスや魚骨によるものを忘れないこと。
・辺縁不整で内腔を閉塞する造影効果のある粘膜肥厚は癌を疑う
・内腔を閉塞しない小腸の壁肥厚は悪性リンパ腫か
・何か他に炎症源(虫垂炎やアニサキス腸炎やFHCなど)があって麻痺性イレウスになっている場合は、小腸壁の肥厚は軽くて、拡張だけしている
・感染性小腸炎の場合は、壁の肥厚が強く、内側の粘膜と外側の外膜両方が線状に強く染まり、間の粘膜はそれらよりやや薄いが造影され、周囲の炎症も強い。
・腸炎と思ったらSMV塞栓症を否定する。SMAの右隣がSMVで脾静脈と合流して門脈となる(脾静脈が合流し、SMAの隣にある血管を探す)
SMA塞栓症での門脈内ガス、腹腔内air
★絞扼性腸閉塞のサイン
・小腸がgaslessで拡張
・腹水(∵腸管浮腫により静脈が圧迫される)
・closed loopのtriasはgassless、腹水、腸管膜の造影
★腸管壊死のサイン(血栓症か絞扼性)
・earlyでもdelayでも壁の造影効果が弱い→delayで造影されてくれば浮腫か虚血
注)他の腸管は壁が造影されて追えるのに、全体的にほんのり明るくなってるだけで壁が追えない
・壁内にガス(壁に沿って丸いつぶつぶがつながったような像,air-fluid levelもあり)
・肝臓辺縁のガス(門脈によって辺縁に押しやられる、辺縁から2cm以内のガスは胆道内でなく門脈内ガス)
・線状陰影(腸間膜の濃度上昇)→腸間膜の炎症
・ウィンドウレベル/幅をL60W60にして他の腸管との差を見る
★腸管穿孔のサイン
・腹水(ベタッとして均一で形が三日月ぽい)→空気泡多いなら腸管外糞便か
・骨盤内液貯留
・肝周囲のfree air(辺縁がはっきりとした真っ黒、辺縁がぼんやりしてるものは脂肪組織の可能性)・脊椎/Ao/腎臓付近のfree air→十二指腸(腎周囲のfree air)かS状結腸(腎より下のAo付近のfree air)の穿孔(∵後腹膜)
・IVC虚脱(脱水→循環血漿量↓)
・free airあれば板状硬なくても汎発性腹膜炎と考える(CRP↑+free airで板状硬なければより重篤な腹膜炎と思われる)。
・腹部診察で押さえて一番痛がる部位と腸管周囲ガスが多い部分が一致すればそこが穿孔部位である可能性が高い。
S状結腸穿孔
☆膿瘍
・壁が肥厚し、内部が不均一、上下に追っても盲端になる
☆直腸潰瘍
・直腸出血+他の結腸に憩室なし→大量出血するけど冷静に!E入りネオガーゼを詰めよう!
☆憩室
・造影でも単純でもlow・highな丸い陰影があれば憩室出血か糞石→出血ならdouble phaseで変化あるはず
・圧痛+憩室+腸管粘膜の肥厚+周囲の炎症像→憩室炎(憩室なければ虚血性腸炎か感染性腸炎か)
☆急性虫垂炎
・外径6㎜以上、壁がよく造影、周囲の脂肪濃度上昇や液貯留
・壁造影のみならカタル性で抗生剤で軽快する
・糞石あれば手術適応(抗菌薬だけでは無理)
・虫垂は水平断では細長く尻尾様か筒状かに写る
・Uターンしているものもある
●盲腸は水平断では丸い→丸くないところは回腸か虫垂の起始部である!!・盲腸を下まで追っていって急に小さな丸になれば虫垂の起始部
・盲腸の近くに小さな石灰化があれば糞石の可能性がある。pCTでもよく見れば糞石を取り囲むように虫垂が見えるはず。
・盲腸との接続が確認できなくても、小腸が盲端になっていれば虫垂のはず。
☆腸重積
・内側の腸管と外側の腸管の間に血管があることが腸重積の証拠
・血便や腹膜炎あれば穿孔や壊死の可能性→CFよりも緊急手術
☆腸管拡張
・大腸は8㎝以上
・小腸は5㎝以上
☆急性胆嚢炎
・短軸5㎝以上、かつ壁の肥厚(4mm以上)、周囲脂肪織の炎症像
急性胆嚢炎(胆石が頚部に嵌頓している)
☆腎盂腎炎
・くさび型のlow density・腸腰筋筋膜(腎が見えるレベルで椎体に付着している筋)が肥厚→腎周囲の炎症
☆気腫性膀胱炎
・膀胱壁内にガス→膀胱内の大量のガスは膀胱直腸瘻の可能性あり(直腸癌か)
・尿のniveau・膀胱壁に沿ったガス多数
☆肝膿瘍
・1個の時は大腸の炎症(全周性の壁肥厚)を探す
☆肝血管腫
・動脈相での辺縁部もしくは結節全体の大動脈と同じ明るさの早期濃染
cf)HCCなど悪性腫瘍では96%が早期濃染しても大動脈より暗い
・門脈相~平衡相での高吸収~等吸収、中心への濃染の広がり
cf)一部造影されない部位があっても一度造影された部位が低吸収になることはない。
cf)HCCでは7割が門脈相~平衡相で低吸収になる。
注意)dynamicCTでの時相
・早期動脈相:Aoおよびその主分枝のみ造影。門脈のenhanceはあってもごくわずか。
・後期動脈相:古典的HCCが最も造影される。門脈もenhanceされてきている。
・門脈相:肝実質が最も造影される。
・平衡相:血管と肝実質が等しい濃度。HCCではwash outがある相。HCCでは被膜濃染を認めることがある。
血管腫(単純→動脈相→門脈相→平衡相)
☆特発性食道破裂
・左側胸水+縦隔内気腫
☆急性膵炎
・①膵臓腫大、②上腹部痛、③アミラーゼ上昇のうち2項目陽性なら急性膵炎
・膵頭部で椎体の横径以上、体尾部で椎体の横径の2/3以上を腫大とする
・膵臓周囲の毛羽立ち、液貯留
・膵実質の不均一化
・片側腎上極の腹水→後腹膜の炎症のサイン
☆慢性膵炎
・①石灰化(US,CT)、②主膵管または副膵管の分断や拡張(頭部で5㎜、体尾部で3㎜)、③セクレチン試験で2因子以上低下、④病理
→CTではとにかく小さくても石灰化を探す(ほんの小さな石灰化でもOK)
☆凸レンズ型の血腫
・脳なら硬膜外血腫
・肝臓なら被膜下血腫
・手術適応は、増大、壊死、感染
慢性硬膜下血種(古くなると見逃しやすい)
☆腹部外傷
・肝損傷、腎損傷、脾損傷、膵損傷
☆脾梗塞
Cushing症候群の診断
イレウス管留置方法
☆イレウス管留置方法
①イレウス管のバルーンが蒸留水何mlで最大に拡張するかを事前に確認(多くは15ml)。
②経鼻的に内視鏡を挿入し、胃に挿入後、体のみ正面になるようにして透視下に確認する。胃液や空気を極力吸引することで苦痛を緩和し、かつ後のチューブ挿入を容易にする。
③十二指腸下行部まで内視鏡を挿入してから、鉗子チャンネルを通してガイドワイヤーを挿入する。
④透視下にて十二指腸下行脚までガイドワイヤーを進める。慎重かつ愛護的に操作しながらできる限り深部に挿入するが、可能であればトライツ靱帯部(十二指腸空腸曲)を越えて深部に進めておく。
⑤鉗子チャンネルからガイドワイヤーを送りつつ、透視下にガイドワイヤーの位置を確認しながら内視鏡のみ抜去する。抜去の際に鼻からガイドワイヤーが出るところを助手Aに把持してもらう。
⑥イレウス管全長をガイドワイヤーにかぶせて挿入する。イレウス管からガイドワイヤーが出たところ助手Bに把持してもらい、透視下にガイドワイヤーの位置が変わらないようにイレウス管を進める。
⑦ガイドワイヤーを少し進め、イレウス管を進めることを繰り返しながらできるだけ肛門側に進める。
⑧留置バルーンに蒸留水を入れ、ガイドワイヤーを抜去し、イレウス管を透視下で胃内でたるませてから、鼻で固定し排液バッグに固定する。
⑨ガストロを注入し透視下に観察する。バルーンから蒸留水を抜かなければ、ガストロが肛門側に入っていかない点に注意する。
①イレウス管のバルーンが蒸留水何mlで最大に拡張するかを事前に確認(多くは15ml)。
②経鼻的に内視鏡を挿入し、胃に挿入後、体のみ正面になるようにして透視下に確認する。胃液や空気を極力吸引することで苦痛を緩和し、かつ後のチューブ挿入を容易にする。
③十二指腸下行部まで内視鏡を挿入してから、鉗子チャンネルを通してガイドワイヤーを挿入する。
④透視下にて十二指腸下行脚までガイドワイヤーを進める。慎重かつ愛護的に操作しながらできる限り深部に挿入するが、可能であればトライツ靱帯部(十二指腸空腸曲)を越えて深部に進めておく。
⑤鉗子チャンネルからガイドワイヤーを送りつつ、透視下にガイドワイヤーの位置を確認しながら内視鏡のみ抜去する。抜去の際に鼻からガイドワイヤーが出るところを助手Aに把持してもらう。
⑥イレウス管全長をガイドワイヤーにかぶせて挿入する。イレウス管からガイドワイヤーが出たところ助手Bに把持してもらい、透視下にガイドワイヤーの位置が変わらないようにイレウス管を進める。
⑦ガイドワイヤーを少し進め、イレウス管を進めることを繰り返しながらできるだけ肛門側に進める。
⑧留置バルーンに蒸留水を入れ、ガイドワイヤーを抜去し、イレウス管を透視下で胃内でたるませてから、鼻で固定し排液バッグに固定する。
⑨ガストロを注入し透視下に観察する。バルーンから蒸留水を抜かなければ、ガストロが肛門側に入っていかない点に注意する。
CFのフォローアップ期間
☆CFのフォローアップ期間
・adenoma(低~中等度異型)があった場合:
ポリペクできた場合は2~3年後、ポリペクしなかった場合は1年後にCF。
・adenoma(低~中等度異型)が複数個(4-5個以上)あった場合:
ポリペクした場合でも1年後にCF(他にもあるかもしれない)。
・cancer in adenomaの場合:
半年後に再度CF(断端陰性でも)。
cf)腺腫であっても高度異型なら半年後フォローが良い。
・異常所見なしの場合:
便潜血でフォロー。
注意)adenomaあれば断端はあまり気にしなくても良い。気になるなら3ヵ月後にフォローを。断端不明瞭なら通常のフォローアップ期間でよい。
・adenoma(低~中等度異型)があった場合:
ポリペクできた場合は2~3年後、ポリペクしなかった場合は1年後にCF。
・adenoma(低~中等度異型)が複数個(4-5個以上)あった場合:
ポリペクした場合でも1年後にCF(他にもあるかもしれない)。
・cancer in adenomaの場合:
半年後に再度CF(断端陰性でも)。
cf)腺腫であっても高度異型なら半年後フォローが良い。
・異常所見なしの場合:
便潜血でフォロー。
注意)adenomaあれば断端はあまり気にしなくても良い。気になるなら3ヵ月後にフォローを。断端不明瞭なら通常のフォローアップ期間でよい。
結核の診断と結核が見つかった時の対応
☆結核の診断:
・結核の診断は臨床症状、画像、抗酸菌検査、血清学的補助診断から総合的に判断する。塗末陰性でも培養やPCRが陽性になる場合がある。塗末陰性とは排菌が0ではない、少ないだけで見つかってないか、痰の状態が良くないだけかもしれない。3連痰でも画像が怪しい場合は胃管採取や気管支鏡採取をすること。
☆診断の手順
結核を疑ったら、
①胸部レントゲン
②血液検査(ESR,CRP,WBC,IgM/IgG/IgA,ADA)
→①、②で異常あれば③へ
③QFT-2G
→0.35IU/ml以上なら陽性と判断し、0.1-0.35IU/mlなら他の検査を総合して④へ進むか判断する。陽性なら④へ
④胸部CT
→異常あれば⑤へ、①~④で異常なくても2か月後に①、②、③を施行する
⑤喀痰(無理な場合は朝1番の胃液)、培養を連続3日間提出、PCRは1回提出する
☆結核が見つかった時:
・PCRの結果が出たらすぐに保健所に結核発生届をFAXすること。
・状態が悪い場合に、救急車を使う場合は、救急隊にN95マスクを装着するよう伝える。
・施設からの入院の場合は、施設に結核のことを伝えること。
cf)非定型抗酸菌症(NTM)の場合は空気感染しないので、患者と周囲の人にマスクは必要ない。
cf)結核発生届の書き方
・感染したと推定される年月日は「不明」
・感染蔓延防止のために医師が必要と認める事項は「当該患者の隔離、結核治療と医療従事者を含む接触者の感染精査」
☆結核接触者(自覚症状なし)に対する対応
注意)基本は保健所の結核審査会からの指示に従うこと。
①初発患者が判明した時点でQFT施行し陽性なら胸部XPや胸部CT施行する。
②初回QFTが陰性でもwindow periodを考慮し、2-3ヶ月後に再度検査する。
③QFT陽性で胸部CTにて現感染疑われるなら呼吸器内科紹介。
④QFT陽性だが胸部CTで異常なければ医療者であれば潜在性結核と考えてINH単剤6ヶ月内服を行うか、3ヶ月ごとの胸部XPフォローを行う。過去2年間に結核患者との接触の可能性が低いのであれば、既往感染と考えて年1回の胸部XPフォローを行う。
cf1)潜在結核でINH単剤投与を行うと耐性菌が出現するという意見もある。
cf2)初発患者の喀痰培養でINH耐性の場合はRFP単剤6ヶ月内服を行う。
cf3)IGRA(イグラ)にはQFTやT-spotがあり現感染と既感染は区別できない。入職時のQFT陰性が陽転したのであれば現感染であり、CTで異常影ない場合はINH単剤6ヶ月投与する。
・結核の診断は臨床症状、画像、抗酸菌検査、血清学的補助診断から総合的に判断する。塗末陰性でも培養やPCRが陽性になる場合がある。塗末陰性とは排菌が0ではない、少ないだけで見つかってないか、痰の状態が良くないだけかもしれない。3連痰でも画像が怪しい場合は胃管採取や気管支鏡採取をすること。
☆診断の手順
結核を疑ったら、
①胸部レントゲン
②血液検査(ESR,CRP,WBC,IgM/IgG/IgA,ADA)
→①、②で異常あれば③へ
③QFT-2G
→0.35IU/ml以上なら陽性と判断し、0.1-0.35IU/mlなら他の検査を総合して④へ進むか判断する。陽性なら④へ
④胸部CT
→異常あれば⑤へ、①~④で異常なくても2か月後に①、②、③を施行する
⑤喀痰(無理な場合は朝1番の胃液)、培養を連続3日間提出、PCRは1回提出する
☆結核が見つかった時:
・PCRの結果が出たらすぐに保健所に結核発生届をFAXすること。
・状態が悪い場合に、救急車を使う場合は、救急隊にN95マスクを装着するよう伝える。
・施設からの入院の場合は、施設に結核のことを伝えること。
cf)非定型抗酸菌症(NTM)の場合は空気感染しないので、患者と周囲の人にマスクは必要ない。
cf)結核発生届の書き方
・感染したと推定される年月日は「不明」
・感染蔓延防止のために医師が必要と認める事項は「当該患者の隔離、結核治療と医療従事者を含む接触者の感染精査」
☆結核接触者(自覚症状なし)に対する対応
注意)基本は保健所の結核審査会からの指示に従うこと。
①初発患者が判明した時点でQFT施行し陽性なら胸部XPや胸部CT施行する。
②初回QFTが陰性でもwindow periodを考慮し、2-3ヶ月後に再度検査する。
③QFT陽性で胸部CTにて現感染疑われるなら呼吸器内科紹介。
④QFT陽性だが胸部CTで異常なければ医療者であれば潜在性結核と考えてINH単剤6ヶ月内服を行うか、3ヶ月ごとの胸部XPフォローを行う。過去2年間に結核患者との接触の可能性が低いのであれば、既往感染と考えて年1回の胸部XPフォローを行う。
cf1)潜在結核でINH単剤投与を行うと耐性菌が出現するという意見もある。
cf2)初発患者の喀痰培養でINH耐性の場合はRFP単剤6ヶ月内服を行う。
cf3)IGRA(イグラ)にはQFTやT-spotがあり現感染と既感染は区別できない。入職時のQFT陰性が陽転したのであれば現感染であり、CTで異常影ない場合はINH単剤6ヶ月投与する。
ポリペク後の抗血小板薬の再開時期
間質性肺炎の分類と治療
☆間質性肺炎の分類
・薬剤性
・膠原病
・IIPs(特発性間質性肺炎):IPF,NSIP,COP IPF(特発性肺線維症):慢性経過、治療はNAC(Nアセチルシステイン)と管理が中心(急性増悪時はPSL+ISかPSL隔日)
管理:慢性呼吸不全(HOT・労作時の酸素化を改善するため労作時にあらかじめ酸素流量増量する、流量決定は入院時にする)、急性増悪(呼吸困難 and HRCTで新たに生じたすりガラス陰影 and PaO2 10mmHg低下/CRP,LDH,KL-6,SP-A,SP-Dの上昇、PEや心不全、気胸/縦隔機種の除外を)、肺がん、禁煙指導、ワクチン接種、GERDのチェック
NSIP(非特異性間質性肺炎):亜急性経過、治療はPSLもしくはPSL+IS COP:急性経過、治療はPSL
☆IIPsの治療
①PSL:プレドニン0.5-1mg/kg/day→2-4週毎に5㎎減少→1か月毎に効果判定→プレドニン投与で改善ないときはISを加える
②IS:免疫抑制剤 アザチオプリン2-3mg/kg/day or シクロホスファミド1-2mg/kg/day or シクロスポリン2㎎/kg/day
③PSL隔日:PSL20㎎隔日
COP、cellularNSIPならPSL、fibroticNSIP、IPF急性増悪ならPSL+ISもしくはPSL隔日が基本
☆PSL,IS投与時の感染対策
・Pneumocystis jirovecii予防:バクタ1錠/日または2錠隔日→PC肺炎か急性増悪かは画像では難しい
・CMV抗原を普段からcontrolとして測定しておく
・アスペルギルス:菌球病変はLKとの鑑別が必要、アスペルギルス抗原/抗体やβDグルカンをcontrolで測定しておく
・結核感染が疑われる場合、既往がある場合:INH300mg/日(PSL10㎎1か月以上使用時)
・薬剤性
・膠原病
・IIPs(特発性間質性肺炎):IPF,NSIP,COP IPF(特発性肺線維症):慢性経過、治療はNAC(Nアセチルシステイン)と管理が中心(急性増悪時はPSL+ISかPSL隔日)
管理:慢性呼吸不全(HOT・労作時の酸素化を改善するため労作時にあらかじめ酸素流量増量する、流量決定は入院時にする)、急性増悪(呼吸困難 and HRCTで新たに生じたすりガラス陰影 and PaO2 10mmHg低下/CRP,LDH,KL-6,SP-A,SP-Dの上昇、PEや心不全、気胸/縦隔機種の除外を)、肺がん、禁煙指導、ワクチン接種、GERDのチェック
NSIP(非特異性間質性肺炎):亜急性経過、治療はPSLもしくはPSL+IS COP:急性経過、治療はPSL
☆IIPsの治療
①PSL:プレドニン0.5-1mg/kg/day→2-4週毎に5㎎減少→1か月毎に効果判定→プレドニン投与で改善ないときはISを加える
②IS:免疫抑制剤 アザチオプリン2-3mg/kg/day or シクロホスファミド1-2mg/kg/day or シクロスポリン2㎎/kg/day
③PSL隔日:PSL20㎎隔日
COP、cellularNSIPならPSL、fibroticNSIP、IPF急性増悪ならPSL+ISもしくはPSL隔日が基本
☆PSL,IS投与時の感染対策
・Pneumocystis jirovecii予防:バクタ1錠/日または2錠隔日→PC肺炎か急性増悪かは画像では難しい
・CMV抗原を普段からcontrolとして測定しておく
・アスペルギルス:菌球病変はLKとの鑑別が必要、アスペルギルス抗原/抗体やβDグルカンをcontrolで測定しておく
・結核感染が疑われる場合、既往がある場合:INH300mg/日(PSL10㎎1か月以上使用時)
ウィルス性肝炎の治療
☆C型肝炎
・非代償性肝硬変は抗ウイルス薬適応なし。
・肝炎はALT30以上、Plt15万未満で治療適応。
・IFN使えるなら第二世代プロテアーゼ阻害剤のシメプレビル(SMV)+Peg-IFN+リバビリン(RBV)が第1選択。
・副作用でIFNが使えない時はDAA(direct acting antiviral)のダクラタスビル(DCV)+アスナプレビル(ASV)だが、Y93,L31変異ではSVR率は40%であることやDAAによるSVRがHCC予防になるかどうかのevidenceもないため、65歳未満かつF1以下の繊維化ではIFN使えない場合は治療待機もあり。
☆B型肝炎
・非代償性肝硬変でも治療適応あり。
・肝炎でALT31以上かつHBVDNA 4.0 log copies/ml以上の慢性肝炎ではPeg-IFNを第1選択、IFNは免疫賦活作用あるため黄疸伴う急性増悪では核酸アナログのエンテカビル(ETV)やテノホビル(TDF)を使う。
・HBVDNA4.0以上の肝硬変(代償性、非代償性とも)には核酸アナログが第1選択。
・母子感染の9割がe抗原消失し、e抗体陽性になり(HBeセロコンバージョン)、非活動性キャリアになるが、1割は慢性化し年2%で肝硬変になる。
・非代償性肝硬変は抗ウイルス薬適応なし。
・肝炎はALT30以上、Plt15万未満で治療適応。
・IFN使えるなら第二世代プロテアーゼ阻害剤のシメプレビル(SMV)+Peg-IFN+リバビリン(RBV)が第1選択。
・副作用でIFNが使えない時はDAA(direct acting antiviral)のダクラタスビル(DCV)+アスナプレビル(ASV)だが、Y93,L31変異ではSVR率は40%であることやDAAによるSVRがHCC予防になるかどうかのevidenceもないため、65歳未満かつF1以下の繊維化ではIFN使えない場合は治療待機もあり。
☆B型肝炎
・非代償性肝硬変でも治療適応あり。
・肝炎でALT31以上かつHBVDNA 4.0 log copies/ml以上の慢性肝炎ではPeg-IFNを第1選択、IFNは免疫賦活作用あるため黄疸伴う急性増悪では核酸アナログのエンテカビル(ETV)やテノホビル(TDF)を使う。
・HBVDNA4.0以上の肝硬変(代償性、非代償性とも)には核酸アナログが第1選択。
・母子感染の9割がe抗原消失し、e抗体陽性になり(HBeセロコンバージョン)、非活動性キャリアになるが、1割は慢性化し年2%で肝硬変になる。
胃炎の京都分類
☆胃炎の京都分類
・ピロリ未感染の所見:光沢のある水々しい粘膜、RAC(集合細静脈)、稜線状発赤
・ピロリ現感染の所見:点状発赤、体上部大弯や 胃穹窿部大弯のびまん性発赤(好中球浸潤による充血)、RAC消失、血管透見(萎縮性胃炎)、鳥肌、白濁粘液、腸上皮化生(ピロリは住めない)、体部大弯の巨大すう壁胃炎(十分送気しても7mm以上の幅のひだ)。
cf) 萎縮性胃炎と腸上皮化生は分化型胃癌、鳥肌胃炎や巨大すう壁胃炎は未分化型胃癌の発生母地になるため速やかに除菌を。
・黄色腫:現感染と既感染の所見
・ピロリ既感染の所見:除菌後や高度な萎縮でピロリが住めない場合で除菌すると点状発赤やびまん性発赤は速やかに消えて光沢やつやは戻るが高度な萎縮は残り、地図状発赤や斑状発赤が生じ、Ⅱc病変と紛らわしい。除菌により腸上皮化生は少しずつ減っていく。体部の敷石状粘膜(もこもこ胃炎)や穹窿部から体上部の多発白色扁平隆起はPPIによる高ガストリン血症によるもの。
・除菌しても男性で体部に萎縮が残っている場合は5年(最長10年)は除菌してもGFフォローが必要。
・A型胃炎(自己免疫性胃炎)は前庭部は水々しいが体部がopen typeの萎縮(通常のピロリ感染胃炎と逆)で、検査はピロリ抗体陰性、ガストリン著増、抗内因子抗体陽性、抗壁細胞抗体陽性。
・ピロリ未感染の所見:光沢のある水々しい粘膜、RAC(集合細静脈)、稜線状発赤
・ピロリ現感染の所見:点状発赤、体上部大弯や 胃穹窿部大弯のびまん性発赤(好中球浸潤による充血)、RAC消失、血管透見(萎縮性胃炎)、鳥肌、白濁粘液、腸上皮化生(ピロリは住めない)、体部大弯の巨大すう壁胃炎(十分送気しても7mm以上の幅のひだ)。
cf) 萎縮性胃炎と腸上皮化生は分化型胃癌、鳥肌胃炎や巨大すう壁胃炎は未分化型胃癌の発生母地になるため速やかに除菌を。
・黄色腫:現感染と既感染の所見
・ピロリ既感染の所見:除菌後や高度な萎縮でピロリが住めない場合で除菌すると点状発赤やびまん性発赤は速やかに消えて光沢やつやは戻るが高度な萎縮は残り、地図状発赤や斑状発赤が生じ、Ⅱc病変と紛らわしい。除菌により腸上皮化生は少しずつ減っていく。体部の敷石状粘膜(もこもこ胃炎)や穹窿部から体上部の多発白色扁平隆起はPPIによる高ガストリン血症によるもの。
・除菌しても男性で体部に萎縮が残っている場合は5年(最長10年)は除菌してもGFフォローが必要。
・A型胃炎(自己免疫性胃炎)は前庭部は水々しいが体部がopen typeの萎縮(通常のピロリ感染胃炎と逆)で、検査はピロリ抗体陰性、ガストリン著増、抗内因子抗体陽性、抗壁細胞抗体陽性。
インスピロンの設定について
☆インスピロンの濃度は35,40,50,70,100%で流量は最大15L/分まで。
・「35%8L/分」は、「酸素濃度が35%になるように100%酸素を8L/分で流す」という意味。
・空気中の酸素濃度は20%なので、20%酸素◻L/分と100%酸素8L/分で35%酸素を作る意味で、◻は計算すると34.6L/分。つまり、34.6+8=42.6L/分の流量が出てくる。吸気と呼気の時間は1:2なので、吸気量は42.6/3=14.2L/分、呼吸数を20回/分とすると、14.2L/20=710ml/回となる。
・しかし、1回換気量が710ml以上だと不足分として外気を取り込むため、気道に入る酸素濃度(FiO2)はさらに下がることになる。
・35%8L/分を50%8L/分にするのと、35%10L/分にする場合の違いは?
呼吸数が20回/分とすると、50%8L/分にすると、計算すると1回換気量が400ml以下なら50%8L/分でFiO2は50%になる。35%10L/分にすると1回換気量が1200ml以下ならFiO2が35%になる。つまり1回換気量が710ml以上1200ml以下なら35%10L/分に変更することが有効。
・リザーバーバッグがついてるときは、吸気時にバッグがへこんでないなら機能していない。マスクの隙間から外気を取り込んでいる。リザーバーバッグを有効にするにはマスクを顔面に密着させる必要がある(リザーバーマスクが有効なら呼気時に溜まった酸素を吸えるから1回換気量が酸素流量を上回ってもFiO2が下がることはない)。
・「35%8L/分」は、「酸素濃度が35%になるように100%酸素を8L/分で流す」という意味。
・空気中の酸素濃度は20%なので、20%酸素◻L/分と100%酸素8L/分で35%酸素を作る意味で、◻は計算すると34.6L/分。つまり、34.6+8=42.6L/分の流量が出てくる。吸気と呼気の時間は1:2なので、吸気量は42.6/3=14.2L/分、呼吸数を20回/分とすると、14.2L/20=710ml/回となる。
・しかし、1回換気量が710ml以上だと不足分として外気を取り込むため、気道に入る酸素濃度(FiO2)はさらに下がることになる。
・35%8L/分を50%8L/分にするのと、35%10L/分にする場合の違いは?
呼吸数が20回/分とすると、50%8L/分にすると、計算すると1回換気量が400ml以下なら50%8L/分でFiO2は50%になる。35%10L/分にすると1回換気量が1200ml以下ならFiO2が35%になる。つまり1回換気量が710ml以上1200ml以下なら35%10L/分に変更することが有効。
・リザーバーバッグがついてるときは、吸気時にバッグがへこんでないなら機能していない。マスクの隙間から外気を取り込んでいる。リザーバーバッグを有効にするにはマスクを顔面に密着させる必要がある(リザーバーマスクが有効なら呼気時に溜まった酸素を吸えるから1回換気量が酸素流量を上回ってもFiO2が下がることはない)。
内視鏡時の抗凝固薬、抗血小板薬の取り扱い
☆基本は処方した主治医に中止の場合の危険性やどうすればよいかを聞いておくこと。
内視鏡時の抗凝固薬、抗血小板薬の取り扱い(2014年)
注意)単剤の場合のみ記載
注意)観察だけであれば当然休薬は不要
☆血栓塞栓高危険度群に生検/出血低危険度内視鏡をする場合:
・抗凝固薬、抗血小板薬の休薬の必要なし
☆血栓塞栓高危険度群に出血高危険度内視鏡をする場合:
・ワーファリンは5日間休薬しヘパリン置換
・プラザキサは2日間休薬しヘパリン置換
・エリキュースは2日間休薬しヘパリン置換
・イグザレルトは1日間休薬しヘパリン置換
・リクシアナは1日間休薬しヘパリン置換
・バイアスピリン/アスピリン/バファリン/タケルダは休薬なし
・プラビックス/パナルジンはプレタールに5-7日間置換し1日休薬する
・エパデール/ロトリガ/プレタール/ペルサンチン/アンギナール/ドルナー/オパルモン/プロレナールは1日休薬
cf)脳梗塞慢性期(心原性以外)
・プラビックス75mg/1x(50kg未満、75歳以上は50mg/1x):副作用は肝障害、顆粒球減少、ITP・パナルジン100mg2T/2x:副作用はプラビックスと同じだが頻度は高い
・プレタール100mg2T/2x朝夕:副作用は頭痛、頻脈
☆血栓塞栓低危険度群に生検/出血低危険度内視鏡をする場合:
・バイアスピリン/アスピリン/バファリン/タケルダは3-5日間休薬
・プラビックス/パナルジンは5-7日休薬
・エパデール/ロトリガ/プレタール/ペルサンチン/アンギナール/ドルナー/オパルモン/プロレナールは休薬なし
☆血栓塞栓低危険度群に出血高危険度内視鏡をする場合:
・バイアスピリン/アスピリン/バファリン/タケルダは3-5日間休薬
・プラビックス/パナルジンは5-7日休薬
・エパデール/ロトリガ/プレタール/ペルサンチン/アンギナール/ドルナー/オパルモン/プロレナールは1日休薬
cf)・血栓塞栓高危険度群:心原性脳塞栓症の既往、心房細動、機械弁、人工弁、抗リン脂質抗体、DVT/PE、PCIステント留置2か月後まで、薬剤溶出性ステント12か月後まで、CEA後2か月、脳主幹動脈50%以上の狭窄、最近発症したTIA/CI、Fontaine分類3度以上のASO・出血低危険度内視鏡:バルーン内視鏡、クリップ、高周波、点墨、消化管ステント、乳頭バルーン拡張術
・出血高危険度内視鏡:ポリペク、ESD、EMR、乳頭切開術(EST)、EUS穿刺、PEG増設、静脈瘤治療、粘膜焼灼術(APC)
注)抗血小板剤(5-7日休薬が必要なもの)や抗凝固薬を使用していて、血便がありCFをした場合、ポリープから出血がある場合は、2-3日おいて血便の持続がないのを確認してから、ヘパリン置換やプレタールに置換開始し、1週間後にポリペクを。
☆ポリペク後の抗血小板薬の再開時期
・ポリペク後、2日間あけて再開する。
・脳梗塞のリスクが高い場合は1日に短縮する。
・出血のリスクが高い場合は3日に延長する。
内視鏡時の抗凝固薬、抗血小板薬の取り扱い(2014年)
注意)単剤の場合のみ記載
注意)観察だけであれば当然休薬は不要
☆血栓塞栓高危険度群に生検/出血低危険度内視鏡をする場合:
・抗凝固薬、抗血小板薬の休薬の必要なし
☆血栓塞栓高危険度群に出血高危険度内視鏡をする場合:
・ワーファリンは5日間休薬しヘパリン置換
・プラザキサは2日間休薬しヘパリン置換
・エリキュースは2日間休薬しヘパリン置換
・イグザレルトは1日間休薬しヘパリン置換
・リクシアナは1日間休薬しヘパリン置換
・バイアスピリン/アスピリン/バファリン/タケルダは休薬なし
・プラビックス/パナルジンはプレタールに5-7日間置換し1日休薬する
・エパデール/ロトリガ/プレタール/ペルサンチン/アンギナール/ドルナー/オパルモン/プロレナールは1日休薬
cf)脳梗塞慢性期(心原性以外)
・プラビックス75mg/1x(50kg未満、75歳以上は50mg/1x):副作用は肝障害、顆粒球減少、ITP・パナルジン100mg2T/2x:副作用はプラビックスと同じだが頻度は高い
・プレタール100mg2T/2x朝夕:副作用は頭痛、頻脈
☆血栓塞栓低危険度群に生検/出血低危険度内視鏡をする場合:
・バイアスピリン/アスピリン/バファリン/タケルダは3-5日間休薬
・プラビックス/パナルジンは5-7日休薬
・エパデール/ロトリガ/プレタール/ペルサンチン/アンギナール/ドルナー/オパルモン/プロレナールは休薬なし
☆血栓塞栓低危険度群に出血高危険度内視鏡をする場合:
・バイアスピリン/アスピリン/バファリン/タケルダは3-5日間休薬
・プラビックス/パナルジンは5-7日休薬
・エパデール/ロトリガ/プレタール/ペルサンチン/アンギナール/ドルナー/オパルモン/プロレナールは1日休薬
cf)・血栓塞栓高危険度群:心原性脳塞栓症の既往、心房細動、機械弁、人工弁、抗リン脂質抗体、DVT/PE、PCIステント留置2か月後まで、薬剤溶出性ステント12か月後まで、CEA後2か月、脳主幹動脈50%以上の狭窄、最近発症したTIA/CI、Fontaine分類3度以上のASO・出血低危険度内視鏡:バルーン内視鏡、クリップ、高周波、点墨、消化管ステント、乳頭バルーン拡張術
・出血高危険度内視鏡:ポリペク、ESD、EMR、乳頭切開術(EST)、EUS穿刺、PEG増設、静脈瘤治療、粘膜焼灼術(APC)
注)抗血小板剤(5-7日休薬が必要なもの)や抗凝固薬を使用していて、血便がありCFをした場合、ポリープから出血がある場合は、2-3日おいて血便の持続がないのを確認してから、ヘパリン置換やプレタールに置換開始し、1週間後にポリペクを。
☆ポリペク後の抗血小板薬の再開時期
・ポリペク後、2日間あけて再開する。
・脳梗塞のリスクが高い場合は1日に短縮する。
・出血のリスクが高い場合は3日に延長する。
輸入感染症
☆輸入感染症
・マラリア、デング熱、腸チフス、パラチフスを考える。
・潜伏期はデング熱は10日以内、腸チフスやパラチフスは11~21日、マラリアは30日以上。
・デング熱はウィルス感染なのでWBCは正常か低下、分画は変わらず、Pltは減少することもあり。
・マラリアは3日連続のギムザ染色で調べること。
・マラリア、デング熱、腸チフス、パラチフスを考える。
・潜伏期はデング熱は10日以内、腸チフスやパラチフスは11~21日、マラリアは30日以上。
・デング熱はウィルス感染なのでWBCは正常か低下、分画は変わらず、Pltは減少することもあり。
・マラリアは3日連続のギムザ染色で調べること。
調理師の便培養陽性
☆調理師の便培養でコレラ、腸チフス、パラチフス、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌(EHEC)が出た場合は就業再開は無症状であっても便培養陰性であることが必要。
☆無症状な場合は抗菌薬は絶対必要ではないが、ニューキノロン、ホスホマイシン、アンピシリンの7日間投与を行い、投与終了後2日以降の便培養で陰性が確認できれば良い。
☆下痢など症状がある場合は治癒後に1日以上の間隔をあけて2回便培養陰性であることが必要。
☆他の菌の無症状性保菌者の場合は便培養陰性にならなくても手洗いを厳重にすることを前提に就業再開が可能。
☆無症状な場合は抗菌薬は絶対必要ではないが、ニューキノロン、ホスホマイシン、アンピシリンの7日間投与を行い、投与終了後2日以降の便培養で陰性が確認できれば良い。
☆下痢など症状がある場合は治癒後に1日以上の間隔をあけて2回便培養陰性であることが必要。
☆他の菌の無症状性保菌者の場合は便培養陰性にならなくても手洗いを厳重にすることを前提に就業再開が可能。
経口投与抗生剤のバイオアベイラビリティ
☆経口投与抗生剤のバイオアベイラビリティ:
フラジール:100%クラビット、バクタ:99%ケフレックス、ケフラール、ダラシン:90%オーグメンチン、サワシリン:80%オラセフ:50%フロモックス、ジスロマック:35%セフゾン:25%メイアクト:15%
フラジール:100%クラビット、バクタ:99%ケフレックス、ケフラール、ダラシン:90%オーグメンチン、サワシリン:80%オラセフ:50%フロモックス、ジスロマック:35%セフゾン:25%メイアクト:15%
脂肪肝
・肝機能異常伴う脂肪肝あれば、HBs抗原、HCV抗体、自己抗体、飲酒歴を調べ、どれも陰性ならNAFLD。
cf)L/S比(肝臓/脾臓のCT値)が1.1以上なら脂肪肝はない。
・食生活の改善(カロリー制限、糖質制限、肉類/SFA/ω-6PUFAの制限、魚類/ω-3PUFAの摂取)、有酸素運動による減量を指示する。
cf)・SFA:飽和脂肪酸。動物性脂肪。体内で合成できる。肉、チーズ、パーム油に多い。
・TFA:トランス脂肪酸。常温で固形化する油脂の製造過程で生じる副産物。パン、菓子類、揚げ物に多い。
・不飽和脂肪酸:植物性脂肪。ω3とω6は体内で合成できない必須脂肪酸。
・ω-3PUFA:ω-3多価不飽和脂肪酸(αリノレン酸)。えごま油、アマニ油に多い。
・ω-6PUFA:ω-6多価不飽和脂肪酸(リノール酸)。ごま油、ひまわり油、コーン油、ナッツ類に多い。
・ω-9PUFA:ω-9多価不飽和脂肪酸(オレイン酸酸)。オリーブ油に多い。
cf)ω3:ω6=1:4が理想だが、1:10~50が実情。ω6は過剰摂取も摂取不足もACSのリスクになる。
・NAFLDのうち、NASHであれば癌化の原因。ただし、NASHの診断はあくまで生検。
・NASHが疑わしいのは、DMや高血圧を伴っている場合、BMI30以上の肥満、NASHスコア2点以上、AST/ALT0.8以上や血小板20万未満の肝線維化を疑う場合。肝臓専門医へ紹介する。
・Fib4index=(年齢×AST)÷(血小板×√ALT)
陰性的中率はほぼ100%、陽性的中率は50%
Cut-off値(1.45)未満はまずNASHではない(肝生検は勧めなくてOK)
Cut-off値(1.45)以上ならM2BPGi測定、フィブロスキャンやMRエラストグラフィを施行し肝生検必要か判断する(1.45超えていれば肝臓内科紹介でよいと思う) ・NASHスコア:フェリチン上昇(女200、男300ng/ml以上で1点)、空腹時インスリン上昇(10μU/ml以上で1点)、Ⅳ型コラーゲン7S上昇(5μg/ml以上で2点)の合計4点なら9割、2点でも5割がNASH。
・NASHに治療効果があるのは、チアゾリジン誘導体、ビグアナイド、スタチン、ビタミンE、ペントキシフィリン(発がん抑制があるのはビグアナイドのみ)
cf)L/S比(肝臓/脾臓のCT値)が1.1以上なら脂肪肝はない。
・食生活の改善(カロリー制限、糖質制限、肉類/SFA/ω-6PUFAの制限、魚類/ω-3PUFAの摂取)、有酸素運動による減量を指示する。
cf)・SFA:飽和脂肪酸。動物性脂肪。体内で合成できる。肉、チーズ、パーム油に多い。
・TFA:トランス脂肪酸。常温で固形化する油脂の製造過程で生じる副産物。パン、菓子類、揚げ物に多い。
・不飽和脂肪酸:植物性脂肪。ω3とω6は体内で合成できない必須脂肪酸。
・ω-3PUFA:ω-3多価不飽和脂肪酸(αリノレン酸)。えごま油、アマニ油に多い。
・ω-6PUFA:ω-6多価不飽和脂肪酸(リノール酸)。ごま油、ひまわり油、コーン油、ナッツ類に多い。
・ω-9PUFA:ω-9多価不飽和脂肪酸(オレイン酸酸)。オリーブ油に多い。
cf)ω3:ω6=1:4が理想だが、1:10~50が実情。ω6は過剰摂取も摂取不足もACSのリスクになる。
・NAFLDのうち、NASHであれば癌化の原因。ただし、NASHの診断はあくまで生検。
・NASHが疑わしいのは、DMや高血圧を伴っている場合、BMI30以上の肥満、NASHスコア2点以上、AST/ALT0.8以上や血小板20万未満の肝線維化を疑う場合。肝臓専門医へ紹介する。
・Fib4index=(年齢×AST)÷(血小板×√ALT)
陰性的中率はほぼ100%、陽性的中率は50%
Cut-off値(1.45)未満はまずNASHではない(肝生検は勧めなくてOK)
Cut-off値(1.45)以上ならM2BPGi測定、フィブロスキャンやMRエラストグラフィを施行し肝生検必要か判断する(1.45超えていれば肝臓内科紹介でよいと思う) ・NASHスコア:フェリチン上昇(女200、男300ng/ml以上で1点)、空腹時インスリン上昇(10μU/ml以上で1点)、Ⅳ型コラーゲン7S上昇(5μg/ml以上で2点)の合計4点なら9割、2点でも5割がNASH。
・NASHに治療効果があるのは、チアゾリジン誘導体、ビグアナイド、スタチン、ビタミンE、ペントキシフィリン(発がん抑制があるのはビグアナイドのみ)
ご指摘、ありがとうございます。公衆衛生上、SFA,TFAを抑制するよりはω6を摂取するようにキャンペーンした方がACSを減らすことができるという論文を読み違えました。。。
ω6は過剰摂取も摂取不足もACSのリスクになるということで、先進国では過剰摂取なわけですが、全世界的にみるとSFA,TFAが原因でACSになるよりω6の摂取不足でACSになることのほうが影響が大きいとのことです。。。
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0130038311/それと、せっかくのコメントを誤操作で消してしまいました。。。すみません。他にもおかしなところがあればご指摘くださると助かります。
ω6は過剰摂取も摂取不足もACSのリスクになるということで、先進国では過剰摂取なわけですが、全世界的にみるとSFA,TFAが原因でACSになるよりω6の摂取不足でACSになることのほうが影響が大きいとのことです。。。
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0130038311/それと、せっかくのコメントを誤操作で消してしまいました。。。すみません。他にもおかしなところがあればご指摘くださると助かります。
PEG患者の嘔吐
☆PEG患者の嘔吐
・PEGの開放とウロバッグへの接続
・PEG注入の中止
・点滴追加(腎不全や心不全ないかチェック、DMあるようならインスリンスケール指示)
・腹単オーダー
・黒色嘔吐ならPPI追加(オメプラール20mg1瓶+生食20mlでショットで1日2回、ルートフラッシュ用の生食シリンジ20ml)
・血圧低下や頻脈あるなら貧血もチェックを
・状態みて5日くらい抗生剤投与する
注意)PEGからの排液が500ml程度になれば一旦、5%ブドウ糖500mlや生食、3号液などで補正すること!!
・PEGの開放とウロバッグへの接続
・PEG注入の中止
・点滴追加(腎不全や心不全ないかチェック、DMあるようならインスリンスケール指示)
・腹単オーダー
・黒色嘔吐ならPPI追加(オメプラール20mg1瓶+生食20mlでショットで1日2回、ルートフラッシュ用の生食シリンジ20ml)
・血圧低下や頻脈あるなら貧血もチェックを
・状態みて5日くらい抗生剤投与する
注意)PEGからの排液が500ml程度になれば一旦、5%ブドウ糖500mlや生食、3号液などで補正すること!!
健診で尿潜血陽性が出た場合
☆健診で尿潜血陽性が出た場合
・±なら経過観察。
・1+以上なら再検し、陰性もしくは沈査で赤血球5個/HPF以下なら経過観察。
・再検にて1+以上もしくは沈査で赤血球5個/HPFの場合:
①尿蛋白陽性やeGFR低下認めるときは腎臓内科紹介
②①以外で尿路上皮癌のリスクある場合は泌尿器科紹介
③①②以外なら腎臓超音波検査と尿細胞診を施行し所見なしなら経過観察。所見あれば泌尿器科紹介。
cf)・検診は特定の病気を発見する目的で行うもの。例)子宮がん検診など
・健診で偶然発見された血尿をチャンス血尿という。
・血尿とは尿中赤血球20個/μL以上、尿沈渣で赤血球5個/HPF以上を指す。これは試験紙法で1+にあたる。
・試験紙法での±は尿中赤血球10個/μLを指す。
注)尿路上皮癌のリスクファクター:40歳以上の男性 / 喫煙歴 / 化学薬品暴露 / 肉眼的血尿 / 泌尿器科系疾患 / 排尿刺激症状 / 尿路感染の既往 / 鎮痛剤(フェナセチン)多用 / 骨盤放射線照射既歴 / シクロホスファミド治療歴
注意)健診ですることは、①目の結膜を見る、②首のリンパ節を蝕知する、③聴診する(女性の場合は服の上からでも可。胃透視の人はベッドに横になってもらって腹部診察する。)
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載3
当直メモ・薬剤メモ・各種文書の書き方 2019/12/3更新済み後全掲載3
鼻出血
<鼻出血>
☆鼻腔鏡で見て、出血量多い場合、止血困難な場合は5000倍希釈のボスミンガーゼを鼻に詰める。
cf)ボスミン液は1mg/mL(0.1%溶液、1000倍液)で5倍希釈液(0.02%溶液)が5000倍希釈にあたる
☆鼻腔鏡で見て、出血量多い場合、止血困難な場合は5000倍希釈のボスミンガーゼを鼻に詰める。
cf)ボスミン液は1mg/mL(0.1%溶液、1000倍液)で5倍希釈液(0.02%溶液)が5000倍希釈にあたる
かぜ
<かぜ>
☆高齢者の心筋梗塞、半分は無痛性。なんとなく元気がない、AST,ALT上昇、血圧低下など見られたら必ず心電図を。
☆”いつもの風邪と違うところはありますか”と聞くこと。
☆風邪は咽頭痛/鼻汁/咳のうち2項目以上で診断できる。
☆感冒症状で38℃台後半の熱は出ない。インフルエンザ/咽頭炎/肺炎を疑う。
☆インフルエンザでないなら肺炎を疑うこと(聴診、胸写、CRP/CBC-B、若年者の胸痛)。
☆熱の出ないインフルエンザもあるが治療の必要性は低い。
☆発熱から始まる頑固な咳はマイコプラズマかも。迅速診断の感度は50%程度。IgM抗体を測定するPA法で診断する。
☆総合感冒薬のセラピナ1g3包分3、解熱薬としてカロナール200㎎2錠10回分、鼻水止めにアレロック5㎎2錠分2 かアルデシンAQネーザル1瓶1日4回20回分、咳止めにメジコン15mg6T分3かニチコデ散1g3包分3、うがい薬はネオヨジンガーグル50ml(他にアクロマイシントローチ15mg1錠)、痰多い時はビソポロン3錠分3(痰がサラサラになり誤嚥しやすくなるので注意)などを処方し帰宅。
☆高齢者や重篤そうなら採血、胸写、点滴、細菌感染否定できないときはレボフロキサシン(クラビット)100 ㎎5錠分1処方。
☆小児の咽頭痛にはアスベリンシロップ0.5% 4ml+ムコダインシロップ5% 7ml+メプチンシロップ5μg/ml 5mlを1日3回など。
☆粘膜保護のためトランサミン3錠分3処方すると良い。
☆咳嗽時の血痰は粘膜損傷によるものが多い(→ワーファリン/プラザキサ/バイアスピリン服用していないか聞く)。
☆外傷後によるものは、紙に鼻血をたらして、2重丸になってないか見る(師板損傷による髄液漏、頭部CTを)。
☆長期間の気管支炎を繰り返し、痰が多いときはブチブロン3T/3x、クラリスロマイシン1T/1xを投与する。痰でSpO2が低下してるときは、吸引チューブを鼻から上気道に挿入し、咳をさせて痰を吸引すると良い。
☆高齢者の心筋梗塞、半分は無痛性。なんとなく元気がない、AST,ALT上昇、血圧低下など見られたら必ず心電図を。
☆”いつもの風邪と違うところはありますか”と聞くこと。
☆風邪は咽頭痛/鼻汁/咳のうち2項目以上で診断できる。
☆感冒症状で38℃台後半の熱は出ない。インフルエンザ/咽頭炎/肺炎を疑う。
☆インフルエンザでないなら肺炎を疑うこと(聴診、胸写、CRP/CBC-B、若年者の胸痛)。
☆熱の出ないインフルエンザもあるが治療の必要性は低い。
☆発熱から始まる頑固な咳はマイコプラズマかも。迅速診断の感度は50%程度。IgM抗体を測定するPA法で診断する。
☆総合感冒薬のセラピナ1g3包分3、解熱薬としてカロナール200㎎2錠10回分、鼻水止めにアレロック5㎎2錠分2 かアルデシンAQネーザル1瓶1日4回20回分、咳止めにメジコン15mg6T分3かニチコデ散1g3包分3、うがい薬はネオヨジンガーグル50ml(他にアクロマイシントローチ15mg1錠)、痰多い時はビソポロン3錠分3(痰がサラサラになり誤嚥しやすくなるので注意)などを処方し帰宅。
☆高齢者や重篤そうなら採血、胸写、点滴、細菌感染否定できないときはレボフロキサシン(クラビット)100 ㎎5錠分1処方。
☆小児の咽頭痛にはアスベリンシロップ0.5% 4ml+ムコダインシロップ5% 7ml+メプチンシロップ5μg/ml 5mlを1日3回など。
☆粘膜保護のためトランサミン3錠分3処方すると良い。
☆咳嗽時の血痰は粘膜損傷によるものが多い(→ワーファリン/プラザキサ/バイアスピリン服用していないか聞く)。
☆外傷後によるものは、紙に鼻血をたらして、2重丸になってないか見る(師板損傷による髄液漏、頭部CTを)。
☆長期間の気管支炎を繰り返し、痰が多いときはブチブロン3T/3x、クラリスロマイシン1T/1xを投与する。痰でSpO2が低下してるときは、吸引チューブを鼻から上気道に挿入し、咳をさせて痰を吸引すると良い。
妊娠中のインフルエンザについて
cf)妊娠中のインフルエンザについて
・タミフルよりはイナビルやリレンザの方が血中への移行が少ない。
・どちらも妊娠中や授乳中の投与はOK
・母乳中にはわずかに移行するが、極微量。
・インフルエンザウィルスの母乳感染はない。
・手洗い、マスクをすれば母子分離は必要ないが、搾乳をして非感染者家族が与えるのがベスト。
・母乳中への移行薬剤で乳児のインフルエンザは治療できない。
・タミフルよりはイナビルやリレンザの方が血中への移行が少ない。
・どちらも妊娠中や授乳中の投与はOK
・母乳中にはわずかに移行するが、極微量。
・インフルエンザウィルスの母乳感染はない。
・手洗い、マスクをすれば母子分離は必要ないが、搾乳をして非感染者家族が与えるのがベスト。
・母乳中への移行薬剤で乳児のインフルエンザは治療できない。
咽頭痛
<咽頭痛>
☆A群β溶連菌への抗菌薬投与はリウマチ熱はNNT4000、AGN予防効果なし⇒症状改善と扁桃周囲膿瘍の予防目的。
☆中年、高血圧、喫煙歴の咽頭痛はACSを頭の片隅に入れておく。
☆咽頭炎は高熱+喉の痛みメイン、咳なし、鼻水なし。
☆前頸部リンパ節腫脹なら細菌性(化膿性扁桃腺炎)、後頸部ならEBV。白苔と39℃以上の高熱は細菌性でもウィルス性でも見られる。
☆EBV感染の診断はVCA-IgM/IgG,EBNA,EAで行うが、結果が出るまでに時間がかかるので、塗抹標本で異型リンパ球があればEBVとする。
☆小児の初感染、20歳のkissing diseaseならEBVで良いが、中年の異型リンパ球はHIVを考える。
☆MumpsIgM/IgG,CMVIgM/IgG,adeno virus Ag,溶連菌迅速検査も行う。
☆カナダルール(38℃以上、咳なし、前頸部リンパ腫、扁桃肥大)2項目以上でAβ溶連菌迅速検査。
☆扁桃周囲膿瘍は成人で咽頭痛+扁桃腫大+口蓋垂の偏移+開口障害+嚥下障害で緊急切開が必要であり、直ちに耳鼻科コンサルトするか転送。開口障害なく、呼吸状態も異常なければ翌日の耳鼻科受診でも可能。
☆急性喉頭蓋炎は小児で頻呼吸+強い嚥下痛+流涎+扁桃腫大なし。両膝に両手をついたtripod positionが特徴。
☆甲状腺の痛みを咽頭痛ということがある。若年~中年女性に多い亜急性甲状腺炎は頚部腫大+ 頻脈でTSH/T3/T4を測定。
☆溶連菌と伝単(EBV)が鑑別できない場合は、ABPCやAMPCは禁忌(伝単で皮疹が出るのはアミノペニシリン系(サワシリン、オーグメンチン、ビクシリン、ユナシン)で、ペニシリンGやセフェム系は問題なし)。メイアクト100mg3錠分3を5日分、ペニシリンアレルギーの場合はジスロマック250mg2錠分1を3日分処方、クラリスロマイシン200mg2錠分2を7日分処方、クラビット100mg5錠分1を5日分処方のいずれかにしておく(サワシリンやオーグメンチンは避ける)。
☆CAEBVI(chronic activated EBV infection)は3週以上のEBV持続初感染により血球貪食症候群を起こすもの。蚊アレルギー者に多い。予後不良。
☆咽頭所見が正常なのに咽頭痛を訴えるのは、甲状腺炎(亜急性はウィルス性、無痛性は橋本病)か下咽頭病変(急性喉頭蓋炎!!)。
☆A群β溶連菌への抗菌薬投与はリウマチ熱はNNT4000、AGN予防効果なし⇒症状改善と扁桃周囲膿瘍の予防目的。
☆中年、高血圧、喫煙歴の咽頭痛はACSを頭の片隅に入れておく。
☆咽頭炎は高熱+喉の痛みメイン、咳なし、鼻水なし。
☆前頸部リンパ節腫脹なら細菌性(化膿性扁桃腺炎)、後頸部ならEBV。白苔と39℃以上の高熱は細菌性でもウィルス性でも見られる。
☆EBV感染の診断はVCA-IgM/IgG,EBNA,EAで行うが、結果が出るまでに時間がかかるので、塗抹標本で異型リンパ球があればEBVとする。
☆小児の初感染、20歳のkissing diseaseならEBVで良いが、中年の異型リンパ球はHIVを考える。
☆MumpsIgM/IgG,CMVIgM/IgG,adeno virus Ag,溶連菌迅速検査も行う。
☆カナダルール(38℃以上、咳なし、前頸部リンパ腫、扁桃肥大)2項目以上でAβ溶連菌迅速検査。
☆扁桃周囲膿瘍は成人で咽頭痛+扁桃腫大+口蓋垂の偏移+開口障害+嚥下障害で緊急切開が必要であり、直ちに耳鼻科コンサルトするか転送。開口障害なく、呼吸状態も異常なければ翌日の耳鼻科受診でも可能。
☆急性喉頭蓋炎は小児で頻呼吸+強い嚥下痛+流涎+扁桃腫大なし。両膝に両手をついたtripod positionが特徴。
☆甲状腺の痛みを咽頭痛ということがある。若年~中年女性に多い亜急性甲状腺炎は頚部腫大+ 頻脈でTSH/T3/T4を測定。
☆溶連菌と伝単(EBV)が鑑別できない場合は、ABPCやAMPCは禁忌(伝単で皮疹が出るのはアミノペニシリン系(サワシリン、オーグメンチン、ビクシリン、ユナシン)で、ペニシリンGやセフェム系は問題なし)。メイアクト100mg3錠分3を5日分、ペニシリンアレルギーの場合はジスロマック250mg2錠分1を3日分処方、クラリスロマイシン200mg2錠分2を7日分処方、クラビット100mg5錠分1を5日分処方のいずれかにしておく(サワシリンやオーグメンチンは避ける)。
☆CAEBVI(chronic activated EBV infection)は3週以上のEBV持続初感染により血球貪食症候群を起こすもの。蚊アレルギー者に多い。予後不良。
☆咽頭所見が正常なのに咽頭痛を訴えるのは、甲状腺炎(亜急性はウィルス性、無痛性は橋本病)か下咽頭病変(急性喉頭蓋炎!!)。
尿管結石
<尿管結石>
☆できればCTとって、①AAAがないか、②腎臓周囲の毛羽立ちがないか確認すること。
☆稀に帯状疱疹のこともあり。水疱に先行して痛みが出ることがある。
☆肉眼的血尿の場合はワーファリン内服中でないか聞く事(同時に消化管出血もチェック)。尿道カテーテル留置し、生食で膀胱洗浄する。止まらなければ造影CT。
☆腰に返し手+既往歴+エコーで水腎症⇒すぐにボル坐を挿肛し、落ち着かせてから尿検査で感染(尿中WBC5個/HPF以上)ないか見る。
☆尿管結石でも2割は尿潜血なし。
☆CVA-tないことも多い。膀胱近くまで降りてきたら右or左下腹部痛と訴えることが多い。
☆90%はXpで写るが、CTでは必ず写る(5mmスライスで2mmなら写らないこともあるが…)→腎盂の拡張があって、石より上の尿管が拡張し、下が虚脱していればその石が狭窄の原因となる。
☆中年男性、高血圧既往、喫煙歴ありで尿潜血陽性ならAAAを腹部CTで否定をする。
☆AfありでCVA-t陽性で尿潜血陽性なら腎梗塞を腹部造影CTで否定する。
☆ESWLは8㎜以上の時。8㎜以上は泌尿器科受診を指示。
☆ロキソニン1錠、ムコスタ1錠を疼痛時頓用で処方、無効時はボルタレン(ジクロフェナクNa)座薬25㎎5回分(1日2回まで)を処方。
☆ボルタレン坐薬無効時はソセゴン1A筋注すると良い(ルートをとってない時)。レペタン坐薬はいまいち。
☆ソセゴン使ったときは車の運転はNG。
☆再発5年以内に60%、石が落ちているなら「心配なら泌尿器科受診を」、腎臓内結石なら「泌尿器科受診を」、茶こしで尿をこしとって石を泌尿器科に持って来れば、代謝異常が見つかることがあると。
☆食事は塩分と肉類は避ける(塩分は尿Ca再吸収阻害、肉類は腸管からのシュウ酸吸収促進)、水は2L以上で再発率半減。Ca制限しても骨溶かすからダメ。
☆sepsisになってたら泌尿器科call。
☆泌尿器科的処置はESWL/経尿道的破砕術/対処療法的にWJカテーテル留置など。
★実際には、腰に返し手と片側腰痛or右/左下腹部痛あればすぐに尿検査し、尿潜血陽性なら腹部CTをとって石の大きさを確認し、8mm以下ならボルタレン坐薬50mgを疼痛時頓用で処方し、自然排石を待ってもらう。8mm以上なら翌日泌尿器か受診を指示。尿中白血球陽性ならクラビット100mg5錠分1を処方し帰宅。全身状態不良、SIRS所見陽性、CRP2桁、WBC15000以上なら入院(数値はあくまで目安)。
☆できればCTとって、①AAAがないか、②腎臓周囲の毛羽立ちがないか確認すること。
☆稀に帯状疱疹のこともあり。水疱に先行して痛みが出ることがある。
☆肉眼的血尿の場合はワーファリン内服中でないか聞く事(同時に消化管出血もチェック)。尿道カテーテル留置し、生食で膀胱洗浄する。止まらなければ造影CT。
☆腰に返し手+既往歴+エコーで水腎症⇒すぐにボル坐を挿肛し、落ち着かせてから尿検査で感染(尿中WBC5個/HPF以上)ないか見る。
☆尿管結石でも2割は尿潜血なし。
☆CVA-tないことも多い。膀胱近くまで降りてきたら右or左下腹部痛と訴えることが多い。
☆90%はXpで写るが、CTでは必ず写る(5mmスライスで2mmなら写らないこともあるが…)→腎盂の拡張があって、石より上の尿管が拡張し、下が虚脱していればその石が狭窄の原因となる。
☆中年男性、高血圧既往、喫煙歴ありで尿潜血陽性ならAAAを腹部CTで否定をする。
☆AfありでCVA-t陽性で尿潜血陽性なら腎梗塞を腹部造影CTで否定する。
☆ESWLは8㎜以上の時。8㎜以上は泌尿器科受診を指示。
☆ロキソニン1錠、ムコスタ1錠を疼痛時頓用で処方、無効時はボルタレン(ジクロフェナクNa)座薬25㎎5回分(1日2回まで)を処方。
☆ボルタレン坐薬無効時はソセゴン1A筋注すると良い(ルートをとってない時)。レペタン坐薬はいまいち。
☆ソセゴン使ったときは車の運転はNG。
☆再発5年以内に60%、石が落ちているなら「心配なら泌尿器科受診を」、腎臓内結石なら「泌尿器科受診を」、茶こしで尿をこしとって石を泌尿器科に持って来れば、代謝異常が見つかることがあると。
☆食事は塩分と肉類は避ける(塩分は尿Ca再吸収阻害、肉類は腸管からのシュウ酸吸収促進)、水は2L以上で再発率半減。Ca制限しても骨溶かすからダメ。
☆sepsisになってたら泌尿器科call。
☆泌尿器科的処置はESWL/経尿道的破砕術/対処療法的にWJカテーテル留置など。
★実際には、腰に返し手と片側腰痛or右/左下腹部痛あればすぐに尿検査し、尿潜血陽性なら腹部CTをとって石の大きさを確認し、8mm以下ならボルタレン坐薬50mgを疼痛時頓用で処方し、自然排石を待ってもらう。8mm以上なら翌日泌尿器か受診を指示。尿中白血球陽性ならクラビット100mg5錠分1を処方し帰宅。全身状態不良、SIRS所見陽性、CRP2桁、WBC15000以上なら入院(数値はあくまで目安)。
発熱
<発熱>
☆高齢者の発熱は、まず誤嚥性肺炎か尿路感染症(女性/前立腺肥大のある男性)→胸部レントゲン、採血、尿沈渣。褥瘡/関節炎/前立腺炎検索も忘れずに。
・尿中肺炎球菌莢膜抗原陽性であれば肺炎球菌が起炎菌となる肺炎、髄膜炎、副鼻腔炎がある。
・GNRによるものは、クラビット500mgでもいいがバナン200mg分2を7日間処方の方が感受性が高い。
・淋菌クラミジア混合感染
男性はトロビシン2g筋注とジスロマック1000mg1日分
女性はロセフィン1g点滴とジスロマック1000mg1日分
☆熱源探しは、ABCDE4Ps(abscess,bone inflamation,cholangitis胆管炎/cholecystitis胆嚢炎, decubitus/DVT,endocarditis/encephalitis,pneumonitis,prostatitis,pyelonephritis,phlegmon蜂窩織炎,sinusitis)
☆胆嚢炎、胆管炎を肺炎と誤診することがよくある。右季肋部痛や黄疸ないか見る。
☆特にCRP高値(20以上)では膿瘍を検索する(膿瘍もカプセル化してしまうとCRPは低い)。
☆側臥位では腸骨稜や大転子部、仰臥位では仙骨部、車椅子では坐骨結節に発生しやすい。
☆CRPが20くらいまで上昇してる腎盂腎炎でも発熱ない場合や蛋白尿、赤沈亢進の場合がある。血管炎の場合もあるので、間質性肺炎ないか、慢性経過か急性経過が大切。抗生剤加療で改善認めなければ血管炎を考慮。
☆UTIの起炎菌は大腸菌。嫌気性菌は少ないのでS/Aは1st choiceではない。腎盂腎炎も第2世代のセファロスポリンやセフォチアムでカバー可能。ESBL産生菌であればカルバペネムが必要。症状が軽い場合はセフメタゾールもESBLに使える。ESBLに対し、セファロスポリンにゲンタマイシンのようなアミノグリコシド系抗菌薬を加えてもよい。
☆皮膚感染やカテ熱はMRSAの可能性を考慮する。血培からMRSA検出されるようならVCMはいくように。
☆血培は陰性でも日数をあけて最低2回は検査する。抗生剤投与中は一旦中止してから採取する。
☆痙攣後は意識混濁や発熱が見られることがある。経過観察。
cf)PCT(プロカルシトニン)について
・CRPよりも早期に上昇し、CRPに比べれば感度も特異度も高い
・ウィルス感染では上昇せず、細菌感染で上昇する
・ウィルス感染→IFNα↑→TNF阻害→PCT合成阻害
・敗血症の診断では感度も特異度も70%程度
・熱傷、外傷、外科手術、膵炎でも上昇する→敗血症の診断には使えない
・外来での抗菌薬を使うかどうかの指標には使えるかもしれない
cf)
・悪性高熱:筋小胞体の先天異常+ハロタン/サクシニルコリン⇒筋代謝増加⇒筋強剛⇒横紋筋融解⇒発熱
・悪性症候群:D2blockerによる視床下部ドパミン受容体抑制⇒高体温、自律神経調節障害⇒筋強剛
cf)薬剤誘発性高体温
MAOI、三環系抗うつ薬は高体温の原因になる(薬剤誘発性高体温)。
cf)熱以外に症状に乏しい疾患:急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、肝膿瘍、胆管炎、IE、カテ感染、蜂窩織炎、歯髄炎、カンピロバクター腸炎の初期。
cf)薬剤熱は比較3原則(比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP低い)。
cf)長期臥床では褥創の他に胆嚢炎もある。
cf)見逃しやすい熱の原因:感染性心内膜炎、輸血、偽痛風、DVT、中枢熱、膠原病、血管炎、腫瘍熱、炎症性腸疾患、副腎不全、亜急性甲状腺炎、異物感染(CVの血流感染、尿道カテーテルの腎盂腎炎、挿管による肺炎、胃管による副鼻腔炎、人工弁、人工血管、人工関節)
cf)平熱が低いという人について
・平熱には個人差があり、35.6-38.2℃・腋下の脂肪が厚く、血管が少なければ測定値は低くなる
・朝に低く、夕方に高いが、日内変動は平均0.5℃・高齢になると基礎代謝が落ちるので低下
→普段の平熱より1℃以上の上昇があれば発熱ととらえてもよい
注意)血圧低下時の解熱の基本は、①クーリング、②カロナール内服、③アセリオ点滴(1000mg/100ml1瓶→300mg/30mlを生食100mlなどに溶かして15分で点滴する)→アンヒバ坐薬は血圧下がることは少ない(坐薬は嫌がることが多い)→ボルタレン坐薬やメチロン筋注は避ける!!
☆高齢者の発熱は、まず誤嚥性肺炎か尿路感染症(女性/前立腺肥大のある男性)→胸部レントゲン、採血、尿沈渣。褥瘡/関節炎/前立腺炎検索も忘れずに。
・尿中肺炎球菌莢膜抗原陽性であれば肺炎球菌が起炎菌となる肺炎、髄膜炎、副鼻腔炎がある。
・GNRによるものは、クラビット500mgでもいいがバナン200mg分2を7日間処方の方が感受性が高い。
・淋菌クラミジア混合感染
男性はトロビシン2g筋注とジスロマック1000mg1日分
女性はロセフィン1g点滴とジスロマック1000mg1日分
☆熱源探しは、ABCDE4Ps(abscess,bone inflamation,cholangitis胆管炎/cholecystitis胆嚢炎, decubitus/DVT,endocarditis/encephalitis,pneumonitis,prostatitis,pyelonephritis,phlegmon蜂窩織炎,sinusitis)
☆胆嚢炎、胆管炎を肺炎と誤診することがよくある。右季肋部痛や黄疸ないか見る。
☆特にCRP高値(20以上)では膿瘍を検索する(膿瘍もカプセル化してしまうとCRPは低い)。
☆側臥位では腸骨稜や大転子部、仰臥位では仙骨部、車椅子では坐骨結節に発生しやすい。
☆CRPが20くらいまで上昇してる腎盂腎炎でも発熱ない場合や蛋白尿、赤沈亢進の場合がある。血管炎の場合もあるので、間質性肺炎ないか、慢性経過か急性経過が大切。抗生剤加療で改善認めなければ血管炎を考慮。
☆UTIの起炎菌は大腸菌。嫌気性菌は少ないのでS/Aは1st choiceではない。腎盂腎炎も第2世代のセファロスポリンやセフォチアムでカバー可能。ESBL産生菌であればカルバペネムが必要。症状が軽い場合はセフメタゾールもESBLに使える。ESBLに対し、セファロスポリンにゲンタマイシンのようなアミノグリコシド系抗菌薬を加えてもよい。
☆皮膚感染やカテ熱はMRSAの可能性を考慮する。血培からMRSA検出されるようならVCMはいくように。
☆血培は陰性でも日数をあけて最低2回は検査する。抗生剤投与中は一旦中止してから採取する。
☆痙攣後は意識混濁や発熱が見られることがある。経過観察。
cf)PCT(プロカルシトニン)について
・CRPよりも早期に上昇し、CRPに比べれば感度も特異度も高い
・ウィルス感染では上昇せず、細菌感染で上昇する
・ウィルス感染→IFNα↑→TNF阻害→PCT合成阻害
・敗血症の診断では感度も特異度も70%程度
・熱傷、外傷、外科手術、膵炎でも上昇する→敗血症の診断には使えない
・外来での抗菌薬を使うかどうかの指標には使えるかもしれない
cf)
・悪性高熱:筋小胞体の先天異常+ハロタン/サクシニルコリン⇒筋代謝増加⇒筋強剛⇒横紋筋融解⇒発熱
・悪性症候群:D2blockerによる視床下部ドパミン受容体抑制⇒高体温、自律神経調節障害⇒筋強剛
cf)薬剤誘発性高体温
MAOI、三環系抗うつ薬は高体温の原因になる(薬剤誘発性高体温)。
cf)熱以外に症状に乏しい疾患:急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、肝膿瘍、胆管炎、IE、カテ感染、蜂窩織炎、歯髄炎、カンピロバクター腸炎の初期。
cf)薬剤熱は比較3原則(比較的元気、比較的徐脈、比較的CRP低い)。
cf)長期臥床では褥創の他に胆嚢炎もある。
cf)見逃しやすい熱の原因:感染性心内膜炎、輸血、偽痛風、DVT、中枢熱、膠原病、血管炎、腫瘍熱、炎症性腸疾患、副腎不全、亜急性甲状腺炎、異物感染(CVの血流感染、尿道カテーテルの腎盂腎炎、挿管による肺炎、胃管による副鼻腔炎、人工弁、人工血管、人工関節)
cf)平熱が低いという人について
・平熱には個人差があり、35.6-38.2℃・腋下の脂肪が厚く、血管が少なければ測定値は低くなる
・朝に低く、夕方に高いが、日内変動は平均0.5℃・高齢になると基礎代謝が落ちるので低下
→普段の平熱より1℃以上の上昇があれば発熱ととらえてもよい
注意)血圧低下時の解熱の基本は、①クーリング、②カロナール内服、③アセリオ点滴(1000mg/100ml1瓶→300mg/30mlを生食100mlなどに溶かして15分で点滴する)→アンヒバ坐薬は血圧下がることは少ない(坐薬は嫌がることが多い)→ボルタレン坐薬やメチロン筋注は避ける!!
敗血症性ショック
<敗血症性ショック>
☆EDGT ①ルート2本とってラクテック500ml×4全開
②その後は120ml/hr程度に留め、血圧上昇しないなら昇圧剤を使う
③血培/痰培/尿培とってチエナム点滴
④平均血圧60mmHg切れば、ノルアドレナリン1mg/1mL 3Aを生食50mlに溶いて2ml/hrから開始。もしくは、ドパミン5γ(体重50kgで5ml/hr)以上、ドブタミン3γ(体重50kgで3ml/hr)以上。
⑤HES500mlや腎機能低下あるときはアルブミナー25%50ml 5Vを全開で投与。
☆ルートが細くて急速投与できないときは、輸液バッグを持ち上げてポンピングする。
☆必ず500ml~1L入れても昇圧しないことを確認してから昇圧剤を使う。Volumeが足りない場合は補液だけで昇圧する。
☆pitting edemaありやIVC正常のときに、なんとなく輸液しないこと。1-2L入れて血圧上がらなければDOA5γやDOB3γから開始する。
☆ノルアドレナリンは末梢ルートからは投与しない。原則CVから。
☆メイロン(1mEq/1mL)はBEの10倍まで急速静注して良い。
cf)ショック時に使うのは乳酸リンゲルか生食か
・乳酸は肝臓で代謝されてブドウ糖になるため、肝不全では乳酸アシドーシスになりやすい。
・乳酸リンゲルに含まれるのは乳酸ではなく、乳酸イオンであり、それ自体はアルカリ性。
・ショックでは嫌気性代謝が進み、乳酸アシドーシスになっている(pH↓BE↓Lactate↑HCO3↑)。
・乳酸NaはpH調節機能もあり、ショックから立ち直れば、すぐに乳酸は代謝される。
・生理食塩水にはpH調節機能がない。
・生理食塩水は大量投与で乳酸リンゲルよりアシドーシスになりやすい。
・アセテートリンゲルは肝臓と筋肉で代謝、乳酸リンゲルは肝臓だけで代謝。
・アシドーシス時の大量投与はアセテートリンゲルが最も良い。
☆EDGT ①ルート2本とってラクテック500ml×4全開
②その後は120ml/hr程度に留め、血圧上昇しないなら昇圧剤を使う
③血培/痰培/尿培とってチエナム点滴
④平均血圧60mmHg切れば、ノルアドレナリン1mg/1mL 3Aを生食50mlに溶いて2ml/hrから開始。もしくは、ドパミン5γ(体重50kgで5ml/hr)以上、ドブタミン3γ(体重50kgで3ml/hr)以上。
⑤HES500mlや腎機能低下あるときはアルブミナー25%50ml 5Vを全開で投与。
☆ルートが細くて急速投与できないときは、輸液バッグを持ち上げてポンピングする。
☆必ず500ml~1L入れても昇圧しないことを確認してから昇圧剤を使う。Volumeが足りない場合は補液だけで昇圧する。
☆pitting edemaありやIVC正常のときに、なんとなく輸液しないこと。1-2L入れて血圧上がらなければDOA5γやDOB3γから開始する。
☆ノルアドレナリンは末梢ルートからは投与しない。原則CVから。
☆メイロン(1mEq/1mL)はBEの10倍まで急速静注して良い。
cf)ショック時に使うのは乳酸リンゲルか生食か
・乳酸は肝臓で代謝されてブドウ糖になるため、肝不全では乳酸アシドーシスになりやすい。
・乳酸リンゲルに含まれるのは乳酸ではなく、乳酸イオンであり、それ自体はアルカリ性。
・ショックでは嫌気性代謝が進み、乳酸アシドーシスになっている(pH↓BE↓Lactate↑HCO3↑)。
・乳酸NaはpH調節機能もあり、ショックから立ち直れば、すぐに乳酸は代謝される。
・生理食塩水にはpH調節機能がない。
・生理食塩水は大量投与で乳酸リンゲルよりアシドーシスになりやすい。
・アセテートリンゲルは肝臓と筋肉で代謝、乳酸リンゲルは肝臓だけで代謝。
・アシドーシス時の大量投与はアセテートリンゲルが最も良い。
蕁麻疹
<蕁麻疹>
☆どんな些細なアレルギー歴(かぜ薬で蕁麻疹etc)でもある場合は、抗生剤投与時の10分の見守りは必須。さらにどんな些細な異変でもバイタルチェック。
☆原因不明の蕁麻疹は新たに開始された薬剤をチェックする!肝機能異常あれば強ミノやウルソを使う。
☆肥満、DMが蜂に刺されて蜂窩織炎を合併することあり。
☆基本はⅠ型アレルギーだが、青魚が古くなってヒスタミン様物質によるアナフィラシー様反応もある(青魚アレルギーではない)。
☆呼吸困難がないか必ず確認すること。
☆呼吸困難やバイタルの変化(血圧低下や洞性頻脈)があれば、外液を全開投与し、ボスミン0.3mg/0.3mlを上腕外側(肩)か大腿外側に筋注する。皮下注は間に合わないので禁忌。ヒスタミンにより血管透過性が亢進するため外液投与は必ず必要。
☆なければ、生食100mlにポララミン5mg、ソルメルコート40㎎、ネオファーゲン20mlを混注して30分で投与し、軽快すればポララミン2mg2錠分2を処方し帰宅。ステロイドは即効性なく、2峰性反応の予防に投与する。
☆37℃台の発熱と同時の発疹なら風疹かも(融合のない発赤伴う小丘疹、舌裏の出血斑、後頸部リンパ節(耳の後ろのリンパ節)腫大ないか見る、IgM/IgGで確定診断)。
☆妊婦or夫が風疹疑いなら、産科主治医に紹介状と来院前の予約を絶対にさせる。
cf)風疹ワクチンについて
・HI抗体価16倍以下なら予防接種を。
・風疹単独ワクチンがあるが、麻疹予防も考えればMRワクチン接種推奨。
・MRワクチンは小児も成人も接種量は同じ。
・MRワクチン接種歴がなければ4週間の間隔で2回推奨(Primary vaccine failureを防ぐため)。接種歴あれば1回でも可。
・抗体価を測定して低ければ接種が理想だが、検査に時間と費用がかかるので心配なら、直接MRワクチン接種が良い。
☆どんな些細なアレルギー歴(かぜ薬で蕁麻疹etc)でもある場合は、抗生剤投与時の10分の見守りは必須。さらにどんな些細な異変でもバイタルチェック。
☆原因不明の蕁麻疹は新たに開始された薬剤をチェックする!肝機能異常あれば強ミノやウルソを使う。
☆肥満、DMが蜂に刺されて蜂窩織炎を合併することあり。
☆基本はⅠ型アレルギーだが、青魚が古くなってヒスタミン様物質によるアナフィラシー様反応もある(青魚アレルギーではない)。
☆呼吸困難がないか必ず確認すること。
☆呼吸困難やバイタルの変化(血圧低下や洞性頻脈)があれば、外液を全開投与し、ボスミン0.3mg/0.3mlを上腕外側(肩)か大腿外側に筋注する。皮下注は間に合わないので禁忌。ヒスタミンにより血管透過性が亢進するため外液投与は必ず必要。
☆なければ、生食100mlにポララミン5mg、ソルメルコート40㎎、ネオファーゲン20mlを混注して30分で投与し、軽快すればポララミン2mg2錠分2を処方し帰宅。ステロイドは即効性なく、2峰性反応の予防に投与する。
☆37℃台の発熱と同時の発疹なら風疹かも(融合のない発赤伴う小丘疹、舌裏の出血斑、後頸部リンパ節(耳の後ろのリンパ節)腫大ないか見る、IgM/IgGで確定診断)。
☆妊婦or夫が風疹疑いなら、産科主治医に紹介状と来院前の予約を絶対にさせる。
cf)風疹ワクチンについて
・HI抗体価16倍以下なら予防接種を。
・風疹単独ワクチンがあるが、麻疹予防も考えればMRワクチン接種推奨。
・MRワクチンは小児も成人も接種量は同じ。
・MRワクチン接種歴がなければ4週間の間隔で2回推奨(Primary vaccine failureを防ぐため)。接種歴あれば1回でも可。
・抗体価を測定して低ければ接種が理想だが、検査に時間と費用がかかるので心配なら、直接MRワクチン接種が良い。
動悸
<動悸>
☆多くはPSVTかAf tachycardia(rapid Af)。どちらもワソラン5mg/2mL 1Aを生食50mlに溶いて15分で投与。もしくはモニター波形を見ながら、ワソラン1Aを生食に溶いて20mlにしたものを5分かけて投与する。
☆rapidAfではPVCが連発することがあるので、その場合は心エコーもすること。
☆心電図の読み方
・wideQRS,RR間隔不整,P波なし⇒心室内変行伝導を伴ったAf tachycardia(rapid Af)。
・wideQRS,RR間隔一定,P波なし⇒心室内変行伝導を伴ったPSVTか脈ありVTかrapid Af ・narrowQRS,RR間隔不整,P波なし⇒rapid Af ・narrowQRS,RR間隔一定,P波なし⇒PSVT(QRS直後に逆行性P波あればPVNRT)
・narrowQRS,RR間隔不整,P波あり⇒PAC多発
・narrowQRS,RR間隔一定,P波あり⇒洞性頻脈
☆PSVTは心室内変行伝導を伴うとVT様に見えることあるので、アデホス投与で診断的治療。
☆Afにアデホスは無効。アデホスは副伝導路を抑制するので、心房内のmicro re-entryが原因であるAfには無効である。
☆PSVTには、除細動とアンビューバッグを準備して、ラクテック点滴、冷蔵庫のアデホスLコーワ1A2mlを半減期が10秒なので、点滴ラインから急速静注し生食50mlで押し込む。妊婦にもOK。
☆Afには、
①ワソラン(Ca拮抗薬、ベラパミル)1Aを生食50mlに溶いて15分で静注(生食10mlに溶いて1/4Aずつi.v.も可)
②シベノール(Ⅰa群)1Aを生食50mlに溶いて5分で静注
③ジゴシン1Aを生食50mlに溶いて30分で静注(正常時の波形を確認しδ波がないことを確認すること)
④心エコーで心内血栓がないことを確認してから電気的除細動50J>100J(意識あるのでドロミカム1Aを生食で溶いて10mlにしたものを2mlずつi.v./プロポフォール200㎎20mlを5mlずつi.v.)
☆脈ありVTは、心エコーや採血にてACSやHOCMないかチェック。基本は循環器call。
①シンビット50㎎1Vを生食20mlに溶いて5mlを5分かけて、その後5ml/hr。
②ミダゾラム10㎎2ml 1A(ドロミカム)を生食5ml 2Aに溶いて2mlずつ投与し、鎮静してからDC150J-200J。ドロミカムによる血圧低下に対してはノルアドレナリン1Aを生食20mlに溶いて3ml/hrから投与。
☆DCには1相性と2相性がある。必ず確認を。2相性は200J程度までしか目盛がない。
☆多くはPSVTかAf tachycardia(rapid Af)。どちらもワソラン5mg/2mL 1Aを生食50mlに溶いて15分で投与。もしくはモニター波形を見ながら、ワソラン1Aを生食に溶いて20mlにしたものを5分かけて投与する。
☆rapidAfではPVCが連発することがあるので、その場合は心エコーもすること。
☆心電図の読み方
・wideQRS,RR間隔不整,P波なし⇒心室内変行伝導を伴ったAf tachycardia(rapid Af)。
・wideQRS,RR間隔一定,P波なし⇒心室内変行伝導を伴ったPSVTか脈ありVTかrapid Af ・narrowQRS,RR間隔不整,P波なし⇒rapid Af ・narrowQRS,RR間隔一定,P波なし⇒PSVT(QRS直後に逆行性P波あればPVNRT)
・narrowQRS,RR間隔不整,P波あり⇒PAC多発
・narrowQRS,RR間隔一定,P波あり⇒洞性頻脈
☆PSVTは心室内変行伝導を伴うとVT様に見えることあるので、アデホス投与で診断的治療。
☆Afにアデホスは無効。アデホスは副伝導路を抑制するので、心房内のmicro re-entryが原因であるAfには無効である。
☆PSVTには、除細動とアンビューバッグを準備して、ラクテック点滴、冷蔵庫のアデホスLコーワ1A2mlを半減期が10秒なので、点滴ラインから急速静注し生食50mlで押し込む。妊婦にもOK。
☆Afには、
①ワソラン(Ca拮抗薬、ベラパミル)1Aを生食50mlに溶いて15分で静注(生食10mlに溶いて1/4Aずつi.v.も可)
②シベノール(Ⅰa群)1Aを生食50mlに溶いて5分で静注
③ジゴシン1Aを生食50mlに溶いて30分で静注(正常時の波形を確認しδ波がないことを確認すること)
④心エコーで心内血栓がないことを確認してから電気的除細動50J>100J(意識あるのでドロミカム1Aを生食で溶いて10mlにしたものを2mlずつi.v./プロポフォール200㎎20mlを5mlずつi.v.)
☆脈ありVTは、心エコーや採血にてACSやHOCMないかチェック。基本は循環器call。
①シンビット50㎎1Vを生食20mlに溶いて5mlを5分かけて、その後5ml/hr。
②ミダゾラム10㎎2ml 1A(ドロミカム)を生食5ml 2Aに溶いて2mlずつ投与し、鎮静してからDC150J-200J。ドロミカムによる血圧低下に対してはノルアドレナリン1Aを生食20mlに溶いて3ml/hrから投与。
☆DCには1相性と2相性がある。必ず確認を。2相性は200J程度までしか目盛がない。
Afでの抗凝固療法開始基準
Afでの抗凝固療法開始基準
cf)CHADS2スコア(チャズツースコア) ・Afでの抗凝固療法開始基準
C(CHF):鬱血性心不全あれば1点
H(HTN):高血圧あれば1点
A(Age):75歳以上なら1点
D(DM):糖尿病あれば1点
S(Stroke):脳卒中やTIAの既往があれば2点
・2点以上で抗凝固療法開始
・ワーファリン→ⅡⅦⅨⅩ阻害
ダビガトラン(プラザキサ)→Ⅱ阻害(トロンビン阻害)
cf)CHADS2スコア(チャズツースコア) ・Afでの抗凝固療法開始基準
C(CHF):鬱血性心不全あれば1点
H(HTN):高血圧あれば1点
A(Age):75歳以上なら1点
D(DM):糖尿病あれば1点
S(Stroke):脳卒中やTIAの既往があれば2点
・2点以上で抗凝固療法開始
・ワーファリン→ⅡⅦⅨⅩ阻害
ダビガトラン(プラザキサ)→Ⅱ阻害(トロンビン阻害)
頻脈性不整脈の鑑別
cf)頻脈性不整脈の鑑別
・洞頻脈⇒P波は明瞭、220-年齢/分、徐々に始まり徐々に終わる、心不全/脳出血/Basedow/貧血/脱水
・PSVT⇒RR規則的、P波は不明なことが「多い」、180/分前後、突然始まり突然終わる、narrowQRS(脚ブロックや心室内変向伝導伴えばwideQRSになる)
・Af⇒RR不規則、P波はなくf波、250/分を超えると死亡例も
・VT⇒RR規則的、140-220/分、RBBB+左軸偏位型やLBBB+右軸偏位型では特発性の可能性(どこにfocusがあるかがわかるのでVTを見ればこれを確認すること)
・洞頻脈⇒P波は明瞭、220-年齢/分、徐々に始まり徐々に終わる、心不全/脳出血/Basedow/貧血/脱水
・PSVT⇒RR規則的、P波は不明なことが「多い」、180/分前後、突然始まり突然終わる、narrowQRS(脚ブロックや心室内変向伝導伴えばwideQRSになる)
・Af⇒RR不規則、P波はなくf波、250/分を超えると死亡例も
・VT⇒RR規則的、140-220/分、RBBB+左軸偏位型やLBBB+右軸偏位型では特発性の可能性(どこにfocusがあるかがわかるのでVTを見ればこれを確認すること)
徐脈
<徐脈>
☆SSSは多くは加齢によるもの。その他、血管迷走神経反射、甲状腺機能低下、ジキタリス、βブロッカー、Caブロッカーなど。
☆SSSは症状なければ放置し、原因検索(アーチスト服用してないか等)をする。
☆AVB(2度もMobits2型以上)は症状なくても、次の瞬間CPAになることがある。ACSやHOCMがないか心電図、心エコーと採血。速やかに循環器callし、緊急ペーシング。
☆徐脈(特にAVB)の治療は、
①アトロピン1Aの急速i.v.(嘔気嘔吐予防にプリンペラン1Aもi.v.しておく)
②プロタノール(イソプロテレノール)0.2mg1mL1Aを生食50mlに溶いて5ml/hrで開始。
③カテによる緊急ペーシング
cf)CPAのPEAとVfの違い
・PEAは脚ブロックを伴ったQRS波が徐脈になっているか、全く正常なQRSで徐脈。
・心室細動はランダムな波形が続く。基本は頻脈になっている。
☆SSSは多くは加齢によるもの。その他、血管迷走神経反射、甲状腺機能低下、ジキタリス、βブロッカー、Caブロッカーなど。
☆SSSは症状なければ放置し、原因検索(アーチスト服用してないか等)をする。
☆AVB(2度もMobits2型以上)は症状なくても、次の瞬間CPAになることがある。ACSやHOCMがないか心電図、心エコーと採血。速やかに循環器callし、緊急ペーシング。
☆徐脈(特にAVB)の治療は、
①アトロピン1Aの急速i.v.(嘔気嘔吐予防にプリンペラン1Aもi.v.しておく)
②プロタノール(イソプロテレノール)0.2mg1mL1Aを生食50mlに溶いて5ml/hrで開始。
③カテによる緊急ペーシング
cf)CPAのPEAとVfの違い
・PEAは脚ブロックを伴ったQRS波が徐脈になっているか、全く正常なQRSで徐脈。
・心室細動はランダムな波形が続く。基本は頻脈になっている。
蜂窩織炎/壊死性筋膜炎
<蜂窩織炎/壊死性筋膜炎>
★下肢では足背動脈の拍動を必ず確認する。
☆リンパ管浮腫ではワセリン塗布しおむつカバーを巻いて弾性包帯をし下肢拳上する。
☆ヒールによる拇趾の痛みは蜂窩織炎の可能性あり。基本は冷却し下肢拳上、化膿してきたら切開排膿し、L-ケフレックス(第1世代セフェムの徐放剤)1g2錠分2処方。
☆拇趾の蜂窩織炎は巻き爪が原因のことあり。外科コンサルトを。
☆重症例では血液検査、毎日外来でセファメジン(CEZ)2gバッグを30分かけて点滴し、半減期が1時間で半日しか効かないためオラセフ(第2世代セフェム)250㎎3錠分3経口(4錠分4ではない)も処方。
☆重症例ではDVTやPAD(PeripheralArterialDisease)を鑑別するため血管エコーをする。
☆小児の場合はオラスポアDS(ドライシロップ)30mg/kg/dayを分3、カロナール1錠5回分。
☆動物咬傷の場合はユナシン1.5gを生食50mlに溶いて30分で投与し、オーグメンチン250㎎3錠分3経口(4錠分4ではない)を処方(幼児や学童の場合は2錠分4と整腸剤)。
☆片側顔面腫脹なら丹毒(=顔面の蜂窩織炎)、眼球突出あるなら副鼻腔炎からの眼窩内蜂窩織炎か。片側なら内頚動脈海綿静脈洞瘻、両側ならBasedow病の鑑別を。
cf)壊死性筋膜炎との鑑別:
・強く痛がる、バイタル異常、疼痛範囲の拡大、皮膚色が黒いがあれば、初診、30分、1hr、2hrと病変部をマーキングし拡大傾向ないかチェックする。
cf)丹毒は真皮、蜂窩織炎は皮下組織、壊死性筋膜炎は皮下組織と筋膜の炎症
★下肢では足背動脈の拍動を必ず確認する。
☆リンパ管浮腫ではワセリン塗布しおむつカバーを巻いて弾性包帯をし下肢拳上する。
☆ヒールによる拇趾の痛みは蜂窩織炎の可能性あり。基本は冷却し下肢拳上、化膿してきたら切開排膿し、L-ケフレックス(第1世代セフェムの徐放剤)1g2錠分2処方。
☆拇趾の蜂窩織炎は巻き爪が原因のことあり。外科コンサルトを。
☆重症例では血液検査、毎日外来でセファメジン(CEZ)2gバッグを30分かけて点滴し、半減期が1時間で半日しか効かないためオラセフ(第2世代セフェム)250㎎3錠分3経口(4錠分4ではない)も処方。
☆重症例ではDVTやPAD(PeripheralArterialDisease)を鑑別するため血管エコーをする。
☆小児の場合はオラスポアDS(ドライシロップ)30mg/kg/dayを分3、カロナール1錠5回分。
☆動物咬傷の場合はユナシン1.5gを生食50mlに溶いて30分で投与し、オーグメンチン250㎎3錠分3経口(4錠分4ではない)を処方(幼児や学童の場合は2錠分4と整腸剤)。
☆片側顔面腫脹なら丹毒(=顔面の蜂窩織炎)、眼球突出あるなら副鼻腔炎からの眼窩内蜂窩織炎か。片側なら内頚動脈海綿静脈洞瘻、両側ならBasedow病の鑑別を。
cf)壊死性筋膜炎との鑑別:
・強く痛がる、バイタル異常、疼痛範囲の拡大、皮膚色が黒いがあれば、初診、30分、1hr、2hrと病変部をマーキングし拡大傾向ないかチェックする。
cf)丹毒は真皮、蜂窩織炎は皮下組織、壊死性筋膜炎は皮下組織と筋膜の炎症
裂創/切創
<裂創/切創>
☆創傷処置
①麻酔してから水道水で洗浄
②テープで寄せてワセリン塗布する。もしくは縫合
③縫合
・1%キシロカイン(極量0.7ml/kg)を創内に麻酔
・陰圧にして静注になっていないか確認
・4-0ナイロン等でマットレス縫合か単縫合
・顔面などは6-0ナイロン
・創部が濡れないようにそのままにして2日後受診を指示
・1週間後に抜糸(関節など緊張かかる部位は10日)
・抗生剤はオーグメンチン250mg4錠分4を5日分など
・痛み強いならカロナールを処方
・口腔内など粘膜面は4-0polysorbで縫わないとちくちくするので注意
☆キシロカインアレルギーの局所麻酔はマーカイン0.25%50mg/20mlを5mlほど使う。
☆指の切創は浸潤麻酔ではなく指の根本を伝達麻酔しないと痛い(伝達麻酔も浸潤麻酔も局所麻酔の1種)。指の根元の片側にブルー針で深く刺して2ml、針を浅くして2mlもう一方にも同様。
☆小児の指の切創はステーリー固定でもOK。
☆頭の創はステープラー固定でもOK。
☆顎の裂創はテープで寄せてデュオアクティブで固定してもOK。
☆深い場合は、麻酔の前にまず神経損傷ないかチェック。
☆創が大きく深い時は、深いところまで清潔手袋で指を入れて生食で洗浄し、皮膚が残っていない場合も寄せて閉鎖する(デブリしてマットレス必須、ペンローズ/サランラップ/ナイロン糸(シルク等の縒り糸はだめ)も留置する→皮膚に1針縫い付けると良い)。
☆動物咬傷など汚染創なら麻酔後、歯ブラシでデブリ、open woundのまま破傷風トキソイド(ハトキ)を受傷時/1M後/1年後に筋注(中学生までならDPTワクチンをしているなら必須ではない)。抗生剤はオーグメンチン250mg4錠分4を5日分処方し、毎日外来で洗浄する。
☆ハトキは3回打たないと意味がない!!1回だけでは無駄!!3回打てば4-10年は免疫効果、25-30年は免疫記憶があり1回の注射でブースター効果あり。
☆挫滅創は、待合でキシロカインゼリーを塗布してサランラップして麻酔してから、十分に洗浄して薄くワセリンを塗布しカルトスタットを充填し、包帯固定。2日後受診を指示。
☆静脈瘤による出血は鎮子固定もしておく。必要なら縫合も。
☆手掌の裂創、切創はマットレスで深く縫合すると、腱をひっかけることがあるのでできるだけ単縫合にする。
☆指先の裂創では必要なら爪に針を通して縫合してもよい。
☆剥離創は皮下が露出しているなら寄せて縫合し、浅いのであれば洗浄しデュアオアクティブCGFをそのまま貼る。
☆下腿の裂創は創面を合わせるには引っ張らないといけないので、介助してもらって2-0や3-0ナイロンでマットレス縫合を行う。
☆創傷処置
①麻酔してから水道水で洗浄
②テープで寄せてワセリン塗布する。もしくは縫合
③縫合
・1%キシロカイン(極量0.7ml/kg)を創内に麻酔
・陰圧にして静注になっていないか確認
・4-0ナイロン等でマットレス縫合か単縫合
・顔面などは6-0ナイロン
・創部が濡れないようにそのままにして2日後受診を指示
・1週間後に抜糸(関節など緊張かかる部位は10日)
・抗生剤はオーグメンチン250mg4錠分4を5日分など
・痛み強いならカロナールを処方
・口腔内など粘膜面は4-0polysorbで縫わないとちくちくするので注意
☆キシロカインアレルギーの局所麻酔はマーカイン0.25%50mg/20mlを5mlほど使う。
☆指の切創は浸潤麻酔ではなく指の根本を伝達麻酔しないと痛い(伝達麻酔も浸潤麻酔も局所麻酔の1種)。指の根元の片側にブルー針で深く刺して2ml、針を浅くして2mlもう一方にも同様。
☆小児の指の切創はステーリー固定でもOK。
☆頭の創はステープラー固定でもOK。
☆顎の裂創はテープで寄せてデュオアクティブで固定してもOK。
☆深い場合は、麻酔の前にまず神経損傷ないかチェック。
☆創が大きく深い時は、深いところまで清潔手袋で指を入れて生食で洗浄し、皮膚が残っていない場合も寄せて閉鎖する(デブリしてマットレス必須、ペンローズ/サランラップ/ナイロン糸(シルク等の縒り糸はだめ)も留置する→皮膚に1針縫い付けると良い)。
☆動物咬傷など汚染創なら麻酔後、歯ブラシでデブリ、open woundのまま破傷風トキソイド(ハトキ)を受傷時/1M後/1年後に筋注(中学生までならDPTワクチンをしているなら必須ではない)。抗生剤はオーグメンチン250mg4錠分4を5日分処方し、毎日外来で洗浄する。
☆ハトキは3回打たないと意味がない!!1回だけでは無駄!!3回打てば4-10年は免疫効果、25-30年は免疫記憶があり1回の注射でブースター効果あり。
☆挫滅創は、待合でキシロカインゼリーを塗布してサランラップして麻酔してから、十分に洗浄して薄くワセリンを塗布しカルトスタットを充填し、包帯固定。2日後受診を指示。
☆静脈瘤による出血は鎮子固定もしておく。必要なら縫合も。
☆手掌の裂創、切創はマットレスで深く縫合すると、腱をひっかけることがあるのでできるだけ単縫合にする。
☆指先の裂創では必要なら爪に針を通して縫合してもよい。
☆剥離創は皮下が露出しているなら寄せて縫合し、浅いのであれば洗浄しデュアオアクティブCGFをそのまま貼る。
☆下腿の裂創は創面を合わせるには引っ張らないといけないので、介助してもらって2-0や3-0ナイロンでマットレス縫合を行う。
爪の外傷
<爪の外傷>
☆爪がはがれそうなときは包帯固定しておいて新しい爪が生えるのを待つ。
☆深爪は指の根元を伝達麻酔し、先の丸い鋏で爪が食い込んでいる部分を奥まで一直線に切り、根元から引き抜く。よく洗浄し、ワセリンを塗布し抗生剤を処方する。
☆爪がはがれそうなときは包帯固定しておいて新しい爪が生えるのを待つ。
☆深爪は指の根元を伝達麻酔し、先の丸い鋏で爪が食い込んでいる部分を奥まで一直線に切り、根元から引き抜く。よく洗浄し、ワセリンを塗布し抗生剤を処方する。
動物咬傷
<動物咬傷>
☆とにかくよく洗浄する。膿むことが多いので言っておくこと。
☆創は閉じずにコメガーゼやドレナージ糸を留置する。翌日も洗浄のため外来受診を指示。
☆過去10年間に国内で野良犬に咬まれて狂犬病を発症した例はない。狂犬病が心配なら保健所に
行ってもらうこと(10年で2,3例発症したがそれは海外で感染し帰国後発症した人)。
☆動物の口腔内常在細菌による感染症にオーグメンチン250mg4錠分4を7日間。
☆小児の咬傷はクラバモックス(AMPC/CVA)100mg/kg/day分2、なければオーグメンチンを細粉にしてもらう(30mg/kg/day)と整腸剤(ビオフェルミンR)を投与(体重30㎏以上なら成人量でもOK)。
☆創を閉鎖することで嫌気性環境ができて、パスツレラなどが増殖するため、深部まで達していれば奥まで洗浄し、open処置とする。
☆創が浅くてflap状になっていれば、洗浄、縫合し閉じても良い。
☆マムシ咬傷
①指先を噛まれて、指先が腫れるはGradeⅠ、手首まで腫れるはGradeⅡ、肘まで腫れるはGradeⅢ、肩まで腫れるはGradeⅣ、全身症状はGradeⅤ。
②局所の切開と生食1000mLでの洗浄、セファランチン10mg+生食20ml i.v.、強ミノ、セファゾリン、ステロイド
③GradeⅡ以上は抗毒素血清6000単位を添付溶剤20mLで溶いて、生食100-200mlを1時間かけて投与。改善なければ翌日にさらに3000-6000単位投与。咬まれて1日後にも有効。
④患肢腫脹、CPK(4000-6000)、GOT、LDHは2日目がピーク。マムシ毒による複視、眼瞼下垂を起こしたり、腎不全、肝不全、DIC起こすこともある。
⑤抗毒素血清は投与直後のアナフィラキシー反応、数日後から数週間後の腎炎、関節炎を起こすことあり。
☆とにかくよく洗浄する。膿むことが多いので言っておくこと。
☆創は閉じずにコメガーゼやドレナージ糸を留置する。翌日も洗浄のため外来受診を指示。
☆過去10年間に国内で野良犬に咬まれて狂犬病を発症した例はない。狂犬病が心配なら保健所に
行ってもらうこと(10年で2,3例発症したがそれは海外で感染し帰国後発症した人)。
☆動物の口腔内常在細菌による感染症にオーグメンチン250mg4錠分4を7日間。
☆小児の咬傷はクラバモックス(AMPC/CVA)100mg/kg/day分2、なければオーグメンチンを細粉にしてもらう(30mg/kg/day)と整腸剤(ビオフェルミンR)を投与(体重30㎏以上なら成人量でもOK)。
☆創を閉鎖することで嫌気性環境ができて、パスツレラなどが増殖するため、深部まで達していれば奥まで洗浄し、open処置とする。
☆創が浅くてflap状になっていれば、洗浄、縫合し閉じても良い。
☆マムシ咬傷
①指先を噛まれて、指先が腫れるはGradeⅠ、手首まで腫れるはGradeⅡ、肘まで腫れるはGradeⅢ、肩まで腫れるはGradeⅣ、全身症状はGradeⅤ。
②局所の切開と生食1000mLでの洗浄、セファランチン10mg+生食20ml i.v.、強ミノ、セファゾリン、ステロイド
③GradeⅡ以上は抗毒素血清6000単位を添付溶剤20mLで溶いて、生食100-200mlを1時間かけて投与。改善なければ翌日にさらに3000-6000単位投与。咬まれて1日後にも有効。
④患肢腫脹、CPK(4000-6000)、GOT、LDHは2日目がピーク。マムシ毒による複視、眼瞼下垂を起こしたり、腎不全、肝不全、DIC起こすこともある。
⑤抗毒素血清は投与直後のアナフィラキシー反応、数日後から数週間後の腎炎、関節炎を起こすことあり。
指趾切断
<指趾切断>
☆断端形成の方法(神経吻合や切断指趾の吻合は形成外科や整形外科consult)
①指の根本で腹側、背側の4本の神経をoberest block(キシロカイン2A)
②指の根元の左右の両端をそれぞれ深くと浅くで計4回麻酔する
③以下はポピヨンヨードで消毒後、穴あき覆い布で覆って清潔操作で行う
④ネラトンとペアンで根本で阻血してから行う
⑤骨先端があたるときは、リュエル、エレバラスパで削ってから、創を閉鎖する
⑥基節骨が解放骨折している時は、基節骨をDIPで切離して、さらに中節骨の皮質骨を剥離し、海綿骨を露出させて末梢の血流を保つ
⑦神経を同定して、断端を根元まで追って、結紮する
⑧ゲンタシン軟膏、ガーゼ、包帯で固定し終了
⑨オーグメンチンを処方し2日後の外科RTCを指示
☆断端形成の方法(神経吻合や切断指趾の吻合は形成外科や整形外科consult)
①指の根本で腹側、背側の4本の神経をoberest block(キシロカイン2A)
②指の根元の左右の両端をそれぞれ深くと浅くで計4回麻酔する
③以下はポピヨンヨードで消毒後、穴あき覆い布で覆って清潔操作で行う
④ネラトンとペアンで根本で阻血してから行う
⑤骨先端があたるときは、リュエル、エレバラスパで削ってから、創を閉鎖する
⑥基節骨が解放骨折している時は、基節骨をDIPで切離して、さらに中節骨の皮質骨を剥離し、海綿骨を露出させて末梢の血流を保つ
⑦神経を同定して、断端を根元まで追って、結紮する
⑧ゲンタシン軟膏、ガーゼ、包帯で固定し終了
⑨オーグメンチンを処方し2日後の外科RTCを指示
多発外傷
<多発外傷>
☆高エネルギー外傷(胸部打撲も腹部打撲)も両側呼吸音→CXR、骨盤XR→FASTをして、異常あれば胸腹部造影CTを行う。心エコーは胸骨のすぐ左で右上から左下に向けて斜めにプローブをあてると長軸像で見える。
☆異常なく、経過followするときは1.5hr。家が遠いときや不安感強いときは1泊入院。
☆腹部はエコー、他はレントゲン(顔面はウォーターズ、膝はスカイラインで撮影)。
☆椎骨圧迫骨折はそのままにしておくと圧迫されて神経症状が出てくるので見逃さないこと(上下の椎体と比べて前や後ろに凹んでいる)。
☆仙骨骨折はそのまま安静にしておくしかない。
☆骨盤骨折があれば、骨盤内造影CTを行う。
☆受傷時、意識障害があったのか、記憶障害だけなのか。GCS,JCMはcore consciousness、高次神経機能はextended consciousnessでありGCS,JCSは正常。
☆高エネルギー外傷(胸部打撲も腹部打撲)も両側呼吸音→CXR、骨盤XR→FASTをして、異常あれば胸腹部造影CTを行う。心エコーは胸骨のすぐ左で右上から左下に向けて斜めにプローブをあてると長軸像で見える。
☆異常なく、経過followするときは1.5hr。家が遠いときや不安感強いときは1泊入院。
☆腹部はエコー、他はレントゲン(顔面はウォーターズ、膝はスカイラインで撮影)。
☆椎骨圧迫骨折はそのままにしておくと圧迫されて神経症状が出てくるので見逃さないこと(上下の椎体と比べて前や後ろに凹んでいる)。
☆仙骨骨折はそのまま安静にしておくしかない。
☆骨盤骨折があれば、骨盤内造影CTを行う。
☆受傷時、意識障害があったのか、記憶障害だけなのか。GCS,JCMはcore consciousness、高次神経機能はextended consciousnessでありGCS,JCSは正常。
熱中症
<熱中症>
☆腋窩乾燥、CRT2秒以上、IVCがAoよりも小さい(最短径10mm以下)なら補液を。
☆熱痙攣(水だけ飲んで低Na)⇒熱疲労(脱水メイン)⇒熱射病(40℃以上の高体温/意識障害あり)
☆汗があるときは腋窩温は低めに出るので、口腔温か直腸温を測定する。
☆合併症は横紋筋融解症(尿がコーラ色+CPKが10000超え)、高K、低Ca、高乳酸。
☆治療は外液投与、ぬるま湯の吹きかけとうちわであおぐ、合併症の治療。
☆若年者が野外で運動中に汗を大量にかいて汗が出なくなって熱中症になったものと、老人と小児が暑い部屋や車内にいて高体温になったもの(古典的熱中症)の2パターンがある。古典的熱中症では外液投与はあまり必要でないこともある(冷却メイン)。
☆尿比重を急性腎不全の関係。比重1.010→Uosm350→腎性、比重1.020→Uosm700→腎前性、比重1.030→Uosm1050→腎前性。FENaを計算すれば良いが。
☆脱水の喪失量の目安⇒症状なしなら2L(軽症、体重5%減)、粘膜乾燥なら4L、turgor低下なら6L(中等症、体重10%減)、ショック/意識障害なら6L以上(重症、体重15%減)。維持量(水1ml/kg/hr,Na5g=85mEq,K5g=65mEq,Glu200g)に加えて喪失量を2,3日で補う。
cf)トライアスロン競技における熱中症の検査成績(日本臨床内科医会会誌、11巻、4号)
1. バイタルサイン:体温上昇(38-40度)、血圧低下気味(70-110/0-70)・脈拍(100-150)
2. 症状:発汗(+~-まで様々)、頭痛、嘔吐、腹痛を伴う場合がある。
3. 血清電解質等
a.Na・K・Caは来院時高値の傾向、翌日に低下。
b.クレアチニンも来院時高値の傾向、ただし翌日も低下したが高値。
c.BUNは来院時高値の傾向、翌日同じく高値。
d.総蛋白は来院時高値で、翌日に有意に低下。
4. 血糖・筋肉系酵素・乳酸値等
a.GOT・GPTは来院時高値で、翌日さらに上昇。
b.LDHは来院時高値で、翌日僅かに上昇。
c.CPKは来院時高値で、翌日さらに上昇(直腸温が41度以上は有意に高値)
d.ミオグロビンは来院時高値の傾向、翌日に低下。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
e.血糖は直腸温が41度以上の高体温例では低血糖を示す場合があったが、大部分高血糖気味で翌日も変わらない。
f.乳酸は来院時高値の傾向、翌日に低下。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
5.CBC等
a.RBC・Htは来院時高値、翌日に低下。
b.WBCは来院時高値、翌日同じく高値。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
c.血小板数は来院時正常で、翌日に低下。直腸温が41度以上では翌日低値となり15万以下の例もあった。
d.APTTは来院時延長傾向、直腸温が41度以上では更に延長。
e.フィブリノーゲンは来院時正常で体温に関係なし。
6.血液ガス・浸透圧
a.来院時はpH低下・HCO3-低値・AG高値等アシドーシスを示した。
b.血清浸透圧は来院時高値で、翌日も同じ様に高値だった。
7. 血中ホルモン
アドレナリン・ノルアドレナリン・コルチゾールともに来院時高値で、翌日正常化 。バソプレッシンは来院時高値で、翌日低下するも依然高値だった。
☆腋窩乾燥、CRT2秒以上、IVCがAoよりも小さい(最短径10mm以下)なら補液を。
☆熱痙攣(水だけ飲んで低Na)⇒熱疲労(脱水メイン)⇒熱射病(40℃以上の高体温/意識障害あり)
☆汗があるときは腋窩温は低めに出るので、口腔温か直腸温を測定する。
☆合併症は横紋筋融解症(尿がコーラ色+CPKが10000超え)、高K、低Ca、高乳酸。
☆治療は外液投与、ぬるま湯の吹きかけとうちわであおぐ、合併症の治療。
☆若年者が野外で運動中に汗を大量にかいて汗が出なくなって熱中症になったものと、老人と小児が暑い部屋や車内にいて高体温になったもの(古典的熱中症)の2パターンがある。古典的熱中症では外液投与はあまり必要でないこともある(冷却メイン)。
☆尿比重を急性腎不全の関係。比重1.010→Uosm350→腎性、比重1.020→Uosm700→腎前性、比重1.030→Uosm1050→腎前性。FENaを計算すれば良いが。
☆脱水の喪失量の目安⇒症状なしなら2L(軽症、体重5%減)、粘膜乾燥なら4L、turgor低下なら6L(中等症、体重10%減)、ショック/意識障害なら6L以上(重症、体重15%減)。維持量(水1ml/kg/hr,Na5g=85mEq,K5g=65mEq,Glu200g)に加えて喪失量を2,3日で補う。
cf)トライアスロン競技における熱中症の検査成績(日本臨床内科医会会誌、11巻、4号)
1. バイタルサイン:体温上昇(38-40度)、血圧低下気味(70-110/0-70)・脈拍(100-150)
2. 症状:発汗(+~-まで様々)、頭痛、嘔吐、腹痛を伴う場合がある。
3. 血清電解質等
a.Na・K・Caは来院時高値の傾向、翌日に低下。
b.クレアチニンも来院時高値の傾向、ただし翌日も低下したが高値。
c.BUNは来院時高値の傾向、翌日同じく高値。
d.総蛋白は来院時高値で、翌日に有意に低下。
4. 血糖・筋肉系酵素・乳酸値等
a.GOT・GPTは来院時高値で、翌日さらに上昇。
b.LDHは来院時高値で、翌日僅かに上昇。
c.CPKは来院時高値で、翌日さらに上昇(直腸温が41度以上は有意に高値)
d.ミオグロビンは来院時高値の傾向、翌日に低下。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
e.血糖は直腸温が41度以上の高体温例では低血糖を示す場合があったが、大部分高血糖気味で翌日も変わらない。
f.乳酸は来院時高値の傾向、翌日に低下。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
5.CBC等
a.RBC・Htは来院時高値、翌日に低下。
b.WBCは来院時高値、翌日同じく高値。直腸温が41度以上は来院時有意に高値。
c.血小板数は来院時正常で、翌日に低下。直腸温が41度以上では翌日低値となり15万以下の例もあった。
d.APTTは来院時延長傾向、直腸温が41度以上では更に延長。
e.フィブリノーゲンは来院時正常で体温に関係なし。
6.血液ガス・浸透圧
a.来院時はpH低下・HCO3-低値・AG高値等アシドーシスを示した。
b.血清浸透圧は来院時高値で、翌日も同じ様に高値だった。
7. 血中ホルモン
アドレナリン・ノルアドレナリン・コルチゾールともに来院時高値で、翌日正常化 。バソプレッシンは来院時高値で、翌日低下するも依然高値だった。
しびれ
<しびれ>
☆ビリビリしびれるような「異常知覚」、薄皮1枚かぶったような「知覚低下」、力が入らない「運動麻痺」の3つに分ける。
☆脳卒中、椎間板ヘルニアなどが多い。脳卒中では運動麻痺のみ来ることが多い。椎間板ヘルニアは感覚も運動も少しずつ障害される。
☆手先と足先の異常知覚以外に神経所見なければメチコバール500μg3T分3で近日中に内科受診など指示。
☆若年者の手先のしびれは腰椎椎間板ヘルニアによる脊柱管狭窄症か。
☆手先の巧緻運動障害は脊髄症。根症状は左右差あり。
☆痛み⇒痺れ⇒麻痺の順に進行する(ヘルニアが長年続いて麻痺の段階になるとLaseague徴候は陰性となる)
☆味覚障害には貧血ないか見て、なければプロマック2錠分2(亜鉛を含む胃粘膜保護)を処方。
☆手のしびれのみは頚椎症や肩こり。手と口の両方のしびれがあればTIA。
☆ビリビリしびれるような「異常知覚」、薄皮1枚かぶったような「知覚低下」、力が入らない「運動麻痺」の3つに分ける。
☆脳卒中、椎間板ヘルニアなどが多い。脳卒中では運動麻痺のみ来ることが多い。椎間板ヘルニアは感覚も運動も少しずつ障害される。
☆手先と足先の異常知覚以外に神経所見なければメチコバール500μg3T分3で近日中に内科受診など指示。
☆若年者の手先のしびれは腰椎椎間板ヘルニアによる脊柱管狭窄症か。
☆手先の巧緻運動障害は脊髄症。根症状は左右差あり。
☆痛み⇒痺れ⇒麻痺の順に進行する(ヘルニアが長年続いて麻痺の段階になるとLaseague徴候は陰性となる)
☆味覚障害には貧血ないか見て、なければプロマック2錠分2(亜鉛を含む胃粘膜保護)を処方。
☆手のしびれのみは頚椎症や肩こり。手と口の両方のしびれがあればTIA。
こむらがえり
<こむらがえり>
☆テルネリンなど。
☆芍薬甘草湯もOK。頓服でもよい。
☆DVTを「足がつる」と言う人がいる。把握痛なくても、喫煙暦、肥満、女性ホルモン内服(避妊薬、月経困難症治療暦)、骨盤手術歴あれば疑うこと。
☆テルネリンなど。
☆芍薬甘草湯もOK。頓服でもよい。
☆DVTを「足がつる」と言う人がいる。把握痛なくても、喫煙暦、肥満、女性ホルモン内服(避妊薬、月経困難症治療暦)、骨盤手術歴あれば疑うこと。
臀部痛
<臀部痛>
☆直腸癌術後なら局所再発かも知れない。
☆直腸癌術後なら局所再発かも知れない。
粉瘤
<粉瘤>
☆キシロカインで嚢内を麻酔し(この時に陰圧で引けば排膿が確認できるはず、青針では引けないことが多いのでピンク針でひく)、尖刃で切開し排膿する(かなり痛がるが、びびらないように)。創は開放したままコメガーゼを詰めて、次の日外科外来受診を指示。抗生剤と痛み止めを忘れずに。
☆創部は開放したままコメガーゼを詰めて、ワセリンガーゼし、毎日洗浄する。コメガーゼは浸出液が少なくなれば抜去し、あとは毎日洗浄しながら自然閉鎖を待つ。
☆キシロカインで嚢内を麻酔し(この時に陰圧で引けば排膿が確認できるはず、青針では引けないことが多いのでピンク針でひく)、尖刃で切開し排膿する(かなり痛がるが、びびらないように)。創は開放したままコメガーゼを詰めて、次の日外科外来受診を指示。抗生剤と痛み止めを忘れずに。
☆創部は開放したままコメガーゼを詰めて、ワセリンガーゼし、毎日洗浄する。コメガーゼは浸出液が少なくなれば抜去し、あとは毎日洗浄しながら自然閉鎖を待つ。
異物
気道異物
<気道異物>
☆どうにか呼吸できているなら喉頭鏡で喉頭展開し、マギール鉗子で摘出
☆酸素投与でSpO2が改善するが、意識レベルが悪いなら、挿管して人工呼吸器につなげてから、挿管チューブに気管支鏡を入れて落ち着いてで取り出す。
☆O2投与で胸郭が上がらず、SpO2も改善せず、すぐに摘出できそうにないなら、生食を満たした注射器で輪状甲状軟骨間靭帯を穿刺し、エアーが引けたところで、尖刃で横切開し、ペアンで広げ挿管チューブをカフが隠れるところまで挿入し気道確保する(最後の手段であり、勝手にしないこと)。
☆どうにか呼吸できているなら喉頭鏡で喉頭展開し、マギール鉗子で摘出
☆酸素投与でSpO2が改善するが、意識レベルが悪いなら、挿管して人工呼吸器につなげてから、挿管チューブに気管支鏡を入れて落ち着いてで取り出す。
☆O2投与で胸郭が上がらず、SpO2も改善せず、すぐに摘出できそうにないなら、生食を満たした注射器で輪状甲状軟骨間靭帯を穿刺し、エアーが引けたところで、尖刃で横切開し、ペアンで広げ挿管チューブをカフが隠れるところまで挿入し気道確保する(最後の手段であり、勝手にしないこと)。
鼠径ヘルニア
<鼠径ヘルニア>
☆用手還納できないなら、ヘルニア陥頓であり、緊急手術の適応。
☆壊死しかかったら痛みが消えていくので注意。
☆造影CTをとって拘扼性イレウスになっていないかチェックする。腹水は腸管壊死のサイン。
☆腸管壊死で乳酸上昇はかなり重篤のはず(乳酸は門脈から肝臓に入り代謝されるから少々の腸管壊死では上昇しない)。
☆鼡径部が膨隆していても精索炎、精巣上体炎、精索静脈瘤のことあり。精巣の根本に圧痛あり、膨隆部が固ければ鼡径ヘルニアより精巣上体炎を疑い腹部エコーで確認し、オーグメンチン4T/4x処方し後日泌尿器科受診指示。
☆用手還納できないなら、ヘルニア陥頓であり、緊急手術の適応。
☆壊死しかかったら痛みが消えていくので注意。
☆造影CTをとって拘扼性イレウスになっていないかチェックする。腹水は腸管壊死のサイン。
☆腸管壊死で乳酸上昇はかなり重篤のはず(乳酸は門脈から肝臓に入り代謝されるから少々の腸管壊死では上昇しない)。
☆鼡径部が膨隆していても精索炎、精巣上体炎、精索静脈瘤のことあり。精巣の根本に圧痛あり、膨隆部が固ければ鼡径ヘルニアより精巣上体炎を疑い腹部エコーで確認し、オーグメンチン4T/4x処方し後日泌尿器科受診指示。
肩こり
<肩こり>
☆左肩痛は、中年/高血圧/喫煙歴は心電図をとってACSを否定(特に冷や汗と嘔気を伴うもの)。
☆右肩痛は、発熱と結膜黄染、呼吸数増加ないか見て急性化膿性胆管炎(AOSC)を否定。
☆なにもなければシップ処方。
☆腰痛はできるだけ動かすが、五十肩は安静が良い。無理に動かすと悪化。
☆肩甲骨の痛みは頚椎症の可能性あり。痛みを感じる肩甲骨側へ頭部を屈曲させて痛みが増強すれば可能性が高い。
☆CRP上昇伴う場合は、RAを念頭にRF,CCP,MMP3 を測定する。
cf)CCP陽性ならRA。MMP3は軟骨損傷あれば上昇する(例:変形性膝関節症)。
☆左肩痛は、中年/高血圧/喫煙歴は心電図をとってACSを否定(特に冷や汗と嘔気を伴うもの)。
☆右肩痛は、発熱と結膜黄染、呼吸数増加ないか見て急性化膿性胆管炎(AOSC)を否定。
☆なにもなければシップ処方。
☆腰痛はできるだけ動かすが、五十肩は安静が良い。無理に動かすと悪化。
☆肩甲骨の痛みは頚椎症の可能性あり。痛みを感じる肩甲骨側へ頭部を屈曲させて痛みが増強すれば可能性が高い。
☆CRP上昇伴う場合は、RAを念頭にRF,CCP,MMP3 を測定する。
cf)CCP陽性ならRA。MMP3は軟骨損傷あれば上昇する(例:変形性膝関節症)。
肘内障
<肘内障>
☆橈骨頭を内側に押しながら、回外させつつ肘を屈曲させる。万歳できたらOK。習慣になることを言っておく。
☆整復できていてもしばらく動かさないので様子見る。
☆橈骨頭を内側に押しながら、回外させつつ肘を屈曲させる。万歳できたらOK。習慣になることを言っておく。
☆整復できていてもしばらく動かさないので様子見る。
顎関節脱臼
<顎関節脱臼>
☆前後に脱臼したときは両方の奥歯を親指で下に押して噛んでもらうようにする。
☆左右に脱臼したときは脱臼した方の奥歯を親指で下に押して噛んでもらうようにする。
☆前後に脱臼したときは両方の奥歯を親指で下に押して噛んでもらうようにする。
☆左右に脱臼したときは脱臼した方の奥歯を親指で下に押して噛んでもらうようにする。
関節痛/骨痛
<関節痛/骨痛>
☆関節腫脹、発熱、CRPのわりにWBC上昇少ないあれば偽痛風かも。
☆膝痛はレントゲンで骨折がなければMRIで半月板損傷がないか見る(T2で半月板内にlowな箇所が断裂部位)
☆全身の関節痛:
・B19感染症:関節痛→顔面、体幹、四肢の紅斑(顔面の紅斑は鼻梁で融合なし)、
B19-IgM陽性(ANA,RF陽性例もある)
・風疹:顔面から体幹に広がる、非融合性の点状皮疹
・RA:抗CCP抗体陽性の関節痛、朝のこわばり
・SLE:口腔内潰瘍、レイノー現象、日光過敏、鼻梁で融合する紅斑
☆全身の骨痛
・乳癌、前立腺癌の骨転移
・Fanconi症候群(尿糖+、尿蛋白+、アミノ酸尿+):アデホビル
・くる病:胃切後/菜食主義/フェニトインによるVitD欠乏
☆関節腫脹、発熱、CRPのわりにWBC上昇少ないあれば偽痛風かも。
☆膝痛はレントゲンで骨折がなければMRIで半月板損傷がないか見る(T2で半月板内にlowな箇所が断裂部位)
☆全身の関節痛:
・B19感染症:関節痛→顔面、体幹、四肢の紅斑(顔面の紅斑は鼻梁で融合なし)、
B19-IgM陽性(ANA,RF陽性例もある)
・風疹:顔面から体幹に広がる、非融合性の点状皮疹
・RA:抗CCP抗体陽性の関節痛、朝のこわばり
・SLE:口腔内潰瘍、レイノー現象、日光過敏、鼻梁で融合する紅斑
☆全身の骨痛
・乳癌、前立腺癌の骨転移
・Fanconi症候群(尿糖+、尿蛋白+、アミノ酸尿+):アデホビル
・くる病:胃切後/菜食主義/フェニトインによるVitD欠乏
義歯誤飲
<義歯誤飲>
☆誤飲後何時間経過か、むせや咳込なかったか聞く。
☆胸腹部レントゲンで気管内にないことを確認し、腹部CTでTreiz靭帯より上にあればGIF。
☆療養病院での脱落歯誤飲の対処
・気管内にある場合(誤嚥)や気道内にあることが否定できない場合は気管支鏡による摘出が基本。
・気管内への誤嚥は肺炎、気道潰瘍や穿孔、無気肺による急変の可能性あり(状態によってはICし経過観察のことも)。
・胃内にある場合は90%が2週間以内に便とともに排泄されるので経過観察でよい(胃穿孔や腸閉塞の可能性も稀だがあることはICしどうするか検討してもよい)。
・食道内にある場合は数日たっても食道内に停留しているなら内視鏡的異物除去を行う(経過観察し胃内に落ちた場合は経過観察でよい)。穿孔し縦隔炎の原因になりえる。
・脱落歯でも部分義歯など先端が鋭利な場合は胃内であっても可能なら摘除した方がよいかもしれない。
・消化管異物が穿孔を引き起こす頻度は1-3.3%程度とされる。
参考)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/34/7/34_1341/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg/24/4/24_4_360/_pdf
http://www.kashima-dc.jp/case/pdf/1411.pdf
☆誤飲後何時間経過か、むせや咳込なかったか聞く。
☆胸腹部レントゲンで気管内にないことを確認し、腹部CTでTreiz靭帯より上にあればGIF。
☆療養病院での脱落歯誤飲の対処
・気管内にある場合(誤嚥)や気道内にあることが否定できない場合は気管支鏡による摘出が基本。
・気管内への誤嚥は肺炎、気道潰瘍や穿孔、無気肺による急変の可能性あり(状態によってはICし経過観察のことも)。
・胃内にある場合は90%が2週間以内に便とともに排泄されるので経過観察でよい(胃穿孔や腸閉塞の可能性も稀だがあることはICしどうするか検討してもよい)。
・食道内にある場合は数日たっても食道内に停留しているなら内視鏡的異物除去を行う(経過観察し胃内に落ちた場合は経過観察でよい)。穿孔し縦隔炎の原因になりえる。
・脱落歯でも部分義歯など先端が鋭利な場合は胃内であっても可能なら摘除した方がよいかもしれない。
・消化管異物が穿孔を引き起こす頻度は1-3.3%程度とされる。
参考)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/34/7/34_1341/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg/24/4/24_4_360/_pdf
http://www.kashima-dc.jp/case/pdf/1411.pdf
熱傷
<熱傷>
☆軽症は水道水で洗浄し、水泡を除去し洗浄、ワセリン/ゲーベン塗布しサランラップ、ガーゼ、包帯。2日後
受診指示。痛み止め、抗生剤。
☆軽症は水道水で洗浄し、水泡を除去し洗浄、ワセリン/ゲーベン塗布しサランラップ、ガーゼ、包帯。2日後
受診指示。痛み止め、抗生剤。
慢性咳嗽
<慢性咳嗽>
☆鑑別
・咳喘息、アトピー咳嗽⇒夜間増悪、ペット飼育ないか
・GERD⇒夜間増悪、脂肪食後、胸焼け/胸骨後面の焼けつくような痛み、肥満や便秘(→腹圧↑で逆流)
・慢性気管支炎⇒長期の喫煙歴
・百日咳、マイコプラズマ
・間質性肺炎⇒引越しやオウム飼育ないか
・慢性副鼻腔炎⇒悪臭鼻汁ないか
・結核⇒既往歴、体重減少、寝汗
・肺癌
・心不全⇒浮腫や息切れないか
・ACE阻害薬
・薬剤(咳嗽や間質性肺炎起こしやすい漢方が発症時期に処方されてないか)
☆昼間>夜間:心因性、鼻炎、副鼻腔炎
☆夜間>昼間:細菌感染(マイコ、クラミジア、百日咳、結核)、ウィルス反復感染、喘息、GERD
cf)結核を疑うとき:
・個室管理とし、入室時はエプロン、帽子、手袋、N95マスク着用。
・抗酸菌塗沫(チールネルセン)、分離培養(小川)、TB抗酸菌同定(PCR)、MAC抗酸菌同定(PCR)を3日間行うこと。喀痰が出ないときは、早朝のNGから胃酸を採取し行う。
・家族を含め、接触者はQFTを施行。
☆鑑別
・咳喘息、アトピー咳嗽⇒夜間増悪、ペット飼育ないか
・GERD⇒夜間増悪、脂肪食後、胸焼け/胸骨後面の焼けつくような痛み、肥満や便秘(→腹圧↑で逆流)
・慢性気管支炎⇒長期の喫煙歴
・百日咳、マイコプラズマ
・間質性肺炎⇒引越しやオウム飼育ないか
・慢性副鼻腔炎⇒悪臭鼻汁ないか
・結核⇒既往歴、体重減少、寝汗
・肺癌
・心不全⇒浮腫や息切れないか
・ACE阻害薬
・薬剤(咳嗽や間質性肺炎起こしやすい漢方が発症時期に処方されてないか)
☆昼間>夜間:心因性、鼻炎、副鼻腔炎
☆夜間>昼間:細菌感染(マイコ、クラミジア、百日咳、結核)、ウィルス反復感染、喘息、GERD
cf)結核を疑うとき:
・個室管理とし、入室時はエプロン、帽子、手袋、N95マスク着用。
・抗酸菌塗沫(チールネルセン)、分離培養(小川)、TB抗酸菌同定(PCR)、MAC抗酸菌同定(PCR)を3日間行うこと。喀痰が出ないときは、早朝のNGから胃酸を採取し行う。
・家族を含め、接触者はQFTを施行。
歩行障害
<歩行障害>
☆鑑別
・脳血管障害⇒脳出血/脳梗塞)
・慢性硬膜下血腫⇒数か月前に頭部外傷のエピソード
・正常圧水頭症⇒頭頂葉の脳溝が詰まっていて他がスカスカ=DESH、EvansIndex=両側側脳室前角間最大幅/頭蓋内最大幅>0.3・パーキンソン病⇒足が出ない/声が小さくなった/動作緩慢/歯車様固縮
・頸髄症⇒首を痛めたエピソード、膝蓋腱反射亢進
・ALS/脊柱管狭窄症⇒力が入らない
・NMJ病変(MG)⇒眼瞼下垂
・脊髄小脳変性症⇒ふらつく
・脳梗塞後⇒痙縮はゆっくりと動かせば動く、拘縮は動かない(→脳梗塞後の痙縮が拘縮になれば不可逆的、腋が開かないのは大胸筋の拘縮でボトックス注射適応)
☆鑑別
・脳血管障害⇒脳出血/脳梗塞)
・慢性硬膜下血腫⇒数か月前に頭部外傷のエピソード
・正常圧水頭症⇒頭頂葉の脳溝が詰まっていて他がスカスカ=DESH、EvansIndex=両側側脳室前角間最大幅/頭蓋内最大幅>0.3・パーキンソン病⇒足が出ない/声が小さくなった/動作緩慢/歯車様固縮
・頸髄症⇒首を痛めたエピソード、膝蓋腱反射亢進
・ALS/脊柱管狭窄症⇒力が入らない
・NMJ病変(MG)⇒眼瞼下垂
・脊髄小脳変性症⇒ふらつく
・脳梗塞後⇒痙縮はゆっくりと動かせば動く、拘縮は動かない(→脳梗塞後の痙縮が拘縮になれば不可逆的、腋が開かないのは大胸筋の拘縮でボトックス注射適応)
呂律困難
<呂律困難>
☆この、あの、そので名前が出ないのは運動性失語。100-11は?と口頭で聞くともごもごするが、紙に100-11と書いて見せると紙に書いて答えられる(運動性失語)。
☆この、あの、そので名前が出ないのは運動性失語。100-11は?と口頭で聞くともごもごするが、紙に100-11と書いて見せると紙に書いて答えられる(運動性失語)。
麻痺
<麻痺>
☆腕や足を挙げれたらまずはMMT3/5、さらに握ったりできれば3+/5。
☆上肢Barreは1分待つこと。
☆単麻痺は肘を長時間ついていて橈骨神経麻痺などもある(脳梗塞が多いが)。他は手根管症候群=正中神経麻痺=猿手を忘れないこと。
☆親指の骨格筋萎縮は正中神経麻痺、他指の骨格筋麻痺の萎縮は尺骨神経麻痺(尺側前腕の筋萎縮も見られる場合は肘での障害)。
☆単神経障害も脳梗塞直後も深部腱反射は低下する(脳梗塞発症直後は弛緩性麻痺になるため) 。
☆頸椎症/頸髄症(安易に頸椎椎間板ヘルニアとしないこと。癌の骨転移やOPLLや脊髄腫瘍など脊柱管狭窄を来している場合もあるので)なら感覚と運動麻痺どちらも同程度に見られるはず(感覚だけ正常で純粋な運動麻痺ならまず脳梗塞)。
☆首を後屈させて痛み出ないか(Jackson test)、首を横にしていたみ出ないか(Spurling test)⇒ これらが陽性なら頸椎症/頸髄症。
☆椎体のpedicleという両端の丸い部分が消えていると骨メタかもしれない⇒肺癌/乳癌/前立腺癌精査。
☆発症1時間程度ならDWIにて明らかな梗塞巣みられないことも。
☆tPA適応が4.5時間以内なので、発症が明らかに4.5時間以上でなければ必ず脳外科コンサルトする。
☆HBOで滲出性中耳炎の可能性あり。HBO後の耳痛には注意する(あれば中止)。
☆腕や足を挙げれたらまずはMMT3/5、さらに握ったりできれば3+/5。
☆上肢Barreは1分待つこと。
☆単麻痺は肘を長時間ついていて橈骨神経麻痺などもある(脳梗塞が多いが)。他は手根管症候群=正中神経麻痺=猿手を忘れないこと。
☆親指の骨格筋萎縮は正中神経麻痺、他指の骨格筋麻痺の萎縮は尺骨神経麻痺(尺側前腕の筋萎縮も見られる場合は肘での障害)。
☆単神経障害も脳梗塞直後も深部腱反射は低下する(脳梗塞発症直後は弛緩性麻痺になるため) 。
☆頸椎症/頸髄症(安易に頸椎椎間板ヘルニアとしないこと。癌の骨転移やOPLLや脊髄腫瘍など脊柱管狭窄を来している場合もあるので)なら感覚と運動麻痺どちらも同程度に見られるはず(感覚だけ正常で純粋な運動麻痺ならまず脳梗塞)。
☆首を後屈させて痛み出ないか(Jackson test)、首を横にしていたみ出ないか(Spurling test)⇒ これらが陽性なら頸椎症/頸髄症。
☆椎体のpedicleという両端の丸い部分が消えていると骨メタかもしれない⇒肺癌/乳癌/前立腺癌精査。
☆発症1時間程度ならDWIにて明らかな梗塞巣みられないことも。
☆tPA適応が4.5時間以内なので、発症が明らかに4.5時間以上でなければ必ず脳外科コンサルトする。
☆HBOで滲出性中耳炎の可能性あり。HBO後の耳痛には注意する(あれば中止)。
体重減少・食思不振、いつもと違う
<体重減少>
☆鑑別
・バセドウ病⇒頻脈、食欲低下なし、甲状腺腫大
・DM⇒口渇、多飲、多尿
・胃潰瘍
・炎症性腸疾患
・神経因性食思不振症
・薬物中毒
・アルコール中毒
<食思不振>
・高Ca血症も忘れずに!(ワンアルファなど使っていたら止めること)
cf)高齢者の食思不振
まずは急性の感染症を見逃さないこと!
・急性の感染症(発熱のない肺炎、尿路感染、胆嚢炎も普通にある)
・基礎疾患の増悪
・亜鉛欠乏など味覚障害
・うつ状態
・嚥下機能の低下→唾液反復嚥下試験(甲状軟骨を触知した状態で30秒間の空嚥下が3回未満で陽性)
・薬剤(ジキタリス中毒、Ca/ビタミンD製剤による高Ca血症)
・義歯不適合
・認知症、老衰
・結核(施設入所中なら特に見逃さないこと!)
・悪性腫瘍(どこまで調べるかは家族との相談になる)→体重減少、貧血の進行など
<いつもと違う>
まずは急性の感染症を見逃さないこと!
「急に元気がなくなった」「なんとなくいつもと違う」「ボーッとしている」「すぐ寝てしまう」「座っていて傾いてしまう」「横になりたがる」「麻痺はないのに急に歩けなくなった(脱力)」「ふらついてしまう」「珍しく転倒してしまった」「つじつまの合わないことを言い始めた(せん妄様症状)」「ケアをさせてもらえない(介護抵抗)」など
①まずは急性感染症を疑う,特に肺炎と尿路感染症。発熱ないこともある。
②急性胆嚢炎
③蜂窩織炎(爪白癬から)、褥瘡
④脱水、熱中症
⑤脳幹、小脳の脳梗塞
⑥デイサービスの疲れ
⑦便秘
☆高齢者の心筋梗塞、半分は無痛性。なんとなく元気がない、AST,ALT上昇、血圧低下など見られたら必ず心電図を。
☆鑑別
・バセドウ病⇒頻脈、食欲低下なし、甲状腺腫大
・DM⇒口渇、多飲、多尿
・胃潰瘍
・炎症性腸疾患
・神経因性食思不振症
・薬物中毒
・アルコール中毒
<食思不振>
・高Ca血症も忘れずに!(ワンアルファなど使っていたら止めること)
cf)高齢者の食思不振
まずは急性の感染症を見逃さないこと!
・急性の感染症(発熱のない肺炎、尿路感染、胆嚢炎も普通にある)
・基礎疾患の増悪
・亜鉛欠乏など味覚障害
・うつ状態
・嚥下機能の低下→唾液反復嚥下試験(甲状軟骨を触知した状態で30秒間の空嚥下が3回未満で陽性)
・薬剤(ジキタリス中毒、Ca/ビタミンD製剤による高Ca血症)
・義歯不適合
・認知症、老衰
・結核(施設入所中なら特に見逃さないこと!)
・悪性腫瘍(どこまで調べるかは家族との相談になる)→体重減少、貧血の進行など
<いつもと違う>
まずは急性の感染症を見逃さないこと!
「急に元気がなくなった」「なんとなくいつもと違う」「ボーッとしている」「すぐ寝てしまう」「座っていて傾いてしまう」「横になりたがる」「麻痺はないのに急に歩けなくなった(脱力)」「ふらついてしまう」「珍しく転倒してしまった」「つじつまの合わないことを言い始めた(せん妄様症状)」「ケアをさせてもらえない(介護抵抗)」など
①まずは急性感染症を疑う,特に肺炎と尿路感染症。発熱ないこともある。
②急性胆嚢炎
③蜂窩織炎(爪白癬から)、褥瘡
④脱水、熱中症
⑤脳幹、小脳の脳梗塞
⑥デイサービスの疲れ
⑦便秘
☆高齢者の心筋梗塞、半分は無痛性。なんとなく元気がない、AST,ALT上昇、血圧低下など見られたら必ず心電図を。
血算の異常
<血算の異常>
☆貧血+MCV120以上+胃切⇒B12↓(悪性貧血)
☆貧血の程度のわりにMCV異常低値⇒サラセミア(HbA2↑)
☆貧血+長期IVH⇒Cu不足
☆貧血+意識障害⇒頭蓋内出血
注意)血便、血尿、吐下血なしや便潜血陰性なら頭蓋内出血を疑うこと(特に抗凝固療法中の場合)。
☆網赤血球10万/μL以上⇒急性出血か溶血⇒胃癌,大腸癌ないかCEA/便潜血/GF,CF
☆網赤血球5万/μL以下⇒骨髄低形成かFe↓B12↓葉酸↓腎不全
☆RBCのみ↑⇒ストレス/タバコ/脱水/SAS
☆Pltのみ↓⇒preDIC,ITP(PA-IgG),肝障害(トロンボポエチンは肝で合成),偽性(EDTA依存性⇒ヘパリン採血)
☆Pltのみ↑⇒(100万以上)本態性血小板増多症かCML、(100万以下)鉄欠/炎症/外傷/手術後/摘脾後/膠原病/癌/薬剤/運動/妊娠
☆WBCのみ慢性に増加⇒肥満や喫煙(分画正常),CML(骨髄球+や好塩基球分画↑⇒B12,好中球ALP),CLL(リンパ球分画↑)
☆WBC↓+異型リンパ球⇒ウィルス感染(HIV,CMV,EBV,パルボウィルス/軽度CRP↑,肝障害,Plt↓も伴うことあり),軽度なら風邪(マイコプラズマや百日咳もWBC軽度上昇、CRP↑、肝障害)
☆汎血球減少⇒慢性なら再生不良性貧血/MDS/DICあればAPL、急性なら敗血症/APL/血球貪食症候群(フェリチン/sIL-2R/VCA-IgM)。長期のIVHで汎血球減少を認める場合はCu,Vit12,葉酸の減少に注意する(メドレニックやビタジェクトを追加しよう)。
cf)WBCの正常値
WBC:3500~9000/μL好中球(Neut):36~73%単球(Mono):4~10%リンパ球(Lym):19~48%好酸球(Eo):1~10%好塩基球(Ba):0~2%異型リンパ球(Aty-Lym):0%
☆貧血+MCV120以上+胃切⇒B12↓(悪性貧血)
☆貧血の程度のわりにMCV異常低値⇒サラセミア(HbA2↑)
☆貧血+長期IVH⇒Cu不足
☆貧血+意識障害⇒頭蓋内出血
注意)血便、血尿、吐下血なしや便潜血陰性なら頭蓋内出血を疑うこと(特に抗凝固療法中の場合)。
☆網赤血球10万/μL以上⇒急性出血か溶血⇒胃癌,大腸癌ないかCEA/便潜血/GF,CF
☆網赤血球5万/μL以下⇒骨髄低形成かFe↓B12↓葉酸↓腎不全
☆RBCのみ↑⇒ストレス/タバコ/脱水/SAS
☆Pltのみ↓⇒preDIC,ITP(PA-IgG),肝障害(トロンボポエチンは肝で合成),偽性(EDTA依存性⇒ヘパリン採血)
☆Pltのみ↑⇒(100万以上)本態性血小板増多症かCML、(100万以下)鉄欠/炎症/外傷/手術後/摘脾後/膠原病/癌/薬剤/運動/妊娠
☆WBCのみ慢性に増加⇒肥満や喫煙(分画正常),CML(骨髄球+や好塩基球分画↑⇒B12,好中球ALP),CLL(リンパ球分画↑)
☆WBC↓+異型リンパ球⇒ウィルス感染(HIV,CMV,EBV,パルボウィルス/軽度CRP↑,肝障害,Plt↓も伴うことあり),軽度なら風邪(マイコプラズマや百日咳もWBC軽度上昇、CRP↑、肝障害)
☆汎血球減少⇒慢性なら再生不良性貧血/MDS/DICあればAPL、急性なら敗血症/APL/血球貪食症候群(フェリチン/sIL-2R/VCA-IgM)。長期のIVHで汎血球減少を認める場合はCu,Vit12,葉酸の減少に注意する(メドレニックやビタジェクトを追加しよう)。
cf)WBCの正常値
WBC:3500~9000/μL好中球(Neut):36~73%単球(Mono):4~10%リンパ球(Lym):19~48%好酸球(Eo):1~10%好塩基球(Ba):0~2%異型リンパ球(Aty-Lym):0%
CPA(ACLS)
<CPA(ACLS)>
☆原因:5H&5T(hypovolemia,hypoxia,hydrogen,hypo/hyperkalemia,hypothermia,tension pneumothrax,tamponade,toxin,thrombosis pulmonary,thrombosis coronary)→心エコーは胸骨のすぐ左で右上から左下に向けて斜めにプローブをあてると長軸像で見える。
☆アシドーシスではKが細胞内から流入するので、高K血症になる。採血時に高K血症だからといって、それが原因とは限らない。pHが0.1低下するとKは0.6mEq/L上昇する。
☆DNARかどうか家族が決められず、CPRを行って対光反射消失のまま心拍再開した場合は、ICした上で入院し挿管チューブに酸素を直接繋ぐようにする。
cf)挿管チューブについて
・径7.5mm、22cm口角
・入れ歯をとった時は挿管位置は口角20㎝でOK
cf)VfかAsystoleか判断できないとき:
ACLSの2015年度版のテキスト117ページより
「微細なVFであるのか心静止であるのか判然としない場合は、最初の処置として除細動は妥当である。」
「現時点では、除細動を遅らせて除細動の前にCPRを実施することの利点は不明確である。」
注)CPAの時の死亡診断書の書き方
・来院時、死後硬直や死斑など死亡徴候ありなら警察へ連絡し検視の上、犯罪性なければ死体検案書作成。
・死亡徴候なしなら心肺蘇生し、心拍再開なしならCT撮影(AI)し、警察へ連絡し検視の上、犯罪性なければ死体検案書作成。
・心拍再開ある場合は、CT撮影し死因を特定する。入院し、死亡した場合はCTで判明した病名にて死亡診断書作成。
・心拍再開ある場合は、CT撮影し死因を特定する。死因不明なら警察へ連絡し検視の上、犯罪性なければ死体検案書作成(犯罪性ありなら司法解剖になるので警察が引き取る)。
・AIは心拍再開のない場合のCT撮影。頭部、胸部、腹部の単純CTを撮影し、SAHあればクモ膜下出血、大量血胸や心タンポナーデあれば胸部大動脈瘤破裂、腹腔内出血あれば腹部大動脈瘤破裂と記載し、犯罪性なければ急性心筋梗塞(短時間)と書く。施設にて心肺停止になった場合、気管内に誤嚥物などなければ、ほぼ犯罪性はないので、このような扱いで問題ないようだ。
注)死亡宣告について
・死亡宣告は、①家族がそろうのを待って、②個室に移動してor他の患者さんがいないところで行うこと。
・来院までかなり時間がかかる場合も、家族の来院を待ってから死亡宣告を行う。
cf)ACLSアルゴリズム
☆原因:5H&5T(hypovolemia,hypoxia,hydrogen,hypo/hyperkalemia,hypothermia,tension pneumothrax,tamponade,toxin,thrombosis pulmonary,thrombosis coronary)→心エコーは胸骨のすぐ左で右上から左下に向けて斜めにプローブをあてると長軸像で見える。
☆アシドーシスではKが細胞内から流入するので、高K血症になる。採血時に高K血症だからといって、それが原因とは限らない。pHが0.1低下するとKは0.6mEq/L上昇する。
☆DNARかどうか家族が決められず、CPRを行って対光反射消失のまま心拍再開した場合は、ICした上で入院し挿管チューブに酸素を直接繋ぐようにする。
cf)挿管チューブについて
・径7.5mm、22cm口角
・入れ歯をとった時は挿管位置は口角20㎝でOK
cf)VfかAsystoleか判断できないとき:
ACLSの2015年度版のテキスト117ページより
「微細なVFであるのか心静止であるのか判然としない場合は、最初の処置として除細動は妥当である。」
「現時点では、除細動を遅らせて除細動の前にCPRを実施することの利点は不明確である。」
注)CPAの時の死亡診断書の書き方
・来院時、死後硬直や死斑など死亡徴候ありなら警察へ連絡し検視の上、犯罪性なければ死体検案書作成。
・死亡徴候なしなら心肺蘇生し、心拍再開なしならCT撮影(AI)し、警察へ連絡し検視の上、犯罪性なければ死体検案書作成。
・心拍再開ある場合は、CT撮影し死因を特定する。入院し、死亡した場合はCTで判明した病名にて死亡診断書作成。
・心拍再開ある場合は、CT撮影し死因を特定する。死因不明なら警察へ連絡し検視の上、犯罪性なければ死体検案書作成(犯罪性ありなら司法解剖になるので警察が引き取る)。
・AIは心拍再開のない場合のCT撮影。頭部、胸部、腹部の単純CTを撮影し、SAHあればクモ膜下出血、大量血胸や心タンポナーデあれば胸部大動脈瘤破裂、腹腔内出血あれば腹部大動脈瘤破裂と記載し、犯罪性なければ急性心筋梗塞(短時間)と書く。施設にて心肺停止になった場合、気管内に誤嚥物などなければ、ほぼ犯罪性はないので、このような扱いで問題ないようだ。
注)死亡宣告について
・死亡宣告は、①家族がそろうのを待って、②個室に移動してor他の患者さんがいないところで行うこと。
・来院までかなり時間がかかる場合も、家族の来院を待ってから死亡宣告を行う。
cf)ACLSアルゴリズム
高血糖
自己抜去(PEG/フォーリー/胃管/気管カニューレ)
<自己抜去>
☆PEGの自己抜去は瘻孔ができているので、再度入れなおすだけで良い。確認のためGIFやガストログラフィン30mlをPEGから注入し腹単を撮影する。
☆代わりのPEGがないときはフォーリーで代用する。
☆フォーリー自己抜去は尿道損傷あれば尿道口から少しずつ血尿が出てくる。尿道狭窄を起こすので再度留置しなおす(留置困難なら翌日泌尿器科consultする。無理に入れないこと)。血尿持続するときは貧血チェックと泌尿器科consult。
☆NGtubeやMtube(Magen tube/胃管、レビン)留置する時は座位、前傾姿勢で行う。(食事を食べるときの姿勢)
☆気管カニューレのカフ圧は25-30mmHg、測定できないときは耳たぶの柔らかさにする。レスピを使っている場合以外は抜けない程度でも良い。あまりカフ圧を上げすぎると気管粘膜の血流障害で潰瘍を起こすことがある(レスピにつないでいないのなら10ccでカフが全開になるのなら6-8ccくらいでもよい)。カフ付き>スピーチカニューレ>高研式>レティナの順に簡便。
☆PEGの自己抜去は瘻孔ができているので、再度入れなおすだけで良い。確認のためGIFやガストログラフィン30mlをPEGから注入し腹単を撮影する。
☆代わりのPEGがないときはフォーリーで代用する。
☆フォーリー自己抜去は尿道損傷あれば尿道口から少しずつ血尿が出てくる。尿道狭窄を起こすので再度留置しなおす(留置困難なら翌日泌尿器科consultする。無理に入れないこと)。血尿持続するときは貧血チェックと泌尿器科consult。
☆NGtubeやMtube(Magen tube/胃管、レビン)留置する時は座位、前傾姿勢で行う。(食事を食べるときの姿勢)
☆気管カニューレのカフ圧は25-30mmHg、測定できないときは耳たぶの柔らかさにする。レスピを使っている場合以外は抜けない程度でも良い。あまりカフ圧を上げすぎると気管粘膜の血流障害で潰瘍を起こすことがある(レスピにつないでいないのなら10ccでカフが全開になるのなら6-8ccくらいでもよい)。カフ付き>スピーチカニューレ>高研式>レティナの順に簡便。
脂質異常
<脂質異常>
・努力目標は、LDL160未満、HDL40以上、TG150未満。冠動脈疾患がある場合はLDL100未満、DM、CKD、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患(PAD)がある場合はLDL120未満とする。
・LDLはFriedewaldの式、LDL=TC-HDL-TG/5から計算する。TGが400以上の場合や食後採血では、この式は使わずに、nonHDL=TC-HDLで代用する。
・nonHDLの努力目標は、冠動脈疾患がある場合は130未満、DM、CKD、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患(PAD)がある場合はLDL150未満とする。
・生活習慣の改善
①禁煙する。受動喫煙を回避する。
②標準体重を維持する。
③肉の脂身、乳製品、卵、トランス脂肪酸が多い菓子類、植物油の過剰摂取を抑える。
④野菜、果物、未精製穀類、海藻、魚、大豆製品の摂取を増やす。
⑤6g/日未満に塩分制限する。
⑥アルコールの過剰摂取を控える(純アルコールで25g/日以下)
⑦有酸素運動を1日30分、週6日以上行う。有酸素運動はウォーキング、社交ダンス、水泳、サイクリングなど。
・薬物療法の注意点
①シンバスタチン、アトルバスタチンはチトクロームP450 3A4で代謝されるので、グレープフルーツを控える。
②陰イオン交換樹脂(クエストラン、コレバイン)は併用薬剤の吸収障害や脂溶性ビタミンの欠乏に注意。
③妊娠中はスタチンやフィブラートの投与は禁忌。
④高LDL、低HDLにはスタチン、陰イオン交換樹脂、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、高TGにはフィブラート系、ニコチン酸誘導体、多価不飽和脂肪酸を使う。
⑤スタチン製剤の横紋筋融解症(筋肉痛や脱力)、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬の肝障害、CK上昇、フィブラート系の横紋筋融解症、ニコチン酸誘導体の顔面紅潮や頭痛、プロブコールのQT延長、多価飽和脂肪酸の出血傾向や発疹といった副作用に注意。
・努力目標は、LDL160未満、HDL40以上、TG150未満。冠動脈疾患がある場合はLDL100未満、DM、CKD、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患(PAD)がある場合はLDL120未満とする。
・LDLはFriedewaldの式、LDL=TC-HDL-TG/5から計算する。TGが400以上の場合や食後採血では、この式は使わずに、nonHDL=TC-HDLで代用する。
・nonHDLの努力目標は、冠動脈疾患がある場合は130未満、DM、CKD、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患(PAD)がある場合はLDL150未満とする。
・生活習慣の改善
①禁煙する。受動喫煙を回避する。
②標準体重を維持する。
③肉の脂身、乳製品、卵、トランス脂肪酸が多い菓子類、植物油の過剰摂取を抑える。
④野菜、果物、未精製穀類、海藻、魚、大豆製品の摂取を増やす。
⑤6g/日未満に塩分制限する。
⑥アルコールの過剰摂取を控える(純アルコールで25g/日以下)
⑦有酸素運動を1日30分、週6日以上行う。有酸素運動はウォーキング、社交ダンス、水泳、サイクリングなど。
・薬物療法の注意点
①シンバスタチン、アトルバスタチンはチトクロームP450 3A4で代謝されるので、グレープフルーツを控える。
②陰イオン交換樹脂(クエストラン、コレバイン)は併用薬剤の吸収障害や脂溶性ビタミンの欠乏に注意。
③妊娠中はスタチンやフィブラートの投与は禁忌。
④高LDL、低HDLにはスタチン、陰イオン交換樹脂、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、高TGにはフィブラート系、ニコチン酸誘導体、多価不飽和脂肪酸を使う。
⑤スタチン製剤の横紋筋融解症(筋肉痛や脱力)、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬の肝障害、CK上昇、フィブラート系の横紋筋融解症、ニコチン酸誘導体の顔面紅潮や頭痛、プロブコールのQT延長、多価飽和脂肪酸の出血傾向や発疹といった副作用に注意。
糖尿病
<糖尿病>
・「血糖高値+HbA1c(NGSP)6.5%以上」、「血糖高値+典型的DM症状」、「血糖高値+DM性網膜症」で確定診断。
・血糖高値:空腹時126、随時200、OGTT2時間値200以上
・どちらか一方の境界型の場合は、食事運動療法をしながら経過フォローし再検。
・急激に発症する1型DMは、HbA1cが8.9%未満、抗GAD抗体もほとんど出現しない。
・HbA1cのコントロール目標は、HbA1cが優6.2未満、良6.9未満、可7.4未満、不可8.4以上。8.4%以上が3ヶ月続くときは専門医紹介。
・高齢者のコントロール指標はHbA1c7-8.4%で良い。低血糖のリスクのほうが高い。
・その他のコントロール目標:BMI22前後、血圧130/80未満、LDL120未満、HDL40以上、TG150未満、nonHDLchoL150未満。冠動脈疾患ある時はLDL100未満、nonHDLchoL150未満
・食事指導のポイント:
①朝、昼、夜を規則正しく食べる。
②間食しない。
③腹8分目。
④食品の種類は多くして、バランスよく食べる。
⑤脂質と塩分を控える。
⑥食物繊維を多く含むもの(野菜、きのこ、海藻)をとる。
⑦「糖尿病食事療法のための食品交換表 第6版」を参照する。
・運動療法のポイント:
①散歩を、1回15-30分、1日2回、約10000歩/日、1週間に3回以上。
②インスリン療法中、SU剤内服中はスティックタイプの砂糖を携帯しておく。
③空腹時血糖250以上、尿ケトン陽性、眼底出血、腎不全、虚血性心疾患、骨関節疾患ある場合は運動は控える。
・薬物療法のポイント
①SU剤は腎機能低下あるときは容量調節する。
②ビグアナイド薬はCr1.2以上、75歳以上は推奨されない。
③単剤投与から開始し、1ヶ月ほどフォローし変更、追加する。
④食後高血糖ではグリニド系かαGIを使う。BMI25以上ではインスリン抵抗改善薬(ビグアナイド薬、チアゾリジン系)を使う。BMI22未満はDPP-4阻害薬、SU剤を使う。
⑤グリニド系、SU剤は低血糖、チアゾリジン系は浮腫や心不全、αGIは肝障害、ビグアナイド薬は乳酸アシドーシスの副作用に注意。
・インスリン療法の実際
・血糖降下薬の効果が乏しく、空腹時CPR0.5ng/ml以下ならインスリン導入を。
・ΔCPRが0.9ng/ml以下ならインスリン分泌能はないためインスリン療法
・ΔCPR=グルカゴン1㎎静注5分後の血中Cペプチド濃度-早朝空腹時の血中Cペプチド濃度
①1日のインスリン総量は体重kgあたり0.1-0.2単位と少なめから開始し、1-2単位ずつ増量する。
②同一部位に注射すると硬結ができて吸収が悪くなるので、注射部位はそのつど変更する。前回の注射部位から2cm程度離す。
③「超速効型を毎食直前3回+持効型を眠前」、「超速効型を毎食直前3回」、「混合型(超速効+中間型)を朝、夕食直前」
④GLP-1受容体作動薬の注射(ビクトーザ1日1回0.9mg皮下注、朝or夕)は専門医と相談。
・糖尿病性網膜症のフォロー間隔は、単純性初期は1年に1回、単純性中期は3-6ヶ月に1回、増殖前期以降は1-2ヶ月に1回。
・糖尿病性腎症の早期診断は尿中Alb排泄量で行う。30mg/gCr以上で早期腎症を疑う。
・糖尿病性神経障害は、両下肢の痺れ、アキレス腱反射低下、振動覚低下(振動させた音叉を内くるぶしに当てて10秒以内の振動覚消失を異常とする)など。アルドース還元酵素阻害薬のキネダックや疼痛にはリリカ、サインバルタ、NSAIDs、メキシチールなどを使う。
・糖尿病性足壊疽予防に、靴下を必ず脱いでもらって、水虫や靴擦れ、怪我がないかを見る。
・「血糖高値+HbA1c(NGSP)6.5%以上」、「血糖高値+典型的DM症状」、「血糖高値+DM性網膜症」で確定診断。
・血糖高値:空腹時126、随時200、OGTT2時間値200以上
・どちらか一方の境界型の場合は、食事運動療法をしながら経過フォローし再検。
・急激に発症する1型DMは、HbA1cが8.9%未満、抗GAD抗体もほとんど出現しない。
・HbA1cのコントロール目標は、HbA1cが優6.2未満、良6.9未満、可7.4未満、不可8.4以上。8.4%以上が3ヶ月続くときは専門医紹介。
・高齢者のコントロール指標はHbA1c7-8.4%で良い。低血糖のリスクのほうが高い。
・その他のコントロール目標:BMI22前後、血圧130/80未満、LDL120未満、HDL40以上、TG150未満、nonHDLchoL150未満。冠動脈疾患ある時はLDL100未満、nonHDLchoL150未満
・食事指導のポイント:
①朝、昼、夜を規則正しく食べる。
②間食しない。
③腹8分目。
④食品の種類は多くして、バランスよく食べる。
⑤脂質と塩分を控える。
⑥食物繊維を多く含むもの(野菜、きのこ、海藻)をとる。
⑦「糖尿病食事療法のための食品交換表 第6版」を参照する。
・運動療法のポイント:
①散歩を、1回15-30分、1日2回、約10000歩/日、1週間に3回以上。
②インスリン療法中、SU剤内服中はスティックタイプの砂糖を携帯しておく。
③空腹時血糖250以上、尿ケトン陽性、眼底出血、腎不全、虚血性心疾患、骨関節疾患ある場合は運動は控える。
・薬物療法のポイント
①SU剤は腎機能低下あるときは容量調節する。
②ビグアナイド薬はCr1.2以上、75歳以上は推奨されない。
③単剤投与から開始し、1ヶ月ほどフォローし変更、追加する。
④食後高血糖ではグリニド系かαGIを使う。BMI25以上ではインスリン抵抗改善薬(ビグアナイド薬、チアゾリジン系)を使う。BMI22未満はDPP-4阻害薬、SU剤を使う。
⑤グリニド系、SU剤は低血糖、チアゾリジン系は浮腫や心不全、αGIは肝障害、ビグアナイド薬は乳酸アシドーシスの副作用に注意。
・インスリン療法の実際
・血糖降下薬の効果が乏しく、空腹時CPR0.5ng/ml以下ならインスリン導入を。
・ΔCPRが0.9ng/ml以下ならインスリン分泌能はないためインスリン療法
・ΔCPR=グルカゴン1㎎静注5分後の血中Cペプチド濃度-早朝空腹時の血中Cペプチド濃度
①1日のインスリン総量は体重kgあたり0.1-0.2単位と少なめから開始し、1-2単位ずつ増量する。
②同一部位に注射すると硬結ができて吸収が悪くなるので、注射部位はそのつど変更する。前回の注射部位から2cm程度離す。
③「超速効型を毎食直前3回+持効型を眠前」、「超速効型を毎食直前3回」、「混合型(超速効+中間型)を朝、夕食直前」
④GLP-1受容体作動薬の注射(ビクトーザ1日1回0.9mg皮下注、朝or夕)は専門医と相談。
・糖尿病性網膜症のフォロー間隔は、単純性初期は1年に1回、単純性中期は3-6ヶ月に1回、増殖前期以降は1-2ヶ月に1回。
・糖尿病性腎症の早期診断は尿中Alb排泄量で行う。30mg/gCr以上で早期腎症を疑う。
・糖尿病性神経障害は、両下肢の痺れ、アキレス腱反射低下、振動覚低下(振動させた音叉を内くるぶしに当てて10秒以内の振動覚消失を異常とする)など。アルドース還元酵素阻害薬のキネダックや疼痛にはリリカ、サインバルタ、NSAIDs、メキシチールなどを使う。
・糖尿病性足壊疽予防に、靴下を必ず脱いでもらって、水虫や靴擦れ、怪我がないかを見る。